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更新日付:2023年5月8日 広報広聴課
知事記者会見(定例記者会見)/令和5年4月28日/庁議報告ほか
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知事記者会見録
会見日時:令和5年4月28日金曜日 11時15分~11時45分
会見場所:第三応接室
会見者:三村知事
〇幹事社
まずは、知事から庁議案件等の報告をお願いします。
〇知事
【新型コロナウイルス感染症への対応】
まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。
政府は、5月8日から、新型コロナウイルス感染症について、感染症法上の位置づけを、季節性インフルエンザ等と同じである5類感染症に変更することとしています。
これに伴い、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部が廃止されることとなり、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づき、本県の新型コロナウイルス感染症に係る危機対策本部を廃止します。また、政府の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針についても廃止されることから、本県の新型コロナウイルス感染症に関する青森県対処方針についても廃止することとし、去る4月26日に開催した危機対策本部会議においてお示ししたところです。
これまでの取組に当たって、県民の命を守るために懸命な対応に取り組んでくださいました医療従事者をはじめとした関係者の皆さま方に対し、県民を代表して改めて深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
また、県民の皆さま方におかれましては、これまでの感染防止対策にご理解とご協力をいただき、大変ありがとうございました。
一方で、これから人出で賑わう大型連休を迎えますので、県民の皆さま方には改めて、感染しない・させない取組をお願いいたします。
また、このところ、県内では新規感染症患者はそれほど多くない状況にありますが、5月8日以降も、引き続き、場面に応じたマスクの適切な着用、手洗い等の手指衛生、換気など、場面場面で必要な感染防止対策の実施をお願いします。これらの対策は、季節性インフルエンザへの感染防止対策にもなります。現状ではこちらの方も心配な状況にありますので、よろしくお願いします。
今後とも、お一人お一人がお互いを思い守り合う気持ちで、基本的な感染防止対策を実施してくださるようお願い申し上げます。
【蟹田~脇野沢航路の利用促進について】
続きまして、蟹田~脇野沢航路の利用促進についてです。
津軽半島の蟹田港と下北半島の脇野沢港を約60分で結ぶカーフェリーを運航するむつ湾フェリーでは、4月21日から今年度の運航を開始しました。
フェリーからは、風光明媚なむつ湾の眺望を楽しむことができることに加えて、4月下旬から6月下旬にかけては、むつ湾を遊泳するイルカの群れに出会えるチャンスも多くなります。
現在、県では、市町村やむつ湾フェリーと連携し、ゴールデンウイーク中を除く6月30日までの期間、青森県民の皆さま方に限定300台で、5メートル未満の車の航送運賃を一律6,000円に割り引く「イルカいないかキャンペーン」を実施しています。
暖かく穏やかな季節を迎え、県民の皆さま方におかれましては、お出かけする機会も増えてくるものと思います。ぜひ、こうしたお得な制度も活用して、行楽や旅行にむつ湾フェリーをご利用ください。
【白神山地世界自然遺産登録30周年について】
続きまして、白神山地世界自然遺産登録30周年についてです。
世界自然遺産「白神山地」は、本年12月に世界遺産登録30周年の節目を迎えます。
このような中、先般、25日には、主要地方道岩崎西目屋弘前線、通称「白神ライン」の西目屋村に設置している砂子瀬ゲートから暗門までの冬季閉鎖について、日中のみの片側交互通行とはなりますが、解除いたしました。
県では、今年度、世界自然遺産登録30周年を契機とした各種記念イベントなどを関係機関と連携しながら展開し、県内外に白神山地の価値や魅力を積極的に情報発信していくこととしています。
県民の皆さま方におかれましては、新緑まばゆい春の白神山地へ足をお運びいただき、人と自然が寄り添いながら共存共栄してきた長い歴史、そこから生まれた知恵と豊かな文化など、世界自然遺産「白神山地」が有する、その価値に触れていただければと思います。
【質疑応答】
〇幹事社
それでは幹事社から2点ほど質問させていただきます。
まず1点目、新型コロナウイルスの感染症対策として県が実施してきた各種取組の評価と課題を整理した「振り返り」が先日公表されました。「振り返り」を踏まえて感染症対策の強化充実を図っていく旨記載されていますが、次に起こり得る新たな感染症の発生に備えて、県として、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所感をお聞かせください。
〇知事
県では、次なる新興感染症に備えるため、新型コロナウイルス感染症対策としてこれまで県が実施してきた各種取組について評価と課題の整理を行い、今月26日に開催した危機対策本部において「振り返り」として取りまとめたところです。
また、感染症法の改正により、都道府県が定める予防計画に沿って、都道府県と医療機関等との間で病床等に関する協定を締結する仕組みが法定化されるなど、新興感染症の発生及びまん延時における保健・医療提供体制について整備を図ることとされました。
私としては、今回の振り返りを生かし、青森県医師会や医療機関をはじめとする関係機関と連携して、本県における保健・医療提供を整備していくことで、新興感染症対策にしっかりと取り組んでいきます。
〇幹事社
2点目ですが、いよいよ本格的な春の観光シーズンを迎える中、明日からゴールデンウイークが始まり、県内の観光地からは多くの観光客の来訪を期待する声が挙がっています。さらに、国際線のチャーター便が次々と運航されるなど、インバウンドへの期待も高まっています。こうした状況を踏まえ、観光客のさらなる増加など、県内観光産業への期待と国際線の定期便再開に向けた具体的な取組などがありましたらお聞かせください。
〇知事
今年に入り、韓国や台湾からの国際チャーター便に加えて、海外からのクルーズ客船も本県に寄港し、多くの外国人観光客に来訪いただいているところです。
また、先日、台湾人や香港人向けの訪日観光情報サイトの運営会社が公表した「行きたい日本の都道府県ランキング」では、青森県が総合5位、調査対象者のうち訪日回数10回以上のハードリピーターでは、北海道、東京都に次いで3位となり、この調査結果からも、今後のさらなるインバウンド需要の回復が期待できるものと考えています。
こうした中で、今年度は、現地旅行会社や航空会社等と連携した現地でのプロモーションや情報発信に加え、特にコロナ禍前に国際定期便が運航していた、韓国、台湾、中国を中心に本県宿泊旅行商品の造成促進に集中的に取り組むことで、インバウンド拡大を図り、本県経済の回復から成長へと転換する大きな弾みとなるものと期待しています。2019年の外国人延べ宿泊者数(震災前比)が570パーセント増だったのが、コロナ禍で急激に減少して衝撃を受けましたが、どんどん回復してきています。
また、国際線の再開に関して、ソウル線については、チャーター便が1月から3月にかけて運航され、定期便再開に向けた運航実績を積み重ねてきたところです。今月の18日に私自ら、大韓航空本社を訪問して、チョ会長及びチェ副社長に対して、一日も早い定期便の再開を要請したところ、早期再開に向けて、機材や要員の確保などの準備をしっかりと進めていく、との発言があり、再開まであと一歩と受け止めています。
また、台北線については、チャーター便が今月13日から昨日まで15日間連続で運航されたところです。この運航実績を足掛かりとし、今後、エバー航空本社を訪問し、紅葉の時期のチャーター便運航と一日も早い定期便再開を要請したいと考えています。
さらに、中国東方航空の青森-上海線の定期便についても、話し合いを進めているところであり、これも必ず段取りをしていきたいと考えています。
県としては、青森空港国際線の一日も早い再開と安定運航に向けて、諸課題を一つ一つクリアするとともに、インバウンドとアウトバウンド両面で県民へのプロモーション活動などに取り組んでいきます。
〇記者
昨日、JR東日本が大雨で被災して運休しているJR津軽線の蟹田-三厩間に関して、鉄路を廃止した上で、バスや乗合タクシーに転換するのが望ましいという意向を示しました。
それに関してどのように受け止めたか、一言お願いします。
〇知事
これまでも地域の声を大切にしてほしいという話をしてきました。昨日の第4回今別・外ヶ浜地域交通検討会議において、JRからは、「バス化・乗合タクシー化」あるいは「運営費用の自治体負担を前提とした鉄道の復旧」の2つの方向性が示され、このうち「バス化・乗合タクシー化」がJRとしては望ましいとの提案がありました。
これに対して、今別町と外ヶ浜町の両町からは、冬場の安定運行の確保等に対する懸念や、今後、鉄道復旧案も含めて、住民の意見等も踏まえた上で判断したいとの見解が示されました。
方向性を検討していくためには、これまで申し上げてきたとおり、両町や地域住民の理解や納得を得ることが極めて重要であることから、県では、JRに対し、両町からの意見も踏まえたさらなる検証や、持続可能性も考慮した具体的な説明をしっかりと行うよう求めたところです。
こうした意見を踏まえて、JRでは5月13日に予定されている2回目の住民説明会において、これまでの検討会議の内容に加え、同社の考え方を詳細に説明したいとしており、県としては、引き続き両町と連携を図り、大きなテーマであります地域住民の交通を確保していく観点から、丁寧に最善の方策を検討していきます。
〇記者
これに関して、以前は鉄路維持の立場が前提だとおっしゃっていたかと思いますが、その前提は、現時点で変わりはないでしょうか。
〇知事
これまでの交通体系を維持することの原理原則、重要性の観点から、鉄路維持も一つの方向であるという話をしてきました。その一方で、何度も申し上げてきたのは、これまで鉄道を活用してきた地域住民の意向や考え方が非常に大事だということです。今回このように具体の提案が出てきましたので、やはり今後の住民説明会は非常に大事なものになると思います。
〇記者
知事選の告示があと20日ぐらいに迫ってきていますが、以前から政策を見比べて、どなたを支持するかを明らかにしたいというお話でしたけれども、現時点でどのような立場で知事選に臨まれるかということをお聞かせください。
〇知事
まだ具体の政策的なものは公表されていない状況ですので、是非、メディアの皆さんが、県民の皆さまに対して分かりやすく情報提供していただくようお願いしたいと思います。
特に、本県においては投票率の低下が課題となっており、先般の県議選投票率も低い状況でありました。投票は民主主義の原点であり、投票に行くことは権利であり、義務であると、これまで何度もお話しさせていただいてきたところです。
いずれにしても、県民の皆さまが投票に行くためにも、政策を分かりやすく示していただき、具体的にいつまでにどうするかなど、財政論も含めて、立候補を予定している方に質問してくださるようお願いします。
〇記者
今、立候補を予定されている方々に具体の政策を発表してほしいということでよろしいでしょうか。
〇知事
選挙でありますので、政策はきちんと出していただく必要があります。また、メディアの皆さんが特集を組む際に立候補者に対して依頼する調査がありますが、回答するのに非常に時間がかかりますので、早めに聞いてあげてほしいと思っています。
先程も触れましたが、知事選についても、投票率が課題になると思っています。ティッシュを配りながら街頭でお願いするなどもありますが、投票率を上げるための何らかの啓発活動が必要だと考えています。
〇記者
先ほどの報告にあった白神ラインについて、白神山地の世界自然遺産登録30周年の節目の年に、今は白神ラインがまだ一部しか開通せず、大雨とかの影響もありますが一部開通に留まっているということについて、まずは知事の所感をお伺いします。
〇知事
西目屋村側からのルートは、地山全体が崩れてきており大変危険なため、長期間通行止めにしなければいけないという状況でしたが、崩れるのを防ぐ対策をすれば片側通行できるということになりましたので、県土整備部で全力を挙げて、専門家のご意見をいただきながら取り組んだ結果、このように冬期閉鎖の解除ができるようになりました。これは非常に良かったと思っています。
ただ、深浦町側からのルートは、工事のための迂回路の確保が困難であり、工事にすら入って行けない状態であります。また、崩壊箇所が複数あり、さらに完全に壊れている箇所もあるなど、複数箇所の工事を同時に行うことが困難なことから、開通させるにはなかなか厳しい状況にありますが、県土整備部の方で計画的にしっかりと工事を進めていきたいと考えています。
白神山地全体について、さまざま体験してみたいと思う方々もいらっしゃいます。しかしながら、お客さまとして入山していただくにしても、工事を進めるにしても安全確保が非常に厳しい状況であることはご理解いただきたいと思います。
少なくとも西目屋側、暗門までのルートが使えるようになり、片側通行ではありますが、移動できるということにつきましては、丁寧にチェックしてくれた専門家の方々や私どもの技術陣に、私としてはよくやってくれたと、専門家の方々にありがとうと申し上げたいと思っています。
〇記者
その関連ですが、白神ラインの復旧工事の見通しや、全体の開通の見通しというところをお話しできる範囲でお伺いします。
〇知事
相当厳しい状況です。県土整備部長が説明します。
〇県土整備部長
県土整備部です。よろしくお願いします。
白神ライン全体の話は、昨年12月までに災害査定を受けまして、工事の所要額の方は大方決まっています。ご存じのとおり、工事が片側しか入って行けないことと、冬季は閉鎖区間になりますので、一つ工事が終わったら次へ、また一つ工事が終わったら次へという状況で、現段階で(全体の開通見通しは)令和6年度以降という形になっています。
弘前市から西目屋村の暗門までは、知事の報告にもありましたように片側交互通行で行き来ができるようになり、昨年度までは通行時間を16時30分までとしていましたが、今年度は日没まで延長し、以前よりも通行時間を長くしていますので、そのような形で利用者の安全と利用促進に努めていきたいと考えています。
〇記者
政府が本日、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針を閣議決定しました。「政府の責任で」という文言を明記するとのことです。
六ケ所村で一時貯蔵している関係で、知事の政府に対する期待感と、再三、国との確約があると三村知事もおっしゃっていたと思うんですけれども、改めてこの確約で最終処分地とはならないものの、留め置かれる可能性というのが否定できない現状になってきているのではないかということですが、そのあたりの受け止めを教えてください。
〇知事
本県とすれば、最終処分地の早期選定に対して、国が前面に立って取り組むことを強く、何度も求めてきたところです。
今回、閣議決定された方針において、「国は、政府一丸となって、かつ、政府の責任で最終処分に向けて取り組んでいく。」ということが明記され、全国の地方公共団体等への個別訪問など、具体的な取組も掲げられたようです。
いずれにしても、改定された基本方針も踏まえ、最終処分地の早期選定に向け、これまでも国が前面に立つと承っているわけですが、国がこれまで以上に前面に立って、不退転の決意で取組を加速させていくことが非常に重要だと考えています。
そして国からは、民主党政権時も含め何度もきっちりと「青森県を最終処分地にしない」との約束について、絶対に守られるという確認をとっている事実があることは、大変重いものだと考えていただければと思います。
〇記者
「チャットGPT」に関して、県行政に使う予定があるとか、セキュリティの関係で使わないとか、そういう方針があるのかどうかお聞かせください。
〇知事
対話型人工知能である「チャットGPT」については、一部の省庁や複数の自治体において、文書の作成や相談対応など、さまざまな場面での活用が検討されていることは承知しています。業務の効率化や県民サービスの向上に貢献し得るツールであるかもしれないと考えています。
しかしながら、どの技術でもそうですけれども、個人情報や機密情報の漏えいのリスク、情報の正確性の担保など、多くの課題も指摘されていることから、その活用にあたっては、他団体における検討状況や活用実績等を踏まえながら、またこれからも課題が出てくると思うので、慎重に検討をしていきたいと考えております。
ただ学習や勉強の場面では、やはり自分で調べて自分でやっていくということが大事なのかなと考えています。
〇記者
知事選に関して、各候補者の政策がもう少し具体的なものが出てきた段階で、知事としてお立場を表明することがあるのか、それとも告示後も含めて中立の立場でいかれるのか。現時点での考えをお聞かせください。
〇知事
最初にお話ししたとおり、自分自身、投票率を上げましょうと言っている立場としては、何らかの投票行動をします。(投票まで)まだ十分に時間がありますから、お時間をいただきたいと思います。
県議選の投票率のこと等もありますから、きちんと自分の投票行動は決めなければいけません。ただ判断は、やはり政策的なものを見させていただいてからになりますし、それは県民の皆さま方にもお願いします。
自ら県民として将来を託すということは、前にもお話しさせていただきましたが、ムードや伝聞みたいなものではなく、公約などについて、メディアの皆さんも、県民の皆さま方に分かりやすい質問項目で、分かりやすく書いてもらうことがすごく大事だと思っています。それらを私も県民の皆さま方と同じように見させていただき、決めていくということです。
まずは、知事から庁議案件等の報告をお願いします。
〇知事
【新型コロナウイルス感染症への対応】
まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。
政府は、5月8日から、新型コロナウイルス感染症について、感染症法上の位置づけを、季節性インフルエンザ等と同じである5類感染症に変更することとしています。
これに伴い、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部が廃止されることとなり、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づき、本県の新型コロナウイルス感染症に係る危機対策本部を廃止します。また、政府の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針についても廃止されることから、本県の新型コロナウイルス感染症に関する青森県対処方針についても廃止することとし、去る4月26日に開催した危機対策本部会議においてお示ししたところです。
これまでの取組に当たって、県民の命を守るために懸命な対応に取り組んでくださいました医療従事者をはじめとした関係者の皆さま方に対し、県民を代表して改めて深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
また、県民の皆さま方におかれましては、これまでの感染防止対策にご理解とご協力をいただき、大変ありがとうございました。
一方で、これから人出で賑わう大型連休を迎えますので、県民の皆さま方には改めて、感染しない・させない取組をお願いいたします。
また、このところ、県内では新規感染症患者はそれほど多くない状況にありますが、5月8日以降も、引き続き、場面に応じたマスクの適切な着用、手洗い等の手指衛生、換気など、場面場面で必要な感染防止対策の実施をお願いします。これらの対策は、季節性インフルエンザへの感染防止対策にもなります。現状ではこちらの方も心配な状況にありますので、よろしくお願いします。
今後とも、お一人お一人がお互いを思い守り合う気持ちで、基本的な感染防止対策を実施してくださるようお願い申し上げます。
【蟹田~脇野沢航路の利用促進について】
続きまして、蟹田~脇野沢航路の利用促進についてです。
津軽半島の蟹田港と下北半島の脇野沢港を約60分で結ぶカーフェリーを運航するむつ湾フェリーでは、4月21日から今年度の運航を開始しました。
フェリーからは、風光明媚なむつ湾の眺望を楽しむことができることに加えて、4月下旬から6月下旬にかけては、むつ湾を遊泳するイルカの群れに出会えるチャンスも多くなります。
現在、県では、市町村やむつ湾フェリーと連携し、ゴールデンウイーク中を除く6月30日までの期間、青森県民の皆さま方に限定300台で、5メートル未満の車の航送運賃を一律6,000円に割り引く「イルカいないかキャンペーン」を実施しています。
暖かく穏やかな季節を迎え、県民の皆さま方におかれましては、お出かけする機会も増えてくるものと思います。ぜひ、こうしたお得な制度も活用して、行楽や旅行にむつ湾フェリーをご利用ください。
【白神山地世界自然遺産登録30周年について】
続きまして、白神山地世界自然遺産登録30周年についてです。
世界自然遺産「白神山地」は、本年12月に世界遺産登録30周年の節目を迎えます。
このような中、先般、25日には、主要地方道岩崎西目屋弘前線、通称「白神ライン」の西目屋村に設置している砂子瀬ゲートから暗門までの冬季閉鎖について、日中のみの片側交互通行とはなりますが、解除いたしました。
県では、今年度、世界自然遺産登録30周年を契機とした各種記念イベントなどを関係機関と連携しながら展開し、県内外に白神山地の価値や魅力を積極的に情報発信していくこととしています。
県民の皆さま方におかれましては、新緑まばゆい春の白神山地へ足をお運びいただき、人と自然が寄り添いながら共存共栄してきた長い歴史、そこから生まれた知恵と豊かな文化など、世界自然遺産「白神山地」が有する、その価値に触れていただければと思います。
【質疑応答】
〇幹事社
それでは幹事社から2点ほど質問させていただきます。
まず1点目、新型コロナウイルスの感染症対策として県が実施してきた各種取組の評価と課題を整理した「振り返り」が先日公表されました。「振り返り」を踏まえて感染症対策の強化充実を図っていく旨記載されていますが、次に起こり得る新たな感染症の発生に備えて、県として、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所感をお聞かせください。
〇知事
県では、次なる新興感染症に備えるため、新型コロナウイルス感染症対策としてこれまで県が実施してきた各種取組について評価と課題の整理を行い、今月26日に開催した危機対策本部において「振り返り」として取りまとめたところです。
また、感染症法の改正により、都道府県が定める予防計画に沿って、都道府県と医療機関等との間で病床等に関する協定を締結する仕組みが法定化されるなど、新興感染症の発生及びまん延時における保健・医療提供体制について整備を図ることとされました。
私としては、今回の振り返りを生かし、青森県医師会や医療機関をはじめとする関係機関と連携して、本県における保健・医療提供を整備していくことで、新興感染症対策にしっかりと取り組んでいきます。
〇幹事社
2点目ですが、いよいよ本格的な春の観光シーズンを迎える中、明日からゴールデンウイークが始まり、県内の観光地からは多くの観光客の来訪を期待する声が挙がっています。さらに、国際線のチャーター便が次々と運航されるなど、インバウンドへの期待も高まっています。こうした状況を踏まえ、観光客のさらなる増加など、県内観光産業への期待と国際線の定期便再開に向けた具体的な取組などがありましたらお聞かせください。
〇知事
今年に入り、韓国や台湾からの国際チャーター便に加えて、海外からのクルーズ客船も本県に寄港し、多くの外国人観光客に来訪いただいているところです。
また、先日、台湾人や香港人向けの訪日観光情報サイトの運営会社が公表した「行きたい日本の都道府県ランキング」では、青森県が総合5位、調査対象者のうち訪日回数10回以上のハードリピーターでは、北海道、東京都に次いで3位となり、この調査結果からも、今後のさらなるインバウンド需要の回復が期待できるものと考えています。
こうした中で、今年度は、現地旅行会社や航空会社等と連携した現地でのプロモーションや情報発信に加え、特にコロナ禍前に国際定期便が運航していた、韓国、台湾、中国を中心に本県宿泊旅行商品の造成促進に集中的に取り組むことで、インバウンド拡大を図り、本県経済の回復から成長へと転換する大きな弾みとなるものと期待しています。2019年の外国人延べ宿泊者数(震災前比)が570パーセント増だったのが、コロナ禍で急激に減少して衝撃を受けましたが、どんどん回復してきています。
また、国際線の再開に関して、ソウル線については、チャーター便が1月から3月にかけて運航され、定期便再開に向けた運航実績を積み重ねてきたところです。今月の18日に私自ら、大韓航空本社を訪問して、チョ会長及びチェ副社長に対して、一日も早い定期便の再開を要請したところ、早期再開に向けて、機材や要員の確保などの準備をしっかりと進めていく、との発言があり、再開まであと一歩と受け止めています。
また、台北線については、チャーター便が今月13日から昨日まで15日間連続で運航されたところです。この運航実績を足掛かりとし、今後、エバー航空本社を訪問し、紅葉の時期のチャーター便運航と一日も早い定期便再開を要請したいと考えています。
さらに、中国東方航空の青森-上海線の定期便についても、話し合いを進めているところであり、これも必ず段取りをしていきたいと考えています。
県としては、青森空港国際線の一日も早い再開と安定運航に向けて、諸課題を一つ一つクリアするとともに、インバウンドとアウトバウンド両面で県民へのプロモーション活動などに取り組んでいきます。
〇記者
昨日、JR東日本が大雨で被災して運休しているJR津軽線の蟹田-三厩間に関して、鉄路を廃止した上で、バスや乗合タクシーに転換するのが望ましいという意向を示しました。
それに関してどのように受け止めたか、一言お願いします。
〇知事
これまでも地域の声を大切にしてほしいという話をしてきました。昨日の第4回今別・外ヶ浜地域交通検討会議において、JRからは、「バス化・乗合タクシー化」あるいは「運営費用の自治体負担を前提とした鉄道の復旧」の2つの方向性が示され、このうち「バス化・乗合タクシー化」がJRとしては望ましいとの提案がありました。
これに対して、今別町と外ヶ浜町の両町からは、冬場の安定運行の確保等に対する懸念や、今後、鉄道復旧案も含めて、住民の意見等も踏まえた上で判断したいとの見解が示されました。
方向性を検討していくためには、これまで申し上げてきたとおり、両町や地域住民の理解や納得を得ることが極めて重要であることから、県では、JRに対し、両町からの意見も踏まえたさらなる検証や、持続可能性も考慮した具体的な説明をしっかりと行うよう求めたところです。
こうした意見を踏まえて、JRでは5月13日に予定されている2回目の住民説明会において、これまでの検討会議の内容に加え、同社の考え方を詳細に説明したいとしており、県としては、引き続き両町と連携を図り、大きなテーマであります地域住民の交通を確保していく観点から、丁寧に最善の方策を検討していきます。
〇記者
これに関して、以前は鉄路維持の立場が前提だとおっしゃっていたかと思いますが、その前提は、現時点で変わりはないでしょうか。
〇知事
これまでの交通体系を維持することの原理原則、重要性の観点から、鉄路維持も一つの方向であるという話をしてきました。その一方で、何度も申し上げてきたのは、これまで鉄道を活用してきた地域住民の意向や考え方が非常に大事だということです。今回このように具体の提案が出てきましたので、やはり今後の住民説明会は非常に大事なものになると思います。
〇記者
知事選の告示があと20日ぐらいに迫ってきていますが、以前から政策を見比べて、どなたを支持するかを明らかにしたいというお話でしたけれども、現時点でどのような立場で知事選に臨まれるかということをお聞かせください。
〇知事
まだ具体の政策的なものは公表されていない状況ですので、是非、メディアの皆さんが、県民の皆さまに対して分かりやすく情報提供していただくようお願いしたいと思います。
特に、本県においては投票率の低下が課題となっており、先般の県議選投票率も低い状況でありました。投票は民主主義の原点であり、投票に行くことは権利であり、義務であると、これまで何度もお話しさせていただいてきたところです。
いずれにしても、県民の皆さまが投票に行くためにも、政策を分かりやすく示していただき、具体的にいつまでにどうするかなど、財政論も含めて、立候補を予定している方に質問してくださるようお願いします。
〇記者
今、立候補を予定されている方々に具体の政策を発表してほしいということでよろしいでしょうか。
〇知事
選挙でありますので、政策はきちんと出していただく必要があります。また、メディアの皆さんが特集を組む際に立候補者に対して依頼する調査がありますが、回答するのに非常に時間がかかりますので、早めに聞いてあげてほしいと思っています。
先程も触れましたが、知事選についても、投票率が課題になると思っています。ティッシュを配りながら街頭でお願いするなどもありますが、投票率を上げるための何らかの啓発活動が必要だと考えています。
〇記者
先ほどの報告にあった白神ラインについて、白神山地の世界自然遺産登録30周年の節目の年に、今は白神ラインがまだ一部しか開通せず、大雨とかの影響もありますが一部開通に留まっているということについて、まずは知事の所感をお伺いします。
〇知事
西目屋村側からのルートは、地山全体が崩れてきており大変危険なため、長期間通行止めにしなければいけないという状況でしたが、崩れるのを防ぐ対策をすれば片側通行できるということになりましたので、県土整備部で全力を挙げて、専門家のご意見をいただきながら取り組んだ結果、このように冬期閉鎖の解除ができるようになりました。これは非常に良かったと思っています。
ただ、深浦町側からのルートは、工事のための迂回路の確保が困難であり、工事にすら入って行けない状態であります。また、崩壊箇所が複数あり、さらに完全に壊れている箇所もあるなど、複数箇所の工事を同時に行うことが困難なことから、開通させるにはなかなか厳しい状況にありますが、県土整備部の方で計画的にしっかりと工事を進めていきたいと考えています。
白神山地全体について、さまざま体験してみたいと思う方々もいらっしゃいます。しかしながら、お客さまとして入山していただくにしても、工事を進めるにしても安全確保が非常に厳しい状況であることはご理解いただきたいと思います。
少なくとも西目屋側、暗門までのルートが使えるようになり、片側通行ではありますが、移動できるということにつきましては、丁寧にチェックしてくれた専門家の方々や私どもの技術陣に、私としてはよくやってくれたと、専門家の方々にありがとうと申し上げたいと思っています。
〇記者
その関連ですが、白神ラインの復旧工事の見通しや、全体の開通の見通しというところをお話しできる範囲でお伺いします。
〇知事
相当厳しい状況です。県土整備部長が説明します。
〇県土整備部長
県土整備部です。よろしくお願いします。
白神ライン全体の話は、昨年12月までに災害査定を受けまして、工事の所要額の方は大方決まっています。ご存じのとおり、工事が片側しか入って行けないことと、冬季は閉鎖区間になりますので、一つ工事が終わったら次へ、また一つ工事が終わったら次へという状況で、現段階で(全体の開通見通しは)令和6年度以降という形になっています。
弘前市から西目屋村の暗門までは、知事の報告にもありましたように片側交互通行で行き来ができるようになり、昨年度までは通行時間を16時30分までとしていましたが、今年度は日没まで延長し、以前よりも通行時間を長くしていますので、そのような形で利用者の安全と利用促進に努めていきたいと考えています。
〇記者
政府が本日、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針を閣議決定しました。「政府の責任で」という文言を明記するとのことです。
六ケ所村で一時貯蔵している関係で、知事の政府に対する期待感と、再三、国との確約があると三村知事もおっしゃっていたと思うんですけれども、改めてこの確約で最終処分地とはならないものの、留め置かれる可能性というのが否定できない現状になってきているのではないかということですが、そのあたりの受け止めを教えてください。
〇知事
本県とすれば、最終処分地の早期選定に対して、国が前面に立って取り組むことを強く、何度も求めてきたところです。
今回、閣議決定された方針において、「国は、政府一丸となって、かつ、政府の責任で最終処分に向けて取り組んでいく。」ということが明記され、全国の地方公共団体等への個別訪問など、具体的な取組も掲げられたようです。
いずれにしても、改定された基本方針も踏まえ、最終処分地の早期選定に向け、これまでも国が前面に立つと承っているわけですが、国がこれまで以上に前面に立って、不退転の決意で取組を加速させていくことが非常に重要だと考えています。
そして国からは、民主党政権時も含め何度もきっちりと「青森県を最終処分地にしない」との約束について、絶対に守られるという確認をとっている事実があることは、大変重いものだと考えていただければと思います。
〇記者
「チャットGPT」に関して、県行政に使う予定があるとか、セキュリティの関係で使わないとか、そういう方針があるのかどうかお聞かせください。
〇知事
対話型人工知能である「チャットGPT」については、一部の省庁や複数の自治体において、文書の作成や相談対応など、さまざまな場面での活用が検討されていることは承知しています。業務の効率化や県民サービスの向上に貢献し得るツールであるかもしれないと考えています。
しかしながら、どの技術でもそうですけれども、個人情報や機密情報の漏えいのリスク、情報の正確性の担保など、多くの課題も指摘されていることから、その活用にあたっては、他団体における検討状況や活用実績等を踏まえながら、またこれからも課題が出てくると思うので、慎重に検討をしていきたいと考えております。
ただ学習や勉強の場面では、やはり自分で調べて自分でやっていくということが大事なのかなと考えています。
〇記者
知事選に関して、各候補者の政策がもう少し具体的なものが出てきた段階で、知事としてお立場を表明することがあるのか、それとも告示後も含めて中立の立場でいかれるのか。現時点での考えをお聞かせください。
〇知事
最初にお話ししたとおり、自分自身、投票率を上げましょうと言っている立場としては、何らかの投票行動をします。(投票まで)まだ十分に時間がありますから、お時間をいただきたいと思います。
県議選の投票率のこと等もありますから、きちんと自分の投票行動は決めなければいけません。ただ判断は、やはり政策的なものを見させていただいてからになりますし、それは県民の皆さま方にもお願いします。
自ら県民として将来を託すということは、前にもお話しさせていただきましたが、ムードや伝聞みたいなものではなく、公約などについて、メディアの皆さんも、県民の皆さま方に分かりやすい質問項目で、分かりやすく書いてもらうことがすごく大事だと思っています。それらを私も県民の皆さま方と同じように見させていただき、決めていくということです。
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