青森県民有林における松くい虫及びナラ枯れ被害の状況と対策について

　青森県における松くい虫被害は、平成22年１月に蓬田村で初めて確認されました。以降、平成23年度、25年度には深浦町大間越地区、平成27年度には同町広戸・追良瀬地区、平成28年度には同町風合瀬地区、令和３年度には同町深浦地区で被害が確認されました。
　令和５年シーズン（令和５年７月～令和６年６月）の深浦町の被害状況は、広戸・追良瀬・深浦・大間越地区に加えて、新たに驫木、横磯、月屋、岩崎で被害が確認されました。
　また、平成30年度に県南地域で初めて被害が確認された南部町小向地区では、令和３年、令和４年に引き続き３年連続で被害が確認されませんでした。

　青森県におけるナラ枯れ被害は、深浦町大間越地区で平成22年度に初めて確認され、一旦終息したものの、平成28年度に同町で被害が再確認されて以降、年々拡大傾向にあり、令和２年シーズンには、新たに弘前市、西目屋村、五所川原市、つがる市、鯵ヶ沢町及び中泊町で被害が確認され、令和５年シーズンには、新たに青森市、平内町で被害が確認されたました。
　令和６年シーズンの10月末時点の被害状況は既存の被害発生市町村に加え、新たに今別町、外ヶ浜町、蓬田村、黒石市、大鰐町、鶴田町、板柳町、横浜町、むつ市、大間町、佐井村、東通村の12市町村で被害が確認され、県内20市町村で被害が確認されました。
　被害本数も10月末時点において、昨シーズンの24,619本の約2.5倍となる61,217本が確認されています。

　松くい虫被害やナラ枯れ被害が拡大すると、私たちの暮らしを守る森林の働きが失われ、農林水産業をはじめとする産業や経済のほか、本県が誇る自然景観や観光資源などに大きな影響を与えます。
　これらの被害は、マツノマダラカミキリやカシノナガキクイムシという媒介昆虫の移動に伴って被害が拡大することから、これらが付着した木材を移動させることや、生立木等の伐採・枝払い等の作業によって媒介昆虫を誘引する成分を揮発させる行為は、被害の更なる拡大につながるため、「青森県マツ類及びナラ類の伐採・移動・利用に関する留意事項（R6.4.2改定）」[215KB]の遵守をお願いいたします。
〇留意事項について（別ページ）
・　マツ類に係る留意事項位置図[836KB]
・　ナラ類に係る留意事項位置図[839KB]
　また、被害の拡大を未然に防ぐためには、葉が黄色に変色していたり、枯れたマツやナラの木を早い段階で取り除くことが重要です。自宅の庭木や街路樹、山林などで、枯れている、または枯れかかっているマツやナラを見かけたら、県庁林政課か最寄りの県民局地域農林水産部、または市町村までお知らせください。
　本県の豊かな森林を守るためにも、皆様のご協力をよろしくお願いします。