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知事記者会見(定例)/平成29年1月4日/庁議報告ほか

会見日時:平成29年1月4日水曜日 11時30分から11時55分まで
会見場所:第三応接室
会見者:三村知事

〇知事
 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

〇幹事社
 明けましておめでとうございます。
 年始の知事会見でございます。まずは知事からお願いします。

〇知事
 それでは私から年頭の所感と、庁議関係をご報告させていただきます。
 改めまして、明けましておめでとうございます。
 県政記者会の皆さま方におかれましては、穏やかな新年を迎えられたことと存じます。今年も県政推進のため、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 それでは年頭に当たりまして、本県の発展と県民の皆さま方のご多幸を心よりお祈り申し上げます。そして、県民の生業を守り、県民が安んじて暮らせる青森県づくりを進めるために、今年も全力で取り組んでまいります。よろしくお願い申し上げます。
 今年の抱負をいくつか申し上げたいと思います。
 まず観光分野でありますが、JR東日本が実施しております冬季観光キャンペーンや、いよいよ5月から運行開始となりますクルーズトレイン、「TRAIN SUITE(トランスイート) 四季島」、夏に予定されておりますアフターDC、さらには、十和田八幡平国立公園の満喫プロジェクト、韓国済州道との姉妹提携、台湾・台中市との友好交流協定といった好機を逃さず、昨年開業いたしました北海道新幹線も最大限に活用しながら、県内の陸・海・空の交通機関を駆使した「立体観光」に一層磨きをかけ、国内外からの誘客を積極的に進めていきたいと考えております。
 また、世界文化遺産への登録を目指します「北海道・北東北の縄文遺跡群」につきましては、今年こそユネスコへの推薦が得られるよう、関係道県及び市町と連携して課題解決を進めていきますとともに、県民一丸となって取り組んでいく気運醸成を図っていきたいと思っております。
 次に、私ども青森県の基幹産業であります農林水産業についてであります。TPP発効のいかんに関わらず、県内農林漁業者や関連事業者の多くが将来にわたって意欲と希望を持って経営に取り組めるよう、県予算に計上しております「TPP対策関連事業」を、引き続き、着実に推進してまいります。その上で、「攻めの農林水産業」を進め、新物流システム「A!Premium(エープレミアム)」を最大限活用しながら、日本国内にとどまらず、東アジアを中心とした海外に向けて県産品の販売強化も進めていきたいと思っております。
 また、今年も私自身先頭に立ちまして、トップセールスで県産品を売りまくりたいと、そう思っておりますし、誘客も併せて図りたいと思っています。
 そして、今年は平成26年度~30年度を計画期間としております「青森県基本計画未来を変える挑戦」の4年目であります。いよいよ成果を収穫していく、そういう時期になると考えています。本県は人口減少が進行している中ではありますが、その一方で、有効求人倍率が過去最高を更新するなど、明るい兆しも見えてきております。いい流れを途絶えさせることなく、今年も引き続き、人口減少対策などに全力で取り組んでいきたいと考えております。
 「一陽来復」という言葉がございます。厳しい冬が終わって暖かい春が来ることで、新年という意味もあるわけでございますが、転じて、さまざま良くないことが続いた後に、幸運が巡って来るという意味も含まれていると伺っております。
 青森県、今後も人口減少が進行するなど、まだまだ安心できない状況が続きますが、この状況に打ち勝ち、困難を乗り越えた先に「青森に生まれ育って良かった」と思える明るい未来が待っていると、そのことを信じ、またそのためにしっかりとした基盤というものを作り続ける、作り上げるということを自分自身にしっかりと課して、今年も愚直に前進していきたいと考える次第でございます。
 以上、所感とさせていただきます。
 続きまして、庁議案件からご報告がございます。平成28年度青森県災害対策本部図上訓練について、お話させていただきます。
 昨年は、4月の熊本地震をはじめ、夏の台風など多くの自然災害が発生し、本県におきましても、8月の台風第10号では住家の浸水の他、農地、農作物関係に多くの被害がございました。この場面で、実は整備してきたダムが役割を大変果たしてくれました。私としては常に防災の意識というのでしょうか、被害が発生しないことが最も好ましく、治山治水というものは被害が発生しないと注目されないものではありますが、着実に進めなければいけないということを改めて自覚した次第でもございました。
 また、危機事案については、北朝鮮におけるミサイル発射関連の事案が相次いで発生し、8月には、発射されました弾道ミサイルの弾道部分が、我が国の排他的経済水域内であります秋田県男鹿半島沖約250キロに落下するという事案もございました。県民をはじめ国民全体に大きな不安を与えたところであります。
 さらに、11月には、県内では家きんでは初めてとなります高病原性鳥インフルエンザが発生しましたが、全庁一丸となって対応した結果、速やかに防疫措置を完了することができたところであります。今後も、このようなさまざまな自然災害や危機事案が発生することが想定されるところでもあり、これらに対応するためには日頃からの備え、訓練というものが必要だと思っております。
 そこで、来る2月8日でございますが、災害発生時における、さまざまな状況に対して複数の対応策を検討し、的確な意思決定と指示ができる体制構築に向け「とにかく考える」ということを訓練テーマとして、日本海側海溝型地震を想定しました平成28年度青森県災害対策本部図上訓練を実施いたします。この訓練を通じて、県庁をはじめとした公的機関の対応能力、公助の力の向上が図られるよう取り組んでまいります。また、私が出張で出掛けていて途中から戻る、指揮官が不在といったこと等もやってみようということで想定をしております。
 高病原性鳥インフルエンザの時に思いましたことは、やはり訓練、シミュレーションも含めて、こういった図上演習等も含めてしっかりと積み重ねておく、現場の訓練、そしてこの図上の訓練、そうしたことを的確に組み合わせ、行い、その反省点を常にチェックし、それを改めておくということの重要性を考えた次第でございます。
 今回の訓練の中においては、関係各部長も、訓練会場に来て、いろいろな場面をいろいろ見てもらうこと等も考えているところでございます。
 以上、年頭の所感と庁議案件とさせていただきます。
 どうぞ、よろしくお願いします。

〇幹事社
 ありがとうございました。
 では幹事社から質問を3つさせていただきたいと思います。まずは青天の霹靂について、3年連続、特Aがもらえるのかどうか、2月末に出るようですけれども、これについて今、結果を待つ心境と、今年に向けたブランド戦略についてのお考えなどをお伺いしたいと思います。

〇知事
 まず「青天の霹靂」についてのお話がございました。初回の時は本当に喜びました。2回目は緊張して、逆に緊張をして、ものは自信があったのですけれども。今年、さらに、ご案内のとおり非常にいい作柄、そしてまたいい品質という思いがあるんですが、それでも緊張していることは事実であります。
 平成28年産の「青天の霹靂」は作付面積が昨年の約3倍に拡大しましたことから、食味品質にバラツキがでないようきめ細やかな栽培管理の徹底を図ってきました。また、県外の販売も本格化するため、首都圏を中心にしたテレビCMや話題性のある宣伝販売対策を展開し、何としても「青天の霹靂」のブランド化を成し遂げなければないとの決意をもって取り組んできたところでございました。
 特に、生産面では、現場で指導に当たります生産指導プロジェクトチームのメンバーに直接集まってもらい、私自身の思いを伝え、また県民局をあちこち訪問する時に集まってもらい、またその思いを伝え、拠点指導ほを活用した適期追肥や適期刈取などの指導を徹底しますとともに、生産者大会においては、生産者の皆さまと思いを一つにして、その高い技術力をいかんなく発揮していただきたいと、その気運醸成に努めてきたところでございました。
 このことによりまして、28年産の出荷基準達成率は99パーセントと、作付面積が大幅に拡大した中にあって良好な結果となっており、春先から取り組んできたきめ細やかな生産対策が実を結び、3年連続の「特A」評価取得を自分としては大いに期待をしております。関係者の皆さまとともに、切に願うところでもあります。
 しかしながら、大変に緊張しているところでもあります。
 今後、ご案内のとおり、他県、他地域からも特Aクラスの新品種が続々デビューするなど、産地間競争がますます激化していきます。
 こうした中でこそ、確固たるブランドを築き上げていくためには、生産面では他県に先駆けて導入しておりますリモートセンシング技術を用いたタンパクマップ等を活用して、栽培技術のレベルアップを図りますとともに、販売面では、県内の出荷団体と連携をし、販売状況や米卸業者等の需要動向を的確に見極めながら、全国の有名銘柄に打ち勝つための戦略について、県内関係者はもとより外部のマーケティングの専門家なども加えて検討をしていく必要があると考えております。
 何にしても、大変緊張しておりますが、非常にいい作柄、いいものを作ったという自信はあります。ぜひまた特Aを取得しまして、さらなるブランド化を推し進めていくためにチーム一丸となって頑張っていきたいと思っています。
 以上です。

〇幹事社
 ありがとうございました。
 続いて鳥インフルエンザについて。県内では家きんでの発生ということでは初めてとなりましたが、この防疫措置が完了したということで、その成果や、改めて今回のことで気づいた新しい課題とか、そういうことがあればお願いします。

〇知事
 お話に出たとおり、私ども青森県では家きんでは初めての発生となりました高病原性鳥インフルエンザにつきましては、昨年11月28日、1例目発生、12月2日に2例目が発生するという、極めて過酷な環境にありましたが、その後は感染が拡大することなく昨年の12月27日に移動制限区域を解除し、収束することができました。ありがとうございました。
 防疫対応の成果としては、現時点において新たな発生は見られず、ウイルスの封じ込めに成功したということだと考えております。そして、このことはやはり、何度も申し上げておりますが、発生農場からの本当に朝の早い段階で早期通報があり、また埋却地の選定や消毒ポイントなど、青森市をはじめ関係市町村から多くの協力があったことに加え、建設業界など関係団体と事前に協定を結んでいたことや、県職員によるこれまで積み重ねてきた訓練が十分に生かされたことが、国が目安としている一定時間内での初動対応の完遂につながったものと私としては考えているところであります。
 しかしながら、いまだに全国的に野鳥での、青森県もそうですが、感染事例が確認されている他、北海道、宮崎県及び熊本県などでも家きんでの発生が相次ぐなど、かつてないほど感染リスクが高い状況が今も続いていると考えております。
 県としても、今後とも油断することなく警戒を強めていく必要があると考えており、県内の農場に対して、消毒の徹底、鶏舎の破損部分の補修、防鳥ネットの点検など、野生動物の侵入防止対策の指導を徹底していくことといたしております。
 また、今後の課題としては、去る12月8日に県議会とともに農林水産省に対して緊急要請しておりますが、大規模農場や連続発生に備えた広域的な備蓄体制の構築でありますとか、感染ルートの解明と国境を越えた対策の早期実施など、抜本的な発生防止対策に国を挙げて取り組んでいただく必要があると考えております。
 さらに、食品の安全性に関する国民への迅速な情報提供など、風評被害への対応も重要な課題であると認識をしているところでもございます。
 県としては、今回の対応を振り返りまして、改善できる点は見直すととともに、今後の発生に備えた資材の備蓄、これは今回も資材が無かったらどうしたものだったかという思いがございます。資材の備蓄を進めております他、引き続き、鶏肉、そして卵の安全性をPRし、風評被害の発生防止にも努めていきたいと考えているところでございます。

〇幹事社
 ありがとうございました。
 今年の課題点のテーマを3つ挙げるとすれば、端的でいいのですけれども、何と何と何ということでお話をいただきたい。

〇知事
 端的にと言えば、先ほど話してしまったのですけれども、「青森県基本計画未来を変える挑戦」が4年目を迎えるのですけれども、そういう中で要するに、社会減対策、自然減対策、このことをしっかりとやっていかなければいけないということがまず挙げられると思います。
 それと、交流人口の拡大に向けて、北海道新幹線の開業効果を最大限獲得する正念場の年となるということで、こういった観光交流の事業ということをもう1回考えなければいけないと思っています。
 もう1つは、先ほどもTPPがらみで少し話をさせていただきましたけれども、やはり基幹産業であります農林水産業を取り巻く情勢というもの、TPPを含めて不透明な部分がございます。我々としては県内の農林漁業者、関連事業者が、将来にわたって本当に希望を持って取り組めるような、いわゆる「攻めの農林水産業」とか、あるいはブランド化とか6次産業化とか「A!Premium(エープレミアム)」とか輸出拡大とか、いろいろ進めてきましたけれども、我々として、この農林水産業に関わる一連の進めてきた施策をさらにグレードアップ、ステージアップして、推し進めていく、押し上げていくということが必要だと思います。
 この3つを今、しっかりと対応しなければいけないと思っています。

〇幹事社
 ありがとうございました。
 では各社からお願いします。

〇記者
 今年もよろしくお願いします。
 先ほど知事のあいさつの中で人口減少対策についての取組というお話がありました。隣の秋田県なんですが、新年度から人口減少対策に特化した新しい部署を設置するということですけれども、青森県としても今後こういう組織の再編というのは検討課題になっていくんでしょうか。

〇知事
 うちの場合は、かなり早い頃から、例の限界集落という言葉が出てきた頃から、部局横断的に部会を作って、具体の施策ということを進めてきていますし、特化した部門ということではないのですけれども、企画政策部を中心としながら部局横断的に、これまで、まち・ひと・しごと創生のこととか、いろいろ提案をしてきましたし、UIJターンを提案してきましたし、それも具体に進めるという段階かなと思っています。
 起業創業の、いわゆる小商いを徹底してやっていこうと取り組み、300人の事業者が創業するなど起業創業等も起こってくるし、かなり早い段階でいろいろなことに手を打ってきたということで、このところ、9、10、11月が社会増になったりとか、そういうことも出てきています。推計の出生数も、さっき午前中に報告を受けたんですけれども、200人くらい上がってきたとか、いろんなこと、地道に各分野がやってきたことを確実に総合的に推し進めていくということになると思います。特化して課ということはありませんが、それぞれに県政の最大の課題として、毎年、予算の時にも発表をしていますけれども、この問題には取り組んでいきたいと思っています。

〇幹事社
 青天の霹靂なんですけれども、3年目でまだまだなんですけれども、でも連続獲得が大事じゃないですか。そういう意味でいくと、どのくらいを目指したいのですか、10年なのか。

〇知事
 たった10年で済むわけはないでしょう。いや、もう1つ、玉を持っているのだろうと言われるのですけれども、悩みに悩んで選びました。ご飯が好きになる、青森県はおかずの大生産県で、これと非常にマッチする「青天の霹靂」。まずは確実に取り続けていくということ。こう言うとよそを褒めるみたいですけど、新潟というと魚沼と出てくるじゃないですか。そういう感じで、青森というと霹靂、字は書けないよなと言いながら出てくると。そのぐらいになっていかないと本当のブランド化ではないから、もうずっと、攻め、攻め、攻め。
 先般、日本穀物検定協会ともいろいろ話をしましたけれど、うちのこの真摯な姿勢、科学的データも使い、やる気満々もあるけれども、しつこくこの10年、水路を造ったり土壌の健康日本一をやってきたじゃないですか。そういう見えないところまでガッチリやっているということ等、これから花開くんじゃないかと。それと審査は別だけれども、青森県の努力については非常に皆、評価をしているということを言ってもらって嬉しかったです。
 取り続けていかなければいけない。リンゴと言ったら皆、青森ってなるじゃないですか。ニンニクと言ったら青森、もう足りなくて大変なんですけど。ナガイモも青森。ホタテも最近は、青森なんですけれど。
 ゴボウと言えば青森とか知ってもらうのに時間がかかるものなんです。これからは、もう米と言ったら青森と言われるように。
 ということで、県庁ごはん部もますます張り切っていますから。私も、ごはん部にやれと言われたことは、ほとんど断らないですから。そういう知事だから、しっかりやります。

〇幹事社
 ありがとうございました。

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