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知事記者会見(定例)/平成25年8月5日/庁議報告ほか
会見日時:平成25年8月5日月曜日 11時15分から11時42分まで
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事
○幹事社
まず、庁議案件の方からお願いいたします。
○知事
先ほどの庁議において、県立美術館の平成25年度二つ目の企画展として、「横尾忠則の『昭和NIPPON』-反復・連鎖・転移」展について報告がありました。
今回の展覧会のテーマは、「昭和の日本」。横尾氏によって一貫して描かれてきた「日本」の戦前や戦後、そして現代という時間の連続性を、作家が生きてきた「昭和」という時代と重ね合わせてとらえ直します。
また、青森県立美術館ならではの企画として、縄文という古代の時間が流れる青森の深い森のイメージや土着性も重ね合わせ、横尾忠則の「日本」が次の世代に何を投げかけているのかを問いかける展覧会です。
9月7日からの開催となっておりますので、マスコミ各位におかれましては、周知方について特段のご配慮をお願い申し上げます。
また、現在、開催中の種差展については、展示替えにより東山魁夷の傑作「道」本作が展示されています。会期が9月1日までと残り少なくなっておりますので、あわせて周知をお願いいたします。
以上、庁議関係のご報告とさせていただきます。
○幹事社
2点質問させていただきます。
7月の参院選について、青森県では自民党公認候補の滝沢氏が圧勝したという結果になりました。まず、これについての所感をお願いします。青森県では、衆参両院の議席を自民党の議員が独占する形になったことについて、県政への影響をどう考えるか。
また、その「ねじれ」が国政において解消されたということについて、県ではどう捉えて、優先してほしい政策課題などがあれば教えていただきたいと思います。
2点目ですけれども、弘南鉄道大鰐線の廃止問題についてです。
廃線がひとまず撤回されたことについての所感をお願いします。
7月の会見でもご質問させていただいたと思うんですが、同社への財政支援の可能性、また、それ以外の支援策というようなもので、何か具体的に検討されているものがあれば教えていただきたいと思います。
○知事
まず1点目、参院選の関連。滝沢さんの関連でございますが、滝沢氏が当選いたしましたことは、滝沢氏及び自民党の主張が一定の評価を受けた結果だろうと思っております。
また、滝沢参議院議員には、共に青森県、そして日本を元気にするチームの仲間として、地方の現状を知る県議会議員としての経験をしっかりと活かしていただき、精一杯仕事をしていだたくことを期待するところでございます。ただ、国会議員の皆様方には、これまでもいわゆる与野党ということの区別なく、県施策の説明とか支援ということはお願いしてきておりますし、今後とも、これまで同様のスタンスで対応していきたいと思っております。
政府の政策の課題ということでございました。
政府におかれましては、TPP交渉や、日本経済の成長戦略、社会保障制度改革、エネルギーの安定供給、外交安全保障、そして地方経済の再生など山積する課題につきまして、国民及び地方の雇用に真摯に耳を傾けていただいて、早期にそれぞれ解決していただき、安心で真に豊かな社会の実現を目指していただきたいと思っております。それと特に私共の地方自治の事情から申しますと、この真の地方分権を支えます地方体制の充実、とりわけ臨時財政対策債に過度に依存しない、真水での地方交付税の増額についても、増額というか我々的にいえば元に戻してということになるんですけど、しっかりと対応いただきたいと、これはもう最初の街頭の時にも申し上げたんですけども、県だけでなく、市町村も同じ思いであると思っております。
弘南大鰐線の関係でございますが、先日、弘南鉄道の船越社長さんから、大鰐線の2017年3月末での廃止方針を撤回する旨の発表がありました。今後は、弘前市が中心となって、設置を予定しております協議の場において、同社も参加して、大鰐線の存続に向けて様々な観点から検討協議していくということであり、地域としてのしっかりとした方向性が打ち出されるものと考えているところであります。なお、まさにこれからこの路線の今後についての協議が始まるという段階でございますので、支援の関係につきましては、まずは会社の考え方等をお伺いしながら、今後の議論の推移等も踏まえての話になるものと考えております。
県といたしましては、今後も関係機関とも連携しながらの対応ということになっていくものと、現時点では考えている次第でございます。
○記者
原子力のことについてお伺いしたいと思います。
一応、新聞、テレビ等でご存知だという前提でお話をします。日本原燃が、7月31日に再 処理工場のことについて、10月の工場完成を目指してたんですが、原子力規制庁の方から12月の新規制基準が出来るまで、使用前検査は受けさせられないという通達がありまして、それでうちうちで完成時期を延期するという方針を伝えました。それと同時にむつ市の中間貯蔵について、RFSさんの方も10月の操業開始はちょっと厳しいということで、延期を表明された訳ですけれども、まずこれについて事業者側の判断をどう受け止めておられるかということをお聞かせください。
○知事
原則論的に言えば、今まで言ってきたのと同じになりますけども、六ヶ所再処理工場とか、むつの中間貯蔵施設については、竣工時期が今おっしゃるとおり不透明となっているわけですが、施設の操業に当たっては、何よりも安全確保、このことが第一であります。従って、原子力規制委員会による安全性の確認ということが前提になるものと考える次第であります。
また、現在このサイクル施設等の新規制基準に対するパブリックコメントが行われている状況だというふうに伺っていますけれども、原子力規制委員会においての審議過程にありますことから、私どもとしては引き続き国、事業者の対応を注視していくという段階だと思います。
○記者
わかりました。もうちょっと踏み込んでなんですけども、いずれ県とは、安全協定とか、周辺とも色々伺っていると思うんですが、先行きの見えない状況というのは、県にとって色々な面で計画していくうえでも厳しい部分だと思うんですが、その辺についてはどう考えていらっしゃいますか。
○知事
私ども県というよりも、日本の国のこのエネルギー全体の安定的な供給の仕組み等々を今、それもまた色々と議論されておりますけれども、そういったエネルギー政策全般の中において、様々にこうそれぞれの立場、立場でのお考えがあるというか、出てくるのかなとは思うんですけれども。
○記者
県として、やはりある程度先が見えた方がいいという。
○知事
基本中の基本は、国が法的規制をきちんと行いながら、事業者が事業をしているということであり、我々はいわゆる法的権限がないんですけども、安全協定等々で、色々と申し上げる立場であるということでございますから、具体の所になってこない段階では、特に申し上げるという所ではないということになると思うんですよ。
○記者
先だって公表になりました、短命県の話なんですけども、市町村別での(平均)寿命が出ました。そのとき(公表時)にもコメントをいただいたんですが、改めてという形になりますけれども、各市町村ごとでやはりいいところ、寿命の長い短いの差があるわけなんですけども、そういったところを含めまして、この短命県返上に向けて進めていく事業について改めて知事のお考えをお聞かせください。
○知事
キャッチコピー風に言えば、「酒、塩、たばこ注意して、健診・検診しっかり行こう」と縮めて言えばそうなるんですけども、ただそれだけではあれだと思うんで、少し話をさせていただきます。
実際具体にこう市町村(平均寿命が)出ると、それぞれまたショックな部分が、私どもも感じるところがございましたけれども、この全国の下位50市区町村の中に男性で24市町村、女性で11市町村が含まれるというのは、本当に厳しい結果だと思っています。ただ、全県的にですね、私どもも本当に食改(食生活改善推進員)の皆さんとか保健協力員の皆さんとか、あるいはそれぞれの個人もそうですし、市町村もそうですけども、努力の中において、最下位とは言いながら、(平均寿命を)伸ばしていると。伸ばしているけれども、他も伸びているということなんでしょうけれども、伸ばしてきているということを、全県的に着実に平均寿命が伸びているということも、また逆に感じているところもございます。
これまで、この平均寿命につきましては、いわゆる(青森県)基本計画の方にも、「注目指標」ということで、取り組んできたんですが、やはり健康づくり、このがん対策、様々な取組を総合的に進める必要があると思っています。そのことで都道府県別順位の向上ということを実現して行くことになると思っています。今年度「健康あおもり21」、これの第2次や、あるいは「第ニ期青森県がん対策推進計画」等の初年度となっておりますことから、健康づくりとしては、県民一人一人が自ら健康づくりに取り組むことが出来るような、いわゆるヘルスリテラシーの向上を図ることとし、7月4日には健康寿命アップ推進会議を開催して、各関係団体の皆様方と具体的な取組について確認し合ったほか、9月4日には、県民一人一人が自ら健康づくりに取り組む気運を醸成すると、これ非常に一人一人の気運というのが非常に大事だと思っていまして、これを醸成するための「健康あおもり21ステップアップ県民大会」も開催することにしています。
また、がん対策としては、弘前大学に寄附講座を開設し、科学的根拠に基づいたがん対策の体制整備を進めることとしております。
私どもの思いとしては、この県民の皆様方の命と暮らしを守るために、これら健康づくりや、がん対策の取組の強化に加え、保健・医療・福祉包括ケアシステム、良医育成支援、周産期医療対策、自殺予防などについても、市町村と連携して、しっかりと取り組み、引き続き県民の皆様方の健康の向上を図っていきたいと考えております。
そして(マスコミの)皆様方からも色々報道していただく中で、県民の皆様方それぞれが、これに応える形で、塩のことを気をつけようとか、いろんなことを、肥満のことを気をつけようとか、結構皆様方から本当に最下位ということであるんですけども、報道の中において、それぞれの県民の皆様方に非常に意識というんですか、それが出てきているものと考えています。まさに繰り返しになりますけれども、一人一人が自らの健康づくりに取り組む気運醸成と、ここでやっぱり我々としてもいろんな大会、大会等を開けばということではないでしょうけれども、やはり酒、塩、たばこ気をつけてと、健診検診また健(検)診という思いでございますので、そういったことをですね、訴えていくというか、それぞれ一人一人が、身近に思っていただくとか、そういうことに最大限努力していきたいと思っております。公式的な部分については、先程色々申し上げましたけれども、何とか青森県の皆様方、お一人お一人が気づいていただくと、ヘルスリテラシーとカタカナで言っていますが、健康というものを自分で考え、自分でどう実践するかということを、それぞれお一人お一人の人生でございます。その場面において、自らも一緒に考えていただくという方向性を作っていきたいと思っています。ご協力ください。
○記者
追加ですけども、今、市町村との連携が大事だというようなお話がありましたけれども、これまでも短命県の状況を改善していくために、様々な取組をしていて、全体的にはその数字的には伸びているという傾向にあったということですけれども、市町村と連携する中で、それぞれの市町村ではいろいろな事情があるかと思うんですけども、何か難しい点だとかって何か感じられている点というのはあるんでしょうか。
○知事
率直にいうと、それぞれの首長さん方も、それぞれ意識をですね、一緒に共有していただければなということ等は思わない訳ではない。今、例の包括ケアの関係で、地域の保健師さん方、要するに現場を一番知ってて、現場をよく歩いてて、実は自分の市町村の課題というものを知っている方々がこの保健師さん方なんですけれども、この方々との懇談の場を設けて、今年もまた、この間、平内町でやったり、次々やっていきますけれども、その場面に実は首長さんに可能な限り出てきていただいております。そういった場面で、一緒にですね、現場を知る保健師さんに、自分の町はこういう感じで、こうでこうで、ここが問題だこうだということをですね、かなり大いに語っていただいております。私どもとして、そういった間接的な働きかけになるかもしれないんですけれども、やはり、それぞれの地域における、本当に保健協力員さんとか、食改(食生活改善推進員)の皆さんとか、保健師さんとかいろんな方々、病院の先生方も含めてですけれども、いろんな形で動いているんですけれども、やはりこれは結構トップダウンでやっていただきたいところもありまして、そういったことをそれぞれ意識していただければありがたいなと。特に今回、いろんな数字的なものもそれぞれ出たものですから、というふうに考える次第でございます。
例えば、前回のことを受けて、ものすごくやったところが改善したりとかですね、そういうこともある訳でございますし、それぞれの御事情もあると思うんですけれども、是非意識を共有していただければと思います。
○記者
参院選の話にちょっと戻って恐縮なんですが、自民党の滝沢さんが26万票取ったという事で、今回、反TPPを掲げた候補者の得票を合算してもですね、これを大きく下回る。反TPPの方がですね、交渉推進の自民党の滝沢さんの票を大きく下回るという事になったんですが、この辺、知事は今回の参院選でTPPに関しては、どういうような県民の民意がですね、示されたと捉えてらっしゃるのでしょうか。これまで知事として、TPP交渉に関しては断固反対ということでずっとおっしゃってきたかと思うんですが、既に具体の交渉も始まっているという中において、この辺、選挙の結果を踏まえて、お考えは現状ではどうなのかをお願いしたい。
○知事
全体のムードというか、私自身が感じるところ、よそにも頼まれて応援にいったんだけれども、どこでもやっぱりこのTPPについては、基本的に、農山漁村地帯に頼まれていったからということになるかもしれないけれども、賛同している方はなかなかいないんじゃないかなと思いますよ。要は、そのいろんなテーマがあったかもしれないんですけれども、いつも言うでしょう、総合的に誰を書こうかという時に、例えば滝沢さんを書いたということ。TPPについても、ダメであればすぐ撤退するとか、そういうこと等々をおっしゃっている訳ですから、そういったところを含めてですね、今後のひとつの国政のテーマとなってくるんだと思います。また、滝沢さんにはそういった場面においても、現場を非常によく歩かれて、15年県議をやり、いろんな声を知っている方ですから、そういった地方の思い、実情というんですか、そのことをしっかり伝えていただけるものと、私としては思っております。
○記者
あえてもう一度聞くんですが、重要5品目は守ると、この辺は滝沢さんの主張だったというふうに理解しているんですが、そうすると知事としてはですね、現時点では断固反対というスタンスよりは、交渉でその聖域を守っていただければ是とするかなというところなんでしょうか。
○知事
他に金融とか保険とかいろんな分野があります。調達とかもありますし。どの分野も明確に、交渉が始まったら情報が出るかと思ったら、なかなか全然出てこないということもありますし、やはり進展に応じて、迅速かつ丁寧な情報提供ということが重要だと思っていますし、国益を損なうことのないようしっかりやっていただきたいと思っています。私としては、やっぱりルールというのかな、FTAとかEPA等々、そういった個別交渉の方が意外とすっきり進められるかと思うんですけどね。私としてはそう思いますよ。何故このルールか、よく分からない。ただそのルールの設定の仕方もよく分からないし、こういう手法、何かここは秘密だから出せないとか、出てこないとかっていうことがやっぱり、いろんなことを皆それぞれに、疑心には暗鬼がつきまとうことになるんだと思います。従って滝沢さんはしっかりやってくれると思っています。
○記者
あと1点だけ。
同じ参院選で、本県選挙区の投票率が、46%位だったと思うんですが、全国都道府県では最も低い。そういう状況についての受け止めを。
○知事
投票率については、やっぱりそれぞれ一人一人の国民、県民の皆様方が、やはり自らのこの大事な権利をきちんと行使する。これはひとつの義務でもあると思うんですけども、それに至らなかったことは残念に思うところです。
○記者
大鰐線の件ですけれども、弘前市側から協議会の方に県も参加してくれないかという話があったかと思いますが、現時点で参加しないということでしょうか。
○知事
事務方から。
○企画政策部長
企画政策部長です。弘前市から新たな協議会を作りたいということで申し入れがありまして、県も先月末に、情報収集等のために参加する旨伝えたところです。
○記者
話は全然変わりますが、高校野球で17年ぶりに弘前から聖愛高校が出場します。弘前も今ねぷたが終われば野球一色になるかと思うんですが。知事が甲子園に応援に行かれる予定とかがありますか。
○知事
知っているとおり、結構(応援に)行くんだけれども。くじ引きによって日程が決まってくるわけだよね。この夏は秘書課が、いろんな日程を入れているんだけど。
とにかく甲子園は、暑さ対策、暑い。これだけはもう認識してるんですけれども。私が何度も見てきた感じによれば、とにかく当てる、当てるとチャンスが出てくる。そう思います。
とにかく当てる、当てるとチャンス。とにかく目指せ優勝ですよ。自慢じゃないですけど、この中の誰よりも数だけは(甲子園に)行っていますよ。長いですからね。
もうこの立場になる、もっと前から行っているから。ずっと昔から。東京にいた頃から。夏の甲子園はいいよ。特に1回戦、2回戦は最高。行った方がいいよ。
○記者
もう少し聖愛へのエールみたいなものを。
○知事
そういう意味では、初出場であります。かつて、本当に素晴らしい女子校だった。聖愛が共学となって、そして野球部を持ち、ついに野球ファン、野球をやっている方にとってはひとつの最高な憧れである甲子園の舞台に立つことになりました。何よりも今まで、本当に努力、個人個人一人一人が選手も努力してきたけれども、お父さん、お母さんや、PTAも含めて、皆の応援があってこういう形での出場だと思います。皆の応援、すごくありがたいことだから、とってもありがたいことだから、その熱い思いに当てて、繰り返し言うけど、熱き思いにしっかりと当てて、走・攻・守しっかりしているからこそ、甲子園に行けるんだから、平常心、開会式の時に話したんだけど、平常心でしっかりと勝ち抜いていっていただきたい。
また、弘前の人達にとっても、この甲子園、久々に(弘前)実業以来でございますけれども、市民の皆様方、県民の皆様方もこぞって是非応援してください。
○記者
何か甲子園の後で非常に聞きにくい質問なんですけど。
東北電力の家庭用の電気料金の値上げ幅が平均9%弱という事になるようでして、それの受け止めと、あと東北電力に対して、コストカット等々で何か知事として物申したいということがあればお願いします。
○知事
当初の話に出てたのよりも、かなり努力してのことだと思っているんです。震災以来の一番直接の被害というか、震災で火力を含めて全部(被害を)受けた訳ですし、それを見事に直せる所は直して、あるいは我々の立場でいえば、2日目にはもう八戸のグレンターミナルを直したりとか、すごい努力で震災復興に当たってきたわけです。その流れとして、電力使用者の皆様方に可能な限り迷惑をかけないという、最大の努力を行ってくれたと思っていますが、是非これからもそういったエネルギーというものは、その日常生活、民生にとって非常に重要なものですから、その安定供給、しかも可能な限り使いやすい価格で、供給するということに今後とも努力していただきたいと思います。
-以上-
まず、庁議案件の方からお願いいたします。
○知事
先ほどの庁議において、県立美術館の平成25年度二つ目の企画展として、「横尾忠則の『昭和NIPPON』-反復・連鎖・転移」展について報告がありました。
今回の展覧会のテーマは、「昭和の日本」。横尾氏によって一貫して描かれてきた「日本」の戦前や戦後、そして現代という時間の連続性を、作家が生きてきた「昭和」という時代と重ね合わせてとらえ直します。
また、青森県立美術館ならではの企画として、縄文という古代の時間が流れる青森の深い森のイメージや土着性も重ね合わせ、横尾忠則の「日本」が次の世代に何を投げかけているのかを問いかける展覧会です。
9月7日からの開催となっておりますので、マスコミ各位におかれましては、周知方について特段のご配慮をお願い申し上げます。
また、現在、開催中の種差展については、展示替えにより東山魁夷の傑作「道」本作が展示されています。会期が9月1日までと残り少なくなっておりますので、あわせて周知をお願いいたします。
以上、庁議関係のご報告とさせていただきます。
○幹事社
2点質問させていただきます。
7月の参院選について、青森県では自民党公認候補の滝沢氏が圧勝したという結果になりました。まず、これについての所感をお願いします。青森県では、衆参両院の議席を自民党の議員が独占する形になったことについて、県政への影響をどう考えるか。
また、その「ねじれ」が国政において解消されたということについて、県ではどう捉えて、優先してほしい政策課題などがあれば教えていただきたいと思います。
2点目ですけれども、弘南鉄道大鰐線の廃止問題についてです。
廃線がひとまず撤回されたことについての所感をお願いします。
7月の会見でもご質問させていただいたと思うんですが、同社への財政支援の可能性、また、それ以外の支援策というようなもので、何か具体的に検討されているものがあれば教えていただきたいと思います。
○知事
まず1点目、参院選の関連。滝沢さんの関連でございますが、滝沢氏が当選いたしましたことは、滝沢氏及び自民党の主張が一定の評価を受けた結果だろうと思っております。
また、滝沢参議院議員には、共に青森県、そして日本を元気にするチームの仲間として、地方の現状を知る県議会議員としての経験をしっかりと活かしていただき、精一杯仕事をしていだたくことを期待するところでございます。ただ、国会議員の皆様方には、これまでもいわゆる与野党ということの区別なく、県施策の説明とか支援ということはお願いしてきておりますし、今後とも、これまで同様のスタンスで対応していきたいと思っております。
政府の政策の課題ということでございました。
政府におかれましては、TPP交渉や、日本経済の成長戦略、社会保障制度改革、エネルギーの安定供給、外交安全保障、そして地方経済の再生など山積する課題につきまして、国民及び地方の雇用に真摯に耳を傾けていただいて、早期にそれぞれ解決していただき、安心で真に豊かな社会の実現を目指していただきたいと思っております。それと特に私共の地方自治の事情から申しますと、この真の地方分権を支えます地方体制の充実、とりわけ臨時財政対策債に過度に依存しない、真水での地方交付税の増額についても、増額というか我々的にいえば元に戻してということになるんですけど、しっかりと対応いただきたいと、これはもう最初の街頭の時にも申し上げたんですけども、県だけでなく、市町村も同じ思いであると思っております。
弘南大鰐線の関係でございますが、先日、弘南鉄道の船越社長さんから、大鰐線の2017年3月末での廃止方針を撤回する旨の発表がありました。今後は、弘前市が中心となって、設置を予定しております協議の場において、同社も参加して、大鰐線の存続に向けて様々な観点から検討協議していくということであり、地域としてのしっかりとした方向性が打ち出されるものと考えているところであります。なお、まさにこれからこの路線の今後についての協議が始まるという段階でございますので、支援の関係につきましては、まずは会社の考え方等をお伺いしながら、今後の議論の推移等も踏まえての話になるものと考えております。
県といたしましては、今後も関係機関とも連携しながらの対応ということになっていくものと、現時点では考えている次第でございます。
○記者
原子力のことについてお伺いしたいと思います。
一応、新聞、テレビ等でご存知だという前提でお話をします。日本原燃が、7月31日に再 処理工場のことについて、10月の工場完成を目指してたんですが、原子力規制庁の方から12月の新規制基準が出来るまで、使用前検査は受けさせられないという通達がありまして、それでうちうちで完成時期を延期するという方針を伝えました。それと同時にむつ市の中間貯蔵について、RFSさんの方も10月の操業開始はちょっと厳しいということで、延期を表明された訳ですけれども、まずこれについて事業者側の判断をどう受け止めておられるかということをお聞かせください。
○知事
原則論的に言えば、今まで言ってきたのと同じになりますけども、六ヶ所再処理工場とか、むつの中間貯蔵施設については、竣工時期が今おっしゃるとおり不透明となっているわけですが、施設の操業に当たっては、何よりも安全確保、このことが第一であります。従って、原子力規制委員会による安全性の確認ということが前提になるものと考える次第であります。
また、現在このサイクル施設等の新規制基準に対するパブリックコメントが行われている状況だというふうに伺っていますけれども、原子力規制委員会においての審議過程にありますことから、私どもとしては引き続き国、事業者の対応を注視していくという段階だと思います。
○記者
わかりました。もうちょっと踏み込んでなんですけども、いずれ県とは、安全協定とか、周辺とも色々伺っていると思うんですが、先行きの見えない状況というのは、県にとって色々な面で計画していくうえでも厳しい部分だと思うんですが、その辺についてはどう考えていらっしゃいますか。
○知事
私ども県というよりも、日本の国のこのエネルギー全体の安定的な供給の仕組み等々を今、それもまた色々と議論されておりますけれども、そういったエネルギー政策全般の中において、様々にこうそれぞれの立場、立場でのお考えがあるというか、出てくるのかなとは思うんですけれども。
○記者
県として、やはりある程度先が見えた方がいいという。
○知事
基本中の基本は、国が法的規制をきちんと行いながら、事業者が事業をしているということであり、我々はいわゆる法的権限がないんですけども、安全協定等々で、色々と申し上げる立場であるということでございますから、具体の所になってこない段階では、特に申し上げるという所ではないということになると思うんですよ。
○記者
先だって公表になりました、短命県の話なんですけども、市町村別での(平均)寿命が出ました。そのとき(公表時)にもコメントをいただいたんですが、改めてという形になりますけれども、各市町村ごとでやはりいいところ、寿命の長い短いの差があるわけなんですけども、そういったところを含めまして、この短命県返上に向けて進めていく事業について改めて知事のお考えをお聞かせください。
○知事
キャッチコピー風に言えば、「酒、塩、たばこ注意して、健診・検診しっかり行こう」と縮めて言えばそうなるんですけども、ただそれだけではあれだと思うんで、少し話をさせていただきます。
実際具体にこう市町村(平均寿命が)出ると、それぞれまたショックな部分が、私どもも感じるところがございましたけれども、この全国の下位50市区町村の中に男性で24市町村、女性で11市町村が含まれるというのは、本当に厳しい結果だと思っています。ただ、全県的にですね、私どもも本当に食改(食生活改善推進員)の皆さんとか保健協力員の皆さんとか、あるいはそれぞれの個人もそうですし、市町村もそうですけども、努力の中において、最下位とは言いながら、(平均寿命を)伸ばしていると。伸ばしているけれども、他も伸びているということなんでしょうけれども、伸ばしてきているということを、全県的に着実に平均寿命が伸びているということも、また逆に感じているところもございます。
これまで、この平均寿命につきましては、いわゆる(青森県)基本計画の方にも、「注目指標」ということで、取り組んできたんですが、やはり健康づくり、このがん対策、様々な取組を総合的に進める必要があると思っています。そのことで都道府県別順位の向上ということを実現して行くことになると思っています。今年度「健康あおもり21」、これの第2次や、あるいは「第ニ期青森県がん対策推進計画」等の初年度となっておりますことから、健康づくりとしては、県民一人一人が自ら健康づくりに取り組むことが出来るような、いわゆるヘルスリテラシーの向上を図ることとし、7月4日には健康寿命アップ推進会議を開催して、各関係団体の皆様方と具体的な取組について確認し合ったほか、9月4日には、県民一人一人が自ら健康づくりに取り組む気運を醸成すると、これ非常に一人一人の気運というのが非常に大事だと思っていまして、これを醸成するための「健康あおもり21ステップアップ県民大会」も開催することにしています。
また、がん対策としては、弘前大学に寄附講座を開設し、科学的根拠に基づいたがん対策の体制整備を進めることとしております。
私どもの思いとしては、この県民の皆様方の命と暮らしを守るために、これら健康づくりや、がん対策の取組の強化に加え、保健・医療・福祉包括ケアシステム、良医育成支援、周産期医療対策、自殺予防などについても、市町村と連携して、しっかりと取り組み、引き続き県民の皆様方の健康の向上を図っていきたいと考えております。
そして(マスコミの)皆様方からも色々報道していただく中で、県民の皆様方それぞれが、これに応える形で、塩のことを気をつけようとか、いろんなことを、肥満のことを気をつけようとか、結構皆様方から本当に最下位ということであるんですけども、報道の中において、それぞれの県民の皆様方に非常に意識というんですか、それが出てきているものと考えています。まさに繰り返しになりますけれども、一人一人が自らの健康づくりに取り組む気運醸成と、ここでやっぱり我々としてもいろんな大会、大会等を開けばということではないでしょうけれども、やはり酒、塩、たばこ気をつけてと、健診検診また健(検)診という思いでございますので、そういったことをですね、訴えていくというか、それぞれ一人一人が、身近に思っていただくとか、そういうことに最大限努力していきたいと思っております。公式的な部分については、先程色々申し上げましたけれども、何とか青森県の皆様方、お一人お一人が気づいていただくと、ヘルスリテラシーとカタカナで言っていますが、健康というものを自分で考え、自分でどう実践するかということを、それぞれお一人お一人の人生でございます。その場面において、自らも一緒に考えていただくという方向性を作っていきたいと思っています。ご協力ください。
○記者
追加ですけども、今、市町村との連携が大事だというようなお話がありましたけれども、これまでも短命県の状況を改善していくために、様々な取組をしていて、全体的にはその数字的には伸びているという傾向にあったということですけれども、市町村と連携する中で、それぞれの市町村ではいろいろな事情があるかと思うんですけども、何か難しい点だとかって何か感じられている点というのはあるんでしょうか。
○知事
率直にいうと、それぞれの首長さん方も、それぞれ意識をですね、一緒に共有していただければなということ等は思わない訳ではない。今、例の包括ケアの関係で、地域の保健師さん方、要するに現場を一番知ってて、現場をよく歩いてて、実は自分の市町村の課題というものを知っている方々がこの保健師さん方なんですけれども、この方々との懇談の場を設けて、今年もまた、この間、平内町でやったり、次々やっていきますけれども、その場面に実は首長さんに可能な限り出てきていただいております。そういった場面で、一緒にですね、現場を知る保健師さんに、自分の町はこういう感じで、こうでこうで、ここが問題だこうだということをですね、かなり大いに語っていただいております。私どもとして、そういった間接的な働きかけになるかもしれないんですけれども、やはり、それぞれの地域における、本当に保健協力員さんとか、食改(食生活改善推進員)の皆さんとか、保健師さんとかいろんな方々、病院の先生方も含めてですけれども、いろんな形で動いているんですけれども、やはりこれは結構トップダウンでやっていただきたいところもありまして、そういったことをそれぞれ意識していただければありがたいなと。特に今回、いろんな数字的なものもそれぞれ出たものですから、というふうに考える次第でございます。
例えば、前回のことを受けて、ものすごくやったところが改善したりとかですね、そういうこともある訳でございますし、それぞれの御事情もあると思うんですけれども、是非意識を共有していただければと思います。
○記者
参院選の話にちょっと戻って恐縮なんですが、自民党の滝沢さんが26万票取ったという事で、今回、反TPPを掲げた候補者の得票を合算してもですね、これを大きく下回る。反TPPの方がですね、交渉推進の自民党の滝沢さんの票を大きく下回るという事になったんですが、この辺、知事は今回の参院選でTPPに関しては、どういうような県民の民意がですね、示されたと捉えてらっしゃるのでしょうか。これまで知事として、TPP交渉に関しては断固反対ということでずっとおっしゃってきたかと思うんですが、既に具体の交渉も始まっているという中において、この辺、選挙の結果を踏まえて、お考えは現状ではどうなのかをお願いしたい。
○知事
全体のムードというか、私自身が感じるところ、よそにも頼まれて応援にいったんだけれども、どこでもやっぱりこのTPPについては、基本的に、農山漁村地帯に頼まれていったからということになるかもしれないけれども、賛同している方はなかなかいないんじゃないかなと思いますよ。要は、そのいろんなテーマがあったかもしれないんですけれども、いつも言うでしょう、総合的に誰を書こうかという時に、例えば滝沢さんを書いたということ。TPPについても、ダメであればすぐ撤退するとか、そういうこと等々をおっしゃっている訳ですから、そういったところを含めてですね、今後のひとつの国政のテーマとなってくるんだと思います。また、滝沢さんにはそういった場面においても、現場を非常によく歩かれて、15年県議をやり、いろんな声を知っている方ですから、そういった地方の思い、実情というんですか、そのことをしっかり伝えていただけるものと、私としては思っております。
○記者
あえてもう一度聞くんですが、重要5品目は守ると、この辺は滝沢さんの主張だったというふうに理解しているんですが、そうすると知事としてはですね、現時点では断固反対というスタンスよりは、交渉でその聖域を守っていただければ是とするかなというところなんでしょうか。
○知事
他に金融とか保険とかいろんな分野があります。調達とかもありますし。どの分野も明確に、交渉が始まったら情報が出るかと思ったら、なかなか全然出てこないということもありますし、やはり進展に応じて、迅速かつ丁寧な情報提供ということが重要だと思っていますし、国益を損なうことのないようしっかりやっていただきたいと思っています。私としては、やっぱりルールというのかな、FTAとかEPA等々、そういった個別交渉の方が意外とすっきり進められるかと思うんですけどね。私としてはそう思いますよ。何故このルールか、よく分からない。ただそのルールの設定の仕方もよく分からないし、こういう手法、何かここは秘密だから出せないとか、出てこないとかっていうことがやっぱり、いろんなことを皆それぞれに、疑心には暗鬼がつきまとうことになるんだと思います。従って滝沢さんはしっかりやってくれると思っています。
○記者
あと1点だけ。
同じ参院選で、本県選挙区の投票率が、46%位だったと思うんですが、全国都道府県では最も低い。そういう状況についての受け止めを。
○知事
投票率については、やっぱりそれぞれ一人一人の国民、県民の皆様方が、やはり自らのこの大事な権利をきちんと行使する。これはひとつの義務でもあると思うんですけども、それに至らなかったことは残念に思うところです。
○記者
大鰐線の件ですけれども、弘前市側から協議会の方に県も参加してくれないかという話があったかと思いますが、現時点で参加しないということでしょうか。
○知事
事務方から。
○企画政策部長
企画政策部長です。弘前市から新たな協議会を作りたいということで申し入れがありまして、県も先月末に、情報収集等のために参加する旨伝えたところです。
○記者
話は全然変わりますが、高校野球で17年ぶりに弘前から聖愛高校が出場します。弘前も今ねぷたが終われば野球一色になるかと思うんですが。知事が甲子園に応援に行かれる予定とかがありますか。
○知事
知っているとおり、結構(応援に)行くんだけれども。くじ引きによって日程が決まってくるわけだよね。この夏は秘書課が、いろんな日程を入れているんだけど。
とにかく甲子園は、暑さ対策、暑い。これだけはもう認識してるんですけれども。私が何度も見てきた感じによれば、とにかく当てる、当てるとチャンスが出てくる。そう思います。
とにかく当てる、当てるとチャンス。とにかく目指せ優勝ですよ。自慢じゃないですけど、この中の誰よりも数だけは(甲子園に)行っていますよ。長いですからね。
もうこの立場になる、もっと前から行っているから。ずっと昔から。東京にいた頃から。夏の甲子園はいいよ。特に1回戦、2回戦は最高。行った方がいいよ。
○記者
もう少し聖愛へのエールみたいなものを。
○知事
そういう意味では、初出場であります。かつて、本当に素晴らしい女子校だった。聖愛が共学となって、そして野球部を持ち、ついに野球ファン、野球をやっている方にとってはひとつの最高な憧れである甲子園の舞台に立つことになりました。何よりも今まで、本当に努力、個人個人一人一人が選手も努力してきたけれども、お父さん、お母さんや、PTAも含めて、皆の応援があってこういう形での出場だと思います。皆の応援、すごくありがたいことだから、とってもありがたいことだから、その熱い思いに当てて、繰り返し言うけど、熱き思いにしっかりと当てて、走・攻・守しっかりしているからこそ、甲子園に行けるんだから、平常心、開会式の時に話したんだけど、平常心でしっかりと勝ち抜いていっていただきたい。
また、弘前の人達にとっても、この甲子園、久々に(弘前)実業以来でございますけれども、市民の皆様方、県民の皆様方もこぞって是非応援してください。
○記者
何か甲子園の後で非常に聞きにくい質問なんですけど。
東北電力の家庭用の電気料金の値上げ幅が平均9%弱という事になるようでして、それの受け止めと、あと東北電力に対して、コストカット等々で何か知事として物申したいということがあればお願いします。
○知事
当初の話に出てたのよりも、かなり努力してのことだと思っているんです。震災以来の一番直接の被害というか、震災で火力を含めて全部(被害を)受けた訳ですし、それを見事に直せる所は直して、あるいは我々の立場でいえば、2日目にはもう八戸のグレンターミナルを直したりとか、すごい努力で震災復興に当たってきたわけです。その流れとして、電力使用者の皆様方に可能な限り迷惑をかけないという、最大の努力を行ってくれたと思っていますが、是非これからもそういったエネルギーというものは、その日常生活、民生にとって非常に重要なものですから、その安定供給、しかも可能な限り使いやすい価格で、供給するということに今後とも努力していただきたいと思います。
-以上-
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