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更新日付:2023年3月28日 文化財保護課
紙本著色弘前八幡宮祭礼図巻

紙本著色弘前八幡宮祭礼図巻
- 写真提供 弘前市教育委員会
指定区分 | 県重宝 |
名称及び員数 | しほんちゃくしょくひろさきはちまんぐうさいれいずかん 紙本著色弘前八幡宮祭礼図巻 5巻 |
所在地 | 弘前市大字下白銀町2番地1(弘前市立弘前図書館) |
所有者 | 弘前市 |
指定年月日 | 令和2年9月4日 |
公開状況 | 弘前市立図書館HPで公開、原本は非公開 |
問合せ先 | 弘前市立図書館 TEL0172-32-3754 |
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弘前八幡宮の祭礼の様子が描かれた全5巻からなる絵巻物で、藩のお抱え絵師今村家四代養淳(今村養淳惟慶)によって描かれたと伝えられている。
絵画の特徴として、巻一から巻四まではそれぞれ二、三町の山車行列を描き、巻五は神輿渡御の情景を描く。背景はすべて無地で観衆も表さない。人物と山車は通常の行列図巻などよりかなり大きめの余白をとって描いている。曳き手の衣装や傘、足ごしらえに至るまで詳しく表し、町ごとの衣装の相違にも配慮している。
また、輪郭線は濃淡ある墨線で、それを生かすように彩色を施し、肉身の立体感や衣装の質感などを巧みに表す。比較的短くアクセントの効いた調子の線描に絵師の個性が見られ、全巻を通じてほぼ緊張感を保っている。
絵画自体は完成度が高く、江戸時代後半の祭礼図巻として評価でき、県内に残る祭礼行事図巻としては最良、最長のもので、しっかりした描写と精密な情報から、絵画史、民俗学、近世史各方面から貴重な作例と言える。
祭礼の行列の編成を伝える資料には、「要記秘鑑」に寛政8年(1796)の例が詳細に記されているが、文字だけでは分かりにくい町印や山車の形状、行列の人物や衣装、持ち物が詳細に描かれ、祭礼全体の様子を伺える点でも貴重である。