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臨時会見/十和田湖における青森県十和田市及び秋田県小坂町の境界決定に係る合意について

会見日時:平成20年8月29日(金)19:00〜19:20
会見場所:八甲田ホテル2階イベントホール
会見者 :三村青森県知事 、寺田秋田県知事、中野渡十和田市長、川口小坂町長

○中野渡市長
 それでは、本日合意いたしました内容について発表いたします。
 まず、境界についてでありますが、平成15年12月3日に、旧青森県十和田湖町議会及び秋田県小坂町議会が開催した「十和田湖境界に関する特別委員会」の合同会議による合意内容に基づいて決定いたしました。
 陸地部分の境界については、南側は神田川河口とし、北側は「御鼻部山頂の基準点」と「桃の沢河口と87林班の東端の湖面に接する部分とを結ぶ湖岸線の中間地点」とを結ぶ直線とするものであります。
 湖面については、十和田市6割、小坂町4割の比率で分割し、中山半島は十和田市に属するものであります。
 両市町長は、具体的な境界線について、協議のうえ速やかに設定し、境界決定の手続きを両県知事に求めていくこととしております。
 そして、境界が決定することによって伴う措置についても合意いたしております。
 両市町長及び両県知事は、境界が決定することによって増額配分となる地方交付税に相応する額を、10年間は十和田湖の環境保全及び景観対策の推進等のために充てるものとし、そのために必要な協議、調整を行うこととしております。
 境界決定の効力の発生時期については、測量等による具体的な境界線の設定、議会の議決など、手続きが最速で行われた場合は、平成21年1月1日には可能かとも思いますが、平成21年4月1日までには効力が発生できるように進めていくこととしております。
 なお、本件境界に係る地方自治法に基づく決定の事務は、青森県知事が行うこととしております。
 合意内容は、以上のとおりであります。

○記者
 川口町長にお伺いしたいのですが、4年前にも全く同じ案で旧十和田湖町長さんと会談した経緯があるのですが、再度同じような案で合意することとなったいきさつを教えてください。

○川口町長
 十和田湖町さんといろいろ相談させていただき、結果的には不調に終わりました。
 二つの考えを主張させていただきました。一つは、これまでの歴史的な経緯等から、私は陸地部分については、林班界が境界であるということ、これについては意見に差がありました。二つめは、仮に合意した場合、十和田湖の環境対策、景観を含めて、これまで頂戴していなかった交付税を頂戴するわけですから、少なくともこれについては、十和田湖に投入すべきだという話をさせていただきました。これにつきましては、まず境界を決めるのが先、境界を決めてからの金のことをいうのは・・ということでした。
 今回、2点目についても、明確に今後10年間、交付税を十和田湖の環境対策、景観対策につぎ込むということで、これは当初からの私の考えでもありましたし、それを十和田市長さんが組み入れた
ということになります。
 最終的には、第1点目については、私の従来の考え方と違うわけですが、その2点目の合意点、それから、十和田湖をもっともっと洗練された世界に誇れるような観光地にするためには、環境保全、景観対策を含め、今が一番いいタイミングだと思って、政治的な苦渋の決断をさせていただきました。
 時あたかも、三村知事の御尽力で、2010年には東北新幹線が新青森駅まで来る、また、日本海沿岸東北自動車道も、寺田知事の御尽力で、新潟・小坂間の建設が順調に進展しており、その辺を総合的に判断すると、やはり今回は決断の時期であると判断したわけであります。
 もう一つ付け加えると、おそらくここ20〜30年の間で、十和田湖観光が一番冷え込んでいると思われます。4月の鳥インフルエンザ、5月以来のオイル価格の高騰、相次ぐ地震の影響等、最悪の状況と思っておりますので、今手を打たないと、十和田湖は大変な状況になるだろうと、そのような
ことを判断して、決断させていただきました。

○記者
 6対4ということですが、平成15年の特別委員会の際もそうですし、昭和38年に交付税をもらった時も6対4ということが出ているのですが、今回6対4で合意することとした根拠というか、皆さんの納得のしかたというのは何でしょうか。

○中野渡市長
 これまで、委員会を作ったりして協議をしてきたわけですが、前にも交付税を6対4の割合で交付していただいたということもあるわけでございます。私としては、これまでいろいろな過去の紆余曲折はあったと思いますが、これからどうするかということが我々に課されているのだ、特に十和田市におきましては、観光面でいろいろな事業を展開しております。そしてこれについても、隣の小坂町とともに手を携えてやっていかなければならない問題が山積しているわけです。やはり境界が確定することによって色々な責任分担が出てきますし、それなりにやりやすい面が出てくると思います。例えば、問題となっている白鳥の鳥インフルエンザの問題ですとか、内水面の関係ですとか、いろいろなことがございます。そういったことをお互いに一体となってこれから解決しなければならないということで、これまでも小坂町長さんとも何回となくお会いしてその意義を強調してきましたし、両知事さんにも御理解いただきまして、交付税をいただくということで、小坂町長さんも御理解いただいたのではないかと思っております。今まで誠心誠意話し合ってきましたその成果であると思っております。特にこれまで道を作ってくださいました旧十和田湖町の関係者の方には深く敬意を表したいと思っております。

○記者
 前回不調に終わった時と現在とで大きく違うのは、自治体の財政状況であると思うのですが、境界が決まることによって交付税が増額されるわけですが、これがなくても十和田湖を中心とした観光振興には取り組まなければならない中で、今回増額となる交付税額は決して小さくない額と思うのですが、新たな財源ができるということで今回の合意に至ったという面もあるのでしょうか。

○中野渡市長
 それも一つの要素になると思いますが、ただ私としてもびっくりしているのは、これまで両県知事さんが交付税を与えてくれたということは、本当に感謝申し上げたいと思っております。当初は少しでも多くいただこうということで、小坂町長さんとも話していたところですが、こんなに多いとは考えてもいなかったので、本当に感謝しています。

○川口町長
 町の財政は決して楽ではないですが、町の財政状況がきついから境界問題を早く決着して、町の厳しい財政状況に補填するために欲しいという考え方ではないです。その全額を十和田湖の環境保全、景観対策につぎ込むわけですから、今までももちろん可能な限りやってきていますが、それにプラスされるわけですから、そういう意味では、町の財政状況ももちろん大切ですが、十和田湖の環境保全、景観対策はもっと急務だということで理解していただきたいと思います。

○記者
 増額となる交付税額の全額を十和田湖の環境保全と景観対策の2点につぎ込むということでよろしいのでしょうか。

○中野渡市長
 そういう趣旨で決定をさせていただいております。

○記者
 今回環境保全、景観対策に地方交付税を、ということですが、具体的に4者でどのような事業を行っていくのか教えてください。

○中野渡市長
 これから考えるということにしております。

○記者
 十和田市さんで十和田湖に観光交流拠点施設建設を検討していると思うのですが、それについてもこれから考えるということでよろしいでしょうか。

○中野渡市長
 具体的にそれを建設するとか、これから課題として県とも協議しながら、何がいいのか、色々問題もありますので、それを踏まえて決めたいと思います。

○記者
 先程、秋田県知事さんから、6月15日が大きなきっかけになったというお話がありましたが、スタートは6月15日ということでよろしいのでしょうか。


○寺田知事
 心に刻んだきっかけとしては、鳥インフルエンザの件であり、やはりこの地域は一体となって小坂町長さんと十和田市長さんとで取り組んでいかなければならないという思いがあって、そのタイミングもあったわけですが、そろそろ決めましょうよということで青森県の知事さんにも話をしたということです。

○記者
 三村知事は今回の件についてどのように関わっていらっしゃったのですか。

○三村知事
 境界の問題というのは、ずっと歴史的にあるわけで、今後しかるべき時期にということでございますが、何よりも、今回寺田知事さんのお話しにもありましたし、小坂町長さんの熱い志がございまして、私としては、いい形で両者とも十和田湖を良い形にしていこう、さらにきれいで美しい湖を次の代に、世界的な観光地でございますし、残していこうという流れを川口町長さんが作ってくれたという思いはあります。

○記者
 確認ですが、資料に「地方自治法に基づく決定の事務は、青森県知事が行う」とありますが、スケジュールの中の10月に「両知事の協議で境界決定事務を管理する知事を決定」とあるのですが、これは三村知事が決定するということでよろしいのでしょうか。

○青森県市町村振興課長
 これは、この段階で、どの知事がやるかということを決定するということです。その時点で青森県知事が国への手続等の事務を行うということを決定するということです。

○記者
 今回最後まで協議を続けられた内容について教えていただきたいのですが。

○中野渡市長
 先程言いましたように、過去のことは過去のこととして、色々な十和田湖が抱えている問題が山積しているわけですから、これからどうすべきかということでお互いにいっしょにやっていきましょうということから合意に至ったという経緯があります。やはり、十和田市と小坂町が一体となって取り組んでいこうという誠意の現われということです。

○記者
 増額となる地方交付税額ということで資料をいただいているのですが、これの元となる面積はどうなるのか、それぞれ何平方キロメートルになるのか教えていただきたいのですが。

○青森県市町村振興課長
 十和田湖の面積が61.02平方キロメートルということで、これを6対4で按分した数値ということになります。


-以上-
(記録:市町村振興課)

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