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更新日付:2020月5月18日 地域生活文化課
青森プロボノプロジェクト(2019取組状況報告)
←画像をクリックすると「認定NPO法人サービスグラント」のホームページ(青森プロボノチャレンジ)へジャンプします。
プロジェクト第1弾 プロボノ促進トップセミナー
内容
日本におけるプロボノの第一人者である嵯峨生馬氏と、青森市在住でIT企業に勤務しながらプロボノ実践団体の代表を務める米田剛氏を講師としてお招きし、企業等がプロボノに取り組む意義などについて皆様と考える「プロボノ促進セミナー」を6月14日に八戸市(八戸ポータルミュージアムはっち)で開催しました。
セミナーには、企業経営者やNPO関係者、自治体職員など約40名の皆様に参加いただき、「プロボノ」に関する実践的な内容を聴講していただきました。
【開催日時】
2019年6月14日(金) 13時30分~15時30分
【開催場所】
八戸ポータルミュージアムはっち 1階 シアター1
(八戸市三日町11-1)
【入場料】
無料
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第1部
13時30分~14時15分 講演
「これからの社会におけるプロボノの可能性とは~青森プロボノチャレンジ成果報告を交えて~」
【講師】認定特定非営利活動法人サービスグラント 代表理事 嵯峨 生馬(さが いくま) 氏
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第2部
14時15分~15時30分 トークセッション
「社会貢献とビジネスが両立するプロボノ成功事例のポイントを探る」
【語り手】特定非営利活動法人地域情報化モデル研究会 代表理事 米田 剛(まいた つよし) 氏
【聞き手】認定特定非営利活動法人サービスグラント 代表理事 嵯峨 生馬(さが いくま) 氏
講師紹介
シンクタンク研究員を経て、2005年、仕事の経験・スキルを活かしたボランティア活動「プロボノ」により、NPOの基盤強化を支援するサービスグラントの活動を開始。以来、5,000人を超える社会人の登録を集め、720件以上のプロジェクトを実施。著書に『プロボノ』(勁草書房)。
総務省地域情報化アドバイザー、内閣官房オープンデータ伝道師。
青森市在住。IT企業に勤務しながら、2007年よりプロボノ活動団体 NPO法人地域情報化モデル研究会を設立し、官民の有志ととも地域活性化 に向けたICT利活用の知見の無償支援活動を実施。プロボノ活動から生まれた青森県の観光クラウドモデルは、国内50地域、海外13カ国へ展開されるなど地域貢献と新ビジネス創造の好循環事例。
第1部 講演
〈 プロボノについて 〉
・プロボノということばは、「専門的なスキルをボランティアとして提供し、社会課題の解決に成果をもたらすことを意味します」と書いていますが、ボランティアというと、一般的には清掃活動とかイベントのお手伝いなど作業的なものをイメージすると思いますが、プロボノの場合はちょっと違います。専門的なスキル・経験を活かすというのが特徴です。
・よく、プロボノの「プロ」っていうのは、「プロフェッショナル」という意味なんじゃないか、といわれて、その誤解が参加の敷居を上げてしまうのですが、その語源はラテン語です。「プロ」は、英語で言うと“For”、「~のために」で、「ボノ」は“Good”、つまり、「プロボノ」というのは、”For Good”、善いことのために、という意味なんですね。だから、何もプロフェッショナルでなければならないということはないんです。皆様がお持ちのスキルや経験を、善いことのために活かしましょう、という意味合いです。
・プロボノなんて、よっぽど意識が高い人達なのかと思ってしまうかもしれませんが、実際はそんなに特段すごい人達ばかりというわけではなく、普通の方々が多いのです。プロボノワーカーの約半数は、これまでボランティアをやったことがない方達なのです。ですから、やったことないからだめなんじゃないか、ということはないんです。
・また、関わる人に働き盛りの人が多い、というのもプロボノの特徴です。社会人経験1~5年、特に6~10年、30歳前後の方々が中心的な参加者になっています。決して、皆が皆、仕事一辺倒ということはなくて、何か地域に関わりたいとか、御自分のスキルを活かして社会の役に立ちたいと思っているのだと思います。特に最近は、若い人ほどそういうふうに思う方が多いのかなと思います。
〈 プロボノプロジェクトの特徴 〉
・プロボノには多種多様な職種の方が参加していて、また、年代も幅広いので、多様性のある人達が集まって取り組んでいくところがプロボノの面白さだと思います。
・サービスグラントでは、98%以上の支援先の団体に、「プロボノの支援を受けてよかった」と御満足いただいています。たとえば、ホームページのアクセスが増えたとか、会員が増えたとか、企業と連携ができたなどがあります。
・一方、関わるプロボノの方々はどうかというと、こちらも98%の方々が「参加して良かった」と回答しており、8割以上の方が「また参加したい」と回答しています。「参加をして自分の視野が広がった」、「人間的な成長につながった」と言う方が非常に多いです。また、「仕事に活かせる有意義な経験を得ることができた」、「仕事の進め方、時間の使い方などが変わった」という意見が多いんです。やはり普段と違う環境で仕事(プロボノ)をしてみると、違う見方・スキルが身に付けられて、仕事(本業)に持ち帰ることができるというようなことも報告されています。
〈 ボランティアへの参加について 〉
・ボランティアに感心のある人の割合は、内閣府の統計で、59.6%、6割くらいと出ているんですが、実際参加したかという割合は、23.3%と出ています。
・では、このギャップはどういうことかといいますと、ボランティアに参加しない理由の第1位は、「いったん始めるといい加減なことはできない」ということなんです。
・ボランティア活動への気軽な参加を呼びかけるのであれば、「いつでもやめられる」というような出口を明確にしておいたほうが、かえってその人が長続きするということがあります。
〈 サービスグラントのベストプラクティス 〉
・サービスグラントでは、プロボノに参加していくために、3つのポイントを決めて行っています。
・1つめは、「具体的なゴールを決める」。団体の要望について、「この部分をお願いしたい」というふうに、ゴールを明確にすることで、関わりやすくします。
・2つめは、「時間と期間を決める」。
ある程度時間と期間を明確にすることで、働いている人が参加しやすくします。たとえば、青森プロボノチャレンジは2ヵ月程度のプロジェクトで、週3~5時間程度の活動と見込んでいます。そうすると、「そうか、週に3~5時間くらいであったら、まあ平日夜にメールチェックして、土日時間のあるときに関わればいいのかな」というふうに、少し計算が立つわけです。
・3つめは、「チームを組んで多様性のある中で進めていく」ということ。
それぞれ得意なことを活かしあってプロジェクトを進めていくというようにすると、お互いやりがいもあり、なおかつ、チームとして時間を持ち寄って1つのまとまったことができます。
〈 青森プロボノチャレンジ2018参加者・団体の声 〉
・参加者22人のうち、男性・女性の割合はほぼ半々で、年代も20代から50代までバランスよく参加していただきました。
・参加した方のほとんどが、参加経験に良い印象を抱いていただきました。
・約8割くらいの方から、「自身の視野が広がったり、人間的成長につながった」、「人脈やネットワークが広がった」、「ボランティア活動に関する興味関心が高まった」という回答が多くありました。
・それから、仕事については、「今の仕事に活かせる有意義な経験を得ることができた」「自分の専門性やスキルを再認識することができた」といった回答が約8割ほどありました。
・それから、団体内部の意識としては、「活動内容の改善点が明確になった」、「内部関係者間で意識共有ができた」、「業務効率化ができた」という声を多くいただいております。
〈 最後に 〉
・企業人、団体、行政などいろいろな人達が、プロボノとして1つになってプロジェクトに関わるというのは、県民総参加で地域の課題を解決していくうえで、可能性の一つとしてあるんじゃないかと思います。今年も、県南・下北のエリアで、このプロボノチャレンジを実施して、そこからまた新しい事業を生み出していきながら、青森県型の地域共生社会というものを作っていただけたらと考えています。
第2部 トークセッション
(嵯峨氏)
米田さんは少なくとも4つ、あるいはもっとそれ以上のいろいろなところの肩書をもっていらっしゃるということなんですけれども、もともとそういう人だったんでしょうか。
(米田氏)
青森市出身なので、青森らしく、素朴なというか、寡黙なほうでした。決してリーダーシップがあるとか、イノベーティブだとか、チャレンジャーなどではない、目立たない社員でした。
(嵯峨氏)
そんな、素朴で寡黙なイノベーティブではない米田さんに、何が起こったんでしょうか。
(米田氏)
・NPO法人を約10年前に作って、そこで人格が変わりました。青森で地域のSNSを作ったんですが、これが今の会社とはちょっと合わないということで、社長に「それをやるためには会社の枠組ではできないから、NPOを作ってそこでやらせてほしい」と話したら、即決でOKしてくれて、軍資金も出してくれました。そのお陰で、NPOを始めたというのが始まりです。
・稼ぎですとかはやっぱり本業の方で、逆に、お金を遣わなくてできることで社会の地縁を使わないといけないようなことはNPOの方でやりましょうということにしました。
・社会共創するための活動をしながら、その後観光クラウドというものを始めて、今はオープン・データを始めています。これは、収益事業0円なんですけれども、知恵と人のネットワークと善意、この3つを資本にしている活動です。
(嵯峨氏)
米田さんから見て、今の仕事とか働き方について、感じることというのはありますか。
(米田氏)
働く幸せ感というのは、今の日本で共通課題じゃないでしょうか。日本人の幸福感というのは、世界で54位らしいんですよ。その一方、仕事のストレス感は58.3%もあって、仕事でのわくわく感を感じるのが1日に1回以上あるかという質問では5%未満という結果が出ています。これは、世界各国の中で圧倒的に低い数字です。
(嵯峨氏)
仕事でのわくわく感を感じるのが1日に1回以上ある人が、5%未満ですか!
(米田氏)
その原因は何かっていうと、仕事だけでなく生活においても、自分の裁量で物事を決められるっていう部分が限られているっていうのが1つ、自分が解放されていないっていうのがあります。
(嵯峨氏)
こういうところに見えてくるんですね。これに対して、プロボノはやはり違うというふうに、米田さんとしては思っていらっしゃると。
(米田氏)
プロボノが会社の枠をちょっと外れたところにあると、自分らしい働き方というか、人に感謝されたりとか、お互い一緒にやろうというものがあったりとか、それでまたそこでネットワークが広がっていったりだとかいうことがあるんじゃないかと思います。自分らしさが簡単に見つかるところがプロボノだと思います。
プロボノはわくわくしちゃうんですが、いろんな効能は、長く緩やかにやっていく中で生まれてくるものだと思うんで、長くやるっていうことは、本業もしっかりやって会社との信頼関係を維持しながら、会社とも連動しながら関わり方を模索していくっていうのが、やっぱりコツなんじゃないかなと思います。
(嵯峨氏)
ちなみに、米田さんがされている努力っていうのは、社会でいろいろ活動するということと、本業と結びつけるための努力というのは、どんなことをされてらっしゃるのでしょうか。
(米田氏)
たとえば、官民連携とか、市民協働とか、一人ではできないですから、連携しないとマーケットまで届かない。じゃあ、ここにノウハウがあるのかっていうと、企業の中だけで育っているとノウハウがないですが、プロボノやりながら社会というものを自分で肌体験として感じていると、ネットワークやどうすればいいかがわかってくるんじゃないかと。
(米田氏)
私は、Code for Aomoriという形で昨年団体を作りまして、そのメッセージは、“ICT人材を社会に解放するプロボノ・ネットワーク”というものです。クリエイティブな環境で仲間で知恵を出し合うというものなんです。企業に対しては、お金ではなく、勤務時間中であることもあるので「社員をプロボノに出してください」というお願いをしているだけなんですね。
(嵯峨氏)
企業側では、社員を送り出す正当性のようなものを求めそうですが、米田さんは企業をどう説得しているんですか?
(米田氏)
突き詰めていうと、やはり企業の目的というのは、クリエイティブ・クラスっていう人材をどう作るのかということに尽きるのかなと思うんですよね。クリエイティブ・クラスっていうのは、“創造できる社員”ということです。
社員を社会に解放して社会のネットワークを組むことによって、やりがいとか仲間とかわくわく感が生まれてきて、そこで自信が生まれてきたりとか、もちろん感謝も生まれてくる。感謝というのは、人類にとって一番いいエネルギーですからね。
そうすることで、垣根を越えることのできる人材「越境人材」が生まれると思います。それがクリエイティブ・クラスの一番の前提条件だと思うんですが、社員教育として、非常にローコストで、リスクがなく、できる方法じゃないのかなと私は思っています。
(嵯峨氏)
三方よしのプロボノ活動モデルということですが。
(米田氏)
続けていくためには、自分だけでも会社だけでもダメで、皆が良くないと続かないんです。整理すると、企業としては人材育成の部分でプロボノにメリットがありますし、従業員を社会に解放すると、従業員には創造性や見識が拡大されて新しい働く喜びがあって、それが支援した地域のNPO等に対しては地域の課題解決になります。このスパイラルがうまくいくと、成功すると思います。
〈 質疑 〉
質問)
2ヶ月間のスケジュールが見えず、不安である。支援先団体とプロボノは何回会うのか。
回答)
大きな流れでは、プロボノだけのオリエンテーション、次に団体との顔合わせになるキックオフ・ミーティング、そこから各チームで活動が始まり、公式のミーティングは3~4回という感じです。場合によっては、ヒアリングなどで出向く事があります。お仕事に影響のないようにプログラムを組んでいますので、無理せず御参加いただければと思います。
質問)
プロボノは専門的スキルを提供する仕組みであるということは理解できましたが、その上で、どういうふうにそのスキルを伝えればいいのか。
回答)
スキルを登録していただき、事務局でNPO団体とマッチングします。
質問)
営業系の人は向いているんでしょうか。
回答)
コミニュケーション力があって、クライアント、つまりNPOのニーズがどういうところにあるのかを把握して、それに対して提案できるというのが営業の方だと思いますので、いろいろなプロジェクトで力を発揮できると思います。
プロジェクト第2弾 青森プロボノチャレンジ
事前オリエンテーション・キックオフミーティング
8月30日(金)、31日(土)の2日間、青森市及び八戸市において、いよいよ青森プロボノチャレンジ2019が始動しました!
まずは、プロボノワーカー(プロボノとして活動する参加者)への事前オリエンテーション、その後、支援先の団体の代表者との初顔合わせとヒアリングとしてキックオフミーティングを行いました。
★各プロボノチームの進捗状況はこちらのページからご覧いただけます★
青森プロボノチャレンジ2019進捗状況[運営委託先(NPO法人サービスグラントHP)へジャンプ]
青森会場(8月30日)
青森市・アピオあおもりで、2つのチームがそれぞれ最初の顔合わせを行いました。
(1)婆娑羅凡人舎チーム
◆事前オリエンテーション
【支援先団体】
NPO法人婆娑羅凡人舎(青森市)
【活動概要】
ふるさと青森市浪岡の歴史・文化を子どもたちに伝え、ふるさとの魅力を感じてもらえるよう地域イベントを実施
【支援内容】
イベント案内のためホームページ作成
プロボノチャレンジの進め方などについて説明を受けます。
活動していく上で、注意すべき点などについても触れました。
この他、支援する団体についても説明がありました。
◆キックオフミーティング
事前オリエンテーションの後は、団体の代表者も加えて、最初の顔合わせ。
団体の方々も含めて自己紹介を行い、団体の方々は抱えている課題と支援してほしい内容について説明しました。
ご夫婦で参加してくださって、初めてのパパボノさんが参加!
パパボノさんがリーダーとなって進めることになりました。
泣き出しても、みんな温かい目でみつつ、ヒアリングは結構細かいところまでつっこんで行っていました。
(お子さんについては託児も行っていたので、打合せは特に支障なく進みました。)
プロボノはみなニックネームで呼び合うため、みなさん既にすっかり打ち解けて、これからの活動がたのしみになってきました。
このチームについての進捗状況については、こちらをご覧ください。→婆娑羅凡人舎チーム
(2)コミュサーあおもりチーム
◆事前オリエンテーション
【支援先団体】
NPO法人コミュサーあおもり(青森市)
【活動概要】
青森県初のフリースクール運営事業(ほか、婚活事業)
【支援内容】
生徒募集のためのフリースクール説明資料(営業資料)
皆さん、お仕事が終わった後の集合でしたが、昨年度チャレンジに参加された方もいて、とても熱心に打合せされていました。
◆キックオフミーティング
事前オリエンテーションの後は、団体の代表者も加えて、最初の顔合わせ。
団体の方々も含めて自己紹介を行い、団体の方々は抱えている課題と支援してほしい内容について説明しました。
自立・安定・継続した運営のため、もっとこの事業について広く知っていただく必要があるので、そのための資料作成をプロボノに依頼されました。
このチームについての進捗状況については、こちらをご覧ください。→コミュサーあおもりチーム
八戸会場(8月31日)
2日目の八戸市では、3つのチームが立ち上がり、初めて顔合わせしました。
また、この日もみなニックネームをそれぞれつけて呼び合い、どこのチームも打ち解けてさっそく詳細な打合せをしていました。
(3)はちのへ女性まちづくり塾生の会チーム
◆事前オリエンテーション
【支援先団体】
はちのへ女性まちづくり塾生の会(八戸市)
【活動概要】
「シニアがいきいき活動できる会」を目指して、高齢者向け出前消費者講座やシニアの居場所づくり事業を実施
【支援内容】
出前消費者講座見直しのためのアンケート調査
リーダーが明るく積極的な方で、良い雰囲気でした!
出席できなかったメンバーも、オンラインでつないでコミュニケーションを図ることができました。
(4)循環型社会創造ネットワーク(CROSS)チーム
◆事前オリエンテーション
【支援先団体】
NPO法人循環型社会創造ネットワーク(CROSS)(八戸市)
【活動概要】
温室効果ガス削減のためのエネルギー消費効率改善のためのコンサルティング、環境出前講座などの実施
【支援内容】
事業運営の方針作りのための課題整理
なんと、同じ会社の仲間で御応募いただきました!
業務アウトソーシング等に係るコンサルティング企業の方々で、チームとしてのまとまりやスキル・経験が期待できます!
(5)「親の時間」あおもりチーム
◆事前オリエンテーション
【支援先団体】
「親の時間」あおもり(八戸市)
【活動概要】
親同士が悩みなど気持ちを共有し助け合える時間を提供
【支援内容】
チラシの作成
チーム員数が最も多いチームですが、リーダーがしっかり調整して、プロジェクトを円滑に進めるための役割分担や連絡方法等について細かく確認していました。ランチタイムもミーティングにあてて、お互いの意見交換を積極的に行っていました。
◆キックオフミーティング
事前オリエンテーションの後は、団体の代表者も交えて各チーム最初の打合せに入りました。
午後は1名減ってしまったものの、団体が成果物をどう活用していくか、その目的や意図について、チーム員・団体スタッフとみんなで確認しました。
具体的なスケジュールや調査方法などについても打合せが進み、受援団体・プロボノともに一緒にいいものを作っていこうという気持ちが共有できたかと思います。
このチームの進捗状況はこちらのページ→ はちのへ女性まちづくり塾生の会チーム
団体と顔合わせて間もなく課題整理にすぐ入り、細かく打ち合わせされていました。
ステークホルダーが多く、ヒアリング先の調整もなかなか大変そうですが、受援団体側も積極的に情報提供し、お互い課題整理のためポイントを確認していました。
このチームの進捗状況はこちらのページ→ CROSSチーム
直接団体にヒアリングを行うと、事前情報や想像していたイメージとのギャップがあり、直接対面での打合せの大切さを感じました。こちらも団体側で出席できなかったメンバーがオンラインミーティングに加わり、活発な意見が交わされました。
プロボノも団体スタッフも、青森在住者がいるため、ヒアリングや現場確認などについて、今後2市で日程調整を行う予定です。
このチームについての進捗状況については、こちらをご覧ください。→「親の時間」あおもりチーム
成果提案ミーティング・成果報告会
キックオフ後、9月から10月下旬にかけて、各プロボノチームは関係者へのヒアリング、活動場所の見学、チーム員同士の打合せなどの活動を行い、10月25日(金)、26日(土)の2日間、青森市及び八戸市において、成果提案ミーティング、成果報告会を実施しました。
成果提案ミーティング
(1)NPO法人循環型社会創造ネットワーク(CROSS)チーム
関係者を対象に、アンケート調査やヒアリングを行い、CROSSの会員になったきっかけや現在の活動について、それぞれの考えを聞きました。
このチームは、トゥルージオ(株)という企業から仲間で参加してくださった企業プロボノチーム。
マーケティングやコンサルタントの知識と経験を活かし、団体ではなかなか聞きにくい関係者へのヒアリングも行い、資料にまとめてくださいました。
結果を踏まえて、アクションプランでは団体の課題が洗い出され、危機感をきちんと持って会員内で共有しようということとなりました。
(2)「親の時間」あおもりチーム
「団体の名刺代わりになるようなリーフレット」という要望で、団体のオーダーに応えた案と、外部の目線で提案したプロボノ案の2案を提案しました。
ぎりぎりまで納得いく内容になるよう作業を行ったため、なんと当日プリンターまで持参して作業してくださいました!
結果は、それぞれの良いところを取り入れた折衷案となり、適宜修正して納品することとなりました。
(3)コミュサーあおもりチーム
事前に実施した中間提案ミーティングを踏まえて、営業用の総括的なリーフレットだけでなく、「子ども用」「保護者用」「支援者用」と、ターゲットごとにもチラシを作成した方が良いということになり、4つの印刷物の提案を行いました。
このチームは、全チームの中でも最少の3人だったため、それぞれにかかる負担も大きかったものと思われますが、こまめにLINEで打合せを行ったりミーティングを行うなど、チームワークよく進められました!
アクションプランでは、「成果品であるリーフレットをどう届けるか」アイディアをそれぞれ出し合いました。
積極的な議論が行われ、更によりよいものを目指して修正することとなりました。
(4)NPO法人婆娑羅凡人舎チーム
制作したのは、イベント案内のためのランディングページ。
誰でも使いやすい仕様とし、マニュアルも作成。団体側が実際に今後手を入れながら自由にカスタマイズできるような心配りもありました。
おつかれさまでした。
(5)はちのへ女性まちづくり塾生の会チーム
団体が実施してきた消費者出前講座の改善のための調査を依頼されたチーム。当初予定していたアンケート調査終了後、その結果報告に留まらず、講座を継続して実施していくために最適な価格設定を提案することとなりました。
アクションプランでは、プロボノチームとしては依頼主側に立った料金設定を考えましたが、団体側の実施のしやすさも踏まえて、ぎりぎりまで協議を重ねました。
成果報告会
こちらはキックオフミーティングも行った八戸市総合福祉会館の大会議室で、八戸チームが集合しました。
(1)NPO法人循環型社会創造ネットワーク(CROSS)チーム
団体は、整理されたこの報告書を団体内で共有し、業務改善に向けて取り組んでいくこととしました。
「コンサルの手法でアンケート等を実施していただき、課題が整理されたのが良かった。」
「経営方針の課題にきちんと目を向けられていなかったので、今回整理されたもので各役員にさっそく説明して回りたい。」
「NPO法人は、手続き的な相談は行政などにできるが、経営的な相談ができるところがあまりないので、このようなプロボノの取組はありがたかった。」
「今後、これを活かして、内部のコミュニケーション向上、外部への情報発信などに活かしたい。」
というコメントがありました。
(2)「親の時間」あおもりチーム
団体との打合せや、関係者へのヒアリング、団体が実施している体験クラスを実際に体験し、成果目標の設定と成果物の確認を行いました。めざすべき成果物を「団体の名刺代わりとなるリーフレット」に設定し、制作の際心がけたポイントを説明し、そこを入口にしてフェイスブックや動画配信などにつなげる情報発信を提案しました。
「チームの方自ら体験してくださり、団体の活動の意義についても理解してくださって、うれしかった。」
「動画配信など、我々だけでは浮かばなかったようなアイディアもいただいた。」
「チームの方々が一貫して何度も強調されていたのは、“受け取る側の立場”ということ。私たちは、“渡す側の立場”になってしまい、実施する側の立場でしかものを考えられていなかったので、勉強になった。」
というコメントがありました。
(3)コミュサーあおもりチーム
団体のヒアリングで見えてきたのは、「寄付者の賛同者が増えない」「フリースクールの理解が進まない」「保護者やお子さんに情報が届かない」といったこと。また、会員やスタッフの方々からは、「安定的な生徒の確保が難しい」など。
それらの声を踏まえて、「総合リーフレット」のほか、「子ども用」「保護者用」「支援者用」と更に3つのチラシも作成しました。
「プロボノの方々は、熱心にヒアリングをしてくださり、本当にありがたかった。また修正もお願いしてしまったが、お忙しい中、責任を持って取りくんでいただき、本当にありがたい。」
「このメンバーの方々とこれでやりとりがなくなるのがさみしいくらい、親身になってくださり、楽しかった。感謝しかない。」
「これを活用して、今後我々も頑張っていきたい。」
というコメントがありました。
(4)NPO法人婆娑羅凡人舎チーム
成果品としては、特別なスキルや知識がなくても活用できるツールを使い、30代の子育て中の家族をターゲットに想定して作成しました。
「当団体業務が忙しくなって十分なサポートができなかったと思うが、パパボノ・ママボノさんたちががんばってくださり、すごく素敵なHPができた。婆娑羅さんもとても満足されていた。」
「去年、今年とママボノチームの活動を見させていただいたが、去年も今年も感動させていただいた。」
「完成したサイトの活用方法もいろいろ考えてくださり、婆娑羅さんもSNSなど活用していくということで、今後浪岡の魅力をどんどん伝えていきたいということでした。」
というコメントがありました。
(5)はちのへ女性まちづくり塾生の会チーム
料金設定に当たっては、団体側では「その金額に見合うものなのか?」という葛藤もあったようでしたが、参加者の満足度も高く、寸劇で詐欺防止を啓蒙するという社会的意義も高いので、質が高いことをされていると思いました。
最終提案としては、「依頼主の事情に合わせた価格設定」「時間・内容に合わせた価格設定」「従来どおり1人100円という価格設定」の3つとし、団体内で協議して、収益化を目指して頑張っていただきたい。
「プロボノさん達もそうだと思うが、距離感が難しかった。どこまで質問してよいのかなどがわからなかった。」
「アンケートは、講座の参加者にはとっていたが、講座を依頼した依頼主にとったことはなかったので、参考になった。」
「先ほどの成果提案ミーティングでいろいろ話し合って、見えてくることがあったので、整理させていただいて、役員会やスタッフで協議して、我々ができる形に落とし込んでいきたい。お忙しい中、本当にありがとうございました。」
というコメントがありました。
交流会
成果報告会終了後は、軽食とジュースで歓談タイム。これまでの苦労をねぎらうとともに、情報交換するなど、それぞれ交流を深めました。
気になりますね!
プロジェクト第3弾 「青森プロボノチャレンジ」シンポジウム
内容
本プロジェクトの第3弾として、2018-2019年の2年間にわたって県が実施してきた「青森プロボノチャレンジ」について、その取組内容や成果を報告し、青森県型地域共生社会の実現に向けて、NPOと、キャリアを活かしたボランティア“プロボノ”とが協働して社会貢献活動を行っていくためにはどのような課題があるか、実際にプロボノに取り組んだ方々のナマの声を聴きながら、理解を深めるシンポジウムを開催しました。
「青森プロボノチャレンジ」シンポジウム~キャリアを活かしたボランティアでNPOと社会貢献しよう~
【開催日時】
2020年1月31日(金) 13時30分~15時30分
【開催場所】
ラ・プラス青い森 2階 カメリア(青森市中央1-11-8)
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1.青森プロボノチャレンジ実施概要報告
認定特定非営利活動法人サービスグラント 代表理事 嵯峨 生馬 氏 -
2.青森プロボノチャレンジ検証結果報告
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 組織行動研究所 研究員 藤澤 理恵 氏 -
3.トークセッション
テーマ:「青森県の社会課題を解決するためにNPOと企業人との新しい関係を築こう」
[コーディネーター]
嵯峨 生馬 氏(認定NPO法人サービスグラント代表理事)
[パネリスト]
藤澤 理恵 氏((株)リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所研究員)
西川 智香子 氏(NPO法人コミュサーあおもり 理事長)
小笠原 秀樹 氏(NPO法人あおもりラジオくらぶ 理事)
報告者等紹介
シンクタンク研究員を経て、2005年、仕事の経験・スキルを活かしたボランティア活動「プロボノ」により、NPOの基盤強化を支援するサービスグラントの活動を開始。プロボノプログラムの企画・開発をはじめ、企業・行政・財団等、幅広いセクターとの協働を推進。現在、5,400人を超える社会人の登録を集め、840件以上のプロジェクトを実施。著書に『プロボノ』(勁草書房)。
研究員 藤澤 理恵(ふじさわ りえ)氏
人事制度設計のコンサルティングや、研修開発、組織調査などに従事したのち現職。
首都大学東京大学院・社会科学研究科・経営学専攻にて2015 年修士号を取得後、博士後期過程に在籍中。
企業人の社会貢献・プロボノ活動、育児休業、HRM の柔軟性、働き方改革などを題材とした調査を手がけ、組織を出入りする「越境」、仕事を自らリ・デザインし個を生かす「ジョブ・クラフティング」をテーマに研究を行っている。
パネリストの方々
◆西川 智香子 氏
NPO法人コミュサーあおもり理事長 。婚活、子育て支援、フリースクール運営事業を実施。同団体では、青森プロボノチャレンジ2018において婚活事業のイベント運営マニュアル作成、同チャレンジ2019においてフリースクール営業資料作成の支援を受けた。
◆小笠原 秀樹 氏
NPO法人あおもりラジオくらぶ理事兼ゼネラルプロデューサー。インターネットラジオ等を実施。青森プロボノチャレンジ2018支援先団体として、市民参加募集に向けたウェブコンテンツ作成の支援を受けた。また、同チャレンジ2019では、プロボノワーカーとしてNPO法人コミュサーあおもりを支援。
青森プロボノチャレンジ実施概要報告
<報告内容>
・青森プロボノチャレンジの概要について
・支援先と成果
・プロジェクト後の変化や影響
・特色と課題
青森プロボノチャレンジを2年間実施して、課題も残る部分はあるものの、おおむね満足いただけたこと、幅広い世代が参加することでいろいろと可能性を感じるプログラムだというお話をいただきました。
詳細につきましては、報告書をご覧ください。
→報告書[2589KB]
青森プロボノチャレンジ検証結果概要報告
<報告内容>
・ アンケート・インタビュー調査の趣旨・概要
・ 青森プロボノチャレンジ参加のきっかけ・期待したこと
・ プロボノ活動における経験の特徴
・ プロボノ活動で起こる内省
・ プロボノ経験を通じた学び・変化
プロボノは、「かなり気軽な気持ちで参加できる活動」ということで、大きな志でなくても一歩踏み出せる社会貢献の良い機会と言えそうです。
そこから得ていく学びとしては、
「自分の強みや関心を知ったり再確認する機会」
「他者との関わり方の引き出しが増える機会」
「生き方や働き方に関する考え方が柔軟になる機会」
となっています。
詳しくは、報告資料を御覧ください。
→検証報告書[1068KB]
トークセッション
◆トークテーマ◆
青森県の社会課題を解決するためにNPOと企業人との新しい関係を築こう
コミュサーあおもりでは、婚活事業とフリースクール事業の2つの事業を行っていて、それぞれ2年間で支援を受けたのですが、参加するときは大変だったが、その時間をやりくりしても、実際に活用できるものを提供いただけたこと、たくさんある課題の中の1つ1つを解決していただけたとのことで、感謝の言葉をいただきました。
これまでNPOや地域団体の方々の支援をする活動もされていたので、そういった団体については詳しい方でしたが、それでもまだまだ知らないことが多いという気づきがあったそうです。そして、団体の要望とメンバーの事務量の調整、ミーティングやヒアリングの日程調整などで苦労があったそうです。
その一方で、プロボノワーカーとしては、より多くの人に参加してもらいたい、そのことによって団体の成長につながる、というコメントがありました。
NPOとしては
「NPOが抱えている課題を知ってもらうこと」
企業としては
「働く人がプロボノを始める際のハードルを取り除くということ」
プロボノ個人としては
「ともかく飛び込んでみること」
ということがあげられました。
まだまだ地域に関わり切れていない人たちはたくさんいるので、「青森県型地域共生社会」実現のため、そういった方々を巻き込んでいくことで可能性が広がっていくのではないかという嵯峨さんのまとめで、閉会となりました。
トークセッションの内容(概要)については、下記ファイルを御覧ください。
→トークセッション(概要)[731KB]
関連ページ
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青森プロボノプロジェクト
※現年度のプロジェクトについてはこちらをご覧ください。 -
青森プロボノプロジェクト2018
※平成30年度実施した内容についてはこちらをご覧ください。 - 青森県ホームページ(ボランティア・NPOのひろば)
- 認定NPO法人サービスグラント(青森プロボノプロジェクト企画・運営)
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