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更新日付:2018年4月25日 自然保護課

不利益処分に関する処分基準(自然公園法)

不利益処分に関する処分基準

根拠法令の名称 根拠法令の条項 不利益処分の種類 処分権者
自然公園法 第33条第2項 国定公園普通地域内における措置命令等 知事(自然保護課)

処分基準

設定:平成30年4月25日
最終改定:

 自然公園法(昭和32年法律第161号。以下「法」という。)第33条第1項の届出を要する行為のうち、国定公園の普通地域の風景の保護上、大きな影響を与える可能性のある行為について、同条第2項の規定に基づき、その行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置を執るべき旨を命ずること(以下「措置命令等」という。)を行う場合の基準は、次のとおりとする。
 なお、本基準によるほか、本基準に掲げる行為であるかどうかにかかわらず、風景を保護するために必要であると認めるときは、措置命令等を行うことができるものとする。

1 鉄塔の新築、改築及び増築
 高さ30メートルを超える鉄塔は、周辺の広範な地域から極めて望見されやすいため、自然風景に大きな影響を与える場合がある。
 このため、次の全てに適合するかどうかについて審査し、風景を保護するために必要があると認められる場合は、措置命令等を行うものとする。ただし、学術研究その他公益上必要であり、かつ、届出に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することが困難と認められるものについては、この限りでない。
(1) 当該鉄塔が主要な展望地から展望する場合の著しい妨げにならないこと。
(2) 当該鉄塔が山稜線を分断する等重要な眺望の対象に著しい支障を及ぼすものでないこと。
(3) 当該鉄塔の色彩及び形態がその周辺の風景と著しく不調和でないこと。ただし、特殊な用途の鉄塔については、この限りでない。
 また、高さ30メートルを超える風力発電施設については、特にプロペラ式の風車を伴う場合、周辺の広範な地域から、極めて望見されやすく、又は注視されやすく、野生生物に影響を及ぼす可能性があるため、自然風景に大きな影響を与える場合がある。
 このため、次の全てに適合するかどうかについて審査し、風景を保護するために必要があると認められる場合は、措置命令等を行うものとする。
(1) 次の規定によること。ただし、学術研究その他公益上必要であり、かつ、届出に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することが困難と認められるものについては、この限りでない。
 イ 当該風力発電施設が主要な展望地から展望する場合の著しい妨げにならないものであること。
 ロ 当該風力発電施設が山稜線を分断する等重要な眺望の対象に著しい支障を及ぼすものでないこと。
(2) 当該風力発電施設の色彩及び形態がその周辺の風景と著しく不調和でないこと。
(3) 当該風力発電施設の撤去に関する計画が定められており、かつ、当該風力発電施設を撤去した後に跡地の整理を適切に行うこととされているものであること。
(4) 当該風力発電施設に係る土地の形状を変更する規模が必要最小限であると認められること。
(5) 野生動植物の生息又は生育上その他の風景の保護上重大な支障を及ぼすおそれがないものであること。
 また、発電事業終了後に放置されると、腐朽、破損等により、自然風景に大きな影響を与える可能性が他の工作物に比べ極めて高い。このため、発電事業終了後の撤去及びその跡地の整理について措置命令等を行うものとする。
 なお、上記の運用に当たっては、「国立・国定公園内における風力発電施設設置のあり方に関する基本的考え方」(平成16年2月環境省自然環境局)3(4)①エを参考とするものとする。

2 太陽光発電施設の新築、改築及び増築
 法第33条第1項の届出を要する規模の太陽光発電施設は、周辺の広範な地域から極めて望見されやすいため、自然風景に大きな影響を与える場合がある。
 このため、次の全てに適合するかどうかについて審査し、風景を保護するために必要があると認められる場合は、措置命令等を行うものとする。
(1) 次の規定によること。ただし、学術研究その他公益上必要であり、かつ、届出に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することが困難と認められるものについては、この限りでない。
 イ 当該太陽光発電施設が主要な展望地から展望する場合の著しい妨げにならないものであること。
 ロ 当該太陽光発電施設が山稜線を分断する等重要な眺望の対象に著しい支障を及ぼすものでないこと。
(2) 当該太陽光発電施設の色彩及び形態がその周辺の風景と著しく不調和でないこと。
(3) 当該太陽光発電施設の撤去に関する計画が定められており、かつ、当該太陽光発電施設を撤去した後に跡地の整理を適切に行うこととされているものであること。
(4) 当該太陽光発電施設に係る土地の形状を変更する規模が必要最小限であると認められること。
(5) 野生動植物の生息又は生育上その他の風景の保護上重大な支障を及ぼすおそれがないものであること。
(6) 当該太陽光発電施設の新築、改築及び増築による土砂及び汚濁水の流出のおそれがないこと。
(7) 植生の復元が困難な地域等(次に掲げる地域であって、その全部若しくは一部について文化財保護法(昭和25年法律第214号)第109条第1項の規定による史跡名勝天然記念物の指定若しくは同法第110条第1項の規定による史跡名勝天然記念物の仮指定がされていること又は学術調査の結果等により、特別保護地区又は第1種特別地域に準ずる取扱いが現に行われ、又は行われることが必要であると認められるものをいう。)内において行われるものでないこと。
 イ 高山帯、亜高山帯、風衝地、湿原等植生の復元が困難な地域
 ロ 野生動植物の生息地又は生育地として重要な地域
 ハ 地形若しくは地質が特異である地域又は特異な自然の現象が生じている地域
 ニ 優れた天然林又は学術的価値を有する人工林の地域
 また、法第33条第1項の届出を要する規模の太陽光発電施設は、発電事業終了後に放置されると、腐朽、破損等により、自然風景に大きな影響を与える可能性が他の工作物に比べ極めて高い。このため、発電事業終了後の撤去及びその跡地の整理について措置命令等を行うものとする。

3 水面の埋立て又は干拓
 水面の埋立て又は干拓(以下「埋立て等」という。)は、海岸部における自然風景の根幹である海岸線を改変する行為であり、自然風景に大きな影響を与える場合がある。
 このため、次の全てに適合するかどうかについて審査し、風景を保護するために必要があると認められる場合は、措置命令等を行うものとする。
(1) 次に掲げる場所のいずれかにおいて行われるものでないこと。ただし、学術研究その他公益上必要であり、かつ、届出に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することが困難と認められるものについては、この限りでない。
 イ リアス式海岸、砂浜等の優れた風景を有する自然海岸の地先水面
 ロ 藻場、干潟、浅海等の優れた風景を有する水面
 ハ イ及びロのほか、主要な展望地から見て、埋立て等により風景の保護上著しい支障が及ぼされると見込まれる水面
(2) 埋立て等の規模及び形状が適切であると認められるものであること。
(3) 埋立地又は干拓地において修景等が適切に行われる計画であること。
(4) 埋立て等の工事に伴う汚濁が周辺水域に拡散しない工法がとられていること。
(5) 廃棄物の埋立てによるものではないこと。

4 露天掘りによる鉱物の掘採又は土石の採取
 普通地域内において露天掘りにより行われる大規模な鉱物の掘採又は土石の採取は、風景の根幹である地形の改変を伴うことが多く、自然風景に大きな影響を与える場合がある。
 このため、眺望の対象に著しい支障を及ぼすかどうか、及び跡地の整理を適切に行うこととされているかどうかについて審査し、山稜線の著しい改変を伴う場合など風景を保護するために必要があると認められる場合は、措置命令等を行うものとする。ただし、次のいずれかに適合する場合については、この限りでない。
(1) 法第33条第1項の規定による届出をして、現に露天掘りによる鉱物の掘採又は土石の採取を行っている者がその掘採又は採取を行っている土地に隣接した土地において生業の維持のために行うもの((2)から(4)までの規定の適用を受けるものを除く。)にあっては、自然的、社会経済的条件に鑑み、掘採又は採取の期間及び規模が必要最小限であり、かつ、跡地の整理を適切に行うこととされていると認められるものであること。
(2) 河川に堆積した砂利を採取するものであって採取の場所が採取前の状態に復することが確実であると認められるものにあっては、当該採取が河川の水を汚濁する方法で行われるものでないこと。
(3) 既に鉱業権が設定されている区域内における鉱物の掘採にあっては、露天掘りでない方法によることが著しく困難と認められるものであること。
(4) 学術研究その他公益上必要であり、かつ、届出に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することが困難と認められるものであること。

5 土地の形状変更
 土地の形状変更のうち、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)に規定する廃棄物の最終処分場にあっては、廃棄物を埋め立てることに加え、大規模な土地の形状変更を伴うことが多く、自然風景に大きな影響を与える場合がある。
 このため、次のいずれかに適合する場合を除き、措置命令等を行うものとする。ただし、次のいずれかに適合する場合であっても、風景を保護するために必要があると認められるときは、措置命令等を行うものとする。
(1) 既に土石の採取等により地形が改変された土地に最終処分場を設置する場合であって、遮水シート等の工作物の設置がないとともに、最終処分場の設置により新たに風景に影響を与えることがなく、最終処分場の設置時及び設置後に行われる修景等の措置により、風景の保護上、従来より好ましい状態を生ずることとなるとき
(2) 当該国定公園の区域内で生ずる廃棄物を処理することが主たる目的の最終処分場であって、当該国定公園の普通地域外に設置することが、自然的、社会的その他の観点からみて著しく不合理な場合

根拠条文等

根拠法令

○自然公園法
(普通地域)
第33条 国立公園又は国定公園の区域のうち特別地域及び海域公園地区に含まれない区域(以下「普通地域」という。)内において、次に掲げる行為をしようとする者は、国立公園にあつては環境大臣に対し、国定公園にあつては都道府県知事に対し、環境省令で定めるところにより、行為の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他環境省令で定める事項を届け出なければならない。ただし、第1号、第3号、第5号及び第7号に掲げる行為で海域内において漁具の設置その他漁業を行うために必要とされるものをしようとする者は、この限りでない。

一 その規模が環境省令で定める基準を超える工作物を新築し、改築し、又は増築すること(改築又は増築後において、その規模が環境省令で定める基準を超えるものとなる場合における改築又は増築を含む。)。

二 特別地域内の河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。

三 広告物その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。

四 水面を埋め立て、又は干拓すること。

五 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること(海域内においては、海域公園地区の周辺1キロメートルの当該海域公園地区に接続する海域内においてする場合に限る。)。

六 土地の形状を変更すること。

七 海底の形状を変更すること(海域公園地区の周辺1キロメートルの当該海域公園地区に接続する海域内においてする場合に限る。)。

2 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風景を保護するために必要があると認めるときは、普通地域内において前項の規定により届出を要する行為をしようとする者又はした者に対して、その風景を保護するために必要な限度において、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

3 前項の処分は、第1項の届出をした者に対しては、その届出があつた日から起算して30日以内に限り、することができる。

4 環境大臣又は都道府県知事は、第1項の届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に第2項の処分をすることができない合理的な理由があるときは、その理由が存続する間、前項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、第1項の届出をした者に対し、その旨及び期間を延長する理由を通知しなければならない。

5 第1項の届出をした者は、その届出をした日から起算して30日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。

6 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風景の保護に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。

7 次の各号に掲げる行為については、第1項及び第2項の規定は、適用しない。

一 公園事業の執行として行う行為

二 認定生態系維持回復事業等として行う行為

三 第43条第1項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第1号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第2号又は第3号に掲げる事項に従つて行うもの

四 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、環境省令で定めるもの

五 国立公園、国定公園若しくは海域公園地区が指定され、又はその区域が拡張された際既に着手していた行為
六 非常災害のために必要な応急措置として行う行為

基準法令

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この記事についてのお問い合わせ

環境生活部 自然保護課 自然公園グループ
電話:017-734-9256  FAX:017-734-8072

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