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平成22年7月 定例会見/庁議報告ほか
会見日時:平成22年7月2日(金) 11:15 〜 11:46
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事
○幹事社
まず庁議案件の方をお願いします。
○知事
庁議案件ではございませんけれども、宮崎県での口蹄疫発生に関連して、私からご報告がございます。
宮崎県では口蹄疫の発生で畜産業界のみならず県民生活にも日増しに大きな影響が出てきている状況でございます。関係者の方々に、改めて心からお見舞い申し上げたいと思います。
そして、今回の口蹄疫におきまして、宮崎県では全国に誇る種雄牛のほとんどをまん延防止のため処分しなければならなかったことは、誠に無念で、心の痛みは計り知れないものがあると思っております。
そしてこの種雄牛の中には、5年前私どもの「第1花国」と宮崎県の「安平」の凍結精液の交換によって生まれた種雄牛候補の1頭が含まれていると聞きました。私自身、誠に残念な思いです。
そこで、私どもとして、宮崎県の畜産復活に向けた支援策として、再び「第1花国」の凍結精液を宮崎県に提供すること、これも有効な手段と考えまして、昨日ですが、東国原知事に申し上げましたところ感謝をいただきました。
そこで、今後の口蹄疫の終息を待ちまして、私どもの「第1花国」の凍結精液100本を宮崎県の畜産振興のために提供いたしたいと思っております。宮崎県への支援につきまして、私からの報告は以上でございます。
○幹事社
幹事社です。
知事さん、改めまして参議院選挙への対応と、あと2点目が消費税増税の議論が続いていますけれども、その所感ということです。3点目が国会閉会に伴って各種法案の成立・不成立と分かれたものがかなりございましたけれども、郵政改革法案や地域主権3法案など不成立になった法案について、県として成立を期待していたものがあったかどうか、またこれらの法案、今後内容が変更される可能性というのもありますけれども、県として何か要望があるか、以上です。お願いします。
○知事
先日も申し上げたわけでございますが、義をもって立ち、友情をもって立つということをお話させていただきました。今回、自分自身、どなたに投票をするかということを考えたんですけれども、自分として、長く一緒にやってきたという強い思いもございました。私としての思いとすれば、義をもち、友情をもってという次第でございます。
消費税の話でありますが、現在の社会保障の状況と財源ということを考えた場合に、全体の税体系のあり方も含めて、やはり国家の方針をどうするかと、税体系のあり方、その中における社会保障を支えていくための税財源のあり方というものが問われているということは私も認識するところでございます。従って、議論すべき時期に来ていると思います。
ただ、その場合においても、地方の立場で申し上げますと、私どもの、いわゆる地方消費税の部分のこととか、また低所得者の方々へのどういった配慮ということとか、あるいは行財政改革等を含めてのあり方とか、いろんな議論がまた必要かなと思うのですが。
ただ、毎日(消費税に関する)話が変わるので、今日、一般論としてどう思うかということでお話しすると、本当によく分からないですね。日々これいろんな意見が新たに出てきているという中にあるということで。
しかし、繰り返しになりますけれども、一般論というか大きなこの国の方針としての税体系のあり方の中で、大いに消費税議論がされるべきと思っています。
もう1つも、例の協議の場(「国と地方の協議の場に関する法律案」)にしても、今回の国会で当然議論されてという思いがあったのですが、内容も含めて、議論の場も含めて消えてしまったのはいかがなものかという思いがございまして、かなり前から地方分権一括法から、着々と地方分権、あるいは地域主権が、特に町長からこの仕事に入った私にしてみれば、進んできているという思いがあったんですけれども、今はちょっと一休みしてしまったかなと。
是非、重要なことでございますし、またあれだけ(全国)知事会等の場におきましてもやるということだったものですから、いろいろと選挙が終わる中でしっかりとした議論が待たれるものと思っています。
ただ、これについても、内容も含めて日々新たという感じで、どうしたものかなと。むしろ、新聞とかテレビとかを見させていただくたびに、自分もどうなっているんだろうと混乱するところがありまして、スキッとこういう方向でこうなるという案を出して議論をしていただきたいと思っております。
○幹事社
各社から、どうぞ。
○記者
放射性廃棄物の返還の件なんですけれども、特に単一返還のものに関して、村とか県議会の一部から、見返りとしての地域振興策を示して欲しいという声も出ていますけれども、安全性とかと同時に見返りが何かというのも示していただかないと議論ができないなんていう声もありますけれども、知事としては国とか電力業界に何かそういう地域振興策など求めていくのか、お考えがありますでしょうか。
○知事
私どものまず最初の立場とすれば、安全性、安全ということは非常に重要なことですし、今、安全性の方は「チェック・検討会」からいろいろと、昨日のことですけれども、安全を確保できるというご報告をいただいたわけです。
従って、どちらにしても県民を代表する県議会等を含め、県民説明会の場等を含め、検討結果についての説明を行う中で、各界各層のご意見というものが出てくるわけでございますから、そういった中で総合的に対処していくという思いでございます。
○記者
今の関連で、知事としては期限としていつを目途に、どのくらいまでに結論を出したいという思いはあるのでしょうか。
○知事
昨日もお話申し上げましたが、昨日ご報告をいただいて、従って議会を含めての説明等、いわゆる我々として必要なこと等があるわけでございますし、いついつまでにどうこうという思いではございません。これからでございますから。
○記者
今の話と関連するのですが、高レベル、低レベルを含めて地層処分相当の放射性廃棄物については、今後長期的に見た場合、あくまで青森県は再処理と、それにかける前の一時貯蔵までは国策として協力するけれども、そこから先は他の都道府県でこれをやるべきことで、国の責任として確保してほしいというスタンスは今でも変わらないということですか。
○知事
確保してほしいじゃなくて、国が前面に立って「そうする」と、青森県は最終処分地にはしないということはもう明確に、先日も大臣がわざわざお見えになって、そういうお話をいただいておるわけでございますから。
○記者
今の取組というのは、どちらかというと自治体の方から手を上げてもらうもので、待つという色彩がこれまでは強かったのですが、知事としてはやっぱり国への注文というか、国が前面に立ってやってほしいということですか。
○知事
国及びNUMO(原子力発電環境整備機構)等を含めて、しっかりと、先頭に立って、こういう地層でこういうところがふさわしいということを調査しているんでしょうから、更に更にそれを推し進めていただくべきだと思っています。
○記者
参院選(関連)で、一番最初の幹事社質問にも出たんですけれども、特定の候補者を応援したということについて、義や友情ということだけでなくて、例えばその候補者の所属する政党のマニュフェスト、公約、こんな部分を評価したからとか、そういう視点からの話はありませんでしょうか。
○知事
トータルとして自分自身は、ご案内のとおり財政規律であるとか、先ほどの消費税の話も出ていましたけれども、社会保障、この国でどうやって皆が安んじて生きていくことができるのかということを示すとか、そういうことは非常に重要だと思っています。要するに、そういう話がいろんなグループから出てきていましたが、今はどこに公約や政策が本当にあるのかというところがよく見えない状況でございます。その中において、私としては、この候補者を選択していくというところに至ったという思いです。
○記者
候補者の応援演説に立つということは、国政与党ではないということで、対決というんでしょうかね、対立というわけではないでしょうけれども。与党でない候補を応援するというところに、知事として判断の重みもあったと思いますが。
○知事
世の中の物事を必ず2分法とか対立とか対決とかということで、まあ選挙でございますからそれはそうお考えになる部分も出てくるかもしれませんが、純粋な意味で、どの方に国会に行って、先ほど言ったことをしっかりと議論してもらえるのかな、もらいたいのかなと。要するに、各政党から、財政規律のことも社会保障に関わる消費税問題等も話が出ていますけれども、そういったことをしっかりと国会において、国政において議論していただきたいんです。議論という場において私はこの候補者に行っていただいて、していただきたいということなんですよ。
○記者
今後、参院選後、県政上、あるいは知事の発言が国政でなかなかこれまでとは違って動かなくなる場面も、届きにくくなるとか、そういうお考えはあまりないですか、今回の選挙後。
○知事
日本というのは、大変に私は民主主義国家だと思っています。それぞれの地域における必要なこと、あるいは、前もお話を申し上げましたが、例えば山があったとして、登る方向は違っても志は皆、この国を良くしたい、この国を平和で繁栄、安定した国であり、ここでより良く人が生きられる国にしたい、その思いは私は政治家たるもの同じ思いにあると思います。その場面において、選挙は選挙という場というものがあると思いますが、それ以後の結果については粛々と。この国を良くしようという立場の中において、あそこはダメだとか良くしないとか、そういうことは政治家たるもの、誰も考えていないと私は強く思います。でなければ、この政治という世界に入ってくるべきではないと思います。
○記者
大和沢ダムについてですけれども、弘前市が建設推進を要望するという方針を決めましたけれども、県は建設中止の方針を示した経過と知事としてこの問題について弘前市とどう協議していくのかも含めて考え方を。
○知事
あとで担当の方からお話をさせますが、私どもとして、このダムの必要性の順位が治山治水を含め様々な対策等の中において、はっきり言うと低いという観点から、私どもの公共事業の評価の審議会の方にその旨、私どもの考えとしてお伝えしてあり、今も審議中で、その辺につきまして、担当部長の方から。
○県土整備部長
大和沢ダムにつきましては、当初、土淵川の水質が悪いということで、やっぱり用水を導入する必要があるということも含めてダムの計画をしたわけでございますが、最近、下水道の整備がだいぶ進みまして、もう水質がだいぶ良くなったということで、環境用水の導入の必要性が無くなったという状況にございます。そういうことから、ダムを造らずに、川の治水対策を講じることでいけるんじゃないかというふうな検討をしまして、県としては中止の方向で今、検討を進めているという状況でございます。
今後、地域の住民の方々に対する十分な説明、いわゆる治水上の安全、そういったことも十分説明をした上で弘前市と協議し、この問題について整理をしていきたいというふうに考えてございます。
○記者
もう1点伺いたいのですけれども。
先月の定例会見でも聞いたんですけれども、残り任期1年を切ったということで、その後、心境の変化などありましたら。
○知事
今日の庁議でも、青森県を元気にするために、さあ皆で頑張っていこうと、若い職員達を含めていろんなアイディアがどんどん出てきている。なかなかいいぞ、そら行け、皆で頑張っていこうという話をさせていただきましたけれども。
○記者
先月と同じように、今は現在の問題に取り組んでいると。
○知事
全力投球中でございます。
○記者
海外返還の低レベル放射性廃棄物に話が戻りますけれども、受け入れについては最終判断をされてないと思いますが、どのタイミングで事業者と、あと来週早々に資源エネルギー庁長官ということでしたが、文書での確約を得るというふうにしたその経緯と理由についてお話下さい。
○知事
3月6日に大臣がお見えになりまして、口頭でいろいろお約束をいただいていたわけですけれども、私ども、いろいろな説明会等でお願いをするにあたっては、文書でしっかりとしたものをいただいて、報道とか口頭だけという形になっているわけですから、こういうことで国からはこういう話がございますということを、きちんと整える必要があると思っています。
口ではなくちゃんと文章にして、ペーパーにして、説明する場面において必要だと思います。ごく普通に、事務的な流れだと思っています。
○記者
先月、八甲田で女子中学生が死亡される事故が発生しました。その事故についての知事のご感想と、再発防止に向けて県はどういうふうに取り組んでいくのかということについてお願いします。
○知事
亡くなられた方がおり、痛ましい結果だと思います。決してこういった痛ましい事故を繰り返さないこと、これは非常に重要なことだと思っています。何よりも心からご冥福をお祈りしたいと、先日も議場の方でも申し上げました。
私どもとしても、昨日も国の方に依頼したんですが、今回の事故について調査、それから安全確保の必要ということが大事だと思っています。事故発生現場が国有区域であり、かつ国立公園の特別保護地域となっています。現地調査等についてそれぞれ所管があるので、あとで部長の方から話をさせますけれども、農水省の林野庁とか環境省に対して、今回の事故の調査のために事故現場周辺の早急な調査を実施すべきであるということ、また調査結果に基づいての再発防止策と安全対策を早期に講ずることについて、書面で緊急要請を行ってきました。経緯は後でまた話しますけれども、今後、市からも話がございまして、国、市、また八甲田振興協議会、そういったところ等と調査し、しっかりとした方向性を出していくべきだと思っています。本来、国として全体を引っ張るべきところでございますが、県としてもそのように国に対しての思いがございます。
○行政改革・危機管理監
昨日、知事の指示を受けまして農林水産省の方と環境省の方に緊急要請ということで行ってきました。要請の内容につきまして、今、知事からお話があったとおりでございます。それに対しまして、国の方からは、事故発生以来、これまでも関係機関が連携しながら取り組んできたということで、そのこと自体がたいそう重要なことだということ、そしてまた今後の対応につきましても、やはり関係機関が連携をしながら取り組んでいくことが重要だというお話がございました。今回の要請につきましても、そういう趣旨での要請と承っていました、ということでございます。
県の思いとしては、今、知事からお話がありましたように、あくまでも国有地の中で起きた事故でございますので、本来は国が責任をもって調査なり原因究明、あるいはそれに基づく再発防止策を講ずるということが筋だと思っているわけですけれども、なかなかそういうことだと前に進まないという現状があるわけです。
そういうこともありまして、庁議終了後、改めて知事、両副知事に今後の対策について協議をさせていただきました。その結果、既に今、連絡会議という組織が、県で作った組織でございますけれども、その組織の中で、事故現場における調査をどういう形で進めていったらいいのか、もちろん調査内容だったり、あるいは調査手法ということ、当然そこを固めていくためには専門家の意見を聞きながら対応していく必要があるということになると思いますけれども、そういったことも含めて今後、連絡会議の中で対応を協議していくということがまず第1点です。
そしてまた、調査を受けまして、今後の再発防止策についても連絡会議の中で検討をしていきましょうと。県のスタンスとしては、今回、国への要請を受けまして、あくまでも国、県、あるいは地元青森市に共同で調査なり再発防止策などについて検討をしていくという方向性を見い出したということでございます。
以上です。
○記者
続けて申し訳ありませんが、事故直後の対応等を見ても、登山道の閉鎖を含め、非常に関係機関の連携に少し問題があるんじゃないかなと思われるところがあるのですが、知事はどういうふうにお考えになりますか。
○知事
当日は連携という点についてはメンバーは集まっていたはずだけれども。
○行政改革・危機管理監
いろいろご意見はあろうかと思っていますけれども。我々とすれば、事故当日、20日の日、7時頃確認されて以降、当日緊急に集まっていただいて会議を開催いたしております。翌日、21日には国の機関も入れた連絡会議で検討をすると。その後も具体的に今後の進め方等について、節目、節目で会議を開催しながら、あるいはその必要に応じて現地も確認しながら対応をしてきたと。
今回、通常であればと言いますか、例えとしてよくないかもしれないんですけれども、同じ県が管理する、例えば登山道で事故が起きたということであれば、それも明確なわけですので、対応をするのは県だけでできるということなんですけれども、今の場合、先ほどもお話しましたように国の所有する土地であると。そういう意味では国有林野でもあるし国立公園の中でもある。一方で県が管理する道路というものもございますし、また市は観光振興という観点からも関わりがある。ということで、関係者が非常に多いということで、その間いろんな調整が必要になったということでございます。
○記者
私が申し上げているのは、会議を開いたかどうかということではなくて、例えば登山道の閉鎖にしても、県管理のものについてはすぐに閉鎖になったのに、管理者不明のものに関しては関係機関との調整に数日後、遅れてしまったということを見ても、非常に連携に問題があるんじゃないかと。会議ではなくて事故対応の遅れを招いたんじゃないかと思うのですけれども。今後、何か一つの、他県の例では34年も前から1つの協議会を作って、定期的にガスの噴出場所を把握し、年に数回チェックするなどして再発防止に取り組んでいるところもあるんですけれども、そういった取組をする考えが県としてあるのかどうかということをお伺いしたいんですけれども。
○知事
これは全体のそれぞれの役割を持っているものを統合してお互いにやっていく課題でございますから、そういう意味で我々としては、日本の国であれば国ということ、そしてこの場所という特殊性を考えた場合に、実際、国有林であり、特別保護地区とかそういう課題があるわけでございますから、そういった全体協議については、国が前面に立つということは当然のことだと思っています。
ただ、今、お話申し上げたとおり、早い時期から我々としては協議をしようということは積極的にお話を申し上げている、このことは事実としてあるわけでございますから、今後、そういった具体にこれから、また
昨日の国との話し合いの中でも具体にやっていこうということに進んだわけでございますので、是非そのようにご理解をいただきたいと思います。
○記者
八甲田の関係で伺います。昨日、登山道の閉鎖が解除されて、今朝からでもお客さんが登山道に入るわけなんですが、お客さんが登山道からそれて、事故に遭う可能性というのはまだぬぐい去れてないと思うんですが、その辺に対しては防げるというような判断があっての閉鎖解除でしょうか。
○商工労働部長
昨日の記者会見でも発表させていただいたように、私ども、解除するにあたって県の管理する登山道については安全性を確認できたと。ただ、それ以外の部分に立ち入る場合には、完全なる安全を確認しているわけではないので、立ち入らないようにという注意喚起をきちっと表示させていただいております。従って、その表示を見た上で登山道を安全に通行していただくというのは問題ないというふうに考えてございます。
○記者
今ので追加なんですが。調査等再発防止策に関して、県と国で役割分担はどのようになると想定されているのでしょうか。全て国がやるのでしょうか。それとも県の方ではどういった協力を。
○知事
一緒にやるという話(をした)と思ったんだけれども。
○行政改革・危機管理監
先ほどもお話をしましたように、連絡会議の中で調査内容等を詰めていくということになりますし、その中でお互いに知恵を出しながらというか、どういうことをやっていったらいいのかということを検討してまいりたいということでございます。
○幹事社
よろしいでしょうか。
それでは。
-以上-
まず庁議案件の方をお願いします。
○知事
庁議案件ではございませんけれども、宮崎県での口蹄疫発生に関連して、私からご報告がございます。
宮崎県では口蹄疫の発生で畜産業界のみならず県民生活にも日増しに大きな影響が出てきている状況でございます。関係者の方々に、改めて心からお見舞い申し上げたいと思います。
そして、今回の口蹄疫におきまして、宮崎県では全国に誇る種雄牛のほとんどをまん延防止のため処分しなければならなかったことは、誠に無念で、心の痛みは計り知れないものがあると思っております。
そしてこの種雄牛の中には、5年前私どもの「第1花国」と宮崎県の「安平」の凍結精液の交換によって生まれた種雄牛候補の1頭が含まれていると聞きました。私自身、誠に残念な思いです。
そこで、私どもとして、宮崎県の畜産復活に向けた支援策として、再び「第1花国」の凍結精液を宮崎県に提供すること、これも有効な手段と考えまして、昨日ですが、東国原知事に申し上げましたところ感謝をいただきました。
そこで、今後の口蹄疫の終息を待ちまして、私どもの「第1花国」の凍結精液100本を宮崎県の畜産振興のために提供いたしたいと思っております。宮崎県への支援につきまして、私からの報告は以上でございます。
○幹事社
幹事社です。
知事さん、改めまして参議院選挙への対応と、あと2点目が消費税増税の議論が続いていますけれども、その所感ということです。3点目が国会閉会に伴って各種法案の成立・不成立と分かれたものがかなりございましたけれども、郵政改革法案や地域主権3法案など不成立になった法案について、県として成立を期待していたものがあったかどうか、またこれらの法案、今後内容が変更される可能性というのもありますけれども、県として何か要望があるか、以上です。お願いします。
○知事
先日も申し上げたわけでございますが、義をもって立ち、友情をもって立つということをお話させていただきました。今回、自分自身、どなたに投票をするかということを考えたんですけれども、自分として、長く一緒にやってきたという強い思いもございました。私としての思いとすれば、義をもち、友情をもってという次第でございます。
消費税の話でありますが、現在の社会保障の状況と財源ということを考えた場合に、全体の税体系のあり方も含めて、やはり国家の方針をどうするかと、税体系のあり方、その中における社会保障を支えていくための税財源のあり方というものが問われているということは私も認識するところでございます。従って、議論すべき時期に来ていると思います。
ただ、その場合においても、地方の立場で申し上げますと、私どもの、いわゆる地方消費税の部分のこととか、また低所得者の方々へのどういった配慮ということとか、あるいは行財政改革等を含めてのあり方とか、いろんな議論がまた必要かなと思うのですが。
ただ、毎日(消費税に関する)話が変わるので、今日、一般論としてどう思うかということでお話しすると、本当によく分からないですね。日々これいろんな意見が新たに出てきているという中にあるということで。
しかし、繰り返しになりますけれども、一般論というか大きなこの国の方針としての税体系のあり方の中で、大いに消費税議論がされるべきと思っています。
もう1つも、例の協議の場(「国と地方の協議の場に関する法律案」)にしても、今回の国会で当然議論されてという思いがあったのですが、内容も含めて、議論の場も含めて消えてしまったのはいかがなものかという思いがございまして、かなり前から地方分権一括法から、着々と地方分権、あるいは地域主権が、特に町長からこの仕事に入った私にしてみれば、進んできているという思いがあったんですけれども、今はちょっと一休みしてしまったかなと。
是非、重要なことでございますし、またあれだけ(全国)知事会等の場におきましてもやるということだったものですから、いろいろと選挙が終わる中でしっかりとした議論が待たれるものと思っています。
ただ、これについても、内容も含めて日々新たという感じで、どうしたものかなと。むしろ、新聞とかテレビとかを見させていただくたびに、自分もどうなっているんだろうと混乱するところがありまして、スキッとこういう方向でこうなるという案を出して議論をしていただきたいと思っております。
○幹事社
各社から、どうぞ。
○記者
放射性廃棄物の返還の件なんですけれども、特に単一返還のものに関して、村とか県議会の一部から、見返りとしての地域振興策を示して欲しいという声も出ていますけれども、安全性とかと同時に見返りが何かというのも示していただかないと議論ができないなんていう声もありますけれども、知事としては国とか電力業界に何かそういう地域振興策など求めていくのか、お考えがありますでしょうか。
○知事
私どものまず最初の立場とすれば、安全性、安全ということは非常に重要なことですし、今、安全性の方は「チェック・検討会」からいろいろと、昨日のことですけれども、安全を確保できるというご報告をいただいたわけです。
従って、どちらにしても県民を代表する県議会等を含め、県民説明会の場等を含め、検討結果についての説明を行う中で、各界各層のご意見というものが出てくるわけでございますから、そういった中で総合的に対処していくという思いでございます。
○記者
今の関連で、知事としては期限としていつを目途に、どのくらいまでに結論を出したいという思いはあるのでしょうか。
○知事
昨日もお話申し上げましたが、昨日ご報告をいただいて、従って議会を含めての説明等、いわゆる我々として必要なこと等があるわけでございますし、いついつまでにどうこうという思いではございません。これからでございますから。
○記者
今の話と関連するのですが、高レベル、低レベルを含めて地層処分相当の放射性廃棄物については、今後長期的に見た場合、あくまで青森県は再処理と、それにかける前の一時貯蔵までは国策として協力するけれども、そこから先は他の都道府県でこれをやるべきことで、国の責任として確保してほしいというスタンスは今でも変わらないということですか。
○知事
確保してほしいじゃなくて、国が前面に立って「そうする」と、青森県は最終処分地にはしないということはもう明確に、先日も大臣がわざわざお見えになって、そういうお話をいただいておるわけでございますから。
○記者
今の取組というのは、どちらかというと自治体の方から手を上げてもらうもので、待つという色彩がこれまでは強かったのですが、知事としてはやっぱり国への注文というか、国が前面に立ってやってほしいということですか。
○知事
国及びNUMO(原子力発電環境整備機構)等を含めて、しっかりと、先頭に立って、こういう地層でこういうところがふさわしいということを調査しているんでしょうから、更に更にそれを推し進めていただくべきだと思っています。
○記者
参院選(関連)で、一番最初の幹事社質問にも出たんですけれども、特定の候補者を応援したということについて、義や友情ということだけでなくて、例えばその候補者の所属する政党のマニュフェスト、公約、こんな部分を評価したからとか、そういう視点からの話はありませんでしょうか。
○知事
トータルとして自分自身は、ご案内のとおり財政規律であるとか、先ほどの消費税の話も出ていましたけれども、社会保障、この国でどうやって皆が安んじて生きていくことができるのかということを示すとか、そういうことは非常に重要だと思っています。要するに、そういう話がいろんなグループから出てきていましたが、今はどこに公約や政策が本当にあるのかというところがよく見えない状況でございます。その中において、私としては、この候補者を選択していくというところに至ったという思いです。
○記者
候補者の応援演説に立つということは、国政与党ではないということで、対決というんでしょうかね、対立というわけではないでしょうけれども。与党でない候補を応援するというところに、知事として判断の重みもあったと思いますが。
○知事
世の中の物事を必ず2分法とか対立とか対決とかということで、まあ選挙でございますからそれはそうお考えになる部分も出てくるかもしれませんが、純粋な意味で、どの方に国会に行って、先ほど言ったことをしっかりと議論してもらえるのかな、もらいたいのかなと。要するに、各政党から、財政規律のことも社会保障に関わる消費税問題等も話が出ていますけれども、そういったことをしっかりと国会において、国政において議論していただきたいんです。議論という場において私はこの候補者に行っていただいて、していただきたいということなんですよ。
○記者
今後、参院選後、県政上、あるいは知事の発言が国政でなかなかこれまでとは違って動かなくなる場面も、届きにくくなるとか、そういうお考えはあまりないですか、今回の選挙後。
○知事
日本というのは、大変に私は民主主義国家だと思っています。それぞれの地域における必要なこと、あるいは、前もお話を申し上げましたが、例えば山があったとして、登る方向は違っても志は皆、この国を良くしたい、この国を平和で繁栄、安定した国であり、ここでより良く人が生きられる国にしたい、その思いは私は政治家たるもの同じ思いにあると思います。その場面において、選挙は選挙という場というものがあると思いますが、それ以後の結果については粛々と。この国を良くしようという立場の中において、あそこはダメだとか良くしないとか、そういうことは政治家たるもの、誰も考えていないと私は強く思います。でなければ、この政治という世界に入ってくるべきではないと思います。
○記者
大和沢ダムについてですけれども、弘前市が建設推進を要望するという方針を決めましたけれども、県は建設中止の方針を示した経過と知事としてこの問題について弘前市とどう協議していくのかも含めて考え方を。
○知事
あとで担当の方からお話をさせますが、私どもとして、このダムの必要性の順位が治山治水を含め様々な対策等の中において、はっきり言うと低いという観点から、私どもの公共事業の評価の審議会の方にその旨、私どもの考えとしてお伝えしてあり、今も審議中で、その辺につきまして、担当部長の方から。
○県土整備部長
大和沢ダムにつきましては、当初、土淵川の水質が悪いということで、やっぱり用水を導入する必要があるということも含めてダムの計画をしたわけでございますが、最近、下水道の整備がだいぶ進みまして、もう水質がだいぶ良くなったということで、環境用水の導入の必要性が無くなったという状況にございます。そういうことから、ダムを造らずに、川の治水対策を講じることでいけるんじゃないかというふうな検討をしまして、県としては中止の方向で今、検討を進めているという状況でございます。
今後、地域の住民の方々に対する十分な説明、いわゆる治水上の安全、そういったことも十分説明をした上で弘前市と協議し、この問題について整理をしていきたいというふうに考えてございます。
○記者
もう1点伺いたいのですけれども。
先月の定例会見でも聞いたんですけれども、残り任期1年を切ったということで、その後、心境の変化などありましたら。
○知事
今日の庁議でも、青森県を元気にするために、さあ皆で頑張っていこうと、若い職員達を含めていろんなアイディアがどんどん出てきている。なかなかいいぞ、そら行け、皆で頑張っていこうという話をさせていただきましたけれども。
○記者
先月と同じように、今は現在の問題に取り組んでいると。
○知事
全力投球中でございます。
○記者
海外返還の低レベル放射性廃棄物に話が戻りますけれども、受け入れについては最終判断をされてないと思いますが、どのタイミングで事業者と、あと来週早々に資源エネルギー庁長官ということでしたが、文書での確約を得るというふうにしたその経緯と理由についてお話下さい。
○知事
3月6日に大臣がお見えになりまして、口頭でいろいろお約束をいただいていたわけですけれども、私ども、いろいろな説明会等でお願いをするにあたっては、文書でしっかりとしたものをいただいて、報道とか口頭だけという形になっているわけですから、こういうことで国からはこういう話がございますということを、きちんと整える必要があると思っています。
口ではなくちゃんと文章にして、ペーパーにして、説明する場面において必要だと思います。ごく普通に、事務的な流れだと思っています。
○記者
先月、八甲田で女子中学生が死亡される事故が発生しました。その事故についての知事のご感想と、再発防止に向けて県はどういうふうに取り組んでいくのかということについてお願いします。
○知事
亡くなられた方がおり、痛ましい結果だと思います。決してこういった痛ましい事故を繰り返さないこと、これは非常に重要なことだと思っています。何よりも心からご冥福をお祈りしたいと、先日も議場の方でも申し上げました。
私どもとしても、昨日も国の方に依頼したんですが、今回の事故について調査、それから安全確保の必要ということが大事だと思っています。事故発生現場が国有区域であり、かつ国立公園の特別保護地域となっています。現地調査等についてそれぞれ所管があるので、あとで部長の方から話をさせますけれども、農水省の林野庁とか環境省に対して、今回の事故の調査のために事故現場周辺の早急な調査を実施すべきであるということ、また調査結果に基づいての再発防止策と安全対策を早期に講ずることについて、書面で緊急要請を行ってきました。経緯は後でまた話しますけれども、今後、市からも話がございまして、国、市、また八甲田振興協議会、そういったところ等と調査し、しっかりとした方向性を出していくべきだと思っています。本来、国として全体を引っ張るべきところでございますが、県としてもそのように国に対しての思いがございます。
○行政改革・危機管理監
昨日、知事の指示を受けまして農林水産省の方と環境省の方に緊急要請ということで行ってきました。要請の内容につきまして、今、知事からお話があったとおりでございます。それに対しまして、国の方からは、事故発生以来、これまでも関係機関が連携しながら取り組んできたということで、そのこと自体がたいそう重要なことだということ、そしてまた今後の対応につきましても、やはり関係機関が連携をしながら取り組んでいくことが重要だというお話がございました。今回の要請につきましても、そういう趣旨での要請と承っていました、ということでございます。
県の思いとしては、今、知事からお話がありましたように、あくまでも国有地の中で起きた事故でございますので、本来は国が責任をもって調査なり原因究明、あるいはそれに基づく再発防止策を講ずるということが筋だと思っているわけですけれども、なかなかそういうことだと前に進まないという現状があるわけです。
そういうこともありまして、庁議終了後、改めて知事、両副知事に今後の対策について協議をさせていただきました。その結果、既に今、連絡会議という組織が、県で作った組織でございますけれども、その組織の中で、事故現場における調査をどういう形で進めていったらいいのか、もちろん調査内容だったり、あるいは調査手法ということ、当然そこを固めていくためには専門家の意見を聞きながら対応していく必要があるということになると思いますけれども、そういったことも含めて今後、連絡会議の中で対応を協議していくということがまず第1点です。
そしてまた、調査を受けまして、今後の再発防止策についても連絡会議の中で検討をしていきましょうと。県のスタンスとしては、今回、国への要請を受けまして、あくまでも国、県、あるいは地元青森市に共同で調査なり再発防止策などについて検討をしていくという方向性を見い出したということでございます。
以上です。
○記者
続けて申し訳ありませんが、事故直後の対応等を見ても、登山道の閉鎖を含め、非常に関係機関の連携に少し問題があるんじゃないかなと思われるところがあるのですが、知事はどういうふうにお考えになりますか。
○知事
当日は連携という点についてはメンバーは集まっていたはずだけれども。
○行政改革・危機管理監
いろいろご意見はあろうかと思っていますけれども。我々とすれば、事故当日、20日の日、7時頃確認されて以降、当日緊急に集まっていただいて会議を開催いたしております。翌日、21日には国の機関も入れた連絡会議で検討をすると。その後も具体的に今後の進め方等について、節目、節目で会議を開催しながら、あるいはその必要に応じて現地も確認しながら対応をしてきたと。
今回、通常であればと言いますか、例えとしてよくないかもしれないんですけれども、同じ県が管理する、例えば登山道で事故が起きたということであれば、それも明確なわけですので、対応をするのは県だけでできるということなんですけれども、今の場合、先ほどもお話しましたように国の所有する土地であると。そういう意味では国有林野でもあるし国立公園の中でもある。一方で県が管理する道路というものもございますし、また市は観光振興という観点からも関わりがある。ということで、関係者が非常に多いということで、その間いろんな調整が必要になったということでございます。
○記者
私が申し上げているのは、会議を開いたかどうかということではなくて、例えば登山道の閉鎖にしても、県管理のものについてはすぐに閉鎖になったのに、管理者不明のものに関しては関係機関との調整に数日後、遅れてしまったということを見ても、非常に連携に問題があるんじゃないかと。会議ではなくて事故対応の遅れを招いたんじゃないかと思うのですけれども。今後、何か一つの、他県の例では34年も前から1つの協議会を作って、定期的にガスの噴出場所を把握し、年に数回チェックするなどして再発防止に取り組んでいるところもあるんですけれども、そういった取組をする考えが県としてあるのかどうかということをお伺いしたいんですけれども。
○知事
これは全体のそれぞれの役割を持っているものを統合してお互いにやっていく課題でございますから、そういう意味で我々としては、日本の国であれば国ということ、そしてこの場所という特殊性を考えた場合に、実際、国有林であり、特別保護地区とかそういう課題があるわけでございますから、そういった全体協議については、国が前面に立つということは当然のことだと思っています。
ただ、今、お話申し上げたとおり、早い時期から我々としては協議をしようということは積極的にお話を申し上げている、このことは事実としてあるわけでございますから、今後、そういった具体にこれから、また
昨日の国との話し合いの中でも具体にやっていこうということに進んだわけでございますので、是非そのようにご理解をいただきたいと思います。
○記者
八甲田の関係で伺います。昨日、登山道の閉鎖が解除されて、今朝からでもお客さんが登山道に入るわけなんですが、お客さんが登山道からそれて、事故に遭う可能性というのはまだぬぐい去れてないと思うんですが、その辺に対しては防げるというような判断があっての閉鎖解除でしょうか。
○商工労働部長
昨日の記者会見でも発表させていただいたように、私ども、解除するにあたって県の管理する登山道については安全性を確認できたと。ただ、それ以外の部分に立ち入る場合には、完全なる安全を確認しているわけではないので、立ち入らないようにという注意喚起をきちっと表示させていただいております。従って、その表示を見た上で登山道を安全に通行していただくというのは問題ないというふうに考えてございます。
○記者
今ので追加なんですが。調査等再発防止策に関して、県と国で役割分担はどのようになると想定されているのでしょうか。全て国がやるのでしょうか。それとも県の方ではどういった協力を。
○知事
一緒にやるという話(をした)と思ったんだけれども。
○行政改革・危機管理監
先ほどもお話をしましたように、連絡会議の中で調査内容等を詰めていくということになりますし、その中でお互いに知恵を出しながらというか、どういうことをやっていったらいいのかということを検討してまいりたいということでございます。
○幹事社
よろしいでしょうか。
それでは。
-以上-