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更新日付:2023年2月3日 地域交通・連携課

AOMORI LIFESHIFT人財インタビュー11 小田切 勇治 さん

「楽しい」が全ての根源。自分の中でハードルを設けず、「まずやってみる」で広がる世界。

小田切勇治さん01 協同組合青森総合卸センター 業務部長
BLUE PEACE AOMORI 副隊長

1974年北海道札幌市生まれ、青森県東津軽郡平内町育ち。青森公立大学経営経済学部 経営経済学科卒業後、協同組合青森総合卸センターに入社。普通のサラリーマンとして勤務していたが、2011年に偶然参加した県のリーダー人財育成事業「あおもり立志挑戦塾」で人生が激変。2012年に仲間とともに「あおもりマルシェ」を立ち上げ、副代表に就任。以後も「Aomori53161」「あおもりだしStyle」「YUKINKO Aomori」など様々な団体を立ち上げる。2020年9月にミハイ隊長と共に「BLUE PEACE AOMORI」を設立し、夏泊半島大島での海のごみ拾いを通じて、ごみを捨てない、環境に優しい人を育てる活動に奮闘している。

実はもともと、青森のことはぜんぜん好きじゃありませんでした

今はこんなに青森に馴染み、人の繋がりもたくさんある私ですが、青森のことを昔は全然好きではありませんでした。

札幌生まれで、中学生の時に親の都合で青森に来ました。駅と言えば札幌駅が頭にあったので平内町の小湊駅を最初訪れたときには小さくて驚いたことを覚えています。子どもの頃は津軽弁もよく分からなければ知り合いもいない、地域に愛着を持てずに過ごしていました。

社会人になり今の会社へ入社し、車を持つようになると徐々に行動範囲が拡がり、30代に入った頃から少しずつ青森の良さを知るようになってきました。

「あおもり立志挑戦塾」に誘われたのは36歳。4期生にあたります。会社から勧められて参加したのですが、この参加をきっかけに人生が大きく変わったように感じています。

立志挑戦塾参加前は、地域のことを考えようとはそこまで思っていませんでした。誰しもが最初から地域に対して想い入れがあり行動しているという訳ではなく、何かのきっかけでスイッチが押され気づくのだと思いますが、私の場合それが「あおもり立志挑戦塾」でした。

立志挑戦塾での出逢いが全てのはじまり

立志挑戦塾で得たものはたくさんありますが、私が最も貴重だと思っているのは「人との出会い・つながり」です。立志挑戦塾生として過ごした1年間、職種や年齢、立場を越え仲間として様々なテーマについて議論をしました。それを通じて一人ひとりの考え方に触れ仲良くなっていきました。例えば職場では同僚であってもフラットに議論することはほとんどありませんが、立志挑戦塾では利害関係のない人たち同士だからこそ、本当に自分の思っていることを口に出せます。何を言ってもいいという安心感の中で、正解のない議論を通じお互いの人間性を理解していくことができました。

当時一緒に立志挑戦塾での時間を過ごしたメンバーは「青森のため、地域のために何かしたいけれど、どうすればいいか分からない」「手段は分からないけれど、とにかく青森を盛り上げたい」と口々に話すような人たちでした。

そのような形で出会った人とのつながりを元に、様々な取組をしていくことになります。
  • 小田切勇治さん02
    ワークショップの様子。参加者と笑顔で会話

不安で前日眠れなかった「第1回あおもりマルシェ」

立志挑戦塾を卒業後、「あおもりリーダーネットワーク交流会」という会で農家の方々と知り合い、その方々の「自分達が作った野菜をもっと売っていきたい」という想いと、立志挑戦塾生たちの「地域のために何か行動して貢献していきたい」という想いが重なり、「あおもりマルシェ」を開こうという話になりました。

あおもりマルシェは今年第40回を開催するに至っていますが、第1回目の企画は本当に大変でした。場所をどこにするか? 出展してもらう店舗はどうするか? 広報・集客はどうするか? とにかく議論を重ねて解決し、何とか実行に至るまで取り組みました。

第1回の開催日前夜、「お客さんが本当に来てくれるのだろうか?」と不安とプレッシャーから寝られなくなってしまい、結局夜が明けるまで車の中で過ごしたことを今でも覚えています。それほど緊張していました。

結局、蓋を開けてみると当日は5000人もの人が来場してくれました。マルシェでは、来場してくれた方に、買い物だけでなくバンド演奏やダンス等も楽しんでもらえるように工夫しました。
  • 小田切勇治さん03
    あおもりマルシェ。晴れても、晴れなくても楽しめる。

「あおもりマルシェ」からの学び

あおもりマルシェの立ち上げを経て感じたのは、やったことがないことをゼロから企画し、形にするのは本当に難しく大変だということです。でも一方で大きな楽しさややりがいもあって……両極端な感情ですね。

8年目で副代表を離れて、今は運営も後輩の若手に託していますが、ここまで続けてこられたのはチームのおかげだと感じています。何かをチームで続けていくことのコツは「常に新しい人を入れていく」ということだと感じます。いつも同じメンバーだと何か困ったことが起きたときに視点転換が起きません。常に新しいメンバーを追加し、メンバーの出入りもよしとしながら、活性化していくことを心がけています。

もう一つは、「あまり理想を高くせず、楽しむ」ということでしょうか。どうしてもイベントごとは天候に左右されます。せっかく出展者に依頼し、準備をしてもらっても、当日雨が降って実行できないということも。でも、天気のことなんてしょうがないですよね。去年できたことが今年できなくてもいいし、常に成長し続けなければいけないということではありません。あまり背負い込まず、楽しむことを大事にしています。

「お掃除、挨拶、ありがとう」の教え

立志挑戦塾で得た学びの一つが塾長の天明茂先生からの「人間力を高めることが大事だ」という教えです。塾長からは「人間力を高めるのは『お掃除、挨拶、ありがとう』だよ、凡事徹底することだ」と教わりました。

その教えをもとに、私が2014年から仲間と始めたのは青森環状線でのゴミ拾いです。毎週月曜日の朝30分、皆でゴミを拾おうという活動を続けています。

ゴミ拾いを数年続けている中でとあるきっかけからルーマニア出身のミハイさんという方と知り合い、夏泊半島でのゴミ拾いも始めました。こちらは「BLUE PEACE AOMORI」と名付けた10名ほどのチームで活動しています。私たち10名の他、都度呼びかけて一般の方々にも参加いただき、定期的に夏泊半島のゴミ拾いをしています。今年は10回ほど開催しています。

やってみて気づくのは、ゴミ拾いって奥が深いんですよね。街のゴミが流れ着いて海のゴミになります。今は青森市内のゴミ拾いも海のゴミを減らすためにやっているという感覚です。ゴミ拾いは何歳になってもできるからいいなと思っています。年老いて、車の運転が出来なくなっても家の周りのゴミを拾えますからね。いくつになっても、ゴミ拾いを通じて人間力を高めていけます。

  • 小田切勇治さん04
    ゴミ拾い活動は人生を広げる。

すべての根源は「楽しい」から

いろいろな活動をしていると、人のつながりも増えて「こういうことを一緒にやらない?」と誘われることもあります。そんな時、私が大事にするのは楽しいと思えそうかどうか、感情が動くかどうかです。同じ思いの人が集まって、ひたすらゴミを拾いながら、他愛もない話をするだけで楽しいです。ゴミ拾いも、真面目にやりすぎると疲れちゃいますからね。それは参加する皆さんにもお伝えしていることでもあります。そして、やってみて楽しいと感じたら続ける、そうでなければ辞めればいいのです。

そうやって行動していくと、新しいことをやることに対する自分のハードルがどんどん下がっていきます。子どもって、どんな場所でも与えられた環境を楽しみながら遊びを作り出しますよね。そんな子どものように世の中を見ていけば、どこにいて何をしていても楽しいはずなんです。

人生なんて全部ネタだと思います。大変なこと、辛かったことも、全部ネタにして、そのネタを肴にして人と飲みながら話をして、また仲良くなる。それで十分です。

まずは一歩、自分から踏み出してみる

今はネットでもSNSでも色々な情報に触れやすい時代です。その中からまずは一つやってみるといいと思います。一つやってみると、そこからまたご縁が繋がっていきます。自分の外の世界とつながるきっかけはたくさんあるけれど、それを活かすかどうかは自分次第です。常に今、自分がどう感じているか、どんな気持ちなのかに立ち返ることを大事にしています。

この記事についてのお問い合わせ

若者定着還流促進課人づくりグループ
電話:017-734-9133  FAX:017-734-8027

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