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更新日付:2024年10月21日 広報広聴課

知事記者会見(臨時)/令和6年9月17日/令和6年度9月補正予算

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知事記者会見録

会見日時:令和6年9月17日火曜日 14時40分~15時05分
会見場所:県庁西棟889会議室
会見者:宮下知事

○知事
 私の方から「令和6年度青森県一般会計9月補正予算案」ということで、9月19日に開催されます県議会第319回定例会に提出を予定している案件について、ご説明申し上げます。
 予算の総額は、42億5,007万7千円で、9月補正後の予算額は、7,064億5,007万7千円となります。
 補正予算の考え方ですが、当初予算編成後の事態の推移等に対処しつつ、来年度以降の本格実施の足掛かりとなる取組、喫緊の課題や県民の皆さまの声を踏まえた対策について、機動的に対応することといたしました。
 補正予算の柱は主に3つです。
 1つ目が「人口減少下における生産性の向上と多様な労働力の確保」
 2つ目が「産業・交流を支える社会基盤の整備」
 3つ目が「気候変動等を踏まえた農林水産業・鳥獣被害対策の推進」です。

 まず、1つ目の「人口減少下における生産性の向上と多様な労働力の確保」についてです。「#あおばな」でのさまざまな声や、人口減少対策本部での議論などを踏まえ、生産性の向上と労働力の確保の取組を強化したいと考えています。基本計画に掲げる「しごと」、「地域社会」の分野に位置付けられる施策となります。
 具体的には4つの事業を構築しており、1つ目が「生産性向上に向けたスマート農業機械等の導入支援」、2つ目が「2024年問題に対応するための物流関連事業者等の業務効率化の取組への支援」、3つ目が「UIJターンによる中小企業の人材確保と医療・福祉職に就く子育て世帯の移住者への支援」、4つ目が「所得向上・労働力確保に向けた外国人労働者・留学生及び副業に関する実態調査と今後の取組の検討」です。
 1つ目の「スマート農業機械の導入支援」と、3つ目の「UIJターンによる中小企業の人材育成」、「医療・福祉職に就く子育て世帯の移住者への支援」については、当初予算でも計上しておりましたが、大変人気のある事業となっておりまして、これを補正し、改めてスマート農業の推進とUIJターン、移住の促進に努めていきます。

 2つ目の柱の「産業・交流を支える社会基盤の整備」について、洋上風力発電事業の進展、奥入瀬渓流の交通における課題、青森・台北線定期便の運航再開などを踏まえて、これからの産業・交流を支える基盤整備を推進していきたいと考えております。
 基本計画に掲げる7つの政策テーマの中では、「交流」と「社会資本」の施策となっております。
 具体的には3つの事業を構築いたします。
 まず1つ目が「津軽港の洋上風力発電のオペレーション・アンド・メンテナンス港化に向けた調査・設計等」です。2つ目の「奥入瀬渓流におけるオーバーツーリズム対策と自動運転車両の実証実験」は今年度実施いたします。3つ目の「青森・台北線定期便の運航再開に伴う保安検査体制の確保」は当初予算にも計上しておりますが、台北線の復便に備えて追加補正を行うものであります。

 大きな柱の3つ目、「気候変動等を踏まえた農林水産業・鳥獣被害対策の推進」では、森林病害虫の発生、りんごの結実不足など農林水産分野における緊急的な課題の解決、クマの適正管理に向けた対策を実施します。これらは基本計画に掲げる7つの政策テーマのうち、「しごと」と「環境」の分野に位置付けられる施策であります。
 具体的には4つの政策を位置付けておりまして、まず、りんごの結実確保に向けた総合対策を今年度から実施していきたいと考えています。その第1弾として、来年度の収穫に向けて、マメコバチの増殖や受粉環境の確保のための予算を計上しています。
 りんごの放任樹木、放任園の管理、処理に向けた市町村に対する補助金も当初見込んでいたよりも多く要望があるということですので、追加補正を行います。
 また、松くい虫、ナラ枯れの被害木の探査・駆除に係る追加対策も併せて実施します。
 先週末、八甲田登山道がオープンしました。まだクマが出たという話は出てきていませんが、県内各地にクマがいますので、特定計画策定に向けた捕獲出没情報の分析と、警察官の装備資機材の整備ということで予算化しています。

 以上3点が大きな柱となりますが、そのほかといたしまして、「公共事業関係費の国の割当見込額に基づく増額」ですが、国から予算が来た分、地方負担分も増やすということで増額しています。また、これが1番大きいのですが、「新型コロナウイルス感染症対策関連国庫返還金」、これは使わなかった分を返すということで歳出の方で予算計上しております。3つ目ですが、来年本県で開催する「全国知事会」に向け、開催する分の補正予算と債務負担行為を設定させていただいております。4つ目の「地域の脱炭素に向けた取組の支援」と、5つ目の「衛生研究所の機能強化」については、再編を行おうということもございますので、予算を計上してございます。最後6つ目は、「青森南高校の国際バカロレアコース開設に向けた準備」ということで、間もなく教育委員会の方からいい発表があると思いますので、それに向けた予算も計上しています。
 私からは冒頭発表としては以上とさせていただきます。

【質疑応答】
〇記者
 りんごの結実に関する事業について、来年のりんごの結実や受粉の時期に向けたさまざまな事業だということですが、来年は県内でりんご栽培が始まって150周年の節目になるかと思います。そういったことも踏まえて、今、りんご産業を支える必要性についてどのようにお考えでしょうか。

〇知事
 150周年というのは1つの節目だと考えています。その一方で現状、青森県内の人口が急速に減少していて、農家の数も減る、放任園が増えるということで、産業としては危機に瀕しているというのが私の実感ですし、恐らく多くの農家の方々、関係者の皆さんもそういう実感だと思います。青森県がりんごの主産地、全国ナンバーワンとして、これから生産量、生産額をしっかり確保していくためには、この産業を支える総合的な対策が必要だと考えています。その中で、りんごの実がつくことが不安定になっている、ふじの結実率が年々下がっているということを我々として把握しており、総合的な対策として受粉する木、植栽による混種というか、いろいろな木を植える対策をしていくこと、マメコバチ等の花を訪れる昆虫の利用の拡大、気候変動等に備えた人工授粉体制の強化などに取り組み、まずは農家の生産を支える仕組みづくりをしていかなければならないと考えています。その第1弾として来年から取り組むために、りんごの結実確保に向けたマメコバチの増殖や受粉環境の確保について予算化しています。

〇記者
 総合対策の第1弾という位置づけとのことですが、第2弾、第3弾というのは来年度予算で構想としてはあるということなのでしょうか。

〇知事
 はい。今言ったような対策を第2弾、第3弾として行っていきたいと思いますし、一番大きいのはやはり当初予算ということになりますので、当初予算の中でしっかりと結実対策、りんごの生産者を支える仕組みを作っていきたいと考えています。

〇記者
 外国人労働者について、これまでの施策で外国人労働者という言葉を聞く機会が少ないように思っていたのですが、このタイミングで外国人労働者による労働力確保ということを打ち出された狙い、目的を改めて教えてください。

〇知事
 私もまさにそう思っており、なかなか県全体で外国人労働者について、どのように政策として位置付けていくかということが今までは明確ではありませんでした。ただ、この先人口が減っていき、担い手が確保できなくなってきて、あらゆる産業が人手不足になってくるということとの関係でいくと、本県の産業も外国人労働者を一定程度頼りにしていかなければいけないタイミングがもう来ています。ただ、今回の予算は外国人の留学生や労働者を積極的に導入するというわけではなく、本県に外国人労働者がなじむかどうかも含めて実態調査をするところからまずスタートしようと考えています。今回このような形でスタートしますので、本格的に外国人労働者に対する事業を展開するのは少なくとも来年度の当初予算以降になります。私自身の心情を申し上げれば、できれば青森県内で青森の人たちで、あるいは還流で、若い人たちに戻ってきていただいてという気持ちもありますが、それも恐らく限界があると考えていますので、本県としてもそういうところに舵を切るかどうか、これをよく検討していく予算だと受け止めてください。

〇記者
 関連してもう1点お尋ねしたいのですが、こうした事業、他県の事例ですと外国人労働者のサポートセンターや相談窓口を設置しているような事例もあるとお聞きしています。現時点で構いませんので令和7年度以降の取組について何かイメージがございましたらお聞かせください。

〇知事
 まさにそのサポートセンターを設置する必要があるのか、設置するとしたらどういった場所に、どういった人員で、何か国語で対応すべきなのか、あるいはサポートセンターだけで良いのかどうか、他県の優良な事例も横目に見ながら本県にふさわしいあり方を模索していく第1弾だと捉えていただきたいと考えています。

〇記者
 スマート農業機械の導入に関して、こちらも当初予算の10億200件から、26億500件と大幅な利用申請があると聞いておりますけれども、こうした現状を率直に知事としてどう受け止めてらっしゃいますか。

〇知事
 県の政策に対してこれだけ応募があるということは、私たちが農家のニーズに合った事業を実施しているということで、その部分については非常に嬉しく思います。一方で、この政策効果というところで言っても、農機具は日々進化していますので、農機具の更新によって、農家そのものの作業の効率化、省力化が図れて余裕ある時間ができれば、そのほかのことで全体の農家所得の向上につながるということもあるでしょうし、省力化できることによって人手不足を少しでも解消できるということもありますので、この事業に私は大変期待しておりますし、多くの皆さんに積極的にご活用いただきたいと考えています。

〇記者
 昨年9月の補正予算を見てみますと、知事が就任されて少し経ってからということでかなり特徴があって、要するに200億円規模の補正予算を計上し、そのうちの半分が物価高対策のような枠組みでした。今回の補正予算を見ますと、物価高対策はあまり見られませんが、物価高に対してもう収まったという認識なのでしょうか。
 それともう1つ、予算の柱を3つ挙げられておりますけれども、去年は非常に特徴のある予算でしたが、今回は割とその状況に応じて補正予算を組んでいらっしゃるような印象を受けております。今回3つ柱を挙げられていらっしゃるうち、どれを最も重視されてるかをお聞きしたいと思います。

〇知事
 物価高に対する認識ですが、データから見ると急激な物価高騰の局面から、物価高が常態化して、今後そうした常態化した物価高が継続していくという局面にシフトしていると考えています。
 昨年の補正予算については、これは後の国の緊急経済対策を念頭に置いていた予算であったため大型の予算になりました。今回は比較的小規模な予算になっているというのは、元々当初予算で多くの事業を構築しておりまして、その当初予算の事業を年度内にしっかりと完成させることを最優先させているためで、今回大型の補正をすると仕事が溢れていっぱいいっぱいになってしまいます。それよりは、当初予算で予定していたあらゆる政策にしっかり取り組むことを優先した結果だと受け止めてください。
 今回の3つの柱でどれを最も重視しているかについて、まずは人口減少下における生産性向上、多様な労働力の確保ということは非常に大事だと考えています。地域経済というのは県民の皆さまの暮らしに一番直結する部分ですので、しっかり事業を構築していかなければいけないと考えていますし、また、予算額としても最大規模になっていると受け止めています。

〇記者
 地域脱炭素のことについて、市町村の計画策定を支えていくという側面もあるかと思うのですが、県内では11市町村の計画に留まっていて、なかなか思うように進んでいないのかなという印象を受けるのですが、改めて推進対策事業費として523万円を盛り込んだ狙いと、今後これによってどのような広がりを期待されていくでしょうか。

〇知事
 国際的にも、日本全体としても、脱炭素社会に向けた取組が潮流になっており、それに向かって青森県がどう進んでいくのかというのはとても大事なことだと考えています。今回、再生可能エネルギーと自然の共生条例を我々県として策定するプロセスにあって、そういうことについて考える機会が私自身もありました。再生可能エネルギーというと、自然に優しくて、人々の生活に持続可能なものをもたらすようなイメージがありますが、実際蓋を開けてみると、自然環境を破壊しないとできないのが再生可能エネルギーになっています。そのようなことを考えていっても、私たち自身が今ここにある青森の自然環境を当たり前だと思わずに、これをどうやって維持していくかを真剣に考えていかなければならないと考えています。そういったことを改めて市町村で考えるきっかけになってもらいたいですし、脱炭素に最も期待されるのはCO2の固定であり、森林の涵養、再生であり、自然環境を後世に残していくということでもあるので、そういったことも含めて、改めて市町村、市町村の住民の皆さまにもよく考えていただきたいと考えています。

【知事からのコメント】
 補正予算ということで、3つの柱になりましたが、これから本格的に生活者の支援という大型の補正ということにはなりませんでしたが、恐らく総裁選があり、きっとその後に選挙もあれば地方に対するそうした交付金等もあるのかもしれません。その時にはしっかり備えていきたいと考えています。まずはこの補正予算をしっかりと県議会の皆さまに説明して成立させて、県民の皆さまに行きわたるようにしていきたいと考えています。

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