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臨時会見/日本原燃株式会社使用済燃料搬入再開
会見日時:平成16年4月28日(水)17:00〜17:30
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事
○幹事社
4月の幹事社でございます。それでは記者会見、知事の方からよろしくお願いいたします。
○知事
若干資料もお配りしていると思いますが、長くなりますが、きちんと読まさせていただきます。
平成14年2月に使用済燃料受入れ貯蔵施設において確認されたプール水漏えいに端を発した、一連のプール水漏えい問題について、漏えい原因の究明及び溶接線の点検の結果、291箇所にものぼる多大な施工上問題のある溶接箇所が確認されたこと、また、この溶接線点検中の聞き取り調査において埋込金物のスタッドジベルが切断されていることが確認されたこと、また、化学試験中のウラン脱硝建屋において耐硝酸性でないシール部材が使用されていたことから硝酸漏れが起こったこと、ひいては日本原燃株式会社自らが品質保証体制の点検をも行わざるを得なくなったことは、県民の安全と安心の確保上大きな問題であり、県としては極めて遺憾であります。
日本原燃株式会社では、これら一連の問題について所要の点検・補修を実施してきたところであり、その結果については、本年3月31日に県に対し、日本原燃株式会社佐々木社長より、
・施工上問題のある溶接箇所が見つかった使用済燃料受入れ貯蔵施設の補修を行い、平成16年1月28日、国から使用前検査の合格証が交付され、健全なものに復旧したこと。
・品質保証体制点検については、「設備及び建物の健全性の確認」を書類点検、現品点検で行い、施設全体の健全性に問題のないことを確認したこと。また、品質保証体制については、反省点が5点抽出され、社長自らが先頭に立って全社を挙げて改善に取り組み、県民の信頼回復に最大限の努力をすること。
との報告があったところであります。
また、国(原子力安全・保安院)においては、日本原燃株式会社の品質保証体制が不十分であると判断し、同社の品質保証体制について点検するため、総合資源エネルギー調査会に「六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会」を設置し、同社の品質保証体制点検計画やその結果について、検討してきたところであります。
この検討会における審議を経て、去る3月31日、国の評価がとりまとめられ、日本原燃株式会社に示されたところであり、これについては、翌4月1日に県に対し、原子力安全・保安院の薦田審議官より、
・日本原燃株式会社が実施した点検・補修等は妥当であり、再処理施設の設備等の健全性は確認されたが、品質保証体制については、改善すべき点があり、今後改善策が確実に実行され、それをフォローアップしていく必要がある。
との報告があったところです。
私としては、日本原燃株式会社が実施した点検・補修結果及びそれに対する国の評価が示されたことから、県民を代表する県議会、各地域住民の代表である市町村長並びに青森県原子力政策懇話会のご意見を伺う必要があると判断し、4月2日には、六ヶ所再処理施設総点検に係る県議会議員説明会を開催するとともに、同7日開催した県議会全員協議会においては、
・日本原燃株式会社が総点検を行い、また、国による評価も行われ、社長自らがこれからの操業に向けた品質保証体制を確立していくという決意を明らかにしたことは評価している。
・原子力施設の安全性について、国が責任ある立場で指導・監督して行く必要がある。
・日本原燃株式会社においては、放射性物質に関わる部分のみではなく、それ以外の部分についても、万全の品質保証体制を構築するべきである。
・原子力産業に従事する人のモラル面を含めた人材育成に努める必要がある。
・今般の一連の問題について、県民向けの説明会を開催すべきである。
等のご意見をいただいたところであります。
また、4月12日には、周辺市町村長会議、全市町村長会議を開催したところであり、周辺市町村長会議においては、
・周辺市町村においては、地域振興に寄与することを前提に事業に協力してきたところであるが、地域振興に寄与しているからよいというのではなく、安全確保を第一義に事業を進めて欲しい。
・国及び日本原燃株式会社がいろいろな改善策を講じており、その対応については、評価できるものと考えている。
・今の改善策は完全なものでないと考え、いろいろなことを検討しながら、さらに充実していくことが必要。
・地域住民にとって、安全・安心が第一であり、万が一の事故が起きた時の防災対策についても、地域住民に説明して欲しい。
など。
全市町村長会議においては、
・プールの漏水問題については、原子力産業内の企業倫理の欠如があったのではないかと考える。
・こういった問題を解決するために、安全規制を行う独立した第三者機関を設置して、徹底的に評価・検討する必要がある。
・社員の倫理観というものも大事であるが、相互の牽制体制をきちんとしていただきたい。
・原子力を進めるに当たっては、情報公開や事業の透明度を図ることにより、国民の理解を深めながら進めていくことが重要である。
等のご意見をいただいたところです。
4月8日及び14日には、青森県原子力政策懇話会を開催したところであり、
・プールは不備がなく、使用済燃料の受入れに問題はないと考える。
・日本原燃株式会社がどのように技術力を伸ばすか厳しく見続けたい。
・不具合やトラブルが発生するという前提で事前に改善策を講じていくことが重要であり、その状況を県民に説明しなければならない。
・万が一事故が起こった場合の防災対策を念頭に置いて欲しい。
・この問題について、県民向けの説明会を開催すべきである。
等のご意見をいただいたところです。
また、4月13日の参議院経済産業委員会においては有馬朗人議員の「国は、今後どのように日本原燃株式会社をチェックし、施設の健全性を確認していくのか」という質問に対し、原子力安全・保安院の佐々木保安院長から、「同社の品質保証体制に関する改善策が適切に実施されていることを、保安検査を通じて確認していくことにする。」旨の答弁があり、また、「国は、地元住民の不安・不信の解消のため、事業者をしっかり指導、監督していただきたい。」という質問に対し、中川経済産業大臣から、「2度とこういうことがないよう、我々も新たな決意を持ち、地元と連絡を取りながら、信頼関係の構築の上に立ったエネルギー行政を進めて行きたい。」旨の答弁があり、さらには、「今後とも核燃料サイクルを堅持するのか」という質問に対し、中川経済産業大臣は、「安全性と関係者の皆さんのご理解、信頼を前提として、プルトニウムを核燃料サイクルの中に位置づけていくことは非常に大事なことだと思っている。」旨の答弁があったと聞いているところです。
また、県議会会派のうち、4月23日には、自由民主党及び新政会から、同26日には、公明・健政会から、
・使用済燃料受入れ貯蔵施設の健全性が確認されたことから、使用済燃料の搬入の再開を容認すること。
・今後行われる予定の再処理施設の各種試験について、県としても十分安全性を確認し、対応を適時適切に進めること。
・国の核燃料サイクル政策に変更がないことを、再度確認すること。
等のご意見が提出されました。
また、4月23日には、日本共産党青森県議団から、
・使用済燃料の搬入を再開すべきではない。
旨の申し入れがありました。
また、その他一部の団体から、
・使用済燃料の搬入を再開すべきではない。
等の申し入れがありました。
一方、私としては、国等に対し、
・核燃料サイクル政策について
・プルサーマル計画について
・六ヶ所再処理施設の安全規制の強化及び信頼回復について
・原子力産業従事者のモラルの向上及び人材育成について
・核燃料サイクルに係る研究開発の推進について
の5点について確認する必要があると考え、4月16日には近藤原子力委員会委員長及び藤電気事業連合会会長に、4月26日には茂木科学技術政策担当大臣、中川経済産業大臣、河村文部科学大臣、さらに福田内閣官房長官にお会いし、確認いたしました。
近藤委員長からは、
・使用済燃料を再処理して、プルトニウム等を利用する核燃料サイクルについては、我が国原子力政策の基本であり、原子力委員会の説明責任として国民の理解活動に取り組んでいる。
・プルサーマルについて、核燃料サイクルの柱として政府として取り組むのは適切である。
・六ヶ所再処理施設の信頼回復については、地域社会への丁寧な説明が必要であり、原子力委員会として、青森での公開討論会や核燃料サイクルを語る会を開催してきている。
・原子力産業従事者のモラルの向上及び人材育成については、大学の工学部のカリキュラムに倫理が追加されているほか、技術士試験に「原子力・放射線」部門が設置されるなどの取組みがなされている。事業者の教育訓練・社内資格については技術的能力の担保という観点から非常に重要であり、事業者・規制当局の取組みを監視していきたい。
とのご発言がありました。
藤電気事業連合会会長からは、
・原子燃料サイクルを推進し、プルサーマルの実現を目指すという基本的な考え方に電気事業者として変わりがなく、六ヶ所の原子燃料サイクル事業について、安全確保を大前提に、着実に取り組んでまいる。
・プルサーマルについて、電気事業者としては、2010年度まで合計16〜18基の導入を目指して取り組むこととしており、この計画の実施に業界をあげて不退転の決意で臨んでいる。
・六ヶ所再処理施設の信頼回復については、「あいた信頼の穴はステンレスの板では埋められない」との言葉を肝に命じ、電気事業者としても、日本原燃株式会社の広報・広聴活動や迅速で分かりやすい情報公開に一体となって取り組んでいく。
・原子力産業従事者のモラルの向上及び人材育成については、各社において従事者のモラル向上や人材育成を図るべく積極的に取り組んでいる。
・また、電気事業者としては、安全確保を大前提に、県民の理解を得ながら、原子燃料サイクル事業を着実に進め、日本原燃株式会社が地元の会社として地域から信頼が得られるよう、日本原燃株式会社と一体となって業界の総力をあげて取り組んでまいる。
とのご発言がありました。
茂木科学技術政策担当大臣からは、
・核燃料サイクル政策については、エネルギーの安全供給の確保、環境負荷の低減の観点から原子力政策の基本として政府一体として取り組む方針は変わっていない。
・プルサーマル計画について、原子力委員会においては、この計画の円滑な実施に向け、地元の方々の信頼の回復を図るため、「核燃料サイクルについて語る会」など地元住民の方々との直接の対話を実施してきている。
・六ヶ所再処理施設の安全規制の強化及び信頼回復については、各試験における安全確保の経験を確実に次の段階に活かしていくことが重要であり、原子力安全委員会に対し、再処理施設の安全確保について十分な対応をするよう、指示したところである。
とのご発言がありました。
中川経済産業大臣からは、
・核燃料サイクル政策の確立については、原子力政策の基本であり、昨年10月に閣議決定されたエネルギー基本計画においても、核燃料サイクル政策を推進することを国の基本的考え方としている。安全性と地元の理解を前提に、政府一体として推進していく。
・プルサーマル計画については、電気事業者が2010年度までに16〜18基にプルサーマルを導入する計画であり、国としてもその方針であることに変わりない。
・六ヶ所再処理施設の安全規制の強化及び信頼回復については、国として再処理施設の健全性を確認したところであり、さらに、地元の信頼回復に最善を尽くすよう、日本原燃株式会社の品質保証体制の改善策の実施状況については、六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会での審議や保安検査での確認を通じてフォローアップしていく。また、国としても、地元の目線に立った分かりやすい言葉での広報活動を責任を持って行う。
・原子力産業従事者のモラルの向上及び人材育成については、日本原燃株式会社において、社員の質の向上、モラル、責任の自覚というものが一層厳しく求められており、国として、品質保証活動や保安教育の実施状況等を保安検査で厳しくチェックすることで対応したい。
とのご発言がありました。
河村文部科学大臣からは、
・核燃料サイクルの確立は、国の原子力政策の基本であり、今後も政府一体となって取り組むことに変わりはない。安全確保を大前提として、高速増殖炉や核燃料サイクル技術の研究開発は着実に取り組みたい。
・核燃料サイクルの研究開発の推進について、使用済燃料の再処理や放射性廃棄物の処理処分等の核燃料サイクルに関連する研究開発を着実に実施している。また、財団法人環境科学技術研究所については、今後とも、地域に根ざした研究を実施し、多くの研究成果を挙げるよう積極的に支援してまいる。
とのご発言がありました。
福田内閣官房長官からは、
・プルサーマルを含む核燃料サイクル政策の確立は、我が国原子力政策の基本であり、昨年10月に閣議決定されたエネルギー基本計画においても、「核燃料サイクル政策を推進することを国の基本的考え方」として明記している。安全確保を前提に、国民、住民の皆様のご理解とご協力を得ながら、政府一体となって着実に推進していくという方針に変わりはない。
・六ヶ所再処理施設の安全規制の強化及び信頼回復については、本件問題の原因究明と再発防止に関し、経済産業省で積極的な取組みがなされてきたと承知している。今後も、経済産業省では、日本原燃株式会社の品質保証体制の改善状況を適確に指導・監督し、従来にも増して再処理施設の安全確保に万全を期していくと聞いている。
また、日本原燃株式会社は、地域の目線に立った、実のあるコミュニケーションを重ねる必要があり、経済産業省では同社の取組みを適切に指導していくこととしているようであるが、原子力施設に関して地元のご理解をいただくことに関しては、政府としても一体となって取り組むことが必要と考えている。
とのご発言がありました。
今回、私としては、福田内閣官房長官をはじめとする関係閣僚等から、プルサーマルを含む核燃料サイクル政策の確立について原子力政策の基本であることには変更がなく、引き続き、政府一体として着実に取り組むとの国としての強い決意を確認できたところであります。
また、電気事業連合会として、プルサーマル計画の実施に業界をあげて不退転の決意で臨んでいるとの強い姿勢を確認できました。
また、六ヶ所再処理施設の安全性及び信頼回復については、国として再処理施設の健全性を確認しており、さらに、日本原燃株式会社の品質保証体制の改善策の実施状況を厳しくチェックし、安全確保に万全を期していく、信頼回復のため政府一体となって取り組むとの強い姿勢、また、電力業界として信頼回復に向けて取り組むとの強い姿勢を確認いたしました。従事者のモラルの向上や人材育成については、国及び事業者ともその重要性を十分に踏まえた取組みを行っていくことが確認できたところです。
また、私どもの原子力施設安全検証室からは、日本原燃株式会社の再処理施設品質保証体制点検結果報告書及び同報告書に対する国の評価について、
・青森県原子力政策懇話会において、再処理施設の設備及び建物の健全性については評価する旨のご意見が多くだされたこと、更には4回にわたる施設現場における点検補修及び品質保証体制の状況等に係る確認等を勘案すれば、再処理施設の設備及び建物の健全性に関する国の評価については理解できる。
との報告を受けたところです。
さらに、昨日及び本日、三役・関係部局長会議を開催し、それぞれの意見・考えを出してもらうとともに、あらためて六ヶ所村長の意向を確認するなど、慎重な上にも慎重に手順を踏んで対応してきたところであります。
そこで先程ご出席いただいたと思いますが、私としては、これまでいただいた数々のご意見や国からの確認状況を踏まえ、熟慮してきたところであり、その上で、次の5項目について、私から、日本原燃株式会社佐々木社長に対し強く求めたところであります。
・ひとつは、品質保証体制の確立に係る改善策の実行を担保するための、常設の第三者外部監査機関の設置について
・ふたつとしては、県民に分かりやすい情報の積極的な公開について
・みっつとしては、今後想定されるトラブル事象への適切な対応について
・よっつとして、下請け会社を含む従業員の倫理観の構築及び人材育成について
・いつつとして、「安心安全文化の構築」のための全社挙げての積極的な取組みについて
この5項目について強く求めたところであります。
日本原燃株式会社の佐々木社長からの、これら5項目について端的に言えば、「全て遵守する」との言明を踏まえつつ、私としては、
・使用済燃料搬入再開については、安全確保を第一義に行われることを大前提に、これを了とする。
・再処理施設におけるウラン試験の安全協定については、今後、手続きの検討に入る。
と判断し、その旨佐々木社長に対して先程伝えたところであります。
県といたしましては、今後とも、国及び事業者の対応状況を厳しく見極めつつ、県民の安全、そして安心に重点を置いた対応をすべく、安全確保を第一義に今後とも、慎重かつ総合的に対処して参ります。
私からは、以上であります。ご質問等あればお受けいたします。
○幹事社
報道機関の方で質問があればお願いいたします。
○記者
搬入再開とウラン試験に向けての手続きが分離されている理由と、搬入再開について了とされた理由について具体的に説明をいただければと思います。
○知事
搬入再開について了としたことについては、ただ今縷縷申し上げたつもりでありますが、また繰り返せといわれましてもそれは…
○記者
このうち、どの部分の項目について特に忖度されたのか
○知事
非常に順を追って申し上げたのは、いわば途中途中のことだけでは、私どもとして手順を踏んできたことをご理解いただきたいということであったわけですが、あくまでも簡易と言うことであればお話いたしますが、私といたしましてはやはり全体としての流れの中でご理解いただきたいと思うんですが、要するに日本原燃株式会社が実施してきた点検補修結果及び、それに対する国の評価が示されて以降、県民を代表する県議会、各地域住民の代表でありますところの市町村長並びに青森県原子力政策懇話会のご意見を私としては伺うことが必要であると判断し、一連の会議を開催してご意見を伺ってきたところでございます。その内容については先程申し上げました。それを経た上で、一方私としては、国に対し、繰り返しになりますが、はしょって言いますが、
・核燃料サイクル政策について
・プルサーマル計画について
・六ヶ所再処理施設の安全規制の強化及び信頼回復について
・原子力産業従事者のモラルの向上及び人材育成について、
・核燃料サイクルに係る研究開発の推進について
の5点について、確認する必要があると考え、4月16日には近藤委員長、藤会長、26日には、茂木大臣、中川大臣、河村大臣、さらに福田内閣官房長官にお会いし、先ほどの5点について確認をいたしました。私としては、これまで頂いた数々のご意見や国からの確認状況を踏まえて、実際ずっとこの間熟慮してきました。その上で今日、日本原燃株式会社佐々木社長に対しまして、先程、同じ5点でありますが、繰り返しませんけども、第三者機関設置等々の5点について強く求めたわけです。
それに対して社長から遵守するとの明言がございましたので、これを踏まえて、中断しております、使用済燃料の搬入については安全確保を第一義ということで了とした、と言うことでございます。
ただし、ウラン試験ということについてでございますが、私としては今後いろいろなことを、先程申し上げましたが、安全協定については、今後、手続きの検討に入るという話を申し上げました。それは私どもとして事業者がウラン試験計画を持っていることは承知しているわけですが、ウラン試験に係る安全協定については、やはりその手続きのあり方も含めて検討に入ると言うことが現時点では私は重要であると思っています。つまりこのウラン試験の安全協定ついて、現時点で予断を持ってお答えできる段階には至っていないという思いであります。
○記者
重ねて確認させていただきますが、手続きの検討をすると言うことであって、ウラン試験を了とするということではないと言うことでよろしいですか。
○知事
そのとおりでございます。
○記者
知事は工場をご視察なさった折に、プールに付いては安全性を確認したということを仰ったように聞いておりますが、その事とこの二つのことを分離してお考えになったことについて、何か関連があるのでしょうか。
○知事
視察においては、あくまで感想として、国の方、薦田さんたちから、保安院の方から、受けたとおり、それからまた原燃さんの説明等について、きちんきちんとプールについては少なくとも、地下にもぐりましたよ。自分自身が衆議院時代にちょうど行った日に漏れておりまして、あの時は結構「たったったったっ」としていたなと。今日はどれもきてないなということについて感想を述べたものでございます。あくまでも。
○記者
長くなって恐縮でございます。これ最後の質問ですが、ここに縷縷お書きいただいた国からのご回答、また事業者の電事連からのご回答等すべて、再処理工場の運営ということについて全体的に、包括的になされているものであって、プールそのものの利用ということと、ウラン試験に続く操業までの手続きということを必ずしも分離してなされたものではないと思うんですが、そうしたなかでウラン試験の手続きの検討、安全協定についても従来のものと切り離して厳しく望まなければいけないと言うことについて理由があればお聞かせ願いたいのですが。
○知事
原子力発電所についてはこれまでも、言い方変ですけども様々な類例があってのことでのそれぞれ安全協定ということがあっているわけですが、ウラン試験と言うことはやはり一歩踏み出す、そしてまたこの日本の国においての初めての試験となるわけでありますから、私どもとしてはやはり、重ね重ね同じようなことになるんですが、どうゆうふうにやっていったらいいのか、まず手続きの検討からまずよく考えてみたい。慎重にと言うことは、核に関わる関連の全般において私は重要なことであると思っております。
○記者
搬入再開を了とされた理由を色々お聞きしましたけれど、短く言うと県としても貯蔵プールの安全性について確認出来たということでしょうか。
○知事
県でなくて、国の方でということがあったという事実はありますが、短く言うということはこの分野について非常に私は好みません。たいへん申し訳ないんですけども。やはり短くとかはしょってとか簡単にということが様々な問題の出発点となる可能性があるわけですから、私どもは常に慎重に手順を踏みながら、これはどういうことだ、あれはどういうことだ、これはどういうことだと私どもの検証室も非常にそういう点頑張ってくれましたし、それぞれの各担当課も、非常に細心の思いというんですか、本当に安全安心を第一義として県民の皆様方にいろいろな形で示していかなければならないわけですから、そういった思いでスタッフ一同それぞれ配慮してきました。大変恐縮ですけれども簡単にとか、短くということが私は日本の技術をいろんな意味において、別な方向に走らせることになるのではないかと思いますので、たいへん恐縮ですけれども、簡単には申し上げる気はありません。
○記者
貯蔵プールの安全性の確認が国の方では安全だというふうなことを言って、それを県としても確認できたというふうな説明もありましたけれども、それと、貯蔵プールの問題と、国にサイクル政策の変更がないか確認するこということはどんな関連性があるのですか。
○知事
サイクル政策が進まなかったら、意味がないでしょ、事業そのものが。シンプルじゃないですかその辺は。常にそれは申し上げているつもりですけれども。
○記者
あくまでも再処理を前提とした搬入であると。
○知事
再処理が的確に行われていくんだということの前提においてあるわけですから、事業そのものが。したがってしつこいほど、本当に各大臣から本当にずいぶん、ご存じのとおり、一緒に行っていただいた方はわかるとおり、とにかく念を押し、念を押し、聞き、念を押しということをやってきたという、確認についてはしてきました。それは自分自身、知事としての責務であると思っています。
○記者
最後ですけれども、原子力施設安全検証室から評価があったと、その中でですね、4回にわたる施設現場における確認等を勘案すればというような表現があるのですが、これは県の原子力施設安全検証室の職員の方が現場に4回出向いていろいろと確認してですね理解できたということでしょうか。
○特別対策局長
4回と言うのはですね、国の方の検討会で2回施設現場視察をしております。私どもの方の例の懇話会が2回、補修中の状況と補修完了後の状況について、施設現場視察をしております。その計4回に私ども、検証チーム、今は検証室でございますけれども、同行させていただいて、私どももそこらへんのことについては、実際の目で見て確認等を行っているという状況であります。
○記者
先程の質問と似てしまう形になると思うのですが、これまで国等に確認されたことを判断基準にしたと、このペーパにまとめられているのですが、それを受けて県としては一番どこを確認・評価したのですか。
○知事
サイクル事業を、政府一体として行うという点は大事じゃないですか。
○記者
この中にありますが、懇話会、全員協議会、あと市町村長から上がってきたものを元に、要するに確認されたことを明記されている形になるのですが、これを受けて最終的に、県としての判断としてはどこをもってよしとしたのですか。
○知事
総合的判断を行ったということです。
○記者
わかりました。次の質問をさせていただきますが、最終的に知事として最終判断されたのはいつだったのですか。
○知事
ずっと、どの時点を最終とするかは、沖縄戦がいつ終わったかというのと同じで、例えが悪いな、非常に難しい部分があるのですけども、正式的に言えば、六ヶ所村長の話でないし、三役・部局長会議ということになるかな。
○記者
今日のですか。
○知事
本日の。何度もやったからね。たいへん内部での議論も非常に活発にさせていただきました。
○記者
総合的に判断されたということなので、何かひとつということは難しいと思うのですが。
○知事
もし、何か言ってほしいというのであれば、第三者機関におけるところの徹底した外部監査、これは非常に品質保証上重要であると私は思います。これは、私どもとすれば、みんなで、絶対こういうことがなければ、高松村長だったかな、相手が違ったら申し訳ないけども、いつものど元すぎれば云々という話がとかいろいろあったんです。ということであれば、絶対にのどから過ぎさせないという、例えが悪いけれども、いつでも第三者機関から、厳しくきちんきちんと品質保証についてやってもらうということについて私どもも重要だと。
○記者
六ヶ所の村長からお話を聞かれたと言うことですが、六カ所の村長からどういった話があったかというのがひとつ、それから県民向けの説明会を開いてほしいという声がありまして、常任委員会でもその話が出ていましたけれども、今後の予定について決まっていることがあれば教えてください。
○知事
六ヶ所の村長さんとは、私ども、いわゆる先程申し上げた5つの、原燃さんに対しての5つのことをこれこれこれこれという形で、向こうがきっちりとこれを守るということであれば、先程の二点、いわゆる搬入を了とすることと、手続きの検討に入るということを判断しますというお話をやりとりしました。説明会の方は国と検討していると思います。
○記者
村長からはどういうお話が。
○知事
村長からは、慎重に、いつものせりふになるわけですけども、慎重にやってほしい、安全確保を第一義にと。この点について村長さんの方でも、ちょっと確認はとれていないけれども、三役の会議か記者会見か、向こうに確認してください。
○記者
くどくて恐縮ですが、一点だけ確認させていただきたいんですが、国としてプールの健全性を確認した、すなわち現時点でですね、プールに問題がなく問題箇所は全て補修されていることを確認したという結果については、青森県としては是とされるということでよろしいのでしょうか。
○知事
11回に及ぶ神田委員会もありましたし、薦田さん以下保安院の方も非常にきちんと行っているというか、自信を持って受け答えなさっておりましたし、そういうふうに感じております。
○記者
そうしますと、県としては国の検討結果を是とする立場に立った上で、県民説明会に望まれると言うことでよろしいですか
○知事
施設の健全性ということでしょ。はい。
○記者
ウラン試験について、これから手続きの検討に入るとおっしゃられましたけれども、反対派の方の中には、ウラン試験とアクティブ試験の期間が先行しているケースなどに比べると短いのではないかという声もございます。この手続きの検討の中には、例えば十分な期間をとってほしいということを、県の方から原燃に申し入れると言うような、事業内容に踏み込んだところまで話あっていこうという考えはございますか。
○知事
私どもそのものが、どう手順を踏むかということを検討するわけですから、向こうに申しあげる部分はございませんけれども、わたくしども自分たちもそれなりに時間がかかるものと思っております。
○記者
先ほどウラン試験については予断を持って臨むことは今の段階では出来ないという話だったんですけども、その後に搬入再開とサイクル施策の確認はどういう風に関連しているのかという質問に対して、あくまでも再処理を前提とした搬入であるということでお答えをいただいたんですが、そうすると知事のお考えとしては再処理が前提ということであるならば、搬入再開もウラン試験も同一線上にあるのではないかと思いますが、ウラン試験についても検討を始めるということではありますが、基本的には再処理路線を県としても進めていくなかでウラン試験についても一定の考え方を持って臨まれるということではないのかなと思うのですが。
○知事
本県はこの当事業については、安全確保を第一義として地域振興を前提として協力しているという経緯があります。その流れです。
○記者
今日こういう判断がありましたが、MOX工場とか中間貯蔵施設等々の検討についてはどのように考えておられていますか。
○知事
全く、視野に、現在視野にないですね。
○幹事社
ありがとうございました。
―以上―