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更新日付:2016年3月7日 環境保全課
(仮称)稲庭風力発電事業計画段階環境配慮書に対する意見の概要
計画段階環境配慮書
審査会意見
- 事業実施想定区域はハナカジカの本県唯一の生息地に近接している。工事の実施に伴い発生する濁水により、ハナカジカを含む重要な水生生物等の動植物の生息・生育環境に影響を及ぼすおそれがあることから、動植物に係る調査、予測及び評価を適切な手法により行い、その結果に基づき、工事の実施等に伴う濁水の発生を最小限に抑えること等により、重要な動植物の生息・生育環境への影響を回避するとともに、その他の環境影響についても回避又は低減することを検討すること。
- 事業実施想定区域周辺には、湧水を水源とする浄水場が存在し、工事の実施に伴い、水質及び湧水量に影響を及ぼすおそれがあることから、事業計画の具体的な検討に当たっては、湧水の利用状況等を把握した上で、工事中及び供用時における水源となっている湧水の水質及び湧水量への影響を明らかにし、その内容を環境影響評価方法書以降の図書に記載すること。
- 事業実施想定区域には、保安林、土石流危険渓流及び馬淵川流域ふるさとの森と川と海保全地域が分布するとともに、自然度の高いチシマザサ-ブナ群団等が含まれている。事業実施に伴い保安林等を伐採することにより、治山・治水等に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、事業計画の具体的な検討に当たっては、可能な限り保安林を避けるとともに、その他の樹木の伐採や大規模な地形の改変を回避又は低減することを検討し、その内容を環境影響評価方法書以降の図書に記載すること。
- 本県側において、事業実施想定区域に近接して住居が存在し、事業の実施に伴い、騒音や風車の影による重大な影響を及ぼすおそれがあることから、風力発電設備の配置等の具体的な検討に当たっては、水平距離だけではなく高度や方角を含め、住居に対する影響に配慮した計画となるよう検討し、その内容を環境影響評価方法書以降の図書に記載すること。
- 事業実施想定区域内に既存及び計画中の風力発電事業が存在することから、環境影響評価方法書以降の手続において、他事業との累積的・複合的な環境影響が想定されるものについては、本事業との累積的・複合的な環境影響の調査、予測及び評価を行い、評価の結果、重大な影響が認められる場合には、本事業の位置・設備配置・規模等を含めて再検討すること。
知事意見
- 事業実施想定区域内に既存及び計画中の風力発電事業が存在することから、環境影響評価方法書以降の手続において、他事業との累積的・複合的な環境影響が想定されるものについては、本事業との累積的・複合的な環境影響の調査、予測及び評価を行い、評価の結果、重大な影響が認められる場合には、本事業の位置・設備配置・規模等を含めて再検討すること。
- 本県側において、事業実施想定区域に近接して住居が存在し、事業の実施に伴い、騒音や風車の影による重大な影響を及ぼすおそれがあることから、風力発電設備の配置等の具体的な検討に当たっては、水平距離だけではなく高度や方角を含め、住居に対する影響に配慮した計画となるよう検討し、その内容を環境影響評価方法書以降の図書に記載すること。
- 事業実施想定区域の周囲には、水道水の水源である新遠瀬水源地などの湧水が存在しており、事業の実施に伴い、水質及び湧水量に影響を及ぼすおそれがあることから、事業計画の具体的な検討に当たっては、湧水の利用状況等を把握した上で、工事中及び供用時における水源となっている湧水の水質及び湧水量への影響を明らかにし、その内容を環境影響評価方法書以降の図書に記載すること。
- 事業実施想定区域の北側の谷沿いには重要な植物が生育している可能性があり、また、熊原川水系の上流に青森県唯一のハナカジカの生息地がある。工事の実施に伴い発生する濁水により、これらの動植物に影響を及ぼすおそれがあることから、これらの動植物に係る調査、予測及び評価を適切な手法により行い、その結果に基づき、工事の実施等に伴う濁水の発生を最小限に抑えること等により、ハナカジカの生息地への影響を回避するとともに、その他の環境影響についても回避又は低減することを検討すること。
- 事業実施想定区域及びその周囲は、イヌワシなどの猛禽類の生息の可能性があり、これらの猛禽類に対する重大な影響を回避又は低減するため、生態特性を把握した上で十分な調査を行う必要があることから、地元の専門家等から意見を聴取し、適切な手法により鳥類の調査、予測及び評価を行うこと。
- 事業実施想定区域には、保安林及び馬淵川流域ふるさとの森と川と海保全地域が分布するとともに、自然度の高いチシマザサ-ブナ群団等が含まれ、また、地すべり防止区域、砂防指定地及び土石流危険渓流が存在している。事業実施に伴い保安林等を伐採することにより、治山・治水等に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、事業計画の具体的な検討に当たっては、可能な限り保安林を避けるとともに、その他の樹木の伐採や大規模な地形の改変を回避又は低減することを検討し、その内容を環境影響評価方法書以降の図書に記載すること。