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更新日付:2023年11月30日 広報広聴課
知事記者会見(臨時)/令和5年11月16日/令和6年4月 県庁組織体制の見直し
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知事記者会見録
会見日時:令和5年11月16日木曜日 16時30分~17時00分
会見場所:県庁西棟8階中会議室
会見者:宮下知事
○司会
ただいまから、令和6年4月の県庁組織体制の見直しに係る知事記者会見を始めます。
それでは知事、お願いいたします。
○知事
皆さんこんばんは。本日も多くの皆さまにお集まりいただき、ありがとうございます。
いよいよ、県庁大改革の第一弾として、組織の見直しについて発表いたします。
まず初めに、青森県行財政改革大綱案については、11月1日に青森県行財政改革推進本部において決定し、11月8日の青森県行財政改革推進委員会においてご審議いただき、了解をいただいたところです。
この大綱案では、県庁組織について、「時代に即した組織体制の構築」を行うことを掲げておりまして、以下の5つを重要なポイントとして考えています。
・県民が主役の県政を実現するため、県民目線での見直しを実施すること
・職員が、県民のためにやりがいをもって働くことができる環境を整備すること
・県が重点的に取り組む施策と連動させるため、青森県基本計画の政策テーマに連動した組織体制を整備すること
・国の組織の動きなどを踏まえながら、社会環境の変化等に応じて機動的かつ柔軟に見直しを実施すること
・広報広聴機能に係る取組体制を強化するとともに、行財政改革を強力に推進するための組織体制を整備すること
そして、こちらも既に発表しておりますが、本庁組織について以下の見直しを行います。
・労働力確保やDXの推進による生産性向上および所得向上を図る取組体制の強化
・少子化対策、若者の定着・還流等に重点的に取り組む部局の新設
・交通政策や地域活性化に重点的に取り組む部局の新設
・国内外における観光・交流、販路開拓等に重点的に取り組む部局の新設
・再生可能エネルギーの推進、自然環境との共生等に重点的に取り組む部局の新設
・財政運営、財源確保等に重点的に取り組む部局の新設
これを踏まえまして、来年の4月から本庁の体制は以下のように、新設・再編をしていきたいと考えています。
現行は7部5局で12の部局体制となっておりますが、今後は全部で11部3局の14部局体制に新設・再編いたします。それぞれについて簡単に役割を申し上げます。
【財務部】
今後、財政需要の多様化がより一層進み、さまざまな県政の課題に直面し、これらを乗り越えていくにあたって健全な財政運営が求められています。そして、その根幹となる財源確保は極めて重要でありますので、財政や税制に重点的に取り組む部局として新設します。
【総合政策部】
現在の企画政策部が所管している県政の重要課題に関する全体の政策調整機能を持たせるほか、DXの推進、労働力の確保、県民所得の向上など、本県の重要な政策そしてさまざまな分野に共通する課題について、重点的に取り組む部署です。
【こども家庭部】
従来から申し上げているとおり、「青森モデル」の実現に向け、子どもを中心とした政策を進めていくということ、これに加えて若者の定着・還流などに対する取組も視野に入れ、結婚・妊娠・出産・子育てまで一貫した施策を展開し、誰もが希望を持って安心して暮らし、活躍できる青森県づくりを目指していきます。
【交通・地域連携部】
地域と公共交通はまさに切っても切り離せないものであり、地域ごとのさまざまな課題を踏まえながら、これらに一体的に取り組んでいく部を新設します。
【環境・エネルギー共生推進部】
既に「自然環境と再生可能エネルギーとの共生構想」を示しておりますが、現在の環境部門とエネルギー部門を統合し、脱炭素社会の実現に向けてより効果的・効率的な取組を実施していきます。
【健康医療福祉部】
現在の健康福祉部から、子ども関連の業務がこども家庭部に移管します。基本計画の政策テーマであります「健康」を強力に推進していくため、これまで以上に医療を重視した取組を展開したいと考えています。
【経済産業部】
現在の商工労働部の業務をベースに、物価高騰対策を含めて、県民の皆さまの仕事づくり、そして産業育成を全面的に担っていくほか、企業立地の方も進めていきます。
【観光・交流推進部】
こちらは現在の観光国際戦略局の業務を拡充いたしまして、国内外における誘客や、県産品の販路拡大などに取り組みながら、交流の拡大を図っていきたいと考えています。
そのほか、総務部、農林水産部、県土整備部については、名称はそのままですが、課や所掌する事務を見直すことにしておりまして、全体としては大改革と言うにふさわしい大きな組織改革になるものです。
最後に今後のスケジュールについて、本日お示しした見直し案に基づいて各部局の名称や、所掌事務をはじめ、課相当組織、内部組織等の本庁組織の詳細をしっかりと整理した上で、令和6年2月定例県議会に青森県部等設置条例の改正案として提出いたします。
地域県民局については、今回の案ではお示ししておりませんが、そのあり方について速やかに検討を進めたいと考えています。
○司会
それでは、質問の時間といたします。質問は知事からご説明した内容についてのものに限らせていただくとともに、簡潔な質問となりますようご協力をお願いします。
では質問のある方は挙手をお願いします。
○記者
基本計画の7つの政策テーマについて、名称からも類推はできますが、それぞれ7つのテーマをどの部にひも付けているのでしょうか。
○知事
それぞれ名称のとおりの業務が移行されると認識してください。
○記者
個別の話になりますが、今ご説明のありました総務部については、総務部と財務部に分かれる形になると思います。もう一度この分離する狙いを教えていただければと思います。
○知事
部局の見直しについては、私自身がこれまで県庁の中で職員と一緒に仕事をしていく中で感じたこと、あるいは前職の時代から県の政策そして組織を見ながら体感していたところをしっかりと実現したいという思いがあって全体を見直しています。
健全な財政運営が常に求められるということは当然のことです。一方で、財源確保の重要性について、新たな税制も含めて、しっかりと検討する必要がありますので、財務部を新設し、集中して取り組んでいくことを考えています。
○記者
広報広聴機能を強化されるということですが、広報広聴機能はどの部に属するのでしょうか。
○知事
現時点では、知事直轄で総務部に置くことを考えています。
○記者
知事がこれまでさまざまな場面でおっしゃってこられましたこども家庭部について、いろいろな部局から再編されて立ち上がるということですが、改めて子育て支援に対する思いをお聞かせいただけますでしょうか。
○知事
現状では、健康福祉部の中に隠れてしまっている部分があると思っています。これから青森県で推進していくことは前例がないことや、あるいは各県のさまざまな取組を総合的に子どもを中心とした政策として実現していきたいと考えています。何としてでもこの合計特殊出生率を向上させるための「青森モデル」を作っていくため、一つの部として子ども・子育て関連の業務を集約して、集中的に取り組んでいきたいという思いがあります。
○記者
県民局に関してですが、これは時期として必ずしも来年4月ということにこだわらないんでしょうか。
○知事
それも含めて、現在最終的な検討をしています。
○記者
今後のスケジュールとして、最終的には議会に諮ることになるかと思いますが、議会の理解を得るために、今後どのように説明していくのかなど、どのようにお考えでしょうか。
○知事
議会への提案時に、丁寧にご説明させていただくということに尽きると思います。
○記者
その理解も十分に得られるとお考えでしょうか。
○知事
今、発表していますから、これから説明していきます。
○記者
今回の組織再編あるいは新設の中で、宮下知事が特にここには力を入れて変えたい、もちろん全部ということだと思いますが、特にその中でも宮下知事の肝いりのものがあれば教えてください。
○知事
今回、基本計画に掲げている7つの大きな政策の柱というのはぜひとも実現したいと考えていますし、この中で赤い部分(新設・再編)は、その中でも重点的に取り組むということを、組織の名前としても表現していると思います。したがって、こども家庭ということもそうですし、あるいは地域公共交通を含めた交通、さらにはそういう意味での地域連携、環境・エネルギーを統合して脱炭素社会に戦略的に取り組む姿勢を示す、そして医療をしっかりと組織の名前に出して、地域医療の医師の偏在と地域医療にも先頭を切って取り組んでいきたいと考えています。
さらには産業経済の中では、立地を促進し、仕事づくりをすることによって、若い人たちに帰ってきてもらえる環境や若い人たちが定着する環境を作っていきたいと思っています。観光・交流では、交流という言葉を使わせていただきました。国際交流、国内の交流も、コロナを経て、いよいよ本格的に青森県でもしっかりとやっていかなければいけない部分もありますので、そうしたところはまさにどこがどうというよりは、こうした新しい組織の再編、それから新設の中の言葉に全ての思いが込められていると理解してください。
○記者
重ねて質問ですが、今、全ての部あるいは再編された部に対して、思いを語ったように思いますが、ということはもう1人の副知事も、そういう部門に関わるというか、造詣の深い人を選んでいくということになるんでしょうか。
○知事
人事と組織は違いますので、今日は組織の発表ということにとどめさせていただきたいと思います。
○記者
今回、組織の見直しということで、これまでも既存の組織の中でできることをやっていると思いますが、改めて組織をこのように組み替えることの大きな意義をお伺いしたいのと、県の職員に対する影響やモチベーションアップなどの影響は何か考えていることはありますか。
○知事
新政権になりましたから、人心一新が必要であると思います。
中途半端な組織改編ではなくて、青森県民の皆さまが未来を感じられるような組織に大改革をすることが求められており、そしてその中では当然これから進めていく基本計画の中で重点的な施策と連動した形での組織が望ましいと考えています。だからこそ、こうして、組織再編を進めるということだと思っています。
それから職員のモチベーションに関しては、冒頭でも触れましたが、この組織再編は、職員が県民の皆さまのためにやりがいを持って働くことができる環境を整備するためにも行っています。
組織を再編して新しい組織を作ったからといってそれが達成されるわけではなくて、組織の中に新しい考え方やアイデア、発想が生きるような環境を作ることで、そのことが達成されると思います。まずは組織として発表しましたが、その他のそうしたモチベーションアップの工夫については、行財政改革大綱に書いてあることを実現しながら実行していくことだと考えています。
○記者
こども家庭部の方には教育庁は入ってこないのですか。
○知事
教育は教育委員会です。
○記者
議会の常任委員会も少し変わっていくのでしょうか。
○知事
基本的なことですが、議会のことは議会で決めていただくということになりますので、議会の中で今回の組織再編をどう捉えて、その中で委員会等の再編がどのように行われるかということについて私自身がコメントする立場にはないということでご理解ください。
○記者
もう1点、県産品の販路拡大の部分で、総合販売戦略課のようなところはなくなっていくのでしょうか。
○知事
何が残って何がなくなるかということを今日は議論しているのではなくて、県が今まで取り組んできて、これからも必要な部局については、名前が変わっても残る、あるいはさらにそうした機能が拡充して残るという可能性はもちろんあります。
総合販売戦略課は、県にとって必要な部署でありますし、これからもこれまで以上に必要であると私は認識していますので、この部局の再編の中でどこの部局に行くかということはさておき、さらに機能強化がなされると考えています。
○記者
新年度の当初予算編成作業がもう始まっていると思いますけれども、要求課がどこになるかの整理はされているのでしょうか。
○知事
予算要求については当然、現状の部局・課の中でやっていくことになります。現状の課で要求し、それを各段階で査定しているという状況です。
○記者
新規事業の要求というのも、従来の課で行うということでしょうか。
○知事
当然です。その新規事業の所管をどこでやるかが、部局の所掌事務の再編でどこに移るかという議論をするだけだと考えてください。
○記者
原子力政策は、環境・エネルギー共生推進部でしょうか。
○知事
はい。そうなると考えています。
○記者
危機管理局にも原子力防災関係の業務がありますが、それを集約するという考えは特にないのでしょうか。
○知事
防災は防災だと考えていますので、危機管理の中に防災機能、その中に原子力防災が一部として残ると現時点では考えています。ただ、冒頭申し上げたとおり、この名称そのものや課単位の再編については、今鋭意作業中でありますので、県民の皆さまから見て業務内容がわかりやすい名称になるよう検討していきます。
○記者
関連して、環境・エネルギー共生推進部についてですが、この部には、今後策定するゾーニング条例やこれまでやってこられた環境アセスメントといったものがこちらの部の中で行われるという理解でよろしいでしょうか。
○知事
私自身もそのように理解しています。
○記者
環境とエネルギーの部門が一緒になることで、これまで別個に推進・規制を担っていた部署が同じになるんですが、それによってこの規制が緩んだり、少し形骸化したりとかそういった懸念というのはないんでしょうか。
○知事
いえ、特に感じません。
それはそれぞれがしっかり判断することであり、部局が一緒だから規制が強くなるとか、部局が離れているから規制が緩くなるということは基本的にはなく、規制というのは、法律や条例、それにつながる法令で明確に基準があり、それに基づいてやっているわけですから、一緒になって規制が緩むということは私自身の念頭にはございません。
○記者
先ほどのお話の中で、何がなくなって何が残るかみたいなことではないとおっしゃってましたけれども、業務としてなくなるものは基本的にないと思ってよろしいでしょうか。
○知事
わかりやすく言うと、事業ベースで見た方が良いと思っています。事業ベースで、来年度の予算で今までやってきたことだけれども、もう時代にふさわしくないとか、別なことをやるから、これはやめようということはどんどん出てくると思います。
一方で、組織の所掌という意味では、再編したとしても、その所掌の範囲が増えたり減ったりするということは基本的にはないです。
来年度から多くの新しい事業を始めます。それにふさわしい組織のラインナップにしていくので、所掌は変わらないけど、予算としてやめる、そういう判断があるものについてはたくさんあると考えています。
○記者
商工労働部がなくなって、経済産業部になるということですが、総合政策部の方に労働力確保が入っていることで、労働関係は、その総合政策部に行くというイメージがあるのでしょうか。
○知事
労働力確保と所得向上の政策というのは、全産業にわたる重要な論点でありますので、そこは総合政策部で全庁横断的に担うことになると思います。新しい経済産業部では特に、産業育成、それから立地、定着、そういったところに注力して仕事をしていくということを考えています。
○記者
財務部が新設され、総務部が残るということで、現在総務部に所属している財政課の扱いはどのようになるのですか。
○知事
財務部になるのではないでしょうか。
○記者
核燃税など原子力関係の税の扱いも今現在話題になっておりますけれども、そちらは、環境・エネルギー共生推進部の方との兼ね合いはいかがでしょうか。
○知事
税は税の部局でと考えています。
○記者
総合政策部について、政策のを取りまとめや調整といった観点から、現行の企画政策部が抱える課題と、総合政策部は、総合的な政策の取りまとめをするような形になるのかという点を教えていただいてもよろしいでしょうか。
○知事
今現状の企画政策部では、かなり多くの、基本計画をはじめ分野横断的な、あるいは県庁横断的な総合調整の役割を担っています。今回、総合政策という名前にしたのはあくまでも内部の調整だけではなくて、労働力確保、それから所得の向上、そういった県内全体のその取組も推進する分野で、それは各部局横断的な仕事であるので、県庁内の企画・調整ということよりも、むしろ外向け、県民向け、県内事業者向けの仕事もしていく、より総合的な仕事を担っていくと、そういう観点からの総合政策部という名前にしております。
○記者
この新しい組織見直し案には入っていないのですけれども、現在の総務部の秘書課というのは、知事の日程調整等が主な仕事だと思いますが、秘書課に知事の考える政策周りの機能も持たせて、例えば知事公室のようなものを設けることは現在検討しているんでしょうか。
○知事
はい。それは現在検討しているところです。
○記者
特に力を入れているこども家庭部について、冒頭の説明で、基本的な考えとしては、健康福祉部を健康医療福祉部と子どもに特化したこども家庭部に分かれるというイメージなのかなと思いますが、一方でこども家庭部にはいろんな部局から来るという話もしていたので、こども家庭部が、健康福祉部以外にも、どういった部からどういった課が集まってくるイメージなのか教えてください。
○知事
子どもに関するさまざまな部局が、こども家庭部に集約されると思っています。例えば、環境生活部が所管している青少年行政や女性などはこども家庭部に移管する可能性があります。
組織がどう変わるかというよりは、どんな事業をしていくかということが最も大事であり、県民の皆さまが一番関心のあることだと思います。
各部局で行っている子どもに関する事業をこども家庭部に集約しますが、その中では今までやっている事業も継続するし、今までのものをやめて新しいこともやっていきます。特にこども家庭部をはじめ、新設・再編する部局では、新しい事業をたくさんやっていくと認識していただきたいと思っています。
○記者
今までの企画政策部の中にあった交通を一つの部として独立させた狙いについてお聞かせください。
○知事
地域公共交通の維持というのは、県内全体の大きな課題であると認識しています。それに加えて、域外からのインバウンドも含めた交通も本県の発展に関わる重要な論点と思っていますので、やはり新しい部局にして、地域公共交通も含めて、域外からの交流も含めて、集中して新しい事業を構築していくべきものだと考えましたので、新たに交通・地域連携部を新設する予定となっています。
○記者
ローカル線とかバス路線の見直しや、国際的なものも含めて全て含めて交通ということでしょうか。
○知事
現時点ではそう考えています。
○司会
それでは、最後に知事からお願いします。
○知事
組織の再編ということで、だいぶ皆さんの関心が高く、この時期に発表させていただきました。また、これはあくまでも案ですので、全体の編成や名称の変更などがあるかもしれません。また、具体的な課の再編についてはこれから検討していきます。
いずれにしても、入れ物が変わっただけで中身が変わらなければ意味がないわけでありまして、新しい事業、そしてその事業がしっかりと県内各地に行き渡り、そして県民の皆さまの高い期待に応えられるような県庁大改革をこれからもしっかりと進めていきますので、引き続き、ご理解とご協力をお願い申し上げます。本来、2月議会に提案する事項をこのタイミングでご紹介させていただいたのは、やはりこれから、市町村との連携、あるいは県民の皆さまも、県庁への期待というものが大きいのだと思います。部局の名前が変わったことによってさまざまな混乱がないようにするためにも、このタイミングで発表させていただいています。ぜひ報道機関の皆さまにおかれましては、丁寧に報道していただけるように重ねてお願い申し上げます。
ただいまから、令和6年4月の県庁組織体制の見直しに係る知事記者会見を始めます。
それでは知事、お願いいたします。
○知事
皆さんこんばんは。本日も多くの皆さまにお集まりいただき、ありがとうございます。
いよいよ、県庁大改革の第一弾として、組織の見直しについて発表いたします。
まず初めに、青森県行財政改革大綱案については、11月1日に青森県行財政改革推進本部において決定し、11月8日の青森県行財政改革推進委員会においてご審議いただき、了解をいただいたところです。
この大綱案では、県庁組織について、「時代に即した組織体制の構築」を行うことを掲げておりまして、以下の5つを重要なポイントとして考えています。
・県民が主役の県政を実現するため、県民目線での見直しを実施すること
・職員が、県民のためにやりがいをもって働くことができる環境を整備すること
・県が重点的に取り組む施策と連動させるため、青森県基本計画の政策テーマに連動した組織体制を整備すること
・国の組織の動きなどを踏まえながら、社会環境の変化等に応じて機動的かつ柔軟に見直しを実施すること
・広報広聴機能に係る取組体制を強化するとともに、行財政改革を強力に推進するための組織体制を整備すること
そして、こちらも既に発表しておりますが、本庁組織について以下の見直しを行います。
・労働力確保やDXの推進による生産性向上および所得向上を図る取組体制の強化
・少子化対策、若者の定着・還流等に重点的に取り組む部局の新設
・交通政策や地域活性化に重点的に取り組む部局の新設
・国内外における観光・交流、販路開拓等に重点的に取り組む部局の新設
・再生可能エネルギーの推進、自然環境との共生等に重点的に取り組む部局の新設
・財政運営、財源確保等に重点的に取り組む部局の新設
これを踏まえまして、来年の4月から本庁の体制は以下のように、新設・再編をしていきたいと考えています。
現行は7部5局で12の部局体制となっておりますが、今後は全部で11部3局の14部局体制に新設・再編いたします。それぞれについて簡単に役割を申し上げます。
【財務部】
今後、財政需要の多様化がより一層進み、さまざまな県政の課題に直面し、これらを乗り越えていくにあたって健全な財政運営が求められています。そして、その根幹となる財源確保は極めて重要でありますので、財政や税制に重点的に取り組む部局として新設します。
【総合政策部】
現在の企画政策部が所管している県政の重要課題に関する全体の政策調整機能を持たせるほか、DXの推進、労働力の確保、県民所得の向上など、本県の重要な政策そしてさまざまな分野に共通する課題について、重点的に取り組む部署です。
【こども家庭部】
従来から申し上げているとおり、「青森モデル」の実現に向け、子どもを中心とした政策を進めていくということ、これに加えて若者の定着・還流などに対する取組も視野に入れ、結婚・妊娠・出産・子育てまで一貫した施策を展開し、誰もが希望を持って安心して暮らし、活躍できる青森県づくりを目指していきます。
【交通・地域連携部】
地域と公共交通はまさに切っても切り離せないものであり、地域ごとのさまざまな課題を踏まえながら、これらに一体的に取り組んでいく部を新設します。
【環境・エネルギー共生推進部】
既に「自然環境と再生可能エネルギーとの共生構想」を示しておりますが、現在の環境部門とエネルギー部門を統合し、脱炭素社会の実現に向けてより効果的・効率的な取組を実施していきます。
【健康医療福祉部】
現在の健康福祉部から、子ども関連の業務がこども家庭部に移管します。基本計画の政策テーマであります「健康」を強力に推進していくため、これまで以上に医療を重視した取組を展開したいと考えています。
【経済産業部】
現在の商工労働部の業務をベースに、物価高騰対策を含めて、県民の皆さまの仕事づくり、そして産業育成を全面的に担っていくほか、企業立地の方も進めていきます。
【観光・交流推進部】
こちらは現在の観光国際戦略局の業務を拡充いたしまして、国内外における誘客や、県産品の販路拡大などに取り組みながら、交流の拡大を図っていきたいと考えています。
そのほか、総務部、農林水産部、県土整備部については、名称はそのままですが、課や所掌する事務を見直すことにしておりまして、全体としては大改革と言うにふさわしい大きな組織改革になるものです。
最後に今後のスケジュールについて、本日お示しした見直し案に基づいて各部局の名称や、所掌事務をはじめ、課相当組織、内部組織等の本庁組織の詳細をしっかりと整理した上で、令和6年2月定例県議会に青森県部等設置条例の改正案として提出いたします。
地域県民局については、今回の案ではお示ししておりませんが、そのあり方について速やかに検討を進めたいと考えています。
○司会
それでは、質問の時間といたします。質問は知事からご説明した内容についてのものに限らせていただくとともに、簡潔な質問となりますようご協力をお願いします。
では質問のある方は挙手をお願いします。
○記者
基本計画の7つの政策テーマについて、名称からも類推はできますが、それぞれ7つのテーマをどの部にひも付けているのでしょうか。
○知事
それぞれ名称のとおりの業務が移行されると認識してください。
○記者
個別の話になりますが、今ご説明のありました総務部については、総務部と財務部に分かれる形になると思います。もう一度この分離する狙いを教えていただければと思います。
○知事
部局の見直しについては、私自身がこれまで県庁の中で職員と一緒に仕事をしていく中で感じたこと、あるいは前職の時代から県の政策そして組織を見ながら体感していたところをしっかりと実現したいという思いがあって全体を見直しています。
健全な財政運営が常に求められるということは当然のことです。一方で、財源確保の重要性について、新たな税制も含めて、しっかりと検討する必要がありますので、財務部を新設し、集中して取り組んでいくことを考えています。
○記者
広報広聴機能を強化されるということですが、広報広聴機能はどの部に属するのでしょうか。
○知事
現時点では、知事直轄で総務部に置くことを考えています。
○記者
知事がこれまでさまざまな場面でおっしゃってこられましたこども家庭部について、いろいろな部局から再編されて立ち上がるということですが、改めて子育て支援に対する思いをお聞かせいただけますでしょうか。
○知事
現状では、健康福祉部の中に隠れてしまっている部分があると思っています。これから青森県で推進していくことは前例がないことや、あるいは各県のさまざまな取組を総合的に子どもを中心とした政策として実現していきたいと考えています。何としてでもこの合計特殊出生率を向上させるための「青森モデル」を作っていくため、一つの部として子ども・子育て関連の業務を集約して、集中的に取り組んでいきたいという思いがあります。
○記者
県民局に関してですが、これは時期として必ずしも来年4月ということにこだわらないんでしょうか。
○知事
それも含めて、現在最終的な検討をしています。
○記者
今後のスケジュールとして、最終的には議会に諮ることになるかと思いますが、議会の理解を得るために、今後どのように説明していくのかなど、どのようにお考えでしょうか。
○知事
議会への提案時に、丁寧にご説明させていただくということに尽きると思います。
○記者
その理解も十分に得られるとお考えでしょうか。
○知事
今、発表していますから、これから説明していきます。
○記者
今回の組織再編あるいは新設の中で、宮下知事が特にここには力を入れて変えたい、もちろん全部ということだと思いますが、特にその中でも宮下知事の肝いりのものがあれば教えてください。
○知事
今回、基本計画に掲げている7つの大きな政策の柱というのはぜひとも実現したいと考えていますし、この中で赤い部分(新設・再編)は、その中でも重点的に取り組むということを、組織の名前としても表現していると思います。したがって、こども家庭ということもそうですし、あるいは地域公共交通を含めた交通、さらにはそういう意味での地域連携、環境・エネルギーを統合して脱炭素社会に戦略的に取り組む姿勢を示す、そして医療をしっかりと組織の名前に出して、地域医療の医師の偏在と地域医療にも先頭を切って取り組んでいきたいと考えています。
さらには産業経済の中では、立地を促進し、仕事づくりをすることによって、若い人たちに帰ってきてもらえる環境や若い人たちが定着する環境を作っていきたいと思っています。観光・交流では、交流という言葉を使わせていただきました。国際交流、国内の交流も、コロナを経て、いよいよ本格的に青森県でもしっかりとやっていかなければいけない部分もありますので、そうしたところはまさにどこがどうというよりは、こうした新しい組織の再編、それから新設の中の言葉に全ての思いが込められていると理解してください。
○記者
重ねて質問ですが、今、全ての部あるいは再編された部に対して、思いを語ったように思いますが、ということはもう1人の副知事も、そういう部門に関わるというか、造詣の深い人を選んでいくということになるんでしょうか。
○知事
人事と組織は違いますので、今日は組織の発表ということにとどめさせていただきたいと思います。
○記者
今回、組織の見直しということで、これまでも既存の組織の中でできることをやっていると思いますが、改めて組織をこのように組み替えることの大きな意義をお伺いしたいのと、県の職員に対する影響やモチベーションアップなどの影響は何か考えていることはありますか。
○知事
新政権になりましたから、人心一新が必要であると思います。
中途半端な組織改編ではなくて、青森県民の皆さまが未来を感じられるような組織に大改革をすることが求められており、そしてその中では当然これから進めていく基本計画の中で重点的な施策と連動した形での組織が望ましいと考えています。だからこそ、こうして、組織再編を進めるということだと思っています。
それから職員のモチベーションに関しては、冒頭でも触れましたが、この組織再編は、職員が県民の皆さまのためにやりがいを持って働くことができる環境を整備するためにも行っています。
組織を再編して新しい組織を作ったからといってそれが達成されるわけではなくて、組織の中に新しい考え方やアイデア、発想が生きるような環境を作ることで、そのことが達成されると思います。まずは組織として発表しましたが、その他のそうしたモチベーションアップの工夫については、行財政改革大綱に書いてあることを実現しながら実行していくことだと考えています。
○記者
こども家庭部の方には教育庁は入ってこないのですか。
○知事
教育は教育委員会です。
○記者
議会の常任委員会も少し変わっていくのでしょうか。
○知事
基本的なことですが、議会のことは議会で決めていただくということになりますので、議会の中で今回の組織再編をどう捉えて、その中で委員会等の再編がどのように行われるかということについて私自身がコメントする立場にはないということでご理解ください。
○記者
もう1点、県産品の販路拡大の部分で、総合販売戦略課のようなところはなくなっていくのでしょうか。
○知事
何が残って何がなくなるかということを今日は議論しているのではなくて、県が今まで取り組んできて、これからも必要な部局については、名前が変わっても残る、あるいはさらにそうした機能が拡充して残るという可能性はもちろんあります。
総合販売戦略課は、県にとって必要な部署でありますし、これからもこれまで以上に必要であると私は認識していますので、この部局の再編の中でどこの部局に行くかということはさておき、さらに機能強化がなされると考えています。
○記者
新年度の当初予算編成作業がもう始まっていると思いますけれども、要求課がどこになるかの整理はされているのでしょうか。
○知事
予算要求については当然、現状の部局・課の中でやっていくことになります。現状の課で要求し、それを各段階で査定しているという状況です。
○記者
新規事業の要求というのも、従来の課で行うということでしょうか。
○知事
当然です。その新規事業の所管をどこでやるかが、部局の所掌事務の再編でどこに移るかという議論をするだけだと考えてください。
○記者
原子力政策は、環境・エネルギー共生推進部でしょうか。
○知事
はい。そうなると考えています。
○記者
危機管理局にも原子力防災関係の業務がありますが、それを集約するという考えは特にないのでしょうか。
○知事
防災は防災だと考えていますので、危機管理の中に防災機能、その中に原子力防災が一部として残ると現時点では考えています。ただ、冒頭申し上げたとおり、この名称そのものや課単位の再編については、今鋭意作業中でありますので、県民の皆さまから見て業務内容がわかりやすい名称になるよう検討していきます。
○記者
関連して、環境・エネルギー共生推進部についてですが、この部には、今後策定するゾーニング条例やこれまでやってこられた環境アセスメントといったものがこちらの部の中で行われるという理解でよろしいでしょうか。
○知事
私自身もそのように理解しています。
○記者
環境とエネルギーの部門が一緒になることで、これまで別個に推進・規制を担っていた部署が同じになるんですが、それによってこの規制が緩んだり、少し形骸化したりとかそういった懸念というのはないんでしょうか。
○知事
いえ、特に感じません。
それはそれぞれがしっかり判断することであり、部局が一緒だから規制が強くなるとか、部局が離れているから規制が緩くなるということは基本的にはなく、規制というのは、法律や条例、それにつながる法令で明確に基準があり、それに基づいてやっているわけですから、一緒になって規制が緩むということは私自身の念頭にはございません。
○記者
先ほどのお話の中で、何がなくなって何が残るかみたいなことではないとおっしゃってましたけれども、業務としてなくなるものは基本的にないと思ってよろしいでしょうか。
○知事
わかりやすく言うと、事業ベースで見た方が良いと思っています。事業ベースで、来年度の予算で今までやってきたことだけれども、もう時代にふさわしくないとか、別なことをやるから、これはやめようということはどんどん出てくると思います。
一方で、組織の所掌という意味では、再編したとしても、その所掌の範囲が増えたり減ったりするということは基本的にはないです。
来年度から多くの新しい事業を始めます。それにふさわしい組織のラインナップにしていくので、所掌は変わらないけど、予算としてやめる、そういう判断があるものについてはたくさんあると考えています。
○記者
商工労働部がなくなって、経済産業部になるということですが、総合政策部の方に労働力確保が入っていることで、労働関係は、その総合政策部に行くというイメージがあるのでしょうか。
○知事
労働力確保と所得向上の政策というのは、全産業にわたる重要な論点でありますので、そこは総合政策部で全庁横断的に担うことになると思います。新しい経済産業部では特に、産業育成、それから立地、定着、そういったところに注力して仕事をしていくということを考えています。
○記者
財務部が新設され、総務部が残るということで、現在総務部に所属している財政課の扱いはどのようになるのですか。
○知事
財務部になるのではないでしょうか。
○記者
核燃税など原子力関係の税の扱いも今現在話題になっておりますけれども、そちらは、環境・エネルギー共生推進部の方との兼ね合いはいかがでしょうか。
○知事
税は税の部局でと考えています。
○記者
総合政策部について、政策のを取りまとめや調整といった観点から、現行の企画政策部が抱える課題と、総合政策部は、総合的な政策の取りまとめをするような形になるのかという点を教えていただいてもよろしいでしょうか。
○知事
今現状の企画政策部では、かなり多くの、基本計画をはじめ分野横断的な、あるいは県庁横断的な総合調整の役割を担っています。今回、総合政策という名前にしたのはあくまでも内部の調整だけではなくて、労働力確保、それから所得の向上、そういった県内全体のその取組も推進する分野で、それは各部局横断的な仕事であるので、県庁内の企画・調整ということよりも、むしろ外向け、県民向け、県内事業者向けの仕事もしていく、より総合的な仕事を担っていくと、そういう観点からの総合政策部という名前にしております。
○記者
この新しい組織見直し案には入っていないのですけれども、現在の総務部の秘書課というのは、知事の日程調整等が主な仕事だと思いますが、秘書課に知事の考える政策周りの機能も持たせて、例えば知事公室のようなものを設けることは現在検討しているんでしょうか。
○知事
はい。それは現在検討しているところです。
○記者
特に力を入れているこども家庭部について、冒頭の説明で、基本的な考えとしては、健康福祉部を健康医療福祉部と子どもに特化したこども家庭部に分かれるというイメージなのかなと思いますが、一方でこども家庭部にはいろんな部局から来るという話もしていたので、こども家庭部が、健康福祉部以外にも、どういった部からどういった課が集まってくるイメージなのか教えてください。
○知事
子どもに関するさまざまな部局が、こども家庭部に集約されると思っています。例えば、環境生活部が所管している青少年行政や女性などはこども家庭部に移管する可能性があります。
組織がどう変わるかというよりは、どんな事業をしていくかということが最も大事であり、県民の皆さまが一番関心のあることだと思います。
各部局で行っている子どもに関する事業をこども家庭部に集約しますが、その中では今までやっている事業も継続するし、今までのものをやめて新しいこともやっていきます。特にこども家庭部をはじめ、新設・再編する部局では、新しい事業をたくさんやっていくと認識していただきたいと思っています。
○記者
今までの企画政策部の中にあった交通を一つの部として独立させた狙いについてお聞かせください。
○知事
地域公共交通の維持というのは、県内全体の大きな課題であると認識しています。それに加えて、域外からのインバウンドも含めた交通も本県の発展に関わる重要な論点と思っていますので、やはり新しい部局にして、地域公共交通も含めて、域外からの交流も含めて、集中して新しい事業を構築していくべきものだと考えましたので、新たに交通・地域連携部を新設する予定となっています。
○記者
ローカル線とかバス路線の見直しや、国際的なものも含めて全て含めて交通ということでしょうか。
○知事
現時点ではそう考えています。
○司会
それでは、最後に知事からお願いします。
○知事
組織の再編ということで、だいぶ皆さんの関心が高く、この時期に発表させていただきました。また、これはあくまでも案ですので、全体の編成や名称の変更などがあるかもしれません。また、具体的な課の再編についてはこれから検討していきます。
いずれにしても、入れ物が変わっただけで中身が変わらなければ意味がないわけでありまして、新しい事業、そしてその事業がしっかりと県内各地に行き渡り、そして県民の皆さまの高い期待に応えられるような県庁大改革をこれからもしっかりと進めていきますので、引き続き、ご理解とご協力をお願い申し上げます。本来、2月議会に提案する事項をこのタイミングでご紹介させていただいたのは、やはりこれから、市町村との連携、あるいは県民の皆さまも、県庁への期待というものが大きいのだと思います。部局の名前が変わったことによってさまざまな混乱がないようにするためにも、このタイミングで発表させていただいています。ぜひ報道機関の皆さまにおかれましては、丁寧に報道していただけるように重ねてお願い申し上げます。
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