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平成18年12月 定例会見/平成18年を終えるにあたっての知事所感
会見日時:平成18年12月28日(木) 16:00 〜 16:16
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事
○知事
平成18年も残すところ、あと4日となりました。県政記者会の皆さん方におかれましては、県勢発展のため1年間御協力いただきました。ありがとうございます。
さて、私ども青森県のこの1年を振り返ってみますと、今年は、1月から3月にかけて、2年連続で豪雪がございました。多くの人的被害やりんご等の農作物被害に見舞われたわけでありました。また、10月には、発達した低気圧によります大雨、洪水、暴風、波浪により漁港関係施設等を中心といたしまして、約 186億円にのぼる大きな被害を受けました。
しかし、このような状況の中におきましても、農家の皆様方をはじめ、漁業者の方もそうですが、関係の方々の御尽力によりまして、本県の農作物、あるいは水産物、素晴らしい出来、私どもの言葉で、「攻めの農林水産業」でよく話しているのですが、「青森の良品」、良い品揃え、品質の良いものを、こういった中でも作っていただきました。総合販売、力が入ったところでした。
また、スポーツ関係では、トリノ冬季五輪で7位に入賞し、日本中にカーリングブームを巻き起こした「チーム青森」、来年の大会もまた、待ち望まれるところです。そして、世界レスリング選手権大会とドーハ・アジア大会で金メダルを獲得した伊調姉妹、また同じく世界レスリング選手権で金メダルを獲得した坂本日登美選手、ドーハ・アジア大会1万メートルで金メダルに輝いた福士加代子選手、巨人からドラフト1位指名された光星学院の坂本勇人(はやと)内野手等の活躍がありました。「元気青森人」を目指しております私としては、大変うれしく思いました。今後のますますの御活躍をお祈りしたいと思います。
また、今年は、本県の様々な取組が全国的に評価された年でもございました。
「あおもりツーリズム」のモデル事業として、平成16年に旧名川町、現在の南部町に開村しました「達者村」が数々の賞を受賞し、また、若年者の雇用を推進している「ジョブカフェあおもり」が就職決定率・カウンセリング満足度の高さなどからジョブカフェ大賞を受賞いたしました。また、県がつくりましたDVD「はたらく心」が第4回全国地域映像コンクールで奨励賞を受賞するなど、高い評価を得たところであります。
7月に開館いたしました「青森県立美術館」の開館記念展「シャガール:『アレコ』とアメリカ亡命時代」は県民の皆様方をはじめ、全国あるいは国外のお客様もお越しいただきました。19万人を超える方々に堪能していただきました。
こうしたことにより、青森の元気を全国へむけて発信することが出来たと感じております。
一方、県政においては、「ふるさと再生・新生」に向けた基礎固めをしっかりと行った年でありました。
具体的には、「人財育成」のための「人づくり戦略」の策定に着手をし、元利ベースでのプライマリーバランスの3年連続黒字化を達成し、県財政の健全化に努めました。また、それを土台といたしまして、地域の資源を活かした「攻めの農林水産業」の推進、「環境・エネルギー産業」の創出、「あおもり農工ベストミックス新産業創出構想」や「あおもりウェルネスランド構想」、さらには「青森県エネルギー産業振興戦略」の策定等ございましたし、先程お話ししました達者村や海彦・山彦の里事業等「あおもりツーリズム」の推進にも努めた年でもありました。
また、県民の方々が安心して暮らせる社会実現のため、喫緊の課題であり、少子高齢化対策としても重要な「保健・医療・福祉包括ケアシステム」の推進や医師の方々の定着のための環境づくりを進めますグランドデザインを策定し、安全・安心づくりのため、ユビキタスの実証実験を行い、これは来年2月にも大きな実験がございます。そして、原子力施設の安全対策を徹底する等、一つひとつを着実に実行してきたという思いがあります。
また、4月には、自主自立の青森県づくりを地域と共に進めるため、本県では初の総合出先機関となります地域県民局を設置し、11月には弘前大学と、活力ある個性豊かな地域社会を形成していくため、包括協定を締結いたしました。今後も、地域と一体となって地域づくり、自主自立の青森県づくりを進めて参ります。
青森空港においては、計器離着陸装置等の高カテゴリー化、キャットスリーと申しておりますが、来年の3月15日に運用開始されることとなり、国際定期便ソウル線の週3便から4便への増便も実現をいたしました。また、東北新幹線八戸・新青森間につきましては、全19トンネルのうち12トンネルが貫通するなど、2010年の開業に向け、着々と工事が進んでいます。こういった交通インフラの整備により、地域経済の活性化、交流人口の拡大に一層力を注いでいくことが本県の発展につながると考えております。
一方、全国的には、子どもたちが連れ去られたり、いじめにより自ら命を絶つなどの痛ましい事件がございました。子どもたちの安全・安心につきましては「青森県安全安心まちづくり推進本部」の活動や、「命を大切にする心を育む県民運動」をはじめ、様々な取組を行ってきましたが、子どもたちの安全確保は、社会全体で取り組まなければならない問題となっております。今後も、常に「命の大切さ」を訴え、県全体でこの課題に取り組んでいきたいと考えております。
今年も何かと慌ただしい1年でありましたが、振り返って見ますと、今年もまた「暮らしやすさのトップランナー」、これを目指して、全力で頑張ってきた1年であると思います。
新たな年も、県民の皆様の幸せと県勢発展のため、全力を尽くして参りたいと考えております。
以上、所感とさせていただきます。
○記者
最近は、日銀の短観や金融経済大綱など、全体ではまだ低い水準なのかもしれませんが、ちょっと良い感じの指標が出てきましたけど、それについてどのようにお考えですか。
○知事
私ども県の施策というだけではなく、民間の方々も含めて、大変に努力をしてきたと思います。その積み重ねというものが、それぞれに一つひとつ、芽吹いていくというのでしょうか、そのことで、全体の基調として「さあ、上げていこうよ」という思いになってきたのかなと感じるんです。しかしながら、我々は、この日本の経済、世界の経済、そういった中に、やっぱり青森県もあるわけで、その大きな流れの中で、かつて歴史の中で翻弄されてきたということもございました。良い基調であったとしても、努力をそれぞれに、施策を打ち出す我々も、本当の意味で踏ん張っていただいた民間の方々も含めて、「さあ、上向いてきた」、だからこそ、今また、「もう一丁努力しようよ」「ともに良い方向考えよう」ということで、先程の話と重ねますけど、色々なことを積み上げていくことだと思います。物事、結局はコツコツとした努力によって、成果を導き出していくということでしょうか。その時に、先程もお話ししましたが、大きな世界的な流れだとか、この日本におけるあり方とか、そういった基調というのですか、そういうものを見失わずに、我々も民の方々も含めて進んでいくことが、やはり大切かと思います。
○記者
先程、網羅的に振り返ってもらったんですが、知事にとって、今年一年色々な出来事の中で印象的だったこと、あるいは、トータルで、先程全力で頑張ってきたとおっしゃていたんですけど、非常に成果があがった年とお考えなのか、もうちょっと頑張れたとお考えなのか。
○知事
自分自身のひとつの感傷と言うものであるかも知れないけれども、67市町村が40市町村という形の中において、自分にとっては、「百石」という町が「おいらせ町」になったということについては、やはり、様々に思うことがあります。自治体のあり方が変化していくということが、自分自身が町長をやったが故に、特に感じたものがありました。自分自身の政治のスタートもそこであったわけだし。
それともう一つと言えば、美術館ということについては、7月の13日に間に合わせるということのために、職員が本当に頑張った。そして、今の19万人。良いコンテンツを一所懸命揃えたということもあるけども。よく踏ん張って、頑張ったし、19万人の方々を引き受けるために、何ほど見えない努力をしたか。職員の方々、そして、ボランティアの方々。このことで一つ考えてみても、青森県、ともに色々なことを努力することを感じました。
○記者
お正月の過ごし方を、差し支えない範囲でお願いします。
○知事
本県のまるごと情報発信チームがゲーム監督さくまあきらさんたちと青森をすごく丹念に歩いてつくったゲームソフトが出来上がったので、これをちょっと本腰を入れてやってみようかなと考えております。
−以上−
※なお、知事選挙に関し、立候補予定者の立場での質疑応答については、公平・公正を期すため、掲載しておりません。