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更新日付:2025年3月19日 広報広聴課

知事記者会見(臨時)/令和7年2月19日/令和7年度当初予算

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知事記者会見録

会見日時:令和7年2月19日水曜日 13時45分~14時50分
会見場所:県庁西棟889会議室
会見者:宮下知事

〇知事
 令和7年度当初予算案についてご説明申し上げます。今年度の予算案は「青森新時代の挑戦」となりました。
 はじめに予算計上額についてです。年間総合予算として編成した令和7年度一般会計当初予算の規模は、7,095億円となります。令和6年度当初予算との対比では、73億円、1.0%増と前年度を上回る規模となりました。
 次に、今回の予算編成についての基本的な考え方を申し上げます。令和7年度当初予算においては、県民対話集会「#あおばな」などにおける県民の皆さまからの声に応えるとともに、青森県基本計画「青森新時代への架け橋」をはじめ、これまで示してきたさまざまなビジョンの実現に向けて、県民目線で各種課題のブレイクスルーに挑戦することとしました。グリーントランスフォーメーション青森の推進による新たな産業の創出、未来への投資としてのこども・子育て「青森モデル」や学校教育改革の推進、オンライン診療の普及拡大、地域モビリティ2.0の推進、高齢者・障がい者が安心して暮らせる共生社会づくり、りんごイノベーションセンターの整備など、県民の皆さまが全国に誇れるような新機軸の施策を展開してまいります。
 また、各種財源の確保や有効活用などにより、当初予算において財政調整用基金の取崩額をゼロとする収支均衡を継続するとともに、県債残高についても着実に縮減することとしました。
 歳入予算につきましては、県税等の増により、前年度を上回る一般財源総額を確保しております。
 歳出予算につきましては、社会保障関係の給付などで構成される補助費等が前年度を上回りました。
 財政調整用基金の状況につきましては、当初予算における取崩額が9年連続でゼロとなり、収支均衡を継続しております。県債残高についても、15年連続での減となる見込みです。

 次に、新たな時代を拓く7つの政策テーマに沿って目玉となる挑戦についてご説明いたします。
 1つ目の政策テーマ「しごと」では、しごとづくりと若者の定着に挑戦していきます。高校卒業生の4割以上、大学卒業生のおよそ7割が県外に流出する本県であります。特に20代前半の女性の転出率は全国でも最下位となっています。これまでの枠組みを大きく変え、青森大変革「AX」が必要な分野であることは言うまでもありません。若者が未来を自由に描き実現できる社会を目指していきます。
 目玉となる取組は、GX青森の推進による新たなしごとづくりです。世界の潮流としてカーボンニュートラルと経済成長の両立を目指すグリーントランスフォーメーションは、新たな生産拠点の整備に向けた投資の進展、経済波及効果や良質な雇用の創出と人材定着などが見込める大きな可能性を持った分野です。
 そこで1点目として、青森港、津軽港、西海岸における洋上風力関連産業、八戸港における水素アンモニア関連産業、上北地域や下北地域における原子力関連産業やむつ小川原地域におけるフュージョンエネルギー関連産業など、各地域の特性や優位性を生かした企業の誘致や産業の集積に戦略的に取り組んでまいります。そして、今後成長が期待される半導体関連産業については、国内外からの戦略的な誘致と台湾企業等をターゲットとしたプロモーション活動に取り組んでいきます。
 さらに2点目として、県内中小企業にとってもGXを新たなビジネスチャンスとして捉え、新製品や新技術の開発等に対して支援をしていきます。これらによって新たな産業、雇用の創出や人材の県内定着を図るとともに、県内中小企業のGX関連産業への参入増加を目指していきます。
 次に、若者の県内定着の促進についてです。今年度設立したあおもり人材育成・県内定着促進協議会において、県内就職を希望する学生が学年の進行とともに減少していることや特に女性の転出者が多いことなどの課題を共有しました。
 そこで1点目として、新規学卒者の県内就職を促進するため、若者と女性のニーズに対応した仕事と生活の魅力の情報発信に取り組みます。
 2点目として、企業側の採用力とPRの強化について産学官の連携により取り組みます。これらにより、県内企業の潜在力を見える化し、そして若者の県内定着促進を図ってまいります。
 次に、力強い農林水産業の推進による魅力あるしごとづくりについてです。農林水産業においては所得向上にこだわった政策を進めていきます。
 1点目の所得向上に向けた生産者の経営改善では、農林畜水産業全般について、経営分析、改善等の指導体制の強化、所得向上の伴走支援や、畜産分野では雌子牛ゲノミック解析支援、評価結果公表に向けた体制構築を行います。また、昨年10月に策定した「陸奥湾ホタテガイ総合戦略」に基づき、ホタテガイの採苗不振や高水温によるへい死に対応した生産技術の開発などに取り組んでまいります。
 2点目の産業を守るための企業等との連携では、企業の農業参入に向け、ニーズの把握や受入態勢の整備に取り組みます。また、試験研究の高度化に対応するりんごイノベーションセンターの整備を進めてまいります。このほか、津軽・県南地域におけるもみ殻のマッチング体制の構築連携や、県産材の利用促進に向けた制度の創設と製材事業者等との生産性向上の支援に取り組んでまいります。
 「しごと」分野における主な取組です。ご説明した取組を含め、4つの政策について127事業630.6億円を計上いたしました。県民の皆さまの所得向上をテーマに知事と若手経営者や金融機関の方々などが今後の方策等を議論するラウンドテーブルを開催し、県全体で議論を深めていきます。また、若者・女性のチャレンジングな創業・起業支援を通じて、若者・女性の定着に取り組んでまいります。

 2つ目の政策テーマ「健康」では、医療環境の向上と共生社会の実現に挑戦していきます。
 平均寿命は全国でワースト1位、がん死亡率も全国で最下位クラスが続いています。その一方で、高齢化率は約35%となっており、今後さらに本県では進展していきます。このような環境では、令和のテクノロジーを駆使した最先端のAXを圧倒的なスピードで進めていく必要があると考えています。
 目玉となる取組は、ICTを活用した医療環境の向上です。
 県民の誰もがどこにいても同じ水準の医療が受けられる環境づくりに向け、鍵となるのがオンライン診療をはじめとした医療機関のICTの推進です。本県におけるオンライン診療の実施は全医療機関・診療所の6.5%にとどまっており、県内医療機関から導入にかかる初期投資がネックとなっているという声も聞いております。
 そこで1点目として、各医療機関においてオンライン診療に必要となる機器等の整備について、国庫補助金に加えて本県独自の支援を追加し、10割の全額補助を実施することで集中的にスピード感を持って導入を促進していきます。
 2点目として、救急現場の迅速な情報提供のために、医療情報共有アプリの整備を支援していきます。
 3点目として、へき地医療拠点病院がオンライン診療により診療所を支援する実証モデルの構築を推進していきます。
 次に、高齢者が安心して暮らせる共生社会づくりについてです。
 1点目として、ロボットやICT等のテクノロジーを一気に普及させていきます。介護事業所における業務の効率化、職員の負担軽減を図る取組を支援します。
 2点目として、ノーリフティングケアを青森県介護の基本サービスとなるよう取組を進めます。この推進に向けた意識啓発や研修等を行うことで、介護職員と利用者双方の安全・安心を目指していきます。
 3点目として、高齢者の居場所づくりを着実に進めます。つどいの場の活性化のため、ゲーム機を使用したシニアスポーツ大会のさらなる充実などに取り組んでまいります。
 「健康」分野における主な取組です。ご説明した取組を含め、4つの政策について79事業87.5億円を計上いたしました。平均寿命の延伸に向けて、とりわけ本県の死亡率の一番の原因であるがんについては、がん検診による早期発見、早期治療が重要です。そこで、職場検診と市町村の大腸がん検診をセットで受診できる新たな体制の構築に取り組みます。また、引き続き市町村と連携して、がん検診初回精密検査の費用を支援します。このほか、県民の皆さまからの声も踏まえ、学校給食において他地域の地元食材を一品プラスする取組を通じた食育活動と、県産食材の提供による夏・冬休み期間におけるこども食堂等での共食支援に取り組むこととしております。

 3つ目の政策テーマ「こども」では、「青森モデル」の実現と教育改革に挑戦していきます。
 1955年、青森県の年少人口は52万人でした。2025年の現在、推計では11万人、この70年間で5分の1に減少しています。2050年、これから25年後には5万人と推計され、この25年間でさらに半減することになります。青森消滅までのカウントダウンが始まっている中、こどもを産み育てる環境づくりとこども一人ひとりが社会を支える力を身につける教育が求められていることは言うまでもありません。全国に先駆けた取組を「AX」を通じて実現する必要があります。
 こども・子育て「青森モデル」の推進において、目玉となる取組は小児科受診環境の改善と不妊治療の負担軽減です。
 1点目として、こどもの急な病気への対応として、夜間・休日に自宅で受診ができる小児科オンライン診療の体制整備を図っていきます。
 2点目として、不妊治療について今年度創設した生殖補助医療の支援に加え、来年度からは一般不妊治療についても自己負担分を全額支援いたします。保育士・保育所支援の充実については、保育士の賃金の引上げや保育補助者の配置等の処遇改善、相談窓口の新規設置、保育園の遊具等の整備の支援に加えて、キッズ・病児シッターの利用を支援いたします。
 これまでご説明してきた取組を含めた、こども・子育て「青森モデル」の推進に係る主な取組です。「若者や女性の定着・還流」、「家庭と仕事の両立」、「出会い・結婚」、「妊娠・出産」、「子育て環境」の5つの政策を柱として取組を進めていくこととしています。昨年10月から開始した学校給食費等無償化に係る市町村交付金については、市町村がより無償化政策を進めやすくなるよう、給食費以外の無償化についても交付率を10分の10とするなど制度の弾力化を行うことといたしました。また、食材価格の高騰等を踏まえ、臨時的に単価を引き上げる対応も図っております。
 さらに、県立の全ての文化施設について、高校生以下の入館料等を無償化することとし、今年度途中から実施している美術館に加え、来年度から三沢航空科学館、白神山地ビジターセンター、浅虫水族館、三内丸山遺跡センターで実施いたします。
 学校教育改革で目玉となるのは、教育DXの推進です。
 1点目として、県立学校において教育データを集約・可視化した教育ダッシュボードの基盤を整備いたします。これにより、児童生徒や保護者にとって学習の進捗や理解度などを把握しやすくなることなどが期待されます。
 2点目として、総合学校教育センターに遠隔教育配信スタジオを設置し、県立高校で遠隔授業等を実施するための環境整備を行います。これにより教員不足にも対応しつつ、小規模校においての大学進学に向けた高度な授業などを実施できるよう取組を進めていきます。
 学校教育改革の推進については、青森県教育改革有識者会議において、活発なご議論をいただき、昨年10月には追加のご提言を頂いたところであります。このご提言を踏まえ、ご説明した取組のほか、スクールサポートスタッフの小・中学校における配置時間の拡充および全ての県立高校への配置、県立学校の入試に係るウェブでの出願システムの導入、市町村における校内教育支援センター設置のスタートアップ支援などに取り組むこととしております。
 「こども」分野における主な取組です。ご説明した取組を含め、104事業356.4億円を計上いたしました。こども食堂など、こどもの居場所の新規設置や機能拡充に対する支援を新たに開始いたします。医療的ケア児については通学支援に取り組みます。まずは試行的取組に着手しつつ、スピード感を持って進めていきたいと考えております。

 4つ目の政策テーマ「環境」では、脱炭素社会の実現と自然との共生に挑戦していきます。
 4つの海に囲まれ、県土面積のおよそ7割が森林の本県であります。豊かな自然を守りそして継承し、その一方でこの脅威にも立ち向かわなければなりません。また、世界の環境課題にも率先して取り組むために「AX」が求められています。
 目玉となる取組は、脱炭素社会の実現に向けた取組の加速化です。カーボンニュートラルの達成に向けては、地球温暖化防止の取組と併せて、県民の皆さまや事業者のエネルギー費用の負担軽減につなげるなど、環境と経済の好循環を創出し、地域が持続的に発展していくための地域脱炭素に向けた取組が求められています。
 そこで1点目として、市町村における地球温暖化対策法に基づく実行計画の策定等に係る伴走支援を実施いたします。また、中小企業の脱炭素経営に向けた取組を支援するため、新たなコンソーシアムを設立します。
 このほか2点目として、環境エネルギー分野の広報の充実を図るため、対話型広報やSNSを活用した業務関連情報の発信に取り組みます。
 次に、特定鳥獣保護についての自然との共生です。豊かな自然環境と多様な生態系の維持に向けて、野生鳥獣の対策は大きな課題であります。とりわけクマ対策については喫緊の課題であると考えています。
 そこで1点目として、一昨年、出没・人身被害件数が過去最多を更新したツキノワグマについて生息動態調査を行い、専門家からの意見も伺いながら速やかに特定計画を策定します。
 2点目として、ハンターの減少および高齢化が進む中、県内各地で将来にわたって持続的な捕獲が可能となるよう、狩猟免許取得費や猟銃購入費等への支援を新たに実施いたします。
 これらにより、青森県内で自然動物と私たちの暮らしの共生を将来にわたって実現することが可能となるよう取り組んでいきます。
 「環境」分野における主な取組です。ご説明した取組を含め、5つの政策について54事業、83.8億円を計上いたしました。今定例会で「自然・地域と再生可能エネルギーとの共生に関する条例案」を提案しており、共生制度の円滑な運用に向け、県民の皆さまや事業者への制度周知・普及啓発を図るとともに、市町村における合意形成に対して支援を行ってまいります。

 5つ目の政策テーマ「交流」では、国内外とつながる交流・物流の拡大に挑戦していきます。
 人口減少による人手不足が青森県の持つ可能性を閉ざし、地域の交流をも縮小させつつあります。世界の成長を取り込み、地域に活力をもたらすため、AI・ICTを駆使し、生産性を大きく飛躍させる「AX」が必要となっております。
 利用者数の減少や運転手等の人材不足により、鉄道や路線バスなどは厳しい状況にあります。日常生活の足として、また観光やビジネスなどの移動手段として、持続可能なサービスを維持するためには新しいアプローチで課題解決を図る必要があります。こうした課題解決の取組を「地域モビリティ2.0」として位置付け、県内地域公共交通全体の大変革により地域内交流の維持・拡大を目指していきます。
 1点目として、約6割が経路検索に対応していない県内のバス路線についてデータ整備を行い、スマートフォンで県内全域を一元的に経路検索できる環境を整備いたします。
 2点目として、交通が不便な地域・時間帯における移動手段確保のため、引き続きライドシェアやMaaSなどを進めるアオモリモビリティシェアの実証を進めます。
 3点目として、バス、タクシー、鉄道などの運転手不足の課題解決に向けて、交通事業者が行う人材確保の取組を支援していきます。
 次に、国内外の交流の拡大の推進についてです。
 1点目のAI観光コンシェルジュ実証等については、観光分野の新しい取組として、多言語に対応し、24時間365日、生成AIにより一人ひとりのニーズに応じた観光ルートを提案できるような、日本でも最先端の観光AIシステムの構築を目指していきます。このほか、本県の課題である冬季観光の底上げに向けた冬季県民宿泊キャンペーンや北海道新幹線開業10周年を契機とした青函周遊観光の魅力発信に取り組んでいきます。
 「交流」分野における主な取組です。ご説明した取組を含め、4つの政策について66事業、103.6億円を計上いたしました。インバウンドの拡大、エー・プレミアムの国内外における利用拡大、県産品の輸出拡大などに取り組んでまいります。また、特に厳しい状況にあるローカル鉄道については、機能維持に向けた会議を発足させるとともに、多言語での情報発信や教育旅行等での利用拡大に向けた取組を支援していきます。

 6つ目の政策テーマ「地域社会」では、県民総参加の地域づくりに挑戦していきます。
 およそ50年ぶりに開催される国民スポーツ大会、そして初めて開催される全国障害者スポーツ大会。これをきっかけにスポーツと障がい者政策が新時代へと向かうことができるよう「AX」の起点を構築していきます。
 いよいよ来年1月から青の煌めきあおもり国スポ冬季大会が始まります。また、令和8年10月の国スポ本大会および障スポの開催に向けて、県民総参加に向けたさらなる気運の醸成を図るとともに、リハーサル大会の実施や仮設等の対応を含めた各会場の準備など万全の体制を整えていきます。創意工夫により青森県ならではの大会を目指していきます。
 次に、障がい者等の活躍推進についてであります。障スポについては、障がい者の方に競技だけでなく気運醸成に向けた活動などさまざまな形で参加いただき、関わって良かったと思ってもらえるような大会にしたいと考えています。また、この大会を契機として障がいのある方もない方も共に暮らしやすい社会づくりを目指した条例の制定に取り組んでいきます。このほか、身体障がい者福祉センターねむのき会館についても改築工事を進めていきます。
 「地域社会」分野における主な取組です。ご説明した取組を含め、3つの政策について84事業、280.7億円を計上いたしました。令和8年からのJリーグの開幕時期の変更に伴い、Jリーグクラブキャンプの誘致に向けた新たな取組、プロスポーツに親しむ機会の創出と地域の活性化を目指していきます。また、新たに民俗芸能活性化大会を開催し、記録映像を保存・発信することで文化の継承に向けた若い世代等への関心の喚起を図っていきます。

 7つ目の政策テーマ「社会資本」では、産業・災害に強く、しなやかな県土の実現に挑戦していきます。
 2つの半島を抱え、本州最北端の本県は県土そのものが半島地形とも言えます。スピード感こそが「AX」の基本となる分野であります。一日一日の対応を大切に事業の確実な進捗、危機管理能力の向上を図ってまいります。産業・災害に強く、しなやかな社会基盤の整備に向けて、本県の経済と生活を支えるインフラ整備を着実に進めていく必要があります。津軽自動車道、青橅(ぶな)山バイパス、八戸環状線、下北半島縦貫道路などについて、それぞれの供用目標に向けて進捗を確実に図ってまいります。また、昨年洋上風力の基地港湾に指定された青森港について、国際物流ターミナルの整備を進めるとともに、津軽港については、オペレーション・アンド・メンテナンス港としての整備に取り組みます。
 このほか、道路等における危険箇所等の防災対策を進めるほか、河川整備等の流域治水に集中的に取り組みます。
 さらに、除排雪DXについても専用サイトによる除排雪予定箇所のお知らせを全県に拡大するなど一層の進展を図ってまいります。
 災害にしなやかに対応できる環境の整備・充実については、今後5年間で重点的に実施すべき事項について「Aomori 防災・減災強化 Action Program」としてとりまとめたところであります。このプログラムに基づき、避難所における生活環境の充実を図るため、災害備蓄品を見直し、段ボールベッドやパーティション、さらにはミルクなどの子育て関連用品、大人用おむつなどの高齢者等に配慮した品目などについて新たに備蓄することとしたほか、自動ラッピングトイレやトイレカーなど避難所における環境改善のための資機材等についても導入することといたしました。これにより発災時の良好な避難環境を確保できる体制を構築していきます。
 「社会資本」分野における主な取組であります。ご説明した取組を含め3つの政策について63事業、668.5億円を計上いたしました。県民の皆さまが防災を「じぶんごと」として捉え、主体的に取り組んでいけるよう各主体の役割を明確にする防災基本条例の制定についても取り組んでいきます。

 以上が令和7年度当初予算案の概要です。
 次に、一体編成した令和6年度2月補正予算案の概要についてご説明いたします。
 まず、一般会計補正予算の規模であります。今回の補正予算額は379億円余であり、これを現計予算に加えますと令和6年度一般会計予算の規模は7,514億円余となります。
 次に、補正予算の概要についてであります。今回の補正予算は、先に成立した国の補正予算に対応するため、所要の予算措置を講ずることといたしました。
 補正予算の歳出といたしましては、
 ○国からの割当見込額に基づく公共事業関係費の増額
 ○国庫補助事業や国の対策に呼応した県費単独事業費の増額
 ○重点支援地方交付金を活用した物価高騰への対応
について計上したものであります。
 物価高騰への対応に係る主な取組についてであります。引き続くエネルギー価格や物価高騰に対し、国の交付金も活用しながら各分野に対する支援策を講じることとし、15事業、50.6億円を計上いたしました。一般企業向けにLPガス等に対する支援を実施するほか、地域公共交通や安定的な物流の確保等に向けたトラック・タクシー・航路に対する支援を実施いたします。また、料金への転嫁が困難な医療・福祉施設、保育・児童入所施設等に対する支援や給食費無償化における食材価格高騰等への対応、私立高校における就学支援の拡充などを行うこととしております。
 さらに、農林水産業分野においては、配合飼料の価格高騰により経営が悪化している畜産経営体への支援のほか、子牛生産費の上昇と販売価格の低迷に直面する繁殖農家への支援、燃油や飼料価格高騰の影響を受ける漁業・養殖業者やナマコ種苗生産、サケふ化場、地域排水など公益的な役割も担う農業水利施設の電気料金高騰に対する支援などを実施してまいります。

 最後にご参考として、事業の見直し・廃止の状況です。
 政策資源を集中するという観点から、事業の見直しや再構築を進めた結果、見直し・廃止した事業は計200件、54億円余となりました。
 私からは以上となります。

【質疑応答】
〇記者
 宮下知事としては今回で2回目の当初予算案編成となりました。1回目は「種を蒔く」予算と位置付けていましたが、今回2回目の当初予算案の編成はどのような位置付けかを教えてください。

〇知事
 挑戦して、結果を残していかなければならないと考えています。蒔いた種の「芽」が出てきて、「花」が咲くようにしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

〇記者
 今回特に重視した政策分野や政策がありましたら教えてください。

〇知事
 「しごとづくり」、「所得向上」、「高齢者を含めた共生社会の実現」、そして「こども・子育て」といったところは、当初からご説明しているとおり重視した政策であります。

〇記者
 「県民の皆さまが全国に誇れるような新機軸の施策を展開していく」とのことですが、新機軸の代表的な事業は例えばどのようなものがあり、それによって県民にどういった部分を誇りに思うようになってほしいか、知事のお考えをお願いいたします。

〇知事
 まず、先ほど話した3点のうち「しごとづくり」、「所得向上」では、世界の大きな流れを取り込むことが大事であり、GXに取り組み、青森県が世界の拠点となるような取組を進めていきたいと考えています。
 高齢者を含めた「医療」の分野では、医師不足により医療水準の確保が困難な環境にある本県において、ICTを活用してこうした課題を解決できれば、全国のモデルになるような取組になるのではないかと期待しています。
 「こども・子育て」の分野では、県全体でオンライン診療を無償化するという取組は全国で初めてです。また、一般不妊治療と生殖補助医療をセットで完全無償化というのも全国に先駆けた取組だと考えています。
 これらを見ていただければ、全国に誇れるような取組になっていると思いますし、このほかにもさまざま「全国で初めて」や、取組の過程の中で「青森県ってすごいね」と思ってもらえるような形をつくっていきたいと考えています。

〇記者
 新年度は知事が力を入れている「青森モデル」が本格化する1年かと思いますが、この1年で目指す本県の姿や、知事の中に具体的に思い描くビジョンを教えてください。

〇知事
 今年1年でどうにかなるという問題ではなく、2040年が一定の目標の期間となっています。そこで合計特殊出生率2を目指し、また、純移動率をプラス0.1にするという目標に向けたスタートを切っているということですので、無償化が各分野で進み、また、保育の環境を整えるきっかけになるような1年にしていきたいと考えています。

〇記者
 昨年度は給食費無償化をはじめとする大規模な事業に着手されて、知事自身もダイナミックな編成になったとご説明していました。今回は全体の事業費ベースで見ると前回より小規模あるいは中規模な事業が多く散見される印象ですが、今回、次の無償化施策のような大型の、いわば第2弾のような事業を構築しなかった理由は何かございますでしょうか。

〇知事
 構築しなかったわけではなく、一般不妊治療を無償化して、不妊治療に関しては全国に先駆けて県全体で無償化しています。また、こども医療費の無償化は各市町村で進んでいますので、オンライン診療を完全に無償で提供できるという意味では、非常に大きいことだと考えています。
 それに加えて、給食費の規模が小さくなったというのは少し誤解があって、全体としての規模はそんなに変わっていませんし、そもそも学校給食費の方は2倍になっているので、昨年より大型の予算編成になっていることは間違いないです。さらに給食費の単価も臨時的に上げているので、前年度に比べて事業規模が縮小したというのは誤解だと思います。

〇記者
 給食費関連の支出が2倍になったほか、中長期的には社会保障関係の歳出が増えていく、あるいはインフラの維持管理等々、この先も一定規模の歳出が見込まれていきますが、単年度ではなくこの先5年、10年と見据えたときに、新たな財源をどのように確保していくのか考えはあるでしょうか。

〇知事
 財政調整用基金取崩額なし、財政調整用基金の残高がある意味上昇局面にある、そして県債残高が減少しているという状況にありますので、基本的に単年度ベースでの予算編成に何か支障があるわけではなく、この先2、3年に何か大きな支障が生じることもないとご理解ください。新たな財源が必要な大きな政策をする時は、その都度その財源について考えていきます。財源は獲得するだけではなく、これまでの事業も含めて廃止や見直しを行うことでも捻出できますので、こうした予算編成が基本になると考えています。

〇記者
 「青森モデル」に関して、昨年の当初予算編成の時には種を蒔いてやっと土に植えられるとおっしゃっていました。知事は昨年1年間を「芽」という漢字で表しましたが、この先「花」や「果実」というものをどう得ていくのか、また、そのスピード感はどのように捉えていらっしゃいますか。

〇知事
 新しい制度を次々と実行に移していき、完成させていくことが大事だと考えています。例えば、給食費の話が典型的だと思いますが、去年は始めることに意味があって、全市町村が呼応してくれて給食費を完全に無償化できました。一方で、もともと給食費を無償化していたところは、次々と新しい政策を考えてくれて、青森県の中で子育て費用の負担軽減が段階的、連鎖的に進んでいきました。今年はそうしたことも踏まえて、この制度を完成させるタイミングであると考えています。
 今回、市町村もこの制度については特にご意見なく、いい制度になったと評価していただけると考えています。長い期間実施していける環境になり、まずは政策のスタート、これが「種を蒔く」ということかもしれません。そしてそれが完成すると「芽」が出てきて、さまざまなアウトカムが達成されますので、そこまで取り組んでいかなければなりません。今は「青森モデル」を順番に整理しながら、国のやっていることも踏まえながら取り組んでいく段階だと考えています。

〇記者
 「青森モデル」の関連で、キッズシッターを利用する人への支援がありますが、これを実施する理由は何でしょうか。また、どういう人の利用を想定しているのでしょうか。

〇知事
 まず、こども・子育て「青森モデル」を推進していくに当たっては、保育分野を中心に据えて対応していかなければならないと考えています。したがって、保育士の処遇改善、保育士の確保、資質向上、保育所の施設整備支援ということが基本的な取組になります。それに加え、やはり個別の親御さんの対応が必要になるということなので、シッター制度をより広く、県内に普及させる必要があると考えています。
 どういう人が利用するかについては、誰でも利用できるようにしたいと考えています。誰でも、どんなときでも利用できるようにすることで、より子育てがしやすい環境をつくっていきたいと考えています。しかし、現状ではなかなかシッターの需要に対する供給が追いつかない可能性があります。ただ、こういう制度を1回県が作ると供給が始まる、つまり、シッターをやりたいという人たちが増える環境ができるので、需要に追いついていく、需給のバランスが整っていく、というようなことも狙いとしてあります。全てのお父さん、お母さんがいつでも対応できるようなシッター制度に仕上げていきたいです。これもある意味、「種を蒔く」ということなのかもしれません。

〇記者
 遠足などの教育旅行でローカル鉄道を使う際に無償化することは、全国の中でも珍しい取組かと思いますが、これを実施する上での思いと、ローカル鉄道の経営改善に向けて期待するところがありましたらお願いします。

〇知事
 意外とこどもたちは地元のことを知らないし、地元を感じることや、地元を体験する機会が少なかったりします。鉄道に乗ることはその地域を知るという意味で非常に優れた交通網であると考えています。まず、鉄道に乗ること自体がこどもたちにとって非日常ですから、非日常を味わいながら(車窓から)地域を見ることができます。それは知ることにもなりますし、感じることにもなるし、体験することにもなって、こどもたちに地域が残るきっかけになります。これがローカル鉄道を通じて実現できるということはすばらしいことだと考えています。
 少し論点は変わって、経営改善にどう取り組んでいくかということについて、機能維持、情報発信ということは我々県としても市町村任せではなく、市町村をまたぐローカル鉄道が多いので、県もリーダーシップをとって対応していく必要があります。そういう思いの中で市町村と連携してやっていきたいということで、予算化しています。

〇記者
 GX青森について、具体の分野としては洋上風力、水素・アンモニア、原子力、核融合、半導体と挙げられましたが、限られた予算の中で知事が特に力を入れていきたい分野、柱となる分野というのはあるのでしょうか。

〇知事
 AI、半導体、GXの分野というのは世界最先端を行く産業分野で、これから全世界の投資が始まる分野ですから、その投資の受け皿になれるようにしていきたいと考えています。

〇記者
 3部局にまたがる予算ですけれども、予算書を見たところ、いつまでに達成したいという期限や目標はあまりお見受けできませんでした。総合戦略のような、全体のパッケージ計画は今後お作りになるということでよろしいでしょうか。

〇知事
 「総合戦略」や「~方針」を作ると、作って終わりになってしまいます。そういうことではなくて、GX青森は新たなしごとづくりのための総称です。1事業者でも青森県に立地してもらい、青森県の中でGXマネーを還流できるような仕組みを作りたいので、期限がある、方針を作るということではなくて、しごとづくりの総称だと捉えていただきたいと考えています。

〇記者
 若者の県内定着について、この分野は先日知事も政策の1丁目1番地、政策資源を集中させて取り組んでいくとおっしゃっていたと思うのですが、新年度どのように具体的に取り組んでいくのでしょうか、また、どのような思いがありますでしょうか。

〇知事
 いろいろな誤解のある分野と思っていて、企業側の誤解、若者の誤解、我々の誤解もあります。まずは、青森県にどのような仕事と生活の魅力があるかをもう一度立ち上げていかなければならないと考えています。青森県で働いている若い人たちもたくさんいるわけですから、社会人モデルを取り上げることや、県内企業も所得平均が低いところばかりではないので、しっかり働ける場所がたくさんあるということを改めて情報発信することが必要です。
 もう1つは、工業分野や医療福祉分野はせっかく仕事があるのに県外に流出している状況にあるので、具体的に大学や高等教育機関と連携して、就職について具体的に取組を進めていく、マッチングを進めていくということが大事だと考えています。県内企業の潜在力を見える化していくことが必要な分野であると考えています。

〇記者
 この分野で県内企業に期待する取組はありますでしょうか。

〇知事
 各自がしっかり情報発信することが大事だと考えています。ホームページやSNSで採用したい企業という情報発信をしているか、先輩たちがこれだけ仕事をして輝いてますよ、という発信をしているか、東京の企業並みにきちんと採用情報の中でできているか、ということはもう一度企業の皆さんも考えていただきたいです。

〇記者
 陸奥湾ホタテについて、昨年総合戦略を策定し、いよいよ本格的に推進する新年度かと思います。300億円産業の構築を目指すにしても安定生産が基礎になりますが、今は非常に厳しい状況になっています。安定生産に向けた取組支援などお考えがありますでしょうか。

〇知事
 我々の優位性があるとすれば、研究開発だと考えています。水産総合研究所がありますから、そういう意味ではブイロボの整備は非常に重要だと考えています。陸奥湾の水循環がどうあるのか、水温がどうあるのか、あるいは海流がどうなっているのかということについて、基礎的な情報をしっかりと私たちが把握し、漁業者に伝えることはとても大事なことです。また、売り先についても、漁業者の皆さんからの要望が多いので、分野、部局横断的に対応する必要があります。さらには、生産の高度化、効率化については、親貝をどのように確保していくかが大事になってきますので、漁業者と連携して取り組むということでかなり大きな予算になっています。

〇記者
 しごとづくり、特にその柱であるGX青森の推進の中に、洋上風力の話が出てきました。他の機会で質問があったかもしれませんが、三菱商事が行っている秋田での事業見直しという話があり、洋上風力に関しては少し逆風が吹いているのではないかと思うのですが、それに負けないような知事の意気込みや、強い決意の言葉があれば頂きたいと思います。

〇知事
 他県のことはあまり関心がなく、他の事業がどうなるかということも関心がありません。せっかく日本海南の立地が決まったということですから、そのようにうまくいっていない事例があるのであれば、しっかりとした形で進めていただき、7,000億と言われるその経済効果がしっかりと発揮できるように取り組んでいただきたい。また、地域への貢献を大いに期待しているところであります。

〇記者
 この件に関して青森の強みみたいなものは何かございますでしょうか。

〇知事
 良い風がいっぱい吹いているということが一番の強みだと思います。

〇記者
 GX青森の半導体について、他の水素、核融合、洋上風力は何となく県内のどのエリアに立地がされるかのイメージができますが、半導体は特に限定しない形で記載されています。知事として想定しているエリア等ございますでしょうか。

〇知事
 全県が対象になると思っています。現状、半導体関連のメーカーは県内に十数社立地していますが、県南地域、津軽地域も含めそれぞれに立地していますから、一連の、青森県の中でもベルトを形成するような、全県での立地というものが望ましいと考えています。ただ一方で、企業からここに立地したいとリクエストがあったり、あるいは自治体の各市町村の熱意でここが良いということはあると思いますので、調整しながらしっかり取り組んでいきたいと思っています。

〇記者
 先ほど洋上風力であれば風が強みになるという話がありました。半導体は全国的に拠点化が進んでいる地域もあり、誘致が出遅れの状態からのスタートで、強みが必要だと思いますが、この半導体分野を誘致するに当たって強みだと思う青森県の特性はどの辺りにありますか。

〇知事
 流出している若者がたくさんいることが強みになると私は考えています。高校や大学を卒業し、たくさん県外に出ている人たちがいますが、その人たちは実は青森県に仕事があればいてくれる可能性があるので、そのことは大きな強みだと考えています。

〇記者
 企業に働きかけるうえでは、人材確保がしやすいということでしょうか。

〇知事
 私はそう考えています。

〇記者
 出遅れてしまったという話もありますが、そのような中でも誘致につなげられる勝算、自信のようなものはありますでしょうか。

〇知事
 やってみないとわかりません。だけどやらなければいけないので挑戦します。

〇記者
 令和7年度の当初予算では、県税収入が過去最多になっていますが、このことに対する知事の受け止めをまずお伺いします。
 また、財政の健全性の絡みで、財政調整用基金はある程度伸びていて、県債残高も減っており、9年連続財政調整用基金の取崩もゼロになっていますが、県有施設の老朽化などが理由で臨財債がゼロにもかかわらず地方債の発行がかなり伸びています。今後、統合新病院の整備も含め、大型の県有施設の整備も控えていると思いますが、そういったことも含めて今後財政健全化にどのように取り組んでいかれますか。

〇知事
 まず、1点目の税収が伸びているということの所感でいけば、物価が伸びているということがありますから、当然その分税収は伸びるのだと考えています。別にこれは私たちが取りすぎているということではない、ということは申し上げておきます。
 2点目のこれからの中長期的な施設整備との関係での財政の健全化ということですが、施設整備は調整ができます。老朽化対策も1年で全部やってしまうのか、あるいは5年でやるのかということで調整できますから、毎年老朽化対策や新規事業を含めて、どれぐらい予算がかかるのかを調整しながら進めていくので、中長期でも安定して財政運営ができるようにしていきたいと考えています。ただ、大型の施設整備が行われる、特に病院整備などが行われる時には、一時的に財政に少し負荷がかかることがあるかもしれませんが、それは中長期でシミュレーションして建設に取りかかるわけで、配慮しながらやっていますから、私自身は特に問題はないと認識しています。病院も、今はまだどういう補助が使えるか等を研究していって、できるだけ自己負担が少ないようにしていきたいと考えていますので、そういう点も含めて、財政の健全化努力は常にしていく必要があると考えています。

〇記者
 知事として2回目の当初予算を組んだばかりで恐縮なんですけれども、積極財政への舵を切るタイミングはそろそろ見えてきていらっしゃるのでしょうか。

〇知事
 少なくとも今回はそうではなかったということで、ご理解ください。

〇記者
 「青森モデル」の小児科のオンライン診療について、実現すれば全県では初ということですが、本格実施が令和8年度ということになっており、来年度は実証を行うなどして準備をするということだと思いますが、知事としてどんな課題をクリアすれば、または、この1年間でどういったことを洗い出せれば、本格的な実施へ進めるのでしょうか。

〇知事
 本格実施は来年度としておりますが、今年度中には開始します。これはどこかのエリアで限定的に実施するということではなく、別に今の時点で何か課題があるとは私は思っていなくて、どちらかというと実証をスタートした時点から課題を洗い出して解決し、来年度からは本格実施、完成する、という流れになると考えています。

〇記者
 給食費無償化事業に関して、制度を完成させるタイミングが来た、今回制度の立て付けを少し変えて、ということだったと思います。昨年来、自治体の方からもいろいろご意見はあるかと思いますが、それを踏まえたうえでの変更という認識でよろしいでしょうか。

〇知事
 そのとおりです。

〇記者
 医療の分野で、これまでの減塩や、今まで取り組んできた健康対策に限界を感じているとすれば何でしょうか。また、生活習慣病の発症予防に力を入れる理由は何でしょうか。

〇知事
 今までの限界は、根幹となる医師不足という課題について抜本的な解決策が何もなかったことだと考えています。医師の配置や応援の仕組みも含めて、以前市長として何年も取り組んできましたが、抜本的な解決策はありませんでした。この後、高齢者は一定の数で推移、あるいは少し増えますが、人口は減ります。そうすると従事者は減ります。ですから、医療の提供体制という意味では、むしろマイナスになっていく可能性があります。だからそういうところにすごく限界を感じていて、解決するためには、もうオンラインという新しいシステムを使った医療の提供に頼るしかない状況だと考えています。おそらく青森県は進めば進むほど、すばらしい医療提供体制ができると思っているので、小児科オンラインだけではなくて、高齢者のオンライン診療を全県で進めていきたいです。特にへき地医療はこれを使うとすばらしい仕組みになるんではないかと私は大きく期待しています。
 生活習慣病に焦点を当てた対策になっているのは、まさにその生活習慣病からがん、心臓疾患、心筋梗塞などになり、生活習慣病から脳卒中や脳梗塞という脳の病気になるという、そのスタートが生活習慣病だからです。ですから、平均寿命を伸ばしたいのであれば、1番最初の元栓のところが生活習慣病になっているわけですから、これをキュッと締めれば、がんにならない、脳卒中、脳梗塞にならない、心筋梗塞にならないというふうになっていくので、そこをきちんと対策することが必要だと考えています。

〇記者
 県営スケート場の供用目標が示されたかと思います。規模や場所、時期などさまざまな議論がこれからあると思いますが、どのように議論を進めていきたいか教えてください。

〇知事
 まだ今の時点では予算にはなっていませんし、来年度の当初からどういうふうな形にするかということを青森市と連携して取り組んでいきます。

〇記者
 青森市に県営スケート場を新設するというのは、知事としてはどのような思いがあるのでしょうか。

〇知事
 青森市に県営スケート場をというよりも、一連の病院建設の中で、今ある施設をどうするか、それが県としてどういう場所にどういうふうに建てるのがふさわしいのか、そのことについて、まずは今ある青森市と協議を始めるということですから、今のご質問ということ以前に、協議を始めるということ、そして県として街づくりに協力するということが大事だと考えています。

【知事コメント】
 今、多くの若者が高等学校や大学の卒業を契機に、所得が高い仕事や新しい可能性を求めて県外に流出しているというのが現状です。若い人たちにとっては青森県というのは何もない、青森県では何もできないという刷り込みがあって、あるいは諦めみたいなものがあるんだというふうに、いろいろな調査や去年1年間の対話集会でみんなから聞いています。ただ、ここからどう脱却するかということが大事で、青森県も日本の一部、それから世界の一部でもあります。ですから、青森県が変わっていくと世界が変わっていくという世界観が大事で、この挑戦が今回の予算案の中で各種散りばめられていると私は考えています。青森から始める挑戦というこの挑戦は、私たちの手の中にある、県民の皆さんすべての手の中にある、そういうものだち思いますし、私は今回の2025年は青森県を挑戦のフィールドにするスタートの年にしたいと考えていますので、全国に誇れる取組を単にやるだけではなくて、やり方も含めて複数やっていき、青森県だからできるという自信を深めていって、若い人たちに伝わるように取り組んでいきたいと考えています。
 青森新時代の挑戦という、新しいテーマもつけさせていただきました。この挑戦にふさわしい内容になるようにしっかり取り組んでいきます。まずは県議会の皆さんとしっかり議論を重ねて、この予算案について成立させていきたいと考えています。

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