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更新日付:2020年2月19日 監理課
収用裁決
土地収用のしおり[2468KB]
1 裁決の申請
起業者は、収用委員会の裁決を求めるために、裁決申請と明渡裁決の申立てをします。裁決申請とは、収用しようとする土地の所有権等を取得するために行う申請のことで、明渡裁決の申立てとは、土地にある建物などを移転して土地の明渡しを求めるために行う申請のことです。
起業者が収用委員会へ裁決の申請を行うためには、事前に事業認定を受けている必要があります。ただし、都市計画法に基づいて行われる都市計画事業(道路・公園等)については、都市計画法に基づく事業の認可等があれば事業認定があったものとみなされます。収用委員会は、申請書類が法令に適合している場合にはその申請を受理し、収用しようとする土地がある市町村において公告・申請書類を縦覧させ、申請があった旨を土地所有者及び関係人に通知します。
土地所有者及び関係人は、縦覧期間中に収用委員会に意見書を提出することができますが、審理と関係がないものは記載することができません。
※関係人:土地に対する所有権以外の権利(地上権や抵当権など)を持っている人や、土地の上にに建物などを所有している人のことを言います。
2 審理
収用委員会は、申請書類の縦覧後に審理を開始します。
審理は裁決を行うために必要な事項について、起業者や土地所有者及び関係人から意見を聴くために開催します。
審理はおおむね、次のような事項について意見を聴きます。
- 起業者:事業計画、交渉経緯、収用しようとする土地、補償の内容、権利取得の時期や明渡しの期限など
- 土地所有者及び関係人:提出があった場合には意見書の内容、要求する補償の内容や明渡しの期限など
3 補償金額
土地収用法には、土地に対する損失の補償と、明渡に伴う損失の補償の二つが規定され、原則として各人ごとに金銭で補償することとなっています。また、収用委員会は、損失の補償について起業者や土地所有者及び関係人が申し立てた範囲内で裁決します(当事者主義)。
- 土地に対する損失の補償
収用、使用される土地に対する損失の補償です。補償の額は、近傍類地の取引価格等を考慮して算定します。土地に対する所有権以外の権利がある場合や、収用、使用により残地の価格が下がる場合には、それらの補償を行います。
- 明渡しに伴う損失の補償
収用、使用される土地に建物などの物件があるとき、これを移転したりするための補償です。補償の額は、客観的かつ合理的な移転先と移転方法を想定して算定します。土地の収用、使用により通常受ける損失があれば、それらの補償も行います。
4 裁決
収用委員会は、審理で明らかになった争点について、調査や検討を行い裁決します。裁決には、権利取得裁決と明渡裁決の二つがあります。
- 権利取得裁決
収用、使用する土地の区域、権利に対する損失の補償、権利取得の時期などを裁決します。起業者は権利取得の時期までに、補償金を払い渡さなければなりません。
- 明渡裁決
土地の明渡しに伴う損失の補償、明渡しの期限などを裁決します。起業者は明渡しの期限までに、補償金を払い渡さなければならず、土地所有者や関係人は土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転しなければなりません。
5 裁決に不服がある場合の手続
裁決の内容に不服がある場合には、国土交通大臣に対する審査請求や裁決に関する訴えを提起することができます。
- 審査請求
裁決書の正本の送達を受けた日から3月以内に、裁決の取消に関する訴えを提起することができます。
- 取消訴訟
裁決の内容に不服がある場合には、国土交通大臣に対する審査請求や裁決に関する訴えを提起することができます。
- 損失補償に関する訴え
裁決書の正本の送達を受けた日から6月以内に、損失の補償に関する訴えを提起することができます。この場合、土地所有者又は関係人は起業者を、起業者は土地所有者又は関係人を、それぞれ被告としなければいけません。
6 申請の留意事項
青森県収用委員会では、収用裁決手続を円滑に進めるために、起業者向けに「収用手続についての留意事項」を作成しています。
収用手続についての留意事項[323KB]
収用手続についての留意事項(参考資料)[4286KB]
7 不明裁決申請に係る権利者調査のガイドライン
国土交通省では、土地所有者の氏名や住所が分からない等権利者が不明である場合に、起業者が裁決申請に先立ち実施する権利者探索の方法の一例を提示した「不明裁決申請に係る権利者調査のガイドライン」を作成しています。
資料は、国土交通省のホームページからダウンロードすることができます。
不明裁決申請に係る権利者調査のガイドラインについて(外部リンク)