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更新日付:2026年10月8日 DX推進課

【紙の回覧板をスマホでも!八戸市高館地区の「AIを使った電子掲示板」で始まった、『みんなで作る』地域広報】

「うちの町内会、このままで大丈夫だろうか…?」

今、日本全国の地域コミュニティが静かに、けれど確実に危機に直面しています。
役員の高齢化や加入者の減少、若者離れ、薄れる地域のつながりといった悩みは、今や日本全国どこへ行っても聞こえてくる切実な声です。

「このままだばわがね」(南部弁:このままじゃダメだ)

この誰もが頭を悩ませる日本共通の課題に、「だったら自分たちが新しいモデルを作ろう!」と全国に先駆けて真っ向から挑んでいる街があります。青森県八戸市と高館地区の挑戦者たちです。

難しくとらわれがちなデジタルを「街をもっと楽しくする魔法の道具」として操り、日常の面倒をスッキリ解決。世代を超えて「街のいま」を楽しくシェアする彼らの先進的な取り組みは、日本の地域社会の未来を明るく照らすヒントに満ちています。

八戸市と高館地区が踏み出した、地方の希望となる熱い挑戦の物語をご紹介します。
  • ミニログトップ
  • ミニログトップ

プロジェクトを牽引するおふたり

取材へのご協力ありがとうございます!
  • 髙森次長

    「参加しやすい町内会」の促進を
    目標に活動の「見える化」をデジタル
    技術を使って簡単に発信する仕組みを
    企画立案した発起人。
    このプロジェクトの総監督。

    八戸市総合政策部次長兼市民連携推進課長
    髙森 大輔さん

  • 高館地区連合町内会

    八戸市連合町内会連絡協議会
    の中での一番の若頭。
    キュートな笑顔の中に燃え
    たぎる熱いハートを持った
    このプロジェクトのゲームキャプテン。

    高館地区連合町内会会長
    川上 敦史さん

「若い人が入らない、役員は高齢化」町内会のピンチ

――町内会は、どこも役員のなり手不足や高齢化で悩んでいますよね。八戸市でもかなり切実だったとか?

髙森次長:そうなんです。八戸市の町内会加入率は県内でも低めの約58%。「若い人が入ってくれない」「役員の高齢化で持続が難しい」という声が上がっていました。若い人に理由を聞くと、「何をやっているか見えない」「入ったら大変な役目を押し付けられそう」という不安が大きいとわかったんです。

――「見えない不安」ですか。たしかに、情報源が回覧板だけだと、具体的にどんな活動をしているか若い世代には伝わりにくいですね。

髙森次長:ええ。そこで「デジタルで町内会の活動を見える化しよう」と思い立ち、滋賀県のベンチャー企業である「しがとせかい」さんとタッグを組み、地域活動をブログ感覚で発信できるWebサイト『ミニログ』を導入しました。AIを使った電子掲示板としては全国で初めての取り組みです!運営については、連合町内会の会長さんで一番バイタリティがあると確信している川上会長に託しました。

【参考】八戸市は地域課題をデジタル技術を利用して解決、IT関連企業の参入機会の創出を目指す取り組み『Hachinohe X-tech Innovation(はちのへクロステックイノベーション、略してハチクロ)』を行っています。

https://urban-innovation-japan.com/city/hachinohe-city/


【ポイントその1】全国初導入:『ミニログ』とは
町内会活動のデジタル化と地域のつながりの強化、AIを使って情報発信の仕組みを簡単にすることを目的としたWebサイト。
『ミニログ』サイト上では、従来紙で町内会に回覧していた情報を簡単に構成して掲載することができます。AIを使って読みごたえのあるページを作れるため、住民の皆さんの地域への関心度を高められるのが特徴のひとつです。

主な特徴
・情報発信の「見える化」
・情報入手の容易さと地域への関心度の向上
・オンライン手続き
・簡単な運用

不安と想い:やっても効果はあるのだろうか?

2名写真
――最初、「町内会の情報や回覧板をデジタルに」という話を聞いてどう思われましたか?

川上会長:率直に言って「これ、いったい誰が見てくれるんだろう」と。でもせっかく受けた新しい取り組みなのだから、やるからにはたくさん訪問してもらいたい。見て楽しいサイトにする工夫、それと閲覧を促すという啓発活動にも力を入れていこうと考えました。
「後で見るよ」は「見てくれない」のと同じですから、その場で「今すぐ見て!」「感想聞かせて!」「誰かに教えて!」と町内のみんなに積極的にアプローチしました。

100文字メモを入れるだけ!?AIが地域広報のお助けマンに

――Webサイトを立ち上げても、記事を書く負担が大きくて更新が途絶えてしまうケースが多いですよね。そこはどう解決したんですか?

川上会長:それがね、最新の「AI」が助けてくれるんですよ。最初は「AIなんて冷たい無機質な文章になるんじゃないの?」と半信半疑だったんですが、使ってみてびっくり。イベント後に役員数人で「今日の出来事」や「感想」を100文字くらいのメモにして打ち込んで、写真を数枚選ぶだけ。あっという間に、まるで人が書いたような温かみのあるブログ記事が完成するんです。

――すごい。「専属の広報担当コンサル」が1人増えたような感覚ですね。

川上会長:まさにそう。「Aさんは行事の流れだけ」「Bさんは現場の様子」「Cさんは感想」と役割分担して短いメモを集めればいいので、みんなで楽しく参加できるんです。「みんなでやるプロジェクトだからみんなでやろうよ!」をコンセプトに、一緒に作っていくという雰囲気を常に保っていました。流しそうめん大会やミニバスで子どもたちが活動している記事を載せたら、親御さんたちがSNSで拡散してくれて、アクセス数が2,000件を超えたんです。やっぱり我が子が楽しそうにしていたり、頑張っている姿は、親御さんにとって一番見たいものですからね。

  • 100文字原稿
    ステップ1:100文字程度の文書作成
  • 写真選択
    ステップ2:写真の選択
  • 生成後
    完成:AIで作成された記事

【ポイントその2】『ミニログ』流ラクなポイント・アプリ不要のWebサイト:
URLをタップするだけで見られる
「暗証番号を忘れてダウンロードできない」「怪しいアプリは怖い」という高齢者にも安心
・AIが自動で記事作成:
100文字程度のつぶやきと写真を送るだけで、読みごたえ抜群の温かみある記事に変換
・地域の若者を惹きつける:
子どもたちの活動や地域の楽しそうな雰囲気が写真で一目で伝わる
・情報はすぐその場で作って公開可能の簡単さ

一気にペーパーレス化は無理!「重ね着」から始めるリアルDX

川上会長2
――でも、中には年配の方など、「パソコンやスマホなんて使えないよ」という方もいますよね。紙の回覧板を全部やめたのでしょうか。

川上会長:そこが大事なところで、急に紙を全部なくしてデジタルにすると混乱します。だから今は「紙も残しつつ、デジタルもやる」という“重ね着”の時期なんです。紙とデジタル、両方をやるので現在の作業はどうしても増えてしまいます。でも、10年・15年後の未来を見据えたら、今から種をまいておくことが絶対に必要なんです。

――「誰一人取り残さないための地道な移行」ですね。実際に、何か変化は感じますか?

川上会長:町内会の総会で、紙配布ではなくスクリーン投影にしたことで印刷部数が激減しました。また、最近引っ越してきた20代のご夫婦が「デジタル回覧板があるから、こちらの町内会に入りたい」と相談してくれたんです。自分たちから検索して見つけてくれた。地道な努力が報われた瞬間でしたね。

広がる未来:町内会から市役所の働き方、そして防災まで変えていく

2名写真1
――最初は町内会の小さな取り組みだったのが、市役所側の意識まで変え始めていると聞きました。

髙森次長:はい。これまで、市から町内会へのお知らせは「紙」で提供していましたが、『ミニログ』に載せるために「PDF等のデータで提供する」というルールに変わりました。さらに今後は、地域の安否確認(防災)やデジタル決済、地域限定のおすすめ情報発信など、地域ごとに欲しい機能をボタン一つで追加できる機能の搭載も考えています。『ミニログ』はこれからどんどん進化していきます。

――最後に、『ミニログ』のアピールポイントをお聞かせください。

髙森次長:『ミニログ』という仕組みは、使うことによってコミュニティが少しずつ活性化し、そこからつながる先(例えば町内会と町内会、町内会と市役所、そしてその先)の仕組みにさえ変化をもたらす可能性を秘めています。機能についても、例えば防災関連だと「共助」(共に助け合う)を『ミニログ』で活用出来るのでは?と更なる可能性を見出していきたいです。実証実験先として今年度は更に3地区で運用検証を行います。そしてこの取り組みが、全国各地にも広がって欲しいです。
(江陽地区、多賀地区、大館地区が9月下旬に公開予されました)

江陽地区はこちら→「こうようミニログ」

多賀地区はこちら→「たがミニログ」

大館地区はこちら→「おおだてミニログ」

川上会長:SNSのインフルエンサーも、実は陰で地道なアプローチと見えない努力をしているからこその認知度だと思ってます。高館地区の『ミニログ』も、町民、市民、県民、そして全国の人たちに知ってもらえるようになればなと。でもまずは楽しむこと。私たちが楽しくなければ伝わらない、この熱い想いを全国にお届けし、新しい地域広報のパイオニアになるために、これからも努力して取り組みを続けていこうと思います。いつか日曜夜の某ドキュメンタリー番組にも出演したいと狙っています(笑)。

コラムのまとめ:DXとは「みんなで街を楽しむ魔法の道具」

DXといっても、決して難しく考える必要はありません。大切なのは、身近な困りごとを最新の技術で「楽しく」解決してみること。
『ミニログ』は、単なる便利な電子回覧板にとどまらず、多世代のコミュニケーションを生み出し、「みんなで街を楽しむ魔法の道具」として活躍しています。
デジタル技術を使っているのに、人と人とのつながりが深まり、どこか温かみがある。八戸市高館地区の取り組みは、その意味で“ほっこりDX”と言えるものではないでしょうか。
地域の笑顔を増やしてくれる八戸発の『ミニログ』を、あなたの街でも試してみませんか?

編集後記:


ほたて
八戸市が全国に先駆けてスタートした『ミニログ』。地域活性化だけでなく組織変革まで起こせるんだという熱い想いを語っていただいた髙森次長と川上会長。地道な取り組みや想いはいつか必ず大輪の花が咲くんだろうなぁとワクワクします。

川上会長が「某番組」に出演できたあかつきには、お隣であのテーマ曲のバイオリンを弾かせていただこうと思います(弾けんけど…笑)(ピ)

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DX推進課 暮らし・行政DXグループ
電話:017-734-9163  FAX:

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