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更新日付:2024年03月31日 農村整備課
農業用ため池に関する法律が施行されました
1 『農業用ため池の管理及び保全に関する法律』
制定の背景
平成30年7月豪雨など、近年、豪雨等により多くの農業用ため池が被災し、甚大な被害が発生しています。このため、農業用ため池の情報を適切に把握し、決壊による災害を防止することを目的に『農業用ため池の管理及び保全に関する法律(以下、「ため池管理保全法」という。)』が制定されました。
農業用ため池は、全国に約17万か所、そのうち青森県には約1,700か所あり、水田農業が盛んなわが国において重要なものとなっていますが、江戸時代以前に造られた施設も多く、老朽化が進んだり、権利関係も複雑化しています。
農業用ため池を巡る課題
・既存のデータベースや台帳などに記載されていても、既に使用されておらず荒廃している事例があったり、現地に到達できないため池が確認されていること
・所有者、管理者及び農業用水の利用者の責務が不明確になっていること
・所有者や利用者の世代交代が進んで権利関係が複雑化したり、離農や高齢化による維持管理が難しくなっているため池も増えていること
・都市化や作物転換で使われなくなったのに放置されているため池があったり、必要な工事が行えないため池があること
法律の対象となる農業用ため池
・農業用水の供給のための貯水施設で、堤体及び取水施設で構成される施設
(専ら治水や他用途に利用されているため池は農業用ため池に該当しません)
ため池管理保全法に基づく必要な手続き
(1)農業用ため池の届出【法律第4条】
①届出が必要なため池は?
⇒ 全ての農業用ため池が対象です。現在使用してない農業用ため池も届出が必要です。
⇒ 廃止または変更があった場合もその旨届出が必要です。
②届出先は?
⇒ 最寄りの地域県民局地域農林水産部水利防災課(下北は農村整備課)に提出してください。
③いつまでに?
⇒ 令和元年12月31日まで(ただし、官公庁は12月29日から年末年始休暇となります)
④誰が届出するの?
ア 既に設置されている農業用ため池の場合(令和元年7月1日以前からあるもの)
⇒ 所有者または管理者です。
イ 令和元年7月1日以降に新たに農業用ため池を設置した場合
⇒ 所有者
⑤届出の内容は?
⇒ 様式第1号(農業用ため池の届出)に次の事項を記入してください
ア 名称、所在地
イ 所有者の氏名または名称、住所、法人の場合はその代表者の氏名
ウ 管理者の氏名または名称、住所、法人の場合はその代表者の氏名
エ 管理の権原の種類、内容
・ 権原の種類…委任、賃借、共同(入会)、その他(事務管理など)
・ 管理の内容…利水管理、草刈、軽微な修繕など
オ 堤高、堤頂長、総貯水量
カ 添付資料
・ (所有者または管理者が法人である場合)法人の定款または寄付行為の写し
・ (管理者が法人でない団体※1である場合)団体の規約等
・ その他参考となるもの
※1 規約その他当該団体の組織及び運営に関する定めがない団体も想定されます。このような場合は、「個人」として届出を行うこととなりますが、この機会に地域で話し合い、規約等を作成して「団体」として届出することもできます。
【様式は次の添付ファイルをご利用ください】
様式第1号 届出[32KB]
様式第2号 変更届出[34KB]
様式第3号 廃止届出[34KB]
(2)データベースの公表【法律第4条】
届出の内容等を参考に、県はデータベースを整備し、各農業用ため池の名称や所在地などの情報を県のホームページで公表します。公表する内容は、次のとおりです。
ア 名称、所在地
イ 所有者等の名称(所有者等が自然人のときはその旨を記載)
ウ 堤高、堤頂長、総貯水量
エ 届出の年月日
オ 特定農業用ため池の指定の有無とその指定年月日
カ 防災重点ため池の選定の有無
青森県 ため池データベース(令和6年3月)[357KB]
(3)特定農業用ため池の指定【法律第7条】
決壊による水害その他の災害により周辺の区域に被害を及ぼすおそれがある農業用ため池を、県は市町村の意見を聴いたうえで「特定農業用ため池」に指定します。
本県では、次の農業用ため池を「特定農業用ため池」に指定しました。
青森県特定農業用ため池一覧(令和6年3月)[81KB]
「特定農業用ため池」に指定されることで、その農業用ため池の保全に影響を及ぼすおそれのある行為を行う場合は、知事の許可等が必要となります。
【許可が必要な行為】
ア 堤体の掘削、切土、盛土、竹木の植栽
イ 水底の掘削
ウ 護岸の形状の変更
エ 取水設備または洪水吐の変更または廃止
【許可が必要な行為に該当しないもの】
ア 土地改良法に基づく土地改良事業
イ 防災工事として行う場合
ウ 非常災害のため必要な応急措置
エ 修繕や堆積土砂のしゅんせつ等の管理に係る行為
オ 安全性の調査に係る行為(ボーリング調査等)
カ 河川法に基づく河川工事等(施行規則に定めのあるもの)
2 『防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法』
防災重点農業用ため池の決壊による水害その他の災害から国民の生命及び財産を保護するため、防災工事等基本指針の策定、防災重点農業用ため池の指定、防災工事等推進計画の策定及び国の財政上の措置等について定めることにより、防災重点農業用ため池に係る防災工事等の集中的かつ計画的な推進を図ることを目的に、『防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法(以下、「ため池工事特措法」という。)』が制定されました。
【概要】
ア 国による防災工事等の基本指針の策定
イ 都道府県による防災重点農業用ため池の指定
ウ 都道府県による防災工事等推進計画の策定
エ 国の防災工事等に対する財政上の措置、地方債への配慮
オ 防災重点農業用ため池が対象
カ 期間は、令和3年度から12年度までの10年間
防災重点農業用ため池に係る防災工事等(※)の集中的かつ計画的な推進を図るため、県は『防災工事等推進計画』を令和3年3月に策定しました。
本推進計画は状況を踏まえて更新する予定です。
※ 防災工事等とは、農業用ため池の決壊を防止するための工事(廃止工事を含む)、劣化状況評価及び地震・豪雨耐性評価のこと。
青森県防災重点農業用ため池に係る防災工事等推進計画(令和6年3月)[359KB]