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更新日付:2023年2月10日 文化財保護課
浜尻屋貝塚出土骨角器類
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浜尻屋貝塚出土骨角器類
- 写真提供 東通村教育委員会
指定区分 | 県重宝 |
名称及び員数 | はましりやかいづかしゅつどこっかくきるい
浜尻屋貝塚出土骨角器類 87点 |
所在地 | 下北郡東通村大字田屋字家ノ上29-2(東通村歴史民俗資料館) |
所有者 | 東通村 |
指定年月日 | 令和4年4月13日 |
公開状況 | 公開(不定休のため事前連絡が望ましい) |
問合せ先 | 東通村教育委員会教育総務課 TEL 0175-27-2111(代) |
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時期<中世(14世紀前半~15世紀末)>
浜尻屋貝塚(東通村尻屋字念佛間)出土
浜尻屋貝塚は、尻屋崎灯台の南約2kmに位置し、標高10mほどの海岸段丘に立地する。平成5年に東通村史編纂事業の一環として初めて発掘調査が行われ、平成12年から14年までは東通村教育委員会により遺跡の範囲確認調査が行われた。
調査により、貝塚・掘立柱建物跡・カマド状遺構・井戸・集石遺構などが検出され、多くの陶磁器・古銭・骨角器なども出土した。貝塚から出土した貝は、アワビが主体を占めていること、及び、出土遺物の年代から、14世紀前半から15世紀末のアワビなどの加工に関わる遺跡であると考えられている。平成18年に国の史跡に指定された。
離頭銛・中柄・骨鏃は、大型の魚類や海獣猟などに用いられたと考えられるものであり、北海道の中世アイヌ文化との関連性をうかがわせる。中柄・骨鏃には、金属加工具による加工痕が認められる未製品が多くみられ、これらが当遺跡で製作されていた可能性を示している。
一方で、カツオなど暖流系の回遊魚を対象としたと考えられる疑餌針の軸も出土しており、当遺跡では、このような系統を異にする骨角器の存在が認められる。
本県の中世の遺跡からは、骨角器類の出土例があまり多くないなかで、当遺跡では様々な種類のものがまとまって出土している。当時における他地域との交流や漁業の在り方を具体に示しうる、貴重な資料である。