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平成18年4月 定例会見/庁議報告他
会見日時:平成18年4月4日(火) 11:17 〜 12:00
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事
○幹事社
おはようございます。
4月の定例記者会見を始めたいと思います。まず、知事からよろしくお願いします。
○知事
おはようございます。
私のほうから、庁議関係についてのご報告をまず申し上げたいと思います。
1点目は、平成17年度の包括外部監査結果への適切な対応ということについてでありますが、去る3月23日に包括外部監査人から提出がございました「平成17年度包括外部監査結果報告書」の概要について、行政改革・危機管理監から報告がございました。
同報告書で是正が必要とされた事務手続きや会計処理上の問題などにつきましては、速やかに改善を図るように指示をいたしました。
また、今回の監査結果に係る包括外部監査人の意見については、外部の専門家からの貴重な提言といたしまして、調査対象となりました農林水産部のみならず、全庁にわたって、その趣旨、内容を真摯に受け止め、行財政改革の推進や適正な予算執行に努めるよう指示した次第であります。
2点目でございます。青森県社会経済白書についてであります。このたび、17年度版の青森県社会経済白書を刊行いたしました。
今回は「高速交通体系の整備と本県経済、県民生活の変化」をテーマに、特に東北新幹線八戸駅開業が及ぼした影響と今後の地域活性化に向けた課題や対応について考察しております。
東北新幹線八戸駅開業によって、交流人口は県全域で増加いたしましたが、2010年に控えております新青森駅開業を契機に、さらなる交流人口の増加と地域の活性化を促すためには、本県特有の資源を活かした地域づくりに向け県民と行政が一体となって長期的な取組みをしていく必要があると考えております。
この白書が県民の皆様の本県社会経済に対する一層の理解と「生活創造社会」の実現に向けて少しでもお役に立つことができれば幸いであります。
続きまして、「06むつ湾東岸美浜推進DAY」についてであります。毎年お願いしているわけですが、今年は4月22日、土曜日になりますが、野辺地町と横浜町のむつ湾東岸におきまして、県、地元の両町、漁業団体、地域団体等で組織いたします「はまなす海岸美化協議会」の主催により、「06むつ湾東岸美浜推進DAY」と題しまして、海岸漂着ゴミ一斉清掃を実施いたします。
多くの県民の方々が一体となって、本県の観光資源でもあります貴重な海岸の環境美化を図ることは、自然や環境を大切にする青森県づくりを進めていく上で大きな力となります。県民の皆様方のご参加をよろしくお願いいたします。
同日の第11回青森県春のクリーン大作戦についてご報告とお願いを申し上げます。
県では、本県を訪れる人々が地域の人々と触れ合い、豊かな自然に親しみ、歴史や文化に触れることができる環境づくりを推進するため、「自然環境を大切にするエコロジー、環境の美化を進めるクリーン、観光客を暖かくもてなすホスピタリティー」の3つの県民運動を進めているわけでございますが、その一環として毎年この時期に、いわゆる小さな親切運動の青森県本部を後援しまして、県内全域で清掃活動を実施しておるわけであります。
本年も、先ほどの美浜と同じ4月22日、土曜日の午前8時から青い森公園をメイン会場といたしまして、県内各地でクリーン大作戦を行い、本県においでになる観光客の方々を美しい環境でお迎えいたしたいと考えておりますので、こちらにも県民の皆様の積極的なご参加をお願いする次第であります。
私からの報告は以上4点であります。
じゃあお願いします。
○幹事社
3点お伺いしたいと思います。
まず、新年度がスタートしました。県庁内にも地域県民局やエネルギー対策局といった新組織ができました。新年度にあたっての知事の、まずは所感をお聞きしたいと思います。
○知事
それではせっかくの機会ですので、少しお時間をいただきたいと思っておりました。
私は、知事就任以来、自主自立の青森県づくりを進めていくために、県民の皆様と共に「生活創造社会」の実現を目指し、新たな視点、また価値観に立った改革など、様々な取組みを進めて参りました。この間、地方交付税総額が急激かつ大幅に削減されるなど、多くの困難な課題に直面して参りましたが、県議会議員の皆様をはじめ多くの県民の皆様のご支援・ご協力をいただきながら、県政を着実に推進することができましたことを心から感謝申し上げたいと思います。
さて、本県の経済、雇用情勢を概観すれば、全国と比べ依然として厳しい状況にあるものと認識をいたしております。しかしながら、これまで不退転の決意で取り組んで参りました行財政改革などにより、今後の県政発展の土台づくりはなされつつあるものと考えております。
このような背景を踏まえ、私は、新年度の県政運営に当たりましては少子高齢化の進展と2007年問題、2010年の東北新幹線新青森駅開業並びに市町村行政を巡る大きな環境変化といった本県の時代を画するような潮流変化に的確に対応することが非常に重要であると考えております。
このため、今年度の重点推進プロジェクト、いわゆるわくわくテンでは、「元気青森人の創造」をスローガンに掲げ、地域づくりの原点となります人財育成を、あえて人の財(たから)と当て字をあてていますが、人財育成を前面に打ち出し、県民の皆様、市町村と一体となって諸施策・諸事業を体系的・有機的に展開していくことといたしております。
また、本県のもう一つの最重点分野であります「産業・雇用」については、地域の資源というものを有効に活用しながら、本県の強さや比較優位の分野を徹底的に伸ばしていくことが何よりも重要と考え、引き続き「攻めの農林水産業」に取り組むとともに、環境・エネルギー産業関連分野の創出など、豊かな地域資源や優れた人材、様々な分野での最先端をいくローカルテクノロジーといった本県が有します地域力というものを、産・学・官・金融の新たな連携の中で戦略的にコーディネートし、新たな産業や仕事を創る仕組みづくりなど、全庁挙げて取り組むことといたしております。
先ほども申し上げたわけでありますが、時代の転換期とも言うべき大きな環境変化の下にあります市町村の地域づくりにつきましては、人口減少社会の到来や地方分権改革が進展する中にあって、住民に最も身近で総合的な行政主体であります市町村が、真に自主的、自立的な地域経営の確立を図っていくことが求められていると考えております。
また、合併した市町村においては、その規模や権能の拡大に伴う合併効果の早期発現を図り、魅力と活力ある地域づくりを推進していくことが喫緊の課題となっているわけです。
このため、県では、地域づくりの中心的役割を担うことになります市町村に対しまして、その自立促進のための総合的な支援対策として、補助制度や人的支援、そして組織整備という3本の柱を基本に、県が有する資源を総合的に活用した支援を行うこととしております。特に今年度、弘前市、八戸市、むつ市の3市に設置いたしました地域県民局については、市町村等が行う地域づくりに対し、日常的に、かつ、機動的に対応できる組織としており、より現場に近いところで市町村等との連絡・連携を一層密にし、共に地域づくりを進めたいと考えている次第です。
県政を取り巻く社会経済環境は、今後とも厳しさが続くことが予想されるわけですが、私は「生活創造推進プラン」の推進と行財政改革を県政運営の最大の目標と位置づけ、「暮らしやすさのトップランナー」を目指し、蒔いた種が一つずつ豊かに結実するよう、全力を傾注し取り組んで参りたいと考えております。県民の皆様方の一層のご支援・ご協力をお願いする次第であります。
以上です。すいません、長くなりましたけれども。
○幹事社
では2つめの質問です。
六ヶ所の再処理工場についてお聞きします。再処理工場では、3月31日にアクティブ試験が始まりました。アクティブ試験の前のウラン試験の段階では、ピット水の漏洩やガラス固化体施設の設計ミスなど、試験と関係のないところでトラブルがいくつか発生していました。今回のアクティブ試験でも想定外のトラブルの発生も予想されると思います。
アクティブ試験の開始にあたって、六ヶ所再処理工場の2007年末の本格操業に向けて、知事として試験を今後どのように注意して見ていかれるかというところをお聞きしたいと思います。
○知事
いつも言っていることですけれども、何よりも安全確保の徹底ということと、品質保証体制の更なる向上ということになるんでしょうけれども、まあそれだけではあれですから、少しお話させていただきます。
原子力施設に関する安全を確保するためには、第一義的には事業者が責任を持って取り組むと共に、法令に基づいて一元的に安全規制を行っている国がその役割を果たしていくことが基本であります。
県としては、施設周辺地域の住民の安全確保及び環境の保全を図るため、原子力施設について立地村と共に事業者と安全協定を締結して環境の監視を行い、立地村と連携をして施設への立入調査を実施するなど、安全確保を第一義に取り組んできており、平成15年には六ヶ所村に「青森県原子力センター」を設置し、環境の監視体制などを強化したところであります。
私としては、県行政の中でも特に重要なこの原子力安全行政については、これまでも国に対し厳正な規制・指導を強く要請してきたわけでございますが、今後とも、国及び事業者の対応状況を厳しく見極めつつ、県民の安全、そして安心に重点を置いた、これまでの姿勢を堅持して参りたいと、そう考える次第です。
○幹事社
3つ目の質問です。
北通り3町村の合併協議についてお聞きします。大間町長がこの度「合併しない」と発表されまして、町内では住民投票が行われることになりました。合併を進める立場の県として、この事態をどのように考えていらっしゃるかお聞きしたいと思います。
○知事
北通りの3町村の合併についてでありますが、大間町におかれまして、今後、住民投票により住民の意志を確認し、民意を反映した選択をしていくということでありますので、予断を与えるような発言は避けるべき、避けたいと考えておりますが、これまで法定協議会がございました。法定協議会での協議を踏まえ、北通り地域全体の発展について真剣に検討し、議論を尽くして合併に関する判断をしていただきたいと考える次第であります。
県としては、これまでの合併協議の経緯であるとか「北通り3町村の合併の枠組みが望ましい」という意見が大勢を占めました青森県市町村合併推進審議会における議論を重く受け止めているところでありまして、助言等を求められれば適切に行っていくなど、出来うる協力は惜しまない所存でありますが、まずは、最初にも話をいたしましたが、予断を与えるような発言を避けなければいけないということでございます。ともあれ、今後の推移を十分関心を持って見守りたいと考えています。
○幹事社
幹事社からの質問は以上です。
各社から質問、よろしくお願いします。
○記者
庁議案件にある「津軽地域の産業振興の取組み」の内容はどういう内容なのかというのと、津軽ダムの発電所について継続するか撤退するか、今月以降に県は判断をすると思うんですけれども、知事として、現時点での考え方とその時期はいつ頃になるのかをお願いします。
○知事
庁議案件については、それは担当の方からということで話をさせていただきます。
ダムについては検討委員会に検討を依頼している状況であるということでございますから、そういう状況なのに、まさに予断を持って語るべきではないとは思っておりますが、私どもとしては、一言で言えば審議会にお願いしている部分でありますので、費用対効果であるとか様々な地域の実情等を勘案しながらの適切なお答えをいただき、その中において我々として最もふさわしい方向を見出していきたいと、そう考えております。
○商工労働部長
津軽地域の産業振興の案件でございますけれども、県土の均衡ある発展ということで、従来からいろいろ叫ばれておりますが、私どもが進める産業振興プロジェクト、これがどちらかと言いますと三八、県南方面に片寄っておりました。エコタウンですとか、環境・エネルギー産業創造特区とか。
そういうことで、議会の中からもいろいろ、津軽にも何かピカッと光るプロジェクトをということで、実は平成16年度から、「日本海沿岸地域産業振興懇話会」という弘前大学の南條理工学部長をキャップとして、どういったプロジェクトが望ましいかいろいろ検討をいただいてきておりました。それをふまえて、もう新聞等にも載っておりますが、二つのプロジェクトとして、1本目が「青森ウェルネスランド構想」、弘前大学を中心に医療・健康・福祉関連産業をつくっていこうと。もう1本が「あおもり農工ベストミックス新産業創出構想」ということで、この二つのプロジェクトを新年度から津軽方面で動かしていく。これについては、各部、いろいろ連携を取っていかなければダメなものですから、庁議案件として報告した次第です。
○知事
部長の発言に誤解があってはいけないので、若干補っておきますが、いわゆるタイトルのついたものとしての三八、県南方面ということでありまして、私は知事就任以来、いわゆる先端関連の企業が大変に数多く立地している津軽地域をどうコラボレーションするかという、その分野についてはご存知のとおり徹底して進めてきたがゆえに工場増設等々が進んできたということは忘れていただきたくないと思いますし、東海岸部分では、要するに産業都市、新産都市時代の空いてる炉が3つありと、それをどう活かすかと、要するに既存資源をどう活かすかということを進めてきたわけでありまして、両地域とも既存資源に対して徹底して新しい、知事としての取組みを行ってきたと。それに加えて、今後タイトルをつけたところの新たな試みもまた、別ジャンルですが、そういうことを始めるということですので、くれぐれも誤解のないようにお願いします。
○記者
津軽ダムなんですけれども、審議会の意見を聞いてから決めるということなんですが、県の行革大綱で、もう廃止するということは明確にしているわけですけれども、審議会の内容によっては、方針が変わるという可能性もあるということでしょうか。
○知事
そういうことではなくて、地域からも非常に強い要望等が市長さん、村長さん始めとしてあったということは、私どもとしては一考に価する部分があり、またご存知のとおり、自分自身は新しい分野の再生可能エネルギー等を推進しているものでありますが、この場合において、この水力のあり方等が、いわゆる非常にどういう付加を生むものであるかとか、費用対効果ということを含めて、やはりもう一度きちんと見直した上でのお話をすることが重要だと考えているということです。
○記者
アクティブ試験が始まって今日で5日目ですけども、その間の思いをお聞かせください。
○知事
先ほどお話したわけですけれども、いわゆる、安全確保の徹底ということを常に言い続けてきているわけですが、現状において、試験としては順調であるようであるということで、細かい報告は受けておりませんけれども。繰り返し、本当にしつこいように昨日、原燃の方々がお見えになったので、しつこいと、皆さんもしつこいと思うかもしれないですが、安全確保の徹底というその意識を皆で高めることと、常に品質保証体制を改めていくということ等について、再々々という形でまた話をさせていただきました。
ご存知のとおり、第三者の機関としてロイド(ロイド・レジスター・ジャパン)があり、また技術協会ということで、私どもが提案した部分があるわけですけれども、しかしやっぱり久保寺先生がおっしゃったように、それぞれの実際にその試験に携わっている方々が、正に行間を読むという姿勢で事業を、試験を行っていくことが何よりも安全確保等に必要なわけでございますから、そのことについて、もうしつこいようですけれど繰り返し話をさせていただき、今日、こうしてチャンスを与えていただいたので、まだ、まだ言っているのか、そうなのかという思いでしょうかもしれませんが、私としてはやはり県民の安全・安心を確保していくためにはそのことが重要と考えているということを言わせていただきます。
○記者
関連してなのですが、アクティブ試験が始まってから放射性物質が出始めました。安全なレベルだということは分かっているのですが、県民の方の中には「安心」という部分で、やはりまだ不安に感じている方もいると思います。顧問として委嘱された放射線の専門家の方々が活動されていますが、知事は県民の方々の安心という部分で、まだまだ理解を得るのにどれくらい時間がかかるとお考えなのか、お聞かせいただけないでしょうか。
○知事
やはり、繰り返し繰り返しですね、顧問の先生をお願いしたわけですけれども、私どもとしての立場としてこの問題をお話ししていくことが大事だと思っておりますし、また国とか事業所に対しまして、本来、第一義的には彼らの絶対的な責務でありますけれども、広聴し広報するということの強い要請をしているわけですけれども、それぞれがそれぞれの立場でこのエネルギーの関連のことでございますからお話し続けるということが大事なんだと思います。
○記者
まだまだ時間がかかると。
○知事
時間がかかるじゃなくて、時間をかける、回数を重ねるというか、より多くの方に話を聞いていただくことをどんどんやっていかなければいけないということで、副知事はじめ担当部局にも、私どもとしての3人の専門家の先生方が説明会、お話しする機会を多くつくる様に話をしております。指示も出していると。
○記者
知事は、アクティブ試験の判断の大きな判断材料になった安全検証室の報告なんですけれども、こちらについて知事は十分であったかどうかという判断についてということと、あと、今後、検証室を縮小したり拡大したり、組織変更についてお考えがあるかということをお聞かせ下さい。
○知事
検証室は非常によく今回も働いてくれたと思っているんですけれども。私自身知事就任以来、この原子力施設の安全対策の徹底については、何よりも県民の安全、そして安心の確保を第一義とする姿勢を堅持してきたわけであります。その辺から申し上げたいと思います。
原子力施設の安全確保については、第一義的には事業者、繰り返しになりますけれども事業者が国共々責任を持って、事業者の取組みと共に法令ということがありますから法に基づいて一元的に安全規制を行っている国がその役割を果たしていくのが基本であって、国及び事業者においては責任と使命感を持って安全確保の徹底を図るべきと考えています。
一方、県としては、県民の安全と安心を確保するという立場から、これまでも原子力施設については立地村と共に事業者と安全協定を締結するなどして、環境の監視を行うと共に施設への立ち入り調査を実施するなど、安全確保を第一義に取り組んできたところであります。
原子力施設安全検証室は、平成15年6月に県民の安全・安心に一層の重点を置いた対応をすべきと考え、原子力施設に係る事業所の報告など、様々な事案について第三者的な立場で総合的な検証を行い、私にアドバイスしサポートする組織として創設したものであります。
検証室は、創設以来、国等の原子力関係の会議等に出席し、私が事業者から報告等を受ける際には全て立ち会うなど、常日頃から情報収集に努め、これまで、例えて言えばですけれども、東北電力の東通発電所の安全協定や日本原燃の六ヶ所再処理施設の使用済燃料受入、貯蔵施設プール水漏洩等々、私が本県に立地する原子力施設において様々な判断をするに際しまして、事業者であるとか国等の対応状況、あるいは県議会、市町村長、青森県原子力政策懇話会等のご意見などを第三者的な立場から分析して、その結果を私に報告し、私自身をサポートしてきております。
さらに、この検証室からの報告というものを踏まえ、私が事業者に要請、申し入れをして実現したものとして、先ほども話しましたけど、日本原燃株式会社においてはいわゆる同社の品質保証体制の確立に向けて常設の第三者外部監査機関「ロイド・レジスタ・ジャパン」を設置し、平成16年から年2回の定期外部監査を実施してきております。また例えば、電力業界全体における品質保証の確立に係る水平展開、情報共有等を担保するための常設の第三者機関として、17年の4月には「日本原子力技術協会」が設立されたこと、これは検証室からの考えをいただいてやったものなんですけれども、等が挙げられるなど、私をサポートするという検証室の役割は私とすれば十二分に果たしているものと認識をしております。
○記者
組織とか、変更の方法については従来どおりというか、これから操業に向けて。
○知事
これからもきちっと働いていただくという思いでありますし、またそれにふさわしい人材を配置しているという思いがあります。
○記者
現行で十分だという認識ですか。
○知事
いや、現行で十分働いているという認識です。
○記者
アクティブ試験の件ですが、安全協定締結を表明した際、知事は、考えられるあらゆる手順をていねいに踏んで総合判断したとおっしゃいましたけれども、核燃で判断する際に、この手順は、完成されたものというご認識でしょうか。
○知事
あらゆるものに完成ということは無いわけですから、時おり、今、話したロイドのことが出てきたりとか、日本技術協会を、そういうものが必要ではないかということを話したりとか、いろいろあるわけですけれども、その場面、場面、場所、その時々ということですから、今回については私どもとしての仕組みとしての手順は、きちんと考えたものを、順を踏んだという思いがあります。
○記者
その時々で新たな方法が、ということですか。
○知事
案件が非常に多様な部分にわたるものでありますから、このこと自体。そういうことになると思います。
○記者
この手順の中に、核燃料サイクル協議会、官房長官も出席するものがありますが、それは欠かせないものというお考えでしょうか。
○知事
個別に、全員を、公開の下でという方法もありますし、サイクル協議会という方法もありますし、ということでありますが、その都度、都度ということだと思います。
○記者
特に重要な案件ではサイクル協議会をこれまで開いています。知事はこれまで3回開催しました。これは青森県独自のもので、前の知事が政府に強く要請してつくられたものです。もし、これが、前知事時代になかったとした場合、三村知事が重要な決断をするという場合、三村知事も新たに要請したでしょうか。
○知事
過去を振り返ってどうこう言ってられないけれども、具体論として、全ての関係、皆さんにも毎回、7ヶ所ぐらい付き合っていただいて恐縮ですけれども、全ての関係大臣とか委員長だとか廻って歩いて、公開の場でやり取りを繰り返すという仕組みもまた私としてはやっぱり行っているわけです、自分のやり方の一つとしては。
○記者
サイクル協と、個別に廻る方法、その区別は何かあるのでしょうか。
○知事
結局同じやり取りですから、サイクル協はまとめてやる、個別はきっちりと全部踏んで、何の日、何時から、経産大臣は、委員長は、文科大臣は、ということですから、内容として同じなわけでございます。
○記者
官房長官については。
○知事
官房長官の部分は、まあどちらにしても公開されないわけですけれども、お会いしてきた内容及びそのどういうやり取りがあったかは必ず皆様方に発表と言うか、お話するようにしているわけでございますから、同じだと思います。
○記者
先ほどご説明がありました津軽地域の産業振興のお話しなのですが、以前から知事は、会合などで、津軽にあるエキセントリックな産業と南部にある特区で育んできたものをうまく連携させて地域振興を図りたいというお話をされていましたけれども、キャノンプレシジョンにしろ、ルネサスにしろ、世界、日本に冠たる企業があるけれども、それらが結びついていない、なかなか難しいところがあると思うのですが、知事として津軽地域の産業振興が図られない問題点、課題はどのようなところにあるとお考えになられますか。
○知事
いわゆるクラスター化をどう我々が図っていけるか、我々というか、我々だけでクラスター化はできない、産・学・官・金融という部分、それぞれが連携してクラスター化というものを図っていこうと。要するに、なかなか東大阪のような状態まではいかないんでしょうけども、そういった非常に先端的なものを各分野、持っている企業があるわけです。ですから、工業団地を造ればその工業団地にいろんな企業が入ったからといってそれがクラスター化するわけではない。いかに日常のやり取りができるような仕組みを作っていけるのかと。
要するに、時間外の交流というと変ですけれども、東大阪とか大田区では、仕事が終わった後で技術者たちがワイワイとする場もあったりということがあるわけですよね。そういった、いわゆるクラスター化と言っていますが、クラスター化というものをどう我々として、我々が提案しただけではできないわけです。産業の方々、学となりますと弘前大学を中心とした形になるんですけど、また、それから我々含む公設試含めてという立場、そして何よりも今、金融関連の方々の取組み、一緒に取り組むというあり方は情報を沢山持っていますし、ネットワークを作っていくのに重要ですから、非常に大事だと思っています。
従って、産・学・官・金融連携ということをお話し申し上げているわけですし、また、コーディネート的な部分をどうコーディネートできる人材と言うんでしょうか、それとも企業体と言うんでしょうか、そこをどう形作っていけるかということ等課題があるわけです。全般的に元気青森人の創造とすれば、この産業を興していくものは人であり、人と人との連関でありということを、今年度の予算でいろいろあれしましたから、推し進めていきたいと、そう思っています。
一言でいえば、クラスター化をどうしていく仕組みをお互いにそれぞれが産と官と学と金融が意欲を出し出しして、チャレンジする気持ちを出し出しして作り上げることができるかというのが最大の課題であると思っています。しかしながら、それにしても津軽平野にある技術、ローカルテクノロジーというものは本県にとって宝であり、それと我々従来型の産業があったところに環境とかエネルギー関連の新しいものをやっておりますけれども、そういった部分とのバランスを取りながら、それぞれ伸ばしていくという仕組みは重要だと思います。
○記者
三沢市など、六ヶ所村の隣接市町村が求めていた核燃料税の配分について、今後のこととして、どうお考えでしょうか。
○知事
本県の核燃料物質等取扱税条例、これは六ヶ所原子燃料サイクル施設及び東通原子力発電所の立地に伴い生じるところの県の財政需要を前提として、国の許可を受けて実施しているところであります。県としては、核燃料物質等取扱税の活用にあたっては、県の財政事情が非常に厳しい状況にある中で、地域の声を踏まえながら六ヶ所村・東通村及び周辺地域における県事業等広く県政振興に資する様々な事業を実際に実施しているところであります。
立地及び周辺市町村の皆様からご要望いただいているところでありますが、市町村財政同様、県財政においても大変厳しい状況に置かれている中、私どもとして職員の給与の削減など県財政の健全化に鋭意取り組んでいるものの、今後県民の悲願であります新幹線建設に係る県費負担であるとか、北海道まで行きますから、また八戸・青森間を含めた並行在来線、対策室も作ったわけですけれども、負担など、相当程度の負担というものが見込まれるなど、県の財政運営上配分の判断ができる状況にないということについてご理解をいただきたいとお願いしている次第であります。
○記者
雇用情勢について質問します。先月、総務庁が発表した青森県の完全失業率が6.9パーセントということで、沖縄に次いで全国で2番目に厳しい情勢です。 2004年平均の6.6パーセントから0.3パーセント悪化しました。その間、有効求人倍率は徐々に改善はしているのですけれども、依然厳しい情勢であります。
下から3番目の、失業率の高い大阪府の場合は、失業率の改善目標というのを数値目標を設定しております。下から2番目の青森県も失業率の改善目標というのは設定する必要性があるかどうか、どうお考えでしょうか。
○知事
「生活創造推進プラン」で、失業率ではありませんけれども、有効求人倍率等を含めての全体としての産業・雇用情勢をいかに改善するかという仕組みは作り、それに基づいて、いわゆる施策の選択と集中、県の重点事業の人財ということも入れれば10本のうち7本をこれに向けるということで鋭意努力してきた結果として、失業率の分野でお話しいただきましたが、有効求人倍率の部分について言えば、日本の国の経済がよくなっていることもありますけれども、私が引き継いで以来、0.3の段階から0.48まで、それぞれ本当に努力いただいて、またそれはメディアの皆様方含めて様々な仕組みづくりということをご提案いただき、それを実行してきたわけですけれども、そういう形で続けて参りましたので、全般の行政施策とすれば、いわゆる「生活創造推進プラン」ということについて、後ほど個別に是非お話しいただければと。部長から話をさせていただきますので、それでご理解いただけると思います。
○記者
年度末にかけて、県の補助金が不適正に充当されていたことが分かってアクションがあったケースが2件ほどありました。1件は商工労働部の工業振興課で十和田の業者について、もう1件は健康福祉部の障害福祉課の担当する弘前市の社会福祉法人について、ありました。片方は全部県、片方は国と県が半々ということで、若干状況が違いますけれども、いずれにしても補助金を払ったあとに、監査をしていくというところがですね、評価していく必要があるのではないかという、警鐘が鳴らされたのではないかと思うのですが、その辺について、まあ年度始めということでもありますし、これから補助金の執行にあたってどのようにお考えでしょうか。
○知事
各部局には、ご存知のとおり、かなり厳しくその点を指示したわけですけども、両案件とも巧妙、もう本当に、写真を撮ってちゃんと確認して、再度行ったら今度、それが別な方に移ったと、非常に巧妙であったということは私どもとしては残念なことなんですけれども、しかしながら、各部局に対しては徹底するように指示はしております。また、いわゆる訴訟案件にもなっておりますので、これ以上は言いませんけども、内容については申し上げるところができない部分もありますけれども、きっちりとしたいという思いです。
○記者
策定作業中の県の港湾ビジョンの関係でちょっとお尋ねしたいのですが、素案では八戸港に加えまして、今回青森港と七里長浜港にも国際コンテナ航路の開設を目指すという方向が示されているんですが、それに対して、先ごろ八戸市の方からは、八戸港への国際航路の集中をという要望がありました。
さらに、それに加えて、その後青森市と鯵ヶ沢町からはその八戸の集中ということにけん制するような形での各港の整備という要望が相次いでいるわけですけれども、この動きについての知事のお考えと、知事として国際コンテナ航路の開設についての基本的な考え方について変更があるのかということについてお伺いします。
○知事
それぞれの立場で各港湾の振興についてお話がございましたので、ご要望をお聞きしたという段階であると思っています。
この港湾ビジョン案というのは、青森の30年後におけるところの青森県の港湾の果たすべき役割とか方向性を示したものでありますし、今後、青森県港湾長期構想検討委員会の基本方針どおりビジョンで示された方向性などを踏まえて関係機関などと連携をして、それぞれの港や、いわゆる港というものは港があればいいわけではなくて、背景というものが必要なわけでございますから、その特性というのがあるわけです。その特性に応じた港湾振興ということを私の立場とすれば考えるべきだと思っております。
○記者
八戸の要望があった際に、県側の方から方向性としては素案として示されたものがあるけれども、一部微調整をしたいという旨のお話があったんですけれども、それは大きな方向転換ではなくて、基本的な方向性は変わらないというお考えでよろしいでしょうか。
○知事
基本的方向性は、それぞれの港湾の特性というものがある。港というのは、私結構その方面仕事をして勉強をしてきたんですけど、非常に特性があるんですね。そのことを踏まえた港湾振興ということで、全体の30年後に向けての流れがあるわけですから、その微調整はあるとしても、大きな流れとしては、微調整程度に収まるのかな、どうかなということでございますが、今後とも、しかしながら、常に関係機関それぞれと協議していくという姿勢を持って調整を図るということは、こういう長いプランを作ることにおいては重要だと思っています。
−以上−