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更新日付:2024年9月24日 漁港漁場整備課
申請に対する処分に関する審査基準・標準処理期間(漁港及び漁場の整備等に関する法律)
申請に対する処分に関する審査基準・標準処理期間
根拠法令の名称 | 根拠法令の条項 | 許認可等の種類 | 経由機関 | 処分権者 |
---|---|---|---|---|
漁港及び漁場の整備等に関する法律 | 第39条第1項 | 漁港区域内の水域、公共空地における風力発電施設の設置に関する許可 | 地域県民局長(東青・三八・下北・西北地方水産事務所) | 知事(漁港漁場整備課) |
審査基準
設定:令和6年9月17日
最終改定:
漁港区域の水域等に風力発電施設を設置しようとする許可申請があった場合、県においては、「漁港区域への風力発電施設の設置に関する漁港管理者向けガイドライン(令和6年7月5日付け6水港第1010号水産庁漁港漁場整備部計画課長通知)」において、風力発電施設は、長期間に亘って漁港区域の水域等を占用することから、設置の検討段階から占用等の許可の申請に至るまでのプロセスとして、利害関係者を含む多数の関係者間において十分に意見調整がなされ、合意形成が図られることが必要であるとされたことを踏まえ、地域の合意形成の状況についても十分に勘案の上、下記の審査基準により審査を行うものであること。
1 占用等の許可の期間
許可の期間は、原則として10年以内とし、漁港区域の状況、占用の態様等を踏まえて、適正なものであること。
2 風力発電施設について
風力発電施設は、漁港の利用及び保全の観点から、次のとおり、安全性が確保され、危険の発生を防止するとともに、水産業の健全な発展と調和をとることができるものであること。
(1)事業の公益性、確実性等
ア 風力発電事業を遂行するための申請者の資力、信用及び海洋土木工事の実績(漁港等土木工事、漁港等浚 渫工事又は漁港等鋼構造物工事に該当する工事)、関係法令の許認可(建築確認含む。)の取得又はその見込み及び電力の用途(発生電力の全部又は一部が水産業又は一般の需要に応じた電気の供給の用に供されること)など、事業の公益性及び事業実施の確実性が確保されていること。
イ 申請者の資力及び信用に応じた風力発電施設の保守点検、維持管理、撤去及び原状回復に係る適切な計画が策定されていることなど、事業の廃止、占用許可の期間満了時等における風力発電施設の撤去及び原状回復が適切に行われることが確実であること。
上記、ア、イの条件の審査に当たっては、以下の1)、2)について確認する。
1) 風力発電施設の保守点検・維持管理の計画の策定及び実施体制の構築
・ 風力発電施設の性能低下、運転停止等の設備の不具合及び破損等に起因する第三者への被害を未然に防ぐため、計画段階において、風力発電施設の定期的な巡視や保守点検及び維持管理に係る適切な計画が策定され、また実施体制が構築されていること。
・ 事業者は、落雷・暴風・地震等により風力発電施設に異常をきたすことが想定される場合に、風車の回転を止める等の危険防止措置や事前の点検等を行うなど非常時に求められる対処を講じることとなっていること。被害が発生し損害賠償を負う場合、適切な対応を行うこととなっていること。
・ 事故が発生した場合には、事業者において原因究明及び再発防止策を講じることとなっていること。
2) 風力発電施設の撤去及び処分の計画の策定
・ 風力発電施設を撤去するまでの期間は、風車の倒壊等による周辺への危険がないよう適切に管理を行い、速やかに撤去することとなっていること。
・ 適切な撤去及び処分の実施方法や廃棄等費用の算定をした上で事業計画等が策定されていること。
・ 継続的に積立てをする等、廃棄等費用が適切に確保することとなっていること。
(2)風力発電施設の設計及び施工の安全性
ア 日本産業規格JIS-C1400-1に定める風車規格のクラスが、風力発電施設の設置場所で想定される風速(日本型風力発電ガイドライン台風・乱流対策編(平成20年3月独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)5.1に定める極値風速等)に応じた適切なものとなっていること。
イ 施設構造の概略(標準的な平面図、立面図、断面図、諸元、数量)及び地震、波浪等に関する設計条件が明らかであるとともに、地震、波浪、潮流その他の作用に対し、風力発電施設が安全な構造であること。
上記、ア、イの条件の審査に当たっては、以下の1)、2)について確認する。
1) 施工計画の概略及び工事の時期・工程が明らかであるとともに、風況、地盤調査等の自然環境に関する調査結果の報告・情報の提供時期、内容、方法が具体的に示されていること。
2) 新たな技術的知見や技術革新等により工事方法等の変更が妥当な場合は、施工計画の見直しを行い施設の安全性向上に努めていること。
(3)風力発電施設の設置による漁港の利用又は保全への影響
ア 漁港施設の維持、管理及び利用に支障を与えないこと。
イ 漁船等の航行、停泊、作業に支障を与えないこと。
ウ 漁港区域内の環境(砂の移動、静穏度等)に支障を与えないこと。
エ 漁港区域内における漁業活動に支障を与えないこと。
オ ブルーカーボンにも資する藻場・干潟の保全等の活動に支障を与えないこと。
カ 漁港施設の災害対策(地震・津波対策、波浪対策、災害時の漁港の離島航路等の啓開、漁港利用者等の避難及び避難情報の伝達等)に支障を与えないこと。
キ 海業の推進等による漁村振興の取組の実施に支障を与えないこと。
ク その他漁港の利用及び保全に著しい支障を与えないこと。
(4)風力発電施設の設置による漁港の整備等への影響
ア 漁港漁場整備事業の実施及び今後の事業計画の立案等に支障を与えないこと。
イ 他の公共性の高い事業のための占用等の計画に支障を与えないものであること。
(5)景観及び環境との調整
景観及び環境に関し、以下に掲げる条件を満たすこと。
ア 景観法(平成16年法律第110号)第8条第2項第4号ロに規定する景観重要公共施設である漁港については、景観計画に定められた占用等の許可の基準に適合すること。
イ 文化財保護法(昭和25年法律第214号)に規定する名勝、自然公園法(昭和32年法律第161号)に規定する特別保護地区若しくは海域公園地区又は自然公園法施行規則(昭和32年厚生省令第41号)に規定する第1種特別地域その他良好な景観を保全すべき場所に設置するものでないこと。
ウ イの地域以外の場所に設置する場合にあっては、周囲の景観と調和が図られているものであること。
エ 風力発電施設の設置により、漁場の自然環境や生物の生育環境に著しい支障を与えないこと。
オ 風力発電施設の設置により、漁港区域内の漁業者等の労働環境や住民の生活環境に支障を与えないこと。
カ その他漁港の環境の保全に著しい支障を与えないこと。
上記、ウからカまでの条件の審査に当たっては、環境影響評価法(平成9年法律第81号)又は青森県環境影響評価条例(平成11年12月青森県条例第56号)により当該項目について環境影響評価が実施されているものにあっては、同法又は同条例に基づく環境影響評価の結果をもとに判断し、それ以外のものにあっては、新エネルギー・産業技術総合開発機構が発行する「環境影響評価手法に係る事例のまとめ」(3.2環境影響評価書の参考となる事例)、環境省が発行する「風力発電所の環境影響評価のポイントと参考事例」(平成25年6月環境省総合環境政策局環境影響評価環境影響審査室)による環境影響評価の結果等をもとに判断する。
1 占用等の許可の期間
許可の期間は、原則として10年以内とし、漁港区域の状況、占用の態様等を踏まえて、適正なものであること。
2 風力発電施設について
風力発電施設は、漁港の利用及び保全の観点から、次のとおり、安全性が確保され、危険の発生を防止するとともに、水産業の健全な発展と調和をとることができるものであること。
(1)事業の公益性、確実性等
ア 風力発電事業を遂行するための申請者の資力、信用及び海洋土木工事の実績(漁港等土木工事、漁港等浚 渫工事又は漁港等鋼構造物工事に該当する工事)、関係法令の許認可(建築確認含む。)の取得又はその見込み及び電力の用途(発生電力の全部又は一部が水産業又は一般の需要に応じた電気の供給の用に供されること)など、事業の公益性及び事業実施の確実性が確保されていること。
イ 申請者の資力及び信用に応じた風力発電施設の保守点検、維持管理、撤去及び原状回復に係る適切な計画が策定されていることなど、事業の廃止、占用許可の期間満了時等における風力発電施設の撤去及び原状回復が適切に行われることが確実であること。
上記、ア、イの条件の審査に当たっては、以下の1)、2)について確認する。
1) 風力発電施設の保守点検・維持管理の計画の策定及び実施体制の構築
・ 風力発電施設の性能低下、運転停止等の設備の不具合及び破損等に起因する第三者への被害を未然に防ぐため、計画段階において、風力発電施設の定期的な巡視や保守点検及び維持管理に係る適切な計画が策定され、また実施体制が構築されていること。
・ 事業者は、落雷・暴風・地震等により風力発電施設に異常をきたすことが想定される場合に、風車の回転を止める等の危険防止措置や事前の点検等を行うなど非常時に求められる対処を講じることとなっていること。被害が発生し損害賠償を負う場合、適切な対応を行うこととなっていること。
・ 事故が発生した場合には、事業者において原因究明及び再発防止策を講じることとなっていること。
2) 風力発電施設の撤去及び処分の計画の策定
・ 風力発電施設を撤去するまでの期間は、風車の倒壊等による周辺への危険がないよう適切に管理を行い、速やかに撤去することとなっていること。
・ 適切な撤去及び処分の実施方法や廃棄等費用の算定をした上で事業計画等が策定されていること。
・ 継続的に積立てをする等、廃棄等費用が適切に確保することとなっていること。
(2)風力発電施設の設計及び施工の安全性
ア 日本産業規格JIS-C1400-1に定める風車規格のクラスが、風力発電施設の設置場所で想定される風速(日本型風力発電ガイドライン台風・乱流対策編(平成20年3月独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)5.1に定める極値風速等)に応じた適切なものとなっていること。
イ 施設構造の概略(標準的な平面図、立面図、断面図、諸元、数量)及び地震、波浪等に関する設計条件が明らかであるとともに、地震、波浪、潮流その他の作用に対し、風力発電施設が安全な構造であること。
上記、ア、イの条件の審査に当たっては、以下の1)、2)について確認する。
1) 施工計画の概略及び工事の時期・工程が明らかであるとともに、風況、地盤調査等の自然環境に関する調査結果の報告・情報の提供時期、内容、方法が具体的に示されていること。
2) 新たな技術的知見や技術革新等により工事方法等の変更が妥当な場合は、施工計画の見直しを行い施設の安全性向上に努めていること。
(3)風力発電施設の設置による漁港の利用又は保全への影響
ア 漁港施設の維持、管理及び利用に支障を与えないこと。
イ 漁船等の航行、停泊、作業に支障を与えないこと。
ウ 漁港区域内の環境(砂の移動、静穏度等)に支障を与えないこと。
エ 漁港区域内における漁業活動に支障を与えないこと。
オ ブルーカーボンにも資する藻場・干潟の保全等の活動に支障を与えないこと。
カ 漁港施設の災害対策(地震・津波対策、波浪対策、災害時の漁港の離島航路等の啓開、漁港利用者等の避難及び避難情報の伝達等)に支障を与えないこと。
キ 海業の推進等による漁村振興の取組の実施に支障を与えないこと。
ク その他漁港の利用及び保全に著しい支障を与えないこと。
(4)風力発電施設の設置による漁港の整備等への影響
ア 漁港漁場整備事業の実施及び今後の事業計画の立案等に支障を与えないこと。
イ 他の公共性の高い事業のための占用等の計画に支障を与えないものであること。
(5)景観及び環境との調整
景観及び環境に関し、以下に掲げる条件を満たすこと。
ア 景観法(平成16年法律第110号)第8条第2項第4号ロに規定する景観重要公共施設である漁港については、景観計画に定められた占用等の許可の基準に適合すること。
イ 文化財保護法(昭和25年法律第214号)に規定する名勝、自然公園法(昭和32年法律第161号)に規定する特別保護地区若しくは海域公園地区又は自然公園法施行規則(昭和32年厚生省令第41号)に規定する第1種特別地域その他良好な景観を保全すべき場所に設置するものでないこと。
ウ イの地域以外の場所に設置する場合にあっては、周囲の景観と調和が図られているものであること。
エ 風力発電施設の設置により、漁場の自然環境や生物の生育環境に著しい支障を与えないこと。
オ 風力発電施設の設置により、漁港区域内の漁業者等の労働環境や住民の生活環境に支障を与えないこと。
カ その他漁港の環境の保全に著しい支障を与えないこと。
上記、ウからカまでの条件の審査に当たっては、環境影響評価法(平成9年法律第81号)又は青森県環境影響評価条例(平成11年12月青森県条例第56号)により当該項目について環境影響評価が実施されているものにあっては、同法又は同条例に基づく環境影響評価の結果をもとに判断し、それ以外のものにあっては、新エネルギー・産業技術総合開発機構が発行する「環境影響評価手法に係る事例のまとめ」(3.2環境影響評価書の参考となる事例)、環境省が発行する「風力発電所の環境影響評価のポイントと参考事例」(平成25年6月環境省総合環境政策局環境影響評価環境影響審査室)による環境影響評価の結果等をもとに判断する。
根拠条文等
根拠法令
漁港及び漁場の整備等に関する法律
(漁港の保全)
第39条第1項
漁港の区域内の水域又は公共空地において、工作物の建設若しくは改良(水面又は土地の占用を伴うものを除く。)、土砂の採取、土地の掘削若しくは盛土、汚水の放流若しくは汚物の放棄又は水面若しくは土地の一部の占用(公有水面の埋立てによる場合を除く。)をしようとする者は、漁港管理者の許可を受けなければならない。ただし、特定漁港漁場整備事業計画若しくは漁港管理規程によってする行為、第44条第1項に規定する認定計画(第42条第2項第2号及び第3号に掲げる事項(水面又は土地の占用に係るものに限る。)、同条第4項第2号に掲げる事項又は第50条第1項各号に掲げる事項が定められたものに限る。)に従ってする行為又は農林水産省令で定める軽易な行為については、この限りでない。
第39条第1項
漁港の区域内の水域又は公共空地において、工作物の建設若しくは改良(水面又は土地の占用を伴うものを除く。)、土砂の採取、土地の掘削若しくは盛土、汚水の放流若しくは汚物の放棄又は水面若しくは土地の一部の占用(公有水面の埋立てによる場合を除く。)をしようとする者は、漁港管理者の許可を受けなければならない。ただし、特定漁港漁場整備事業計画若しくは漁港管理規程によってする行為、第44条第1項に規定する認定計画(第42条第2項第2号及び第3号に掲げる事項(水面又は土地の占用に係るものに限る。)、同条第4項第2号に掲げる事項又は第50条第1項各号に掲げる事項が定められたものに限る。)に従ってする行為又は農林水産省令で定める軽易な行為については、この限りでない。
基準法令
漁港及び漁場の整備等に関する法律
(漁港の保全)
第39条第2項
漁港管理者は、前項の許可の申請に係る行為が特定漁港漁場整備事業の施行又は漁港の利用を著しく阻害し、その他漁港の保全に著しく支障を与えるものでない限り、同項の許可をしなければならない。
第39条第2項
漁港管理者は、前項の許可の申請に係る行為が特定漁港漁場整備事業の施行又は漁港の利用を著しく阻害し、その他漁港の保全に著しく支障を与えるものでない限り、同項の許可をしなければならない。
関連行政指導事項
○関係通知
「漁港区域への風力発電施設の設置に関する漁港管理者向けガイドライン」
(令和6年7月5日付け6水港第1010号水産庁漁港漁場整備部計画課長通知)
3.多様な関係者との合意形成の必要性
漁港区域の水域等に風力発電施設を設置しようとする場合、漁港管理者による占用等の許可が必要になる。風力発電施設は、長期間に亘って漁港区域の水域等を占用することから、設置の検討段階から占用等の許可の申請に至るまでのプロセスとして、利害関係者を含む多数の関係者間において十分に意見調整がなされ、合意形成が図られることが必要である。
風力発電施設の設置の検討段階から、地域の多様な関係者が参画して合意形成を図る 意義については、 以下の点を挙げることができる。
(1)漁港管理者、関係都道府県、関係市町村、事業者、 漁業関係者(水産業協同組合、漁業者、水産業に関する団体)、漁港周辺の地域住民等とのネットワークができる。
(2)漁港管理者は、水産業の健全な発展への知見を踏まえ、漁港の現状及び将来的な展望等を見据えて漁業根拠地としての漁港の機能が確保されるかという観点から検討し議論を行うことができる。
(3)漁業関係者や地域住民等、 風力発電施設の設置の影響を受ける可能性がある者の 懸念を具体的に把握し、その懸念を払拭するための議論を行うことができる。
(4)風力発電施設を設置しようとする事業者(風力発電施設を設置しようとする事業 者が複数いる場合は複数事業者が参加)は、漁港の意義を理解する機会を持つことができ、漁業根拠地としての漁港の役割、漁業との共存及び漁業への影響を意識しながら、風力発電施設の設置について、調査の内容及び整備の内容を検討し進めることができる。
(5)関係都道府県や関係市町村は、協議会等を構成する者に対して、漁業調整や漁港漁場整備等の観点から調整が必須である事項等について情報提供や助言をすることができる。
(6)風力発電施設の設置の影響を受ける可能性がある者が、二以上の都道府県又は市町村の場合にあっては、当該都道府県又は当該市町村等、その他必要と認める者を 含めることにより、トラブルの未然防止を図ることができる。
上述の意義を踏まえれば、漁港区域に風力発電施設を設置する場合には、漁港区域における風力発電施設の設置のあり方や具体的な方法等の検討段階から、漁港区域で風力 発電施設を設置しようとする事業者、関係都道府県、関係市町村、漁業関係者(水産業協同組合、漁業者、水産業に関する団体)、漁港周辺の地域住民、学識経験者、漁港管理者等、地域の実情に応じ、必要な知見を有する関係者が一堂に会した『透明性を持って協議する場』としての協議会等を設置し、丁寧な合意形成のプロセスが確保されることが必要である。
協議会等の設置主体については、漁港区域で風力発電施設を設置しようとする事業者(場合によっては関係都道府県又は関係市町村)となることが一般的であるが、漁港管理者も漁港の維持、保全及び運営その他漁港の維持管理の観点から参画することが望ましい。
漁港区域の水域等に風力発電施設を設置しようとする場合、漁港管理者による占用等の許可が必要になる。風力発電施設は、長期間に亘って漁港区域の水域等を占用することから、設置の検討段階から占用等の許可の申請に至るまでのプロセスとして、利害関係者を含む多数の関係者間において十分に意見調整がなされ、合意形成が図られることが必要である。
風力発電施設の設置の検討段階から、地域の多様な関係者が参画して合意形成を図る 意義については、 以下の点を挙げることができる。
(1)漁港管理者、関係都道府県、関係市町村、事業者、 漁業関係者(水産業協同組合、漁業者、水産業に関する団体)、漁港周辺の地域住民等とのネットワークができる。
(2)漁港管理者は、水産業の健全な発展への知見を踏まえ、漁港の現状及び将来的な展望等を見据えて漁業根拠地としての漁港の機能が確保されるかという観点から検討し議論を行うことができる。
(3)漁業関係者や地域住民等、 風力発電施設の設置の影響を受ける可能性がある者の 懸念を具体的に把握し、その懸念を払拭するための議論を行うことができる。
(4)風力発電施設を設置しようとする事業者(風力発電施設を設置しようとする事業 者が複数いる場合は複数事業者が参加)は、漁港の意義を理解する機会を持つことができ、漁業根拠地としての漁港の役割、漁業との共存及び漁業への影響を意識しながら、風力発電施設の設置について、調査の内容及び整備の内容を検討し進めることができる。
(5)関係都道府県や関係市町村は、協議会等を構成する者に対して、漁業調整や漁港漁場整備等の観点から調整が必須である事項等について情報提供や助言をすることができる。
(6)風力発電施設の設置の影響を受ける可能性がある者が、二以上の都道府県又は市町村の場合にあっては、当該都道府県又は当該市町村等、その他必要と認める者を 含めることにより、トラブルの未然防止を図ることができる。
上述の意義を踏まえれば、漁港区域に風力発電施設を設置する場合には、漁港区域における風力発電施設の設置のあり方や具体的な方法等の検討段階から、漁港区域で風力 発電施設を設置しようとする事業者、関係都道府県、関係市町村、漁業関係者(水産業協同組合、漁業者、水産業に関する団体)、漁港周辺の地域住民、学識経験者、漁港管理者等、地域の実情に応じ、必要な知見を有する関係者が一堂に会した『透明性を持って協議する場』としての協議会等を設置し、丁寧な合意形成のプロセスが確保されることが必要である。
協議会等の設置主体については、漁港区域で風力発電施設を設置しようとする事業者(場合によっては関係都道府県又は関係市町村)となることが一般的であるが、漁港管理者も漁港の維持、保全及び運営その他漁港の維持管理の観点から参画することが望ましい。
標準処理期間
経由機関での期間 | |
処理機関での期間 | |
うち協議機関での期間 | |
計 |