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平成17年10月 定例会見/庁議報告ほか
会見日時:平成17年10月11日(火) 10:50 〜 11:40
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事
○幹事社
おはようございます。
まず知事から、今日の庁議の内容をお願いいたします。
○知事
皆さん、おはようございます。
庁議関係からお話しをさせていただきます。
まず、「青森県の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録推進についてお話しを申し上げたいと思います。
来る10月15日から本県において、第2回世界自然遺産会議が開催されます。白神山地が世界自然遺産に登録されてから、早11年が経過しましたが、この会議の開催を前に、世界自然遺産白神山地を保全し、継承していくことを改めて強く決意しているところであります。
さて、白神山地は、世界最大級の原生的なブナ林ですが、このブナ林は、縄文時代に形成されたと言われております。縄文時代といえば、本県は縄文遺跡の宝庫でございまして、三内丸山遺跡、小牧野遺跡、是川遺跡、亀ヶ岡遺跡など、学術的に重要な縄文遺跡が数多く存在しております。
本県の豊な自然、文化のルーツは、縄文時代にあるといっても過言ではないと思っております。
私は、これらの縄文遺跡が有する普遍的な価値は、既に登録されております他の世界文化遺産に決してひけを取らないものであると考えております。
そこで、これらの遺跡を青森県の縄文遺跡群として、世界文化遺産への登録を是非目指したいものと考えるのであります。ただし、世界文化遺産の登録に向けては、縄文文化が我が国の基層文化であるという重要な認識が、国内において十分確立されていないこと。また、縄文文化に対する学術上での国際的な認識が不足していることなどの課題もありますことから、息の長い運動を展開することとし、文化庁の暫定リストへの記載を目標に取り組んでいきたいと考えております。
世界文化遺産への登録が実現いたしますと、青森県は自然、文化双方の世界遺産を有する我が国唯一の地域となりまして、県民にとって大きな誇りとなるものと期待する次第であります。
また、5年後の平成22年には、東北新幹線八戸・新青森間が開業されるわけであります。この機会を捉え、青森県への誘客をより一層促進するため、世界文化遺産登録推進を県内外に幅広くアピールしながら、「青森県の縄文遺跡群」を新たな観光資源として、積極的な活用を図っていきたいと考える次第です。
そのためには、関係市町村と連携を図ることはもちろんですが、民間の方々による積極的な取り組みが機運を高め、登録推進や誘客への大きな原動力になると考えておりますので、官民一致協力して進めていきたいと思います。
さらには、遺跡群の中心となります特別史跡三内丸山遺跡の魅力アップに繋がる様々な環境整備に努める必要もあると考えております。
これらの目標に向けまして、関係部局が連携協力して、具体的に進めるよう指示を本日したところであります。
つづいて、庁議において、「中期的な財政運営指針」、また「平成18年度ふるさと再生・新生重点事業」、及び「平成18年度当初予算の編成」を決定いたしました。
まず、「中期的な財政運営指針」についてご説明いたします。
この指針は、財政改革プランが目指す財政運営の方向性や取り組み内容など、プランそのものは堅持する立場に立ちながら、改革の具体的な進行計画ともいうべきプランの数値目標、特に収支均衡の達成時期については、プラン策定後における様々な状況変化を踏まえ、中・長期的視点に立って段階的に進めていくよう、再構築を図るものであります。
具体的には、概ね10年後の2010年代半ばにおける収支均衡の実現を目指して、財政改革プランを徹底し、財源不足額の圧縮に努めるとともに、これまでの取り組みに加えて、公債費や人件費などの義務的経費の改革を着実に進めていくものであります。
このため、短期・中期・長期と期間設定を行った上で、各段階における財政運営の方向性を示すとともに、財政運営の目安といったものを設定したところであります。
特に公債費につきましては、その漸減を目指し、将来の収支均衡の実現を視野に入れて最低限の取り組みとして、平成20年度までに元金ベースでのプライマリーバランスの黒字化を図り、県債残高の累増に歯止めをかけ、財政構造の弾力性を回復させることを期しております。これまで、元利ベースのところでございましたが、元金ベースということの黒字化ということを目指したいと思います。
私としては、以上の内容をもって、「中期的な財政運営指針」は、「財政改革プラン」のいわばモデルチェンジに相当するものだと考えております。この指針においては、以上述べた今後の取り組みの考え方のほかに、これまでの財政構造改革の取り組み状況や、本県財政の現状と課題などについて、これまでにない各種分析やデータを盛り込んでいるところでありまして、こうした財政状況の充実と公表を通じ、県民の皆様のご理解の下で、財政改革の歩みを進めてまいりたいと考えているところであります。
三位一体改革や地方財政制度改革の動向などの不確定要素が数多くあり、合理的な数値目標が設定し得ない中で、基本的な考え方を明らかにしたものでありますが、今後の予算編成や予算執行過程を通じて、中・長期的視点に立って改革を着実に前進させていく決意でありますので、県民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
次に、「平成18年度ふるさと再生・新生重点事業」についてご説明いたします。
経済が長期的低迷を続け、また極めて厳しい財政環境に直面している本県においては、適宜適切な対策・事業を実施することはもちろんのことでありますが、迂遠と思われても人材の育成に力を集中することこそが、最も的確で効果的な政策と考える次第です。
そこで、ふるさと再生・新生重点事業の平成18年度展開にあたっては、「人財育成」を最重点課題として前面に打ち出し、その下で諸施策・諸事業を体系的・有機的に具体化・推進することとしました。
また、事業の予算化にあたっては、従来の手法を踏襲するのではなく、メリハリを持たせた大胆な手法を導入することとし、そのため各部局がわくわく10(テン)事業を練り上げていくにあたっての指針として、一つとしてスローガンを「元気青森人の創造」とする。二つとして、社会像レベルにおいては、「人財」と「産業・雇用」を最重点課題として捉え、重点的に資源配分する。「健康」、「環境」、「安全・安心」については、最重点課題に次ぐ重点課題として取り扱う。三つとして、理念として、「協働」、「連携」、「交流」といったことを重視する、などを定めました。
このプロジェクトを推進するための事業の中で、特に重要なものについては、予算編成にあたって特別の取り扱いをすることとしており、これにつきましては、予算編成通達の説明の中で申し上げます。
なお、重点推進プロジェクトにつきましては、各部局がアイデアを出し合い、部局間の政策連携を図り、事業を検討するよう指示をいたしました。
お手元に配付してあります「平成18年度当初予算の編成ついて」の概要に基づき、当初予算の編成にあたっての基本的な考え方についてご説明いたします。
まず財政事情ですが、国の「平成18年度概算要求基準」等を踏まえますと、臨時財政対策債を含め地方交付税の総額確保には、相当の困難が見込まれるところであります。
したがって、平成18年度の当初予算編成にあたっては、財政改革プラン策定以降の歳入面における環境の劇的変化、三位一体の改革、国全体の歳出改革路線といった状況等を踏まえ、財政改革プランが目指す持続可能な財政構造の確立という目標の達成に向け、先ほどご説明申し上げました「中期的な財政運営指針」を予算編成のよりどころとして、公債費や人件費などの義務的経費の改革を進めるとともに、財政改革プランおよび行政改革大綱に基づく具体的取り組みを徹底・加速し、財源不足額の圧縮に努めることといたしました。
また、極めて厳しい財政環境下にあって、「人財」、「産業・雇用」をはじめとする生活創造推進プランに掲げます5つの戦略分野における取り組みを重点的に推進するため、「施策の選択と重点化」を更に徹底することといたしました。
平成18年度当初予算は、以上の基本方針の下に、「県債発行の抑制等により、平成20年度までの元金ベースでのプライマリーバランスの黒字化達成に向けた改善を着実に進めること」、「財源不足額について、財政改革プランとの乖離幅をできる限り縮小することを念頭に編成すること」といたしました。
今回の予算は、私自身が担当することになる、三度目の当初予算となるわけですが、予算編成作業に先立って、予め行政改革大綱、生活創造推進プラン、そして財政改革プランとそのモデルチェンジに相当する中期的な財政運営指針が整備されたこととなり、取り組みの方向性や考え方は職員にも十分浸透してきているものと認識しております。
そうした認識の下に立ちまして、私は各部局長に対し、各位の行政構想力とリーダーシップの下、今回の予算を「改革前進予算」として仕上げられるよう、精一杯創意工夫するべく指示したところであります。
また、国に対する行財政需要の必要性の論理的・合理的な説明や、適切な財源措置に繋がるような先進的なアイデアによるところの施策提案の重要性を認識し、国に対して積極的な働きかけを行うよう指示したところであります。
次に見積り限度額の設定についてであります。
平成18年度当初予算の見積り限度額の設定にあたっては、前年度同様、財政改革プランで想定しました、平成18年度一般財源について、経費区分を細分化し、県関与の度合いや義務的な度合いを勘案した、更なる見直し率を乗じて算定しております。普通建設事業費(一般公共事業費、および県単公共事業費)につきましては、雇用・地域経済に配慮する観点から、県費単独事業費から補助事業費へのシフトにより、県費負担の軽減をはかりつつ、財政改革プランの水準の維持に努めたいと考えております。
「生活創造公共事業重点枠経費」は、ご存知のとおりプランに示されているものでございますが、事業費ベースで200億円を設定し、県民生活に密着した公共事業を実施することとしております。
また、「ふるさと再生・新生重点枠経費」に、新規分20億円を設定し、先ほど申し上げました考え方により、生活創造推進プランに掲げます青森県重点推進プロジェクト、いわゆる「わくわく10(テン)」を推進するソフト事業に重点配分することとしております。
これらの取り組みにより、財政改革プランの徹底加速と、施策の選択と重点化を促進する内容とするよう留意したところであります。
以上、平成18年度当初予算の編成にあたっての基本的な考え方について申し上げましたが、この詳細はお手元に配付の資料のとおりですので、よろしくお願い申し上げます。
つづいて、18年3月の新規高等学校卒業予定者採用枠拡大要請についてお話しします。
来春の新規高等学校卒業予定者の就職環境につきましては、県内企業からの求人数が増加しているなど、一部に改善の兆しが見られますものの、依然として厳しい状況が予想されるところであります。
このため、県では、青森労働局および教育庁と連携し、新規高等学校卒業予定者の採用枠拡大について、経済団体等にお願いしてきましたが、今後、取組みの一層の強化を図るため、昨年に引き続き「雇用開拓ローラー作戦」を実施し、県職員も直接県内事業所を訪問して、採用枠の拡大要請を行ってまいります。
本県の次代を担う、新規高等学校卒業予定者が一人でも多く就職できるよう、県内企業をはじめ、関係の皆様方のご理解とご協力を心からお願い申し上げる次第でございます。
長くなりましたが、私から、庁議につきましては以上です。
○幹事社
ありがとうございました。
中・長期的な財政運営指針を決定されたということでしたが、財政改革プランのモデルチェンジということですけれども、財政改革プラン推進の途中の段階でこういうモデルチェンジをするということについて、状況変化があったということでしたが、何故この時期に新しく指針を策定するのかということについて、もう少し柔らかい言葉で、ねらい等をお願いしたいと思います。
○知事
性格等について、おおよその話をします。
ご存知のとおり、計画早々1年目にドカンときたわけです。それ等で、今までもいろいろあったわけで、したがって、現状に合わせたモデルチェンジということなんです。
今回、モデルチェンジという形で示します新しい指針は、財政改革プランが目指す、財政運営の方向性、取り組み内容など、プランそのものは堅持するという立場に立っています。それが大前提です。プランそのものが全ての基本としてやってきました。
具体的な、改革の具体的な進行計画というべきプランの数値目標、特に収支均衡の達成時期については、中・長期的視点で段階的に進めていくよう、再構築を図るものとします。
また、三位一体改革や地方財政制度の改革の行方を見通すことが、極めて困難となっている現状がございます。先ほどもお話しましたが。したがって、確たる収支の見通しができるような環境にはないわけです。
しかしながら、一方では、歳入環境が一変したことによって、財政改革プランに掲げた各年度の財源不足額は乖離を余儀なくされています。
したがって、平成20年度時点での収支均衡の実現という数値目標が問われているわけですが、それを目標として財政改革を作ったわけですけれども、中・長期的視点に立って、あまりにも激変したわけです。対応せざるを得ない状況変化があった。しかしながら、プランの方向性はきっちりと、間違いなく青森県の財政状況を改革していく、堅持していく姿勢を示す。また、その実現に向けて、具体の対応方向性を示すといったことで、メッセージを発信していかなければならない。
そういう意味において、説明責任をなさなければならないという思いで、指針を発表させていただいたわけです。いずれにしても、先ほども話しましたが、今後の予算編成、執行過程で具体化を図っていくという形になりますが、何よりも、本県の財政構造改革を着実に前進させていく揺るぎない決意というものを県民の皆さん方に新たにというか、更にというか、再度お示しするものであります。ということもあわせてご理解いただければと思っております。何らかのことをしなければならないというのは、今日おいでの皆さん方、ほぼお互いに同じ認識であると思います。
○幹事社
どうもありがとうございました。
各社さんから質問を受けたいと思いますが、最初に予算関係の質問を集中してやっていただければと思います。よろしくお願いします。
○記者
モデルチェンジということですが、いわゆる財革プランの改定版という認識でしょうか。
○知事
もう一回、同じようなことをいいますが、要するに、財政改革プランが目指す方向性、取組内容、プランそのものは堅持するということに立ちますが、いわゆる厳しさ、不透明さを増す財政環境、特に入ってくる方がよく見えないということがあります。
したがって、財政の構造改革の進行管理をする指標というものを、県債残高の抑制に資する元金ベースです。この2年間、きちんとお約束のとおり、元利では達成しております。元金ベースでのプライマリーバランスの黒字化ということを新たに目標として設定しました。要するに、入りが分からない中で、目標をどう設定するかということになれば、我々とすれば今後の財政を健全化したという目標を示すには、元金ベースでのプライマリーバランスの黒字化ということが非常に重要になるわけですから、そういう意味でモデルチェンジと。
ただ、元利ベースであったとしても、財政改革プランなかりせば、元利ベースの黒字化ということも達成できなかったわけですし、一つもぶれずに今後とも突き進んでいくという思いであります。目標として、元金ベースということをガッときたわけです。
○記者
収支均衡の時期が、財改プランでは08年度、それが今年から10年後ということで2010年代半ばということですが、改革のこれからの見通し、今、基本的な方針は出たと思うのですが、あとどのくらい県民にしてみれば痛みを我慢すれば、あとどのくらい我慢すればよいのか。山の頂上がなかなか見えにくい状態だと思います。基本的な方針はわかったのですが、これからどういうふうに回復していくのか、その見通しがちょっと10年後といえばあまりにも先ではないのかなと。
○知事
そうか。誤解されたようですが、元金ベースを達成するということは、大変困難なことは一応ご理解いただけますね。元利は自分の責任におけるところでありますから、すぐやっていくわけですが、元金ベースなりますと、これまでの様々なものを踏まえながら達成するという形を示すということは、大変な、逆に言えば、勇気だと思っております。いい度胸だと。
しかし、やらねばならないんだということがあります。
要するに、将来に向けて、どこまで我慢ということのお話しになるとすれば、これまで我々が辿ってきた、この国そのものが辿ってきた財政のあり方とか、あらゆるものが公に頼る仕組みとか、それが良かったのかというところまでいくんです。私はずっと小さな政府ということを言い続け、それぞれやはり我々、公の部分、要するに税に頼っていろんなことをする仕組みにおいて、国の予算の半分が赤字国債であるような状況を続けることが、国として不可能になったと同様に、となれば我々としてもそういうことは不可能なわけでして、視点をどこに置くかということです。それはいわゆる税の問題と税に対してどう施策をうつかという形になる。そうすると、国の大きな流れの中において、我々はどういう立場にあるかということになりますが、県民の皆様方に、いつもそういう思いでは、これまでのような日本の国が、いわゆるバブルの頃のような、潤沢に何事も全て国の借金、地域の借金で賄っていろんな財政投資をする、あるいはサービスを提供するという状況は、果たして是なのか非なのか。自分はだからこそ、元利ベース、自分の世代において将来にツケは残しませんと、ここの収入でここはやります、自分の管理運営する分についてはやるということをお話ししてきたわけですけども、県民の皆様方に、我々はやはりそれぞれに考えるべき時期がきたのではないかと。
したがって、逆にいえば、いわゆる日本全体があらゆることに税というか、借金を投入して、次世代に物凄く大きなツケを渡すことをして、痛みはそのことを少しそれぞれに我慢しようということが痛みだということで、そこの基準にたって物事を発想するのであれば、この国も青森県も決してもたないと思います。私はやっぱり、今何をお互いになすべきか、それぞれ気がついて欲しい。我々は県民の皆様方から税をいただきながら、しかし現実は国からの6割なんぼという、実際は仕送り、あるいは借金という形で補っている。回しているわけです。その場面において、我々の身の丈というものをこれから作っていかなければならない。示していかなければならない。それが、私共にとっての生活創造推進プランであり、また財政改革プランであり、そのために行政改革もどんどん行うんだということをお話ししたわけです。
したがって、お互いに、そろそろあるべき姿を示していこう。それはやはり、元利ベースのプライマリーバランスであり、いずれ元金ベースのプライマリーバランスだということです。元利ベース的な部分でいえば達成したわけです、黒字化したわけですから、この2年間は。元利ベース的にいけば、これが山です。しかし、元金ベース、大変恐縮ですが、一杯背負っている重荷をなんぼでも軽くしていかなければ、少子高齢化という中において、我々、青森県の未来は成り立っていくのかとの課題に直面するわけです。だから、元金ベース、根本的なものを全て、はっきりいえば借金を含めて、軽くして次世代に渡したい。その過程にあるんだということをご理解いただきたいのです。従って、何よりも、いろんなことを、お互いに見直していく。我々県、県庁も職員を含めて、また各部局長を含めて、それぞれ見直していくと。しかしやっぱり、サービスできるものは可能な限り、選択と集中といっておりますが、元気を作っていく部分と安心・安全とか、福祉とか、医療とか、そういう部分とバランスをとりながら、財政を投入していこうという状況にあるということ。
ちょっと長くなりましたが、要はどこに観点を置くかということで、この痛み問題も違うと思うんです。将来、私たちの少子化は間違いない、その中において、背負えないような大きなものを残すとしたら、それこそ、今あってはならないことだと思います。
したがって、おもいっきり根を据えて、這ってでも、何としてでも、元金ベースのプライマリーバランスを達成していくという思いを申し上げているのであって、元利ベースは達成したわけですから、ここは山だということになるんでしょうけども。しかし、改革は、まだ続けていかなければ、この青森だけではなく、日本が残れるのかと、そこまできていると私は思います。
○記者
指針の中に、人件費の部分で、今の適正化計画が20年度までですが、21年度以降もやらなければならないという話がありました。そのあたり、財革プランにしても、行政改革大綱にしても20年度までなんですが、やはり21年度以降も新たなそういう計画を作って、もっと適正化に踏み込んでいくような内容で考えていらっしゃるのかどうか。
○知事
大きな見通しに立っていかなければならないということですが、比較的技術部分に入るので、総務部長から簡単にお願いします。
○総務部長
お手元に資料があると思いますが、人件費については、職員数ということで、平成22年度以降、引き続き適正化という表現にしております。
先ほど来、プランのモデルチェンジというお話しもありましたけれども、プラン自体は平成20年度までやることについては、もうこれはそこまでの内容をやっているということになっているわけで、それ以降、どういうふうにするのかということについては、それ以降の判断になっていきます。
したがって、今の段階で、どういうふうに適正化をするのかということを具体的には申し上げることはできないのですけれど、現在、国の方は2010年度中に、国の場合は元利ベースということになるわけですが、プライマリーバランスを目指すということをいっております。国としても非常に大変なことでありますので、この歳出改革路線が続くということを考えたときに、何もやらなくても良いと言えるという判断には至ることができませんので、当然、それ以降についても適正化ということは考えていかなければならないであろうという問題意識はもっておりますが、今の段階で、何人になるとか、何人にするとかいうことは、当然言えません。これは、時代の状況であるとか、今はどんどん改革を進めていますが、そのへんの状況がどうなるのかということにも関わってまいりますので、それを踏まえた段階での検討になりますけれども、人件費についても計画終了後も、当然問題意識にたってやっていかなければいけないであろうということをお示ししているわけで、ここで、中期指針でむしろ言っているのは、重きのあるのは、平成21年まで800人を減らすということについて、もうこれは行革大綱に書いてありますが、きっちりこれはやるということを改めてここで宣言をし、問題意識をもっているということを訴えたいという思いがあるわけでございまして、それ以後のことにつきましては、またその段階で判断をしていくということになろうかと思います。
○知事
補うとすれば、元利ベースという、一つの山を目指して我々はきた。その山を越えて、しかし、その山の麓でグルグル回っているわけにはいかないだろうと。更に大きな元金ベースという険しい山を目指していくという思いがなければ、何のために政治というか、知事をやっているかということなんです。
○記者
そしたら、今は何合目ですか。
○知事
何合目って、八ヶ岳連邦の先に富士山があるようなもの。八甲田を今やっていると思ってください。その先の富士山級を元金ベースといかざるを得ないでしょう。
逆にいえば、いろいろ叱咤激励してください。
○記者
基本的な考え方ですが。当初の財革プランから比べれば、収支均衡の達成時期とか、あまりにも周辺の環境が厳しすぎて、若干後ろ倒しせざるを得ない。そういう理解でよろしいですか。
○知事
財政改革プランについていえば、完全に達成し、それ以上いっているわけです。徹底・加速するという形で、ガンガンきたわけです。それをあまりある激変、そしてまた、先も分からないような、財務省がよく言っている、先々また国全体としてのプライマリーバランスに向っていくという形等を含めれば、先々、読めぬような、お互いに理解できぬような、マイナスの状況等が待ち構えているということは分かるわけです。この山がなければ、誤解を招くかもしれませんが、バッーと凄い谷があるようなものです。
さらに上っていったら、アイガー北壁みたいなものがあるのではないかと、今、想像される状況になっているわけです。したがって、財政改革プランについては、徹底・加速し、これは達成してきたということを私共は言いたいと思います。
しかし、それではもう足りないような、そのくらいでは済まぬような状況の激変、それに尽きると思いますが、激変の連続、そういうものに直面しているということでございます。
私共、県民の皆様方含めて、一つの意欲を持って改革に取り組んできたわけですし、財政改革プラン、行政改革大綱、この流れについては、適正に、的確に、あるいはそれ以上に達成しているけれども、それを余るものが出てきたということです。
○記者
考え方が後退しているとは決して思っていませんが、要するに、諸条件の変化によって、後ろ倒しせざるを得なくなったけども、その目標に向って更に引き締めざるを得ないということでしょうか。
○知事
果敢に行かざるを得ないでしょう。
引き締めるのではなく、どの状況が青森県スタンダードなのかということをそれぞれまたともに考えるべき時期がやってきつつあるのではないのでしょうか、ということ。
この国のバブル時の状況が当たり前だということはないのではないかということを言いたい。それは、我々にしても同じことなのではないでしょうか。いわゆる、非常に大きな県単事業等を含めて、ご覧のとおりの状況が続いてきたわけでございます。それが、通常の状態であるということはありえないのではないですか。我々の現実の税収の状況。これまでも6割強以上仕送りに頼ってきた状況においては、ありえないのではないかということを、物を見る視点を、それぞれ感じる観点をそれぞれ変えなければ、決して、この日本という国も、地域、地方、市町村、県、それぞれがまた、それぞれの努力を一斉に始めたわけですが、それをともにしていかなければ国がもたないということは、国民の皆様方、私の立場、県民の皆様方、この日本の国で安心・安定の暮らしを営めないということになるわけですから、ある国のようにならないため、最大の努力を今からやっていかなければならないということです。
○記者
要するに、県の職員の方をはじめ、県民の皆さんも、もう少し意識を変えてもらいたいということでしょうか。
○知事
ともに意識して、今、青森県、あるいはこの日本の国のある状況というもの、あるいは市町村。まずは市町村だと思いますが、市町村のある状況ということをそろそろ共に率直に話しに出すべき時期になったのではないでしょうか。これまでのものは絶対必要だと。でも自分の町ではこの部分を伸ばすとか。いろんな、それが地方の主権、地方分権の本来の姿であり、その時期に入ってきたのではないでしょうか。
大変恐縮です。
○記者
今回のこの指針は、財改プランを堅持するということで、普通建設事業費も03年度と比べて08年度は70%に減らすと。これは、指針でも堅持されたわけですが、それ以上にこの指針ではもう少し対03年度の70%以上に減らすという考え方、そういう検討はなされなかったんでしょうか。
○知事
いわゆる県単と公共の入れ替えということ、相当苦労してやってきました。そのことで、可能な限りの出す経費を減らして、事業量は確保できる仕組みを作ってきたわけです。
そういう素地がある中において、相当、100あったものが70、実際60近くになった。そういうふうに向っていっている。100のものが70になるという状況は、どの分野よりも非常に厳しい改革、ハードランディング的な形になったわけです。
その中において、我々は県経済というものを、県内における日常の、経済というものは回るものであって、留まることになっては、あるいは失速するということは好ましくない。
現状、ご存知だと思いますが、非常に本県とすれば、戦後というか、戦前なのか分かりませんが、この公共投資分野が一つの大きな県経済を担ってきた分野でもあるわけです。
その分野に対して、かなりの、軒並み7割、あるいはそれ以下というご負担、かなり強い負担をかけているというのは、事実なわけでございまして、ここが極限のところかなと思いますが、財政改革プランを堅持していくという形で、となるわけです。今後とも、県単と公共事業の入れ替えにつきましては、最大努力して事業量確保には努めていきたいと思っております。
それが、更にどんどん達成できれば、いわゆる我々として、はっきりいえば借金する量、出す量を少なく、事業量は確保できるという形になるわけですから、いかに切り替えがうまくいくかと。ご存知のとおり、数値を見て分かるように、かなりの努力を県土整備部も、農林水産部もいたしまして、この水準まできたわけです。さらにまだ、入れ替えの努力はしてくれということは、本日も庁議の中でお互いに話し合いをしております。
○幹事社
予算関係はもう良いでしょうか。
ほかの分野については。
○幹事社
先週、知事は東京に行かれまして、官房長官等にお会いになって、例の中間貯蔵施設の関係ですけれども、今後、方針の表明のタイミング等、現時点でどのようにお考えでしょうか。
○知事
現実はまだ、3か所しか入っていないというか、まだこれから継続していろいろあるわけですし、タイミング云々という段階にはいたっていないと思います。
いわゆる、アポイントがまだ困難、いろいろと続行中という状況にあるということで。いろいろとやりくりが難しいという話もきいております。ですから、どうこう言える段階ではまだないと。
○記者
先ほどの知事の冒頭の庁議の報告の中で、世界文化遺産の登録というお話が出たのですが、今、知事の中にあるビジョンといいますか、縄文遺跡群とおっしゃったのですが、“群”が三内丸山遺跡とか、是川もかなと思ったのですが、知事の念頭にはどのあたりのことを“群”とおいているのかなと。
○知事
是川もあれば、亀ヶ岡もあれば、小牧野もあればという部分でございますが、これについては、逆に本県という形でお話しをしたのですが、一つの思いがありますのは、我々、さすがにインダス文明がどうしたとか、チグリス・ユーフラテス川でどうだとか、そこまでは言うつもりは、縄文文明とまでは言うつもりはありませんが、私が教科書で習ってきた日本の歴史の中において、どちらかといえば奈良とか弥生とか、そういう歴史を習ってきました。
しかし、我々、北東北・北海道含めて、あるいは大陸も含めて、非常に似たようなものがあると話に聞いていますが、もう一つの日本というか、もう一つの文明、あるいは歴史といいますか、そういうものがあったということを認識して欲しい、認識してもらいたいんです。この国の成り立ちにおいて、縄文という非常にまだまだ解明されていない歴史的意義を、我々にとっては、ここに生きてきた我々にとってみれば、この我が故郷にそういうものがあった。我が故郷だけではなく、北東北・北海道、あるいは大陸においてそういう時代があったと。そういう文化というか文明があるということを認識して欲しいんです。認識を外に打ち出したいと。それが何よりもあるわけです。
“群”となりますと、そういう形、今話しした部分、その他ということになると思います。ただ、これからいろいろと各市町村ともいろんな話ということが必要になると思いますが、これからいろんな形で進めていきたいと思っています。
○記者
予算の時に聞けばよかったのかもしれませんが、核燃料税とか、核関連の交付金とかが関わってくると思いますが、そのあたりのお金について知事はどのようにお考えですか。収入として。
○知事
収入は様々な形の収入が、県財政にはあるわけです。別に特定の一定方向に偏ってどうこうということではないと思っておりますが。
○記者
積極的に取り入れるとか。
○知事
あらゆる、決まったものをあれするということですが、今、だから産業・雇用という、仕事づくり運動を一生懸命やらなければならない。合弁をどう進めるとか、技術公開してパテント料をもらうとか。今日議決いただければ、技術フォーラム等も、技術の商談会、合弁のための企業との相談会等もやるわけですが、いわゆる自主的な財源等も含めて、うって出る部分はうって出るということで、様々な形でそれぞれの私共青森のみならず、各県、自前の財源確保のための努力をしていくということだと思いますが。
○記者
青森県にとっては、特徴付けという意味では、ほかの県にはない自主財源という点があるので、その辺についてお考えをお伺いしたかったのですが。
○知事
財源としてあるものは有効利用していくというのは、ごく普通の考え方だと思いますし、特徴的にその分野がどうこうというのは、有りえないのではないですか。
いろんな財源確保の工夫をしていくということ。攻めの農林水産業だってそういう意味において、農業者、農林水産業家の方々の経済をいくらでもよくして、そのことで市町村に金を回し、そのことによっての2次的3次的波及としては、我々として税収が上がると。
要は、経済、金が寝ている状態は好ましくない。経済をどんどん回したいという思いです。
○記者
そういう意味では、攻めの核燃政策とか。
○知事
お答えする理由は一つもないと思っています。
○記者
原燃の再処理工場の関係です。
アクティブ試験に関してのお話し合いというのは、高レベルの放射性廃棄物施設の改造工事、健全性が確認されるまでは検討に入らないというお話しがありました。ですが、先週の県議会の常任委員会、環境厚生常任委員会の中で議論になったのですが、本議会で審議されている補正予算案の中で、六ヶ所再処理工場に関する県民説明会についての予算がありました。この県民説明会というものに対して、部長はウラン試験も終わるだろう、ウラン試験の経過を県民に説明したいと、県内6か所で実施したいということですが、この予算として計上されている県民説明会というのは、あくまでもウラン試験の経過について説明するもので、アクティブ試験について県民説明会を開くというものの予算ではないんですよね、ということを確認させていただければと思います。
○知事
部長がそういうふうに話しているわけですから、そういう形になるわけですけども、とにかく、説明、いろんな形でいろんなことを説明していくということを大事にしてきているわけでありますから、いわゆるアクティブ云々については、一切ご存知のとおり入らない状況下にあるのはご理解いただけると思います。
○記者
ありがとうございました。
○記者
世界文化遺産について、これは青森県だけということですか。ほかの県と連携して。
○知事
現状として、我が方がそういう思いをということになりますが、いわゆる縄文回廊という形で、非常に4道県連携でいろんなことを進めているわけですから、様々な形においてご支援いただく可能性はもちろんあると思います。取り敢えずは、我が方の群として、今お話しを進め、また我が方の管轄内で具体的なことをやらなければならないということになりますので、今日はあくまでも指示をしたという形になります。
○記者
八戸市長選が今月ありますが、青森市長選の時には街頭に立たれて、市長さんを応援されたのですが。八戸市長選での対応はどのように。
○知事
基本的に市町村のことにつきましては、私共とすれば関係していかないという思いがあるわけです。私共というか私自身。それぞれの地域住民方々の判断に至るべきと。
○記者
今の八戸市長選では、自民党推薦の方と民主党推薦の方ですが、どちらからか例えば街頭の応援の要請があったりとか、そういうことは今のところありますでしょうか。
○知事
全くございませんし、基本的には、お応えというか、その時期対応できるような状況にもないと思っていますけども。
○記者
一緒になる場面というものもないでしょうか。
○知事
聞いていないですが。
○記者
分かりました。
○幹事社
どうもありがとうございました。
−以上−