中南地域の概要

　中南地域は、残雪の岩木山を背景に咲き誇る弘前公園の桜をはじめ、田植えの水面に映る新緑の岩木山、山の中腹から駆け下りる紅葉、白一色に覆われる雪景色など、四季折々の風景とともに、豊かな自然に恵まれた地域です。
　また、地域の温泉場は、夏の農作業や厳しい冬を乗り越える地域の交流・生活の場として点在し、豊かな自然から享受するめぐみが、人々の地域への愛着を育んでいます。

　中南地域は、世界自然遺産白神山地と岩木山、八甲田山系を源とする豊かな水に恵まれ、山間部と平野部にかけ、りんご園と水田が広がっており、りんごと米の生産が盛んな本県の主要農業地帯となっています。
　特に、りんごは作付面積が県全体の約7割を占め、これまで病害虫や、自然災害など、幾多の困難を乗り越え、約150年の時を紡ぎながら、「青森りんご」のブランドを確立し、生産から加工、流通、販売の展開に至る世界でも有数の一大りんご産業クラスターが形成されています。

　弘前城などの城跡やこみせ通り、和洋折衷の建築物、中山間部に広がる開拓農園など、伝統の継承とフロンティア精神が混在する気質と、雪深い冬を凌ぐ保存食や庭園群など、津軽の風土が地域特有の文化を育んでいます。
　また、津軽塗や津軽こけし、こぎん刺しなどの伝統工芸をはじめ、重要無形民俗文化財のねぷた祭り、お山参詣など、地域の祭り・文化が脈々と受け継がれています。

　国立大学法人弘前大学をはじめとする高等教育機関や同大学医学部附属病院などの医療機関の集積は、教育・医療環境の充実と高度化に貢献しています。
　また、青森県産業技術センター農林総合研究所やりんご研究所、弘前工業研究所などの試験研究機関は、農業やものづくり産業など地場産業の発展と活性化に寄与しています。