ホーム > ようこそ知事室へ > 知事記者会見録 > 県立中央病院と青森市民病院のあり方に関する知事と青森市長の共同会見[臨時記者会見]/令和4年2月10日
更新日付:2022年2月24日 広報広聴課
県立中央病院と青森市民病院のあり方に関する知事と青森市長の共同会見[臨時記者会見]/令和4年2月10日
知事コメント動画
- 知事コメント動画はこちら
知事記者会見録
会見日時:令和4年2月10日木曜日 10時30分~10時50分
会見場所:第三応接室
会見者:三村知事
〇司会
ただ今から、県立中央病院と青森市民病院のあり方に関する知事と青森市長の共同会見を開催いたします。
最初に知事から発言いたします。それでは知事お願いします。
〇知事
昨年、青森県と青森市が共同で設置した「県立中央病院と青森市民病院のあり方検討協議会」から、青森県と青森市が「共同経営の上、統合病院を新築整備することが最も望ましい」との提言をいただいたところです。
この提言を踏まえまして、県と青森市において協議を行い、今般、県立中央病院と青森市民病院のあり方について、「青森県と青森市の共同経営による統合病院を新築整備する」ことを基本方針とすることで私と青森市長で合意いたしました。
今後、県議会、市議会におけるご議論等をいただきながら、さらに具体的な検討を進めていきます。
〇市長
それでは私から、基本方針についての基本的な考え方などについて説明します。
両病院のあり方について、青森県と青森市で協議を進めてきたところですが、人口減少や医療従事者不足、さらには新興感染症対策など地域医療を取り巻く課題や多様な医療ニーズなどに対応し、持続可能な、そして、強い医療提供体制を構築していくためには、両病院の機能・資源を集約・充実していくことが重要であり、そのためには、「青森県と青森市の共同経営による統合病院を新築整備することが最も望ましい」ということを三村知事と私で判断、合意したものであります。
青森市としましては、新病院が青森市民病院の役割を継承しつつ、青森市民はもちろんのこと、青森地域保健医療圏に住む方々に対して、将来にわたり安定的かつ質の高い医療を提供できるものと考えており、新病院開院までの準備期間も含め、県立中央病院とともに、大学等と連携しながらしっかりと地域医療を支えつつ、早期に効果が発現できるよう取組を進めてまいります。
〇知事
私から若干、補足いたします。
県としては、青森市長から説明されたことに加え、新病院が県立病院としての使命を継承しつつ、青森地域保健医療圏はもとより、「全県を対象とした高度・専門・政策医療の拠点」としての役割を果たしていけるものと考えており、県民の誰もが青森の地で安心して暮らしていくことができる「青森県型地域共生社会」の構築に向けてしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
新病院の整備場所や経営形態などの具体的な内容につきましては、県と青森市で検討を進め、できるだけ早期に示していきたいと考えており、それらの検討に要する経費を当初予算に計上したいと考えております。
なお、本日は、新型コロナウイルス感染症の状況が厳しい中での発表となりましたが、新病院におきましては、将来起こり得る新たな感染症への対策強化等も図っていきたいと考えておりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
〇記者
候補地はこれから検討というお話がありましたが、現段階で既に具体的な候補地が絞れているかという点についてお伺いします。
それといつまでの完成を目指すのか、あるいはどのような形で、いつ頃のタイミングで候補地を示すのかというような完成に向けての行程、スケジュール感がどうなっているのかお伺いします。
〇市長
新病院の整備場所等は、これからと三村知事からもお話がありました。ご質問の部分は、これから県と市で検討するに当たり、県と市で基本方針に合意したところで、まさにこれからということになります。
提言では、4つの観点を有識者会議の中でお示しいただいています。一つは面積、もう一つは災害の対応、三つめに既存の建物がないこと、四つめにアクセスです。4つの点に留意して検討するべしというようなご提言をいただいていますので、これを踏まえまして、これから検討を進めてまいりたいと、今はそういう状況です。
〇記者
知事と市長にそれぞれ一問ずつお伺いします。
知事に対しては、今回は青森圏域という話ではなく全県の医療提供体制ということでしたが、市民病院と全県の医療体制の充実というところのお考えをお聞かせください。
〇知事
先ほども誤解のないようにお話ししたつもりですが、全県を対象とした高度・専門・政策医療の拠点というように私どもは考えていますが、もちろん市民病院が担ってきた機能というものもありますので、青森地域保健医療圏を念頭においたという部分もあります。
さらに少し突っ込んだお話をさせていただきましたが、例えばですが、新たな感染症云々と話させていただいたのも、全体として高度・専門・政策医療の拠点とする、そういう思いも含めてお話しさせていただいたとご理解いただければと思います。
〇記者
市長にお伺いしたいのは、単純な算数になってしまうのですが、青森市内の拠点病院が一つなくなるということになるかと思います。市民への医療提供体制への影響をどのように考えているのか、また医療提供体制をどのように向上させていくお考えなのか伺います。
〇市長
算数という切り口でご質問をいただきましたので、私も算数の形でお答えしたいと思います。
知事からも新たな感染症も含めて体制を強化するとお話いただきました。
青森市民病院の新型コロナ対応病床は14床です。一方で県立中央病院の新型コロナ対応病床は23床です。いずれも公表数値ですので申し上げても構わないと思います。単純に足し算しても14+23ですから37床にしかなりません。
全県的には、例えば八戸市立市民病院は41床と公表されています。県庁所在地で人口も最も多い地区ですが、二つの病院を足してもこの数字には届かない。37床しか新型コロナ対応病床を持っていないわけです。
今後、新型コロナウイルスがどういう対応になるのか、また新しい感染症が起きるのかという新興感染症対策一点を取ってみても、やはり今の状態、二つの病院が統合に向けてキックオフするわけですけど、単純に足してもその医療圏は強化が図られないわけで、一般病床をいかに転換していくのか、万が一の場合にどのように対応してくのかを含めて、それはもちろん青森県民を守ることですけど、とりわけ青森市民、青森地域保健医療圏の人々を守ることになります。
記者の方が算数とおっしゃったので病床数に例えて申し上げましたが、その一点を捉えてもしっかりと強化していかなければならないということが改めて県・市の協議の中で相互理解を得て本日に至ったということです。
〇記者
病床の規模については有識者の提言では800床から900床ということでしたが、基本的にはそれに沿ってということでよろしいのでしょうか。
〇知事
両病院で協議しながら、ということになると思います。提言を十分に尊重した上で、現実的にどうするかという段階でまたいろいろな話が出てくると思います。
〇記者
協議については、来年度中というかそういっためどがあるのでしょうか。
〇知事
県立中央病院は老朽化が進んでおりますので、可能な限り速やかにかつ丁寧にと思っております。
〇市長
補足すれば、いつ頃までにというのは、これからがキックオフですから、スケジュールはこれからレールを敷いていくことになりますが、同じくらいの規模感の病院、例えば有識者会議には高知医療センターの先生に入っていただいていましたが、高知は平成17年につくった時で約5年7か月、お隣の岩手では令和元年につくったばかりですが約6年6か月かかっています。病院というのは高度で難しい構造物になりますので1年2年でできるものはありませんので、それくらいの幅を持って開院させていかなければいけない、だからこそ、老朽化の話もありましたけれど、お互いに古い病院の中でどうやっていくかということをそのくらいのスパンで考えていくということ、そうですよね。
〇知事
そうです。
〇記者
最後に場所について、これからということですが、4つの観点のうちアクセスというところが提言に挙げられていますが、現状の県病の場所よりアクセスが良い所とか、駅に近い所というのがポイントになってくるのでしょうか。
〇市長
場所の件は私から先ほどお答えしましたので(私からお話します)。先ほど申し上げた4つの提言の中で、アクセスの話の中には救急患者の搬送なども考慮した通院のアクセスということで提言いただきました。
災害対応というところでも津波やそうしたものへの対応を考慮せよというお話でしたので、そうしたものをきちんと考えて、ただ、今日キックオフですので、知事からも提言を尊重しつつというお話がありましたが、県・市で協議していく、その組織立てを今後予算などで県と一緒に進めていきます。
〇記者
県・市それぞれ何人程度でどれくらいの規模感で検討を進められるのか決まっているのでしょうか。
〇知事
後日、事務局から説明します。
〇市長
青森市は来週、予算や組織の発表がありますので、そのときに発表したいと思います。
県もまもなくと聞いていますが、それに向け、県と市で最終協議中です。
〇記者
先ほど新病院の完成まで6年くらいかかるというお話だったので、まだ先の話になりますが、現在のそれぞれの建物の利活用についてはどのようにお考えでしょうか。
〇知事
現在の建物で診療を続けながら、今後検討していくということになります。
〇市長
あり方検討協議会にも参加いただいた弘前大学の福田学長からは新病院もさることながら、準備期間も含め弘前大学もしっかりと支えていくというお話をいただいたと承知しておりますので、それぞれ今の病院で医療を提供しながら検討していくことになります。
〇記者
一つになるというと、それぞれがやってきた仕組みとか運用方法とかに違いがあると思います。そういったものを合わせていくというのは、相当に困難を伴う作業だと思いますが、どのような思いでそれぞれ取り組んでいきますか。
〇知事
今日ここに至るまでもいろいろ検討を重ねてきたところであり、これまでも丁寧にやりとりしながら、文化の共有を行ってきました。
私どもとすれば、県全域の高度・専門・政策医療を支えていく、究極的には県民の皆さまの健康を含め、命をどのようにして守っていくとかという目的が同じだから、今日こうしてここに一緒に座っています。
〇市長
検討はこれからですけれど、県全域をこれまでやってこられた県立中央病院と地元密着で市民のあるいは青森圏域の医療を守ってきた市のスタッフ、看護師はそれぞれ専門性がちょっとずつ違いますが、お互いを尊重しながら、一緒になってやる。県民の、市民の命を守るという目的は一緒ですから、使命感は同じだということは共有したはずですので、職員とも今後、検討していく中で、病院の機能と併せて守っていくことになります。
〇記者
検討会議では統合新病院が望ましいとされつつも他の選択肢もあった中で統合新病院整備を決めた理由と、今後新しい病院に期待することをそれぞれお二人からお願いします。
〇知事
知事就任以来、中高生にまで働きかけて、受験から始まり、医師の育成・定着に取り組んでおり、人的資源が重要と考えています。
専門的な部分を別々に持っていたり持っていなかったり、医療の高度化の中にあって、対応するための仕組みが重要になってきているということを認識していただきたいと思います。
あり方検討協議会のメンバーでもあった弘前大学の福田学長も含め、思いは一緒であり、よりよい医療人材が来てくれる、集まる病院、なおかつ、その方々がしっかりと研さんできて育っていける病院、医師やコメディカルの方々にも非常に魅力のある病院でなければ、今後、生き残って良い医療を提供できない、人材確保が難しい時代になっています。
そういった大前提のある中で、どうするかを考えなければなりません。つがる総合病院、国立弘前病院もそうですが、資源を集中していかないと高度化した医療に対応できなくなっている現状があります。
ただ病院が箱としてあるだけでなく、機能としてどうあるか、その機能の先にどういったチーム、スタッフが必要か、そういう意味では県立中央病院は高度医療だけでなく、政策医療をやるわけですし、トップの病院としてあるべき姿を考えた場合に、この地域に中核的病院が2つ、それぞれに人的な部分やシステムの部分を別々にしておくよりも、統合する中において、県立中央病院としての役割をさらに強化しつつ、なおかつ青森圏域の部分についてもしっかりと市の部分も一緒にやっていけると踏んだわけです。
県は県だけというのではなく、全体を良くしていくためにも、この地域は一つにする。われわれはここにおいてトップの医療を目指していくぞということを打ち出していくと。県民、市民の皆さま方だけでなく医療関係者の方々にも本気度を示さなければ、今後、良い医療のシステム作りというのは難しいと思っています。
この18年、中高生への医療に親しんでもらう取組や大学での講義、医師の方々との意見交換の中で、医療の今後のあるべき姿としては箱ではなくシステムだと、そのシステムを強化するためには私として統合という形がふさわしいと本音ベースで考えたところです。
そういった思いに一緒にやっていこうということになりまして、本日に至ったということです。
〇市長
青森市の方でも三村知事の積年の思いに加えて、あえて青森市から申し上げれば、新型コロナウイルス禍だからやらなければならないという強い思いで踏み込ませていただいたつもりです。
冒頭、ご質問があってお答えしたとおり、コロナ対応病床をもってしても、足し算してもなお、かなわない部分がある。また病床本体でも県立中央病院が600床あまり、青森市民病院では現在350床程度です。八戸市民病院も600床、弘大附属病院も600床ですから、今のコロナ対応という病床転換をもってしても、600床というのは実はそんなに大きくない。岩手医大附属病院で1,000床ですから、小さい規模です。規模が小さいとコロナ転換もできないのです。だからこそ新興感染症対策にしっかり対応するための一定の規模感、先ほどの知事の言葉を借りれば医療資源を集約して、強い病院を作っていくということがコロナ禍だからこそ必要だと、その思い、われわれも共通に思って取り組ませていただくことにしました。
また、一部先行報道の中で青森市民病院が赤字だから踏みこんだというような報道をした社もありましたが、青森市民病院はもう赤字ではありません。例えば、昨年の決算はプラス8,500万円、今年の決算見込みでは3月補正ベースで5億6千万円の黒字の見込みがたっています。かつては赤字病院でしたが、それは市民病院のスタッフの頑張りと市民の皆さまのご協力で今は黒字病院になりました。ですから赤字病院だから統合に踏み込むという先行の部分は明確に否定させていただきたいと思います。もちろん経営状況とか老朽化の問題はあります。思いはコロナ禍だからこそやらなければならない。
三村知事の積年の思い受けとめさせていただいて、青森市としても踏み込ませていただいたということをご報告させていただきます。
〇司会
それでは時間となりました。
〇知事
今日ここに至りました。
〇市長
よろしくお願いします。
(知事と青森市長が肘タッチ)
〇司会
これをもちまして会見を終了します。
ただ今から、県立中央病院と青森市民病院のあり方に関する知事と青森市長の共同会見を開催いたします。
最初に知事から発言いたします。それでは知事お願いします。
〇知事
昨年、青森県と青森市が共同で設置した「県立中央病院と青森市民病院のあり方検討協議会」から、青森県と青森市が「共同経営の上、統合病院を新築整備することが最も望ましい」との提言をいただいたところです。
この提言を踏まえまして、県と青森市において協議を行い、今般、県立中央病院と青森市民病院のあり方について、「青森県と青森市の共同経営による統合病院を新築整備する」ことを基本方針とすることで私と青森市長で合意いたしました。
今後、県議会、市議会におけるご議論等をいただきながら、さらに具体的な検討を進めていきます。
〇市長
それでは私から、基本方針についての基本的な考え方などについて説明します。
両病院のあり方について、青森県と青森市で協議を進めてきたところですが、人口減少や医療従事者不足、さらには新興感染症対策など地域医療を取り巻く課題や多様な医療ニーズなどに対応し、持続可能な、そして、強い医療提供体制を構築していくためには、両病院の機能・資源を集約・充実していくことが重要であり、そのためには、「青森県と青森市の共同経営による統合病院を新築整備することが最も望ましい」ということを三村知事と私で判断、合意したものであります。
青森市としましては、新病院が青森市民病院の役割を継承しつつ、青森市民はもちろんのこと、青森地域保健医療圏に住む方々に対して、将来にわたり安定的かつ質の高い医療を提供できるものと考えており、新病院開院までの準備期間も含め、県立中央病院とともに、大学等と連携しながらしっかりと地域医療を支えつつ、早期に効果が発現できるよう取組を進めてまいります。
〇知事
私から若干、補足いたします。
県としては、青森市長から説明されたことに加え、新病院が県立病院としての使命を継承しつつ、青森地域保健医療圏はもとより、「全県を対象とした高度・専門・政策医療の拠点」としての役割を果たしていけるものと考えており、県民の誰もが青森の地で安心して暮らしていくことができる「青森県型地域共生社会」の構築に向けてしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
新病院の整備場所や経営形態などの具体的な内容につきましては、県と青森市で検討を進め、できるだけ早期に示していきたいと考えており、それらの検討に要する経費を当初予算に計上したいと考えております。
なお、本日は、新型コロナウイルス感染症の状況が厳しい中での発表となりましたが、新病院におきましては、将来起こり得る新たな感染症への対策強化等も図っていきたいと考えておりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
〇記者
候補地はこれから検討というお話がありましたが、現段階で既に具体的な候補地が絞れているかという点についてお伺いします。
それといつまでの完成を目指すのか、あるいはどのような形で、いつ頃のタイミングで候補地を示すのかというような完成に向けての行程、スケジュール感がどうなっているのかお伺いします。
〇市長
新病院の整備場所等は、これからと三村知事からもお話がありました。ご質問の部分は、これから県と市で検討するに当たり、県と市で基本方針に合意したところで、まさにこれからということになります。
提言では、4つの観点を有識者会議の中でお示しいただいています。一つは面積、もう一つは災害の対応、三つめに既存の建物がないこと、四つめにアクセスです。4つの点に留意して検討するべしというようなご提言をいただいていますので、これを踏まえまして、これから検討を進めてまいりたいと、今はそういう状況です。
〇記者
知事と市長にそれぞれ一問ずつお伺いします。
知事に対しては、今回は青森圏域という話ではなく全県の医療提供体制ということでしたが、市民病院と全県の医療体制の充実というところのお考えをお聞かせください。
〇知事
先ほども誤解のないようにお話ししたつもりですが、全県を対象とした高度・専門・政策医療の拠点というように私どもは考えていますが、もちろん市民病院が担ってきた機能というものもありますので、青森地域保健医療圏を念頭においたという部分もあります。
さらに少し突っ込んだお話をさせていただきましたが、例えばですが、新たな感染症云々と話させていただいたのも、全体として高度・専門・政策医療の拠点とする、そういう思いも含めてお話しさせていただいたとご理解いただければと思います。
〇記者
市長にお伺いしたいのは、単純な算数になってしまうのですが、青森市内の拠点病院が一つなくなるということになるかと思います。市民への医療提供体制への影響をどのように考えているのか、また医療提供体制をどのように向上させていくお考えなのか伺います。
〇市長
算数という切り口でご質問をいただきましたので、私も算数の形でお答えしたいと思います。
知事からも新たな感染症も含めて体制を強化するとお話いただきました。
青森市民病院の新型コロナ対応病床は14床です。一方で県立中央病院の新型コロナ対応病床は23床です。いずれも公表数値ですので申し上げても構わないと思います。単純に足し算しても14+23ですから37床にしかなりません。
全県的には、例えば八戸市立市民病院は41床と公表されています。県庁所在地で人口も最も多い地区ですが、二つの病院を足してもこの数字には届かない。37床しか新型コロナ対応病床を持っていないわけです。
今後、新型コロナウイルスがどういう対応になるのか、また新しい感染症が起きるのかという新興感染症対策一点を取ってみても、やはり今の状態、二つの病院が統合に向けてキックオフするわけですけど、単純に足してもその医療圏は強化が図られないわけで、一般病床をいかに転換していくのか、万が一の場合にどのように対応してくのかを含めて、それはもちろん青森県民を守ることですけど、とりわけ青森市民、青森地域保健医療圏の人々を守ることになります。
記者の方が算数とおっしゃったので病床数に例えて申し上げましたが、その一点を捉えてもしっかりと強化していかなければならないということが改めて県・市の協議の中で相互理解を得て本日に至ったということです。
〇記者
病床の規模については有識者の提言では800床から900床ということでしたが、基本的にはそれに沿ってということでよろしいのでしょうか。
〇知事
両病院で協議しながら、ということになると思います。提言を十分に尊重した上で、現実的にどうするかという段階でまたいろいろな話が出てくると思います。
〇記者
協議については、来年度中というかそういっためどがあるのでしょうか。
〇知事
県立中央病院は老朽化が進んでおりますので、可能な限り速やかにかつ丁寧にと思っております。
〇市長
補足すれば、いつ頃までにというのは、これからがキックオフですから、スケジュールはこれからレールを敷いていくことになりますが、同じくらいの規模感の病院、例えば有識者会議には高知医療センターの先生に入っていただいていましたが、高知は平成17年につくった時で約5年7か月、お隣の岩手では令和元年につくったばかりですが約6年6か月かかっています。病院というのは高度で難しい構造物になりますので1年2年でできるものはありませんので、それくらいの幅を持って開院させていかなければいけない、だからこそ、老朽化の話もありましたけれど、お互いに古い病院の中でどうやっていくかということをそのくらいのスパンで考えていくということ、そうですよね。
〇知事
そうです。
〇記者
最後に場所について、これからということですが、4つの観点のうちアクセスというところが提言に挙げられていますが、現状の県病の場所よりアクセスが良い所とか、駅に近い所というのがポイントになってくるのでしょうか。
〇市長
場所の件は私から先ほどお答えしましたので(私からお話します)。先ほど申し上げた4つの提言の中で、アクセスの話の中には救急患者の搬送なども考慮した通院のアクセスということで提言いただきました。
災害対応というところでも津波やそうしたものへの対応を考慮せよというお話でしたので、そうしたものをきちんと考えて、ただ、今日キックオフですので、知事からも提言を尊重しつつというお話がありましたが、県・市で協議していく、その組織立てを今後予算などで県と一緒に進めていきます。
〇記者
県・市それぞれ何人程度でどれくらいの規模感で検討を進められるのか決まっているのでしょうか。
〇知事
後日、事務局から説明します。
〇市長
青森市は来週、予算や組織の発表がありますので、そのときに発表したいと思います。
県もまもなくと聞いていますが、それに向け、県と市で最終協議中です。
〇記者
先ほど新病院の完成まで6年くらいかかるというお話だったので、まだ先の話になりますが、現在のそれぞれの建物の利活用についてはどのようにお考えでしょうか。
〇知事
現在の建物で診療を続けながら、今後検討していくということになります。
〇市長
あり方検討協議会にも参加いただいた弘前大学の福田学長からは新病院もさることながら、準備期間も含め弘前大学もしっかりと支えていくというお話をいただいたと承知しておりますので、それぞれ今の病院で医療を提供しながら検討していくことになります。
〇記者
一つになるというと、それぞれがやってきた仕組みとか運用方法とかに違いがあると思います。そういったものを合わせていくというのは、相当に困難を伴う作業だと思いますが、どのような思いでそれぞれ取り組んでいきますか。
〇知事
今日ここに至るまでもいろいろ検討を重ねてきたところであり、これまでも丁寧にやりとりしながら、文化の共有を行ってきました。
私どもとすれば、県全域の高度・専門・政策医療を支えていく、究極的には県民の皆さまの健康を含め、命をどのようにして守っていくとかという目的が同じだから、今日こうしてここに一緒に座っています。
〇市長
検討はこれからですけれど、県全域をこれまでやってこられた県立中央病院と地元密着で市民のあるいは青森圏域の医療を守ってきた市のスタッフ、看護師はそれぞれ専門性がちょっとずつ違いますが、お互いを尊重しながら、一緒になってやる。県民の、市民の命を守るという目的は一緒ですから、使命感は同じだということは共有したはずですので、職員とも今後、検討していく中で、病院の機能と併せて守っていくことになります。
〇記者
検討会議では統合新病院が望ましいとされつつも他の選択肢もあった中で統合新病院整備を決めた理由と、今後新しい病院に期待することをそれぞれお二人からお願いします。
〇知事
知事就任以来、中高生にまで働きかけて、受験から始まり、医師の育成・定着に取り組んでおり、人的資源が重要と考えています。
専門的な部分を別々に持っていたり持っていなかったり、医療の高度化の中にあって、対応するための仕組みが重要になってきているということを認識していただきたいと思います。
あり方検討協議会のメンバーでもあった弘前大学の福田学長も含め、思いは一緒であり、よりよい医療人材が来てくれる、集まる病院、なおかつ、その方々がしっかりと研さんできて育っていける病院、医師やコメディカルの方々にも非常に魅力のある病院でなければ、今後、生き残って良い医療を提供できない、人材確保が難しい時代になっています。
そういった大前提のある中で、どうするかを考えなければなりません。つがる総合病院、国立弘前病院もそうですが、資源を集中していかないと高度化した医療に対応できなくなっている現状があります。
ただ病院が箱としてあるだけでなく、機能としてどうあるか、その機能の先にどういったチーム、スタッフが必要か、そういう意味では県立中央病院は高度医療だけでなく、政策医療をやるわけですし、トップの病院としてあるべき姿を考えた場合に、この地域に中核的病院が2つ、それぞれに人的な部分やシステムの部分を別々にしておくよりも、統合する中において、県立中央病院としての役割をさらに強化しつつ、なおかつ青森圏域の部分についてもしっかりと市の部分も一緒にやっていけると踏んだわけです。
県は県だけというのではなく、全体を良くしていくためにも、この地域は一つにする。われわれはここにおいてトップの医療を目指していくぞということを打ち出していくと。県民、市民の皆さま方だけでなく医療関係者の方々にも本気度を示さなければ、今後、良い医療のシステム作りというのは難しいと思っています。
この18年、中高生への医療に親しんでもらう取組や大学での講義、医師の方々との意見交換の中で、医療の今後のあるべき姿としては箱ではなくシステムだと、そのシステムを強化するためには私として統合という形がふさわしいと本音ベースで考えたところです。
そういった思いに一緒にやっていこうということになりまして、本日に至ったということです。
〇市長
青森市の方でも三村知事の積年の思いに加えて、あえて青森市から申し上げれば、新型コロナウイルス禍だからやらなければならないという強い思いで踏み込ませていただいたつもりです。
冒頭、ご質問があってお答えしたとおり、コロナ対応病床をもってしても、足し算してもなお、かなわない部分がある。また病床本体でも県立中央病院が600床あまり、青森市民病院では現在350床程度です。八戸市民病院も600床、弘大附属病院も600床ですから、今のコロナ対応という病床転換をもってしても、600床というのは実はそんなに大きくない。岩手医大附属病院で1,000床ですから、小さい規模です。規模が小さいとコロナ転換もできないのです。だからこそ新興感染症対策にしっかり対応するための一定の規模感、先ほどの知事の言葉を借りれば医療資源を集約して、強い病院を作っていくということがコロナ禍だからこそ必要だと、その思い、われわれも共通に思って取り組ませていただくことにしました。
また、一部先行報道の中で青森市民病院が赤字だから踏みこんだというような報道をした社もありましたが、青森市民病院はもう赤字ではありません。例えば、昨年の決算はプラス8,500万円、今年の決算見込みでは3月補正ベースで5億6千万円の黒字の見込みがたっています。かつては赤字病院でしたが、それは市民病院のスタッフの頑張りと市民の皆さまのご協力で今は黒字病院になりました。ですから赤字病院だから統合に踏み込むという先行の部分は明確に否定させていただきたいと思います。もちろん経営状況とか老朽化の問題はあります。思いはコロナ禍だからこそやらなければならない。
三村知事の積年の思い受けとめさせていただいて、青森市としても踏み込ませていただいたということをご報告させていただきます。
〇司会
それでは時間となりました。
〇知事
今日ここに至りました。
〇市長
よろしくお願いします。
(知事と青森市長が肘タッチ)
〇司会
これをもちまして会見を終了します。
過去の記者会見録
令和3年度 令和2年度 平成31年度(令和元年度) 平成30年度 平成29年度 平成28年度 平成27年度 平成26年度 平成25年度 平成24年度 平成23年度 平成22年度 平成21年度 平成20年度 平成19年度 平成18年度 平成17年度 平成16年度