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更新日付:2023年5月15日 東青地域県民局地域農林水産部青森家畜保健衛生所
青森家畜保健衛生所の概要
青森家畜保健衛生所は、昭和25年に制定された「家畜保健衛生所法」に基づき、昭和26年に県中央部の青森市に設置され、県内の家畜保健衛生所で唯一「病性鑑定課」を有し、ウイルス・細菌・病理・生化学の4部門において精密検査を行い、県内における家畜防疫、衛生指導などを支える検査機関として機能しています。
近年では口蹄疫(FMD)、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)、牛海綿状脳症(BSE)など国際的にも重要な家畜伝染病の発生により、消費者の食の安全・安心に対する関心が一層高まり、改めて危機管理体制の強化と食品の安全性の確保が求められています。
このような状況の中、地域の畜産生産現場に最も近い立場にある家畜保健衛生所は、技術の研鑽と診断機能の充実を図り、畜産振興のための家畜伝染病の発生予防とまん延防止を第一に、安全な畜産物生産のための衛生指導や畜産環境問題、畜産を巡る諸課題に的確かつ積極的に取り組んでいます。
昭和24年3月 | 青森家畜保健室として発足(東津軽郡浜館村松森字佃225(現青森市)) |
昭和26年1月 | 青森家畜保健衛生所設置 |
昭和38年3月 | 病性鑑定課を新設 |
昭和39年9月 | 機構改革により広域家畜保健衛生所として管轄区にむつ市及び下北郡を加え、むつ支所を置く |
昭和43年7月 | 家畜保健衛生所再編計画により、青森市造道に新設移転 |
昭和48年11月 | むつ家畜保健衛生所の発足に伴い、管轄区域からむつ市及び下北一円を分離 |
昭和52年4月 | 飼料検査業務を所掌(専任職員1名) |
昭和58年4月 | 青森県営浅虫水族館の海獣等の衛生管理を兼任 |
平成14年4月 | 機構改革により、東地方農林水産事務所青森家畜保健衛生所に改称 |
平成16年4月 | 組織改正により業務課を防疫課に課名変更、衛生指導課を新設し、病性鑑定課と併せて3課体制となる |
平成19年4月 | 機構改革により県内6県民局体制となり、東青地域県民局地域農林水産部青森家畜保健衛生所に改称 |
平成21年4月 | 組織改正により衛生指導課を廃止 |
平成23年2月 | 県有施設利活用推進により青森市造道の庁舎から青森市合子沢の旧フラワーセンター21あおもり庁舎に移転 解剖・焼却炉棟を新設 |
平成23年4月 | 所付総括主幹を「副所長」として配置 |
管内の畜産概況
青森家畜保健衛生所は青森市と東津軽郡(平内町、今別町、外ヶ浜町、蓬田村)を所管区域としており、管内の家畜飼養概況は、青森市を中心に今別町、平内町、外ヶ浜町、蓬田村で肉用牛や乳用牛が飼養され、6か所の公共牧場を活用して畜産経営が行われているほか、蓬田村には大規模養鶏場を含めた養鶏場が集中しています。飼養頭羽数は、戸数・頭羽数とも過去10年程は減少傾向にありますが、近年は横ばい傾向となっています。
区分 | 乳用牛 | 肉用牛 | 馬 | 豚 | めん羊 | 家きん(100羽以上) |
---|---|---|---|---|---|---|
戸数 | 3 | 21 | 11 | 1 | 4 | 4 |
頭羽数 | 162 | 361 | 35 | 921 | 6 | 460,300 |
家畜伝染病予防事業
県内への家畜の監視伝染病及び伝染性疾病の侵入防止を図るため、家畜伝染病予防法に基づき発生予防・発生予察の検査や消毒を実施しています。これらの伝染病の発生時には、緊急予防注射、検査、畜舎の消毒等のまん延防止対策を行います。
家畜衛生対策事業(消費・安全対策交付金事業)
疾病の発生に備え、その監視体制や情報収集体制の強化及び整備を図り、新たな診断方法や予防技術を確立するための検査等を実施しています。また、経営上問題となる肺炎、下痢などの慢性疾病による損耗防止を図る検査等を行い、効果的な対策等について検討し、それぞれの農家に沿った生産ガイドラインの策定を指導しています。
また、広報活動として県内における監視伝染病の発生状況や国内における家畜衛生情報の伝達、或いは技術の向上や自衛防疫意識の高揚のため、広報紙「家畜衛生情報」やリーフレットを作成し配布しています。
牧野衛生事業
公共牧場では、放牧牛の臨床検査、血液検査等の衛生検査や牛体のダニ駆除指導を定期的に行い、寄生虫等による被害の未然防止を図っています。
病性鑑定事業
当所は、本県の基幹家畜保健衛生所として唯一病性鑑定課を有し、ウイルス・細菌・病理・生化学分野の専門獣医師による家畜伝染病、その他疾病の迅速かつ的確な診断、原因の究明を行っています。さらに、流通飼料の成分分析検査をも行っており、家畜の健康維持、畜産物の安全性確保に努めています。これらの総合的な検査により疾病を確定診断し、家畜伝染病発生時には迅速な防疫対応を実施するほか、発生予防のため適正な飼養管理、適切な薬剤の選択を指導しています。
◎ウイルス部門では、高(低)病原性鳥インフルエンザやアカバネ病等のウイルス性疾患の検査を行っています。
◎細菌部門では、炭疽、ヨーネ病等の細菌性疾患について、分離培養検査、ELISA法等による抗体検査及び遺伝子検査により診断を行っています。
◎病理部門では、死亡した家畜の各臓器の標本を作製し、視覚的に病気の原因を検索しています。
◎生化学部門では、中毒や代謝病の検査のほか、症状が類似する伝染病との類症鑑別のため検査を行っています。
◎飼料検査部門では、飼料製造業者及び販売業者から収去した飼料について、保証する成分量が確保されているか、 また、重金属やカビ毒等の有害成分の混入が無いか確認するため分析検査を行っています。
動物薬事監視指導事業
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法)に基づき、動物用医薬品販売業の許認可事務のほか、流通している動物用医薬品の適正使用や品質管理のため、販売店や生産現場への立入検査を行っています。
飼料立入検査事業及び流通飼料対策
飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づき、県内の配合飼料製造事業者や販売事業者への立入検査及び、収去した飼料の成分分析等の検査を行っています。結果は県報に掲載し、公表しています。また、健康で安全な家畜・畜産物の生産体制を支援するため、飼料及び飼料添加物の適正な使用について巡回指導を行っています。
牛海綿状脳症(BSE)監視のための検査
平成15年度に青森県畜産試験場(現青森県産業技術センター畜産研究所、野辺地町)敷地内に「牛の検査材料保冷施設」を整備し、平成16年4月から24か月齢以上を、平成27年4月から48か月齢以上の死亡牛全頭検査を実施しています。平成31年4月からは、検査対象が48か月齢以上96か月齢未満の歩行困難、起立不能等を呈した死亡牛と、96か月齢以上の全ての死亡牛となりました。
水族館
水族館関係では、青森市浅虫にある「青森県営浅虫水族館」の開館当初から、これまで30年以上にわたりイルカ、アザラシ、ラッコ等海獣類の健康診断、治療等を行っています。
◎車(タクシー):青森駅または新青森駅から35分程度
◎青森市営バス:青森駅から南部工業団地行き-南部工業団地下車-徒歩20分
◎青森市営バス:青森駅から流通団地経由バス-青森流通団地下車-徒歩35分
(なお青森市営バスの運行本数は多くありませんので、ご不便をお掛けしますが、お車(タクシー)のご利用をお勧めします。)