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更新日付:2025年4月10日 青森県衛生研究所
理化学部 - 食品中の有害物質検査

- GLPについて
GLPはGood Laboratory Practiceの略であり「検査データの信頼性を確保するシステム」と訳されています。すなわち、検査内容を外部に対して透明なものとするため、(1)検査業務のすべてを文書により標準化(標準作業書)し、検査経過は生データも含めすべて記録、保管する、(2)検査精度の信頼性を確保するため、内部精度管理、外部精度管理を計画的に行う、(3)信頼性確保部門を検査部門から独立して設け、検査業務について定期的に内部点検を行うというものです。平成9年度から食品衛生法に係る検査の業務管理(GLP)が義務づけられており、青森県でもGLP体制で検査を実施しています。
- 農産物の残留農薬検査
野菜や果物などを育てる上で、害虫や病気などから植物を守り安定した栽培を行うため農薬が使用されています。しかし、使用された農薬が残留して人の健康に影響を与えることがないよう食品衛生法により残留基準が定められています。
当所では、ポジティブリスト制度に対応するため、限られた人員や時間の中で多くの農薬を検査するために簡易で迅速な分析法を検討し、長いも、りんご、玄米、キャベツ等の県産農産物や県民によく食されている農産物を対象に約250種類の農薬について検査を行っています。
『ポジティブリスト制度』
ポジティブリスト制度とは、食品中の残留農薬の基準として、平成18年5月29日から新たに施行された制度で、これまで残留基準の設定されていない農薬が、一定量以上残留する食品の流通を禁止するものです。これにより、今までは残留基準値が設定されている農薬のみが規制対象となっていましたが、本制度の施行以降、すべての農薬が規制対象となり、基準を超えた食品の流通は禁止となりました。
当所では、ポジティブリスト制度に対応するため、限られた人員や時間の中で多くの農薬を検査するために簡易で迅速な分析法を検討し、長いも、りんご、玄米、キャベツ等の県産農産物や県民によく食されている農産物を対象に約250種類の農薬について検査を行っています。
『ポジティブリスト制度』
ポジティブリスト制度とは、食品中の残留農薬の基準として、平成18年5月29日から新たに施行された制度で、これまで残留基準の設定されていない農薬が、一定量以上残留する食品の流通を禁止するものです。これにより、今までは残留基準値が設定されている農薬のみが規制対象となっていましたが、本制度の施行以降、すべての農薬が規制対象となり、基準を超えた食品の流通は禁止となりました。
- 動物用医薬品の検査
動物用医薬品とは飼育している家畜や養殖魚・蜜蜂などの病気の予防並びに治療のために使われているもので、抗生物質、合成抗菌剤、寄生虫駆除剤、ホルモン剤、抗炎症剤などがあります。
これらの物質については、食品ごと、医薬品ごとに食品衛生法による残留基準が定められています。更に、農薬と同様に、これらの物質についても、平成18年5月29日からポジティブリスト制度が施行されました。残留基準のあるものは従来どおり、基準を守って使用していればよいのですが、今まで基準の設定されていなかった動物用医薬品についても規制対象となりました。
これらの物質については、食品ごと、医薬品ごとに食品衛生法による残留基準が定められています。更に、農薬と同様に、これらの物質についても、平成18年5月29日からポジティブリスト制度が施行されました。残留基準のあるものは従来どおり、基準を守って使用していればよいのですが、今まで基準の設定されていなかった動物用医薬品についても規制対象となりました。
- ホタテガイの貝毒検査
主に二枚貝(ホタテガイなど)が、毒素を持った植物プランクトンを餌として食べることによって、貝自身の体内に毒を蓄積させます。これを貝毒と言います。
さらに、毒を蓄積した貝類をヒトが食べると、中毒症状を引き起こすことがあります。貝毒は、その症状により、麻痺性貝毒や下痢性貝毒、神経性貝毒、記憶喪失性貝毒などに分類され、複数の毒成分群からなります。
なお、これらの毒成分は、熱に強く、加熱調理しても毒性は弱くなりません。
このような貝毒のうち、日本で問題となるのは、麻痺性貝毒と下痢性貝毒ですが、陸奥湾内では今のところ麻痺性貝毒は発生していません。また、貝毒は餌となる植物プランクトン由来の毒素ですので、プランクトンが発生しなくなれば、二枚貝等の体内の毒は減少します。
(1)麻痺性貝毒
麻痺性貝毒とは、貝類に蓄積される毒性物質のうち、汚染された貝類を食すると口唇、舌及び顔面のしびれや手足等の麻痺を伴う食中毒症状を引き起こす物質です。具体的な毒成分として、サキシトキシン(saxitoxin, STX)、ゴニオトキシン(gonyautoxin, GTX)などが確認されています。
当所では、公定法(マウス毒性試験法)で県内に流通しているホタテガイの麻痺性貝毒を検査しています。むき身試料から抽出した試験液をマウスに腹腔内投与し、マウスの致死時間からマウスユニット(※)に換算して毒量を測定します。日本では、二枚貝等の可食部に含まれる毒力の規制値は4 マウスユニット/g以下とされ、これを超えたものは出荷規制されています。
※マウスユニット(MU)
貝およびフグ等様々な毒素の影響量に対する単位。体重20 gのマウスに毒性物質を腹腔投与した際、麻痺性貝毒では15分間でマウスを死亡させる毒力が1 MUと定義されています。
令和6年度は、当該検査で115匹のマウスを使用しました。本動物実験は、青森県衛生研究所動物実験規程
[1254KB]に基づき実施しています。
▶青森県衛生研究所動物実験規程
[1254KB](令和7年4月2日改訂)
▶動物実験に対する自己点検・評価報告書(令和6年度)
[484KB]
▶飼養保管状況(令和6年度)
[280KB]
(2)下痢性貝毒
下痢性貝毒とは、貝類に蓄積される毒性物質のうち、汚染された貝類を食すると下痢、吐き気等の消化器系の障害を伴う食中毒症状を引き起こす物質です。具体的な毒成分として、オカダ酸(OA)とその同族体のジノフィシストキシン(DTX)群が確認されています。
当所では、液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)で県内に流通しているホタテガイの下痢性貝毒を検査しています。むき身試料から抽出し、遠心分離したろ液をLC-MS/MSで分析し、OA及びDTXを定量します。
日本では、下痢性貝毒による食中毒防止のため、定期的に有毒プランクトンの出現を監視し、重要貝類の毒量を測定して、規制値(0.16 mgオカダ酸当量/kg当たり)を超えたものは出荷規制されています。
さらに、毒を蓄積した貝類をヒトが食べると、中毒症状を引き起こすことがあります。貝毒は、その症状により、麻痺性貝毒や下痢性貝毒、神経性貝毒、記憶喪失性貝毒などに分類され、複数の毒成分群からなります。
なお、これらの毒成分は、熱に強く、加熱調理しても毒性は弱くなりません。
このような貝毒のうち、日本で問題となるのは、麻痺性貝毒と下痢性貝毒ですが、陸奥湾内では今のところ麻痺性貝毒は発生していません。また、貝毒は餌となる植物プランクトン由来の毒素ですので、プランクトンが発生しなくなれば、二枚貝等の体内の毒は減少します。
(1)麻痺性貝毒
麻痺性貝毒とは、貝類に蓄積される毒性物質のうち、汚染された貝類を食すると口唇、舌及び顔面のしびれや手足等の麻痺を伴う食中毒症状を引き起こす物質です。具体的な毒成分として、サキシトキシン(saxitoxin, STX)、ゴニオトキシン(gonyautoxin, GTX)などが確認されています。
当所では、公定法(マウス毒性試験法)で県内に流通しているホタテガイの麻痺性貝毒を検査しています。むき身試料から抽出した試験液をマウスに腹腔内投与し、マウスの致死時間からマウスユニット(※)に換算して毒量を測定します。日本では、二枚貝等の可食部に含まれる毒力の規制値は4 マウスユニット/g以下とされ、これを超えたものは出荷規制されています。
※マウスユニット(MU)
貝およびフグ等様々な毒素の影響量に対する単位。体重20 gのマウスに毒性物質を腹腔投与した際、麻痺性貝毒では15分間でマウスを死亡させる毒力が1 MUと定義されています。
令和6年度は、当該検査で115匹のマウスを使用しました。本動物実験は、青森県衛生研究所動物実験規程

▶青森県衛生研究所動物実験規程

▶動物実験に対する自己点検・評価報告書(令和6年度)

▶飼養保管状況(令和6年度)

(2)下痢性貝毒
下痢性貝毒とは、貝類に蓄積される毒性物質のうち、汚染された貝類を食すると下痢、吐き気等の消化器系の障害を伴う食中毒症状を引き起こす物質です。具体的な毒成分として、オカダ酸(OA)とその同族体のジノフィシストキシン(DTX)群が確認されています。
当所では、液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)で県内に流通しているホタテガイの下痢性貝毒を検査しています。むき身試料から抽出し、遠心分離したろ液をLC-MS/MSで分析し、OA及びDTXを定量します。
日本では、下痢性貝毒による食中毒防止のため、定期的に有毒プランクトンの出現を監視し、重要貝類の毒量を測定して、規制値(0.16 mgオカダ酸当量/kg当たり)を超えたものは出荷規制されています。
- パツリン
パツリンは、ペニシリウム属やアスペルギルス属等の真菌によって産生されるカビ毒であり、真菌が付着した果実等から検出され、パツリン汚染の可能性の高い主要食品としてりんご果汁が知られています。りんご果汁についてパツリンの汚染実態調査が行われ、一部のものから比較的高濃度のパツリンが検出されたことから、食品安全委員会及び薬事・食品衛生審議会の審議結果を踏まえ、清涼飲料水の成分規格の一部を改正し、りんごジュース及び原料用りんご果汁について、パツリン規格が設定されました。
当所では、県内における実態を把握するため、平成14年度から県産りんごジュースについてパツリンの検査を行っています。
『パツリンの規格基準』
りんごの搾汁及び搾汁された果汁のみを原料とするものについては、パツリンの含有量が0.050 ppmを超えるものであってはならない。
当所では、県内における実態を把握するため、平成14年度から県産りんごジュースについてパツリンの検査を行っています。
『パツリンの規格基準』
りんごの搾汁及び搾汁された果汁のみを原料とするものについては、パツリンの含有量が0.050 ppmを超えるものであってはならない。
- 魚類加工品中のヒスタミン検査
ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒です。
ヒスタミンは、食品中に含まれるヒスチジンがヒスタミン産生菌の酵素の働きでヒスタミンに変換されることにより生成し、一度生成したヒスタミンは熱に安定であるため、調理加工により除去できません。
ヒスチジンを多く含むマグロ、カジキ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジ等の赤身魚及びその加工品が主な原因食品として報告されているため、令和3年度から収去により缶詰等の魚類加工品について検査を行っています。
ヒスタミンは、食品中に含まれるヒスチジンがヒスタミン産生菌の酵素の働きでヒスタミンに変換されることにより生成し、一度生成したヒスタミンは熱に安定であるため、調理加工により除去できません。
ヒスチジンを多く含むマグロ、カジキ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジ等の赤身魚及びその加工品が主な原因食品として報告されているため、令和3年度から収去により缶詰等の魚類加工品について検査を行っています。
- アレルギー物質を含む食品の検査
平成14年4月1日から食品衛生法によりアレルギー症状を引き起こすことが知られている食品28品目について、原材料として含む旨の表示が義務付けまたは推奨されるようになりました。
表示が義務化されたもの (8品目) |
小麦、そば、卵、乳、落花生、えび、かに、くるみ |
表示が推奨されているもの (20品目) |
アーモンド、あわび、いか、いくら、さけ、さば、オレンジ、キウイフルーツ、もも、りんご、大豆、やまいも、鶏肉、豚肉、牛肉、ゼラチン、バナナ、カシューナッツ、ゴマ、マカダミアナッツ |
当所では、加工食品に表示が義務化されている7品目(小麦・そば・卵・乳・落花生・えび・かに)について、これらが含まれているかどうか2種類のキットによるスクリーニング検査を行い、原材料の表示が適正であるか確認を行っています。
-
当所で実施した収去検査の結果は、下記のとおりです。
▶令和6年度の食品中の有害物質検査結果[582KB]
▶令和5年度の食品中の有害物質検査結果[340KB]
▶令和4年度の食品中の有害物質検査結果[622KB]
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